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なろうモノ嫌いの異世界記  作者: 不連続がと
なろうモノ嫌いの異世界記
1/28

プロローグ

初めての投稿です。

コメント、感想など、反応がもらえたら飛び跳ねてよろこぶと思います。

評価☆☆☆☆☆も、すごーく欲しいです!

何卒、よろしくお願いします。


◇◇◇

キャラクター紹介ページを作りました!

https://note.com/friend_gato/n/nd70d9ab42abc?sub_rt=share_b


 「なろう系」なんて、現実逃避の極みだ。

 

 世に流行る、ラノベ、マンガ、アニメ、ゲームには、似たような話が溢れている。ある日突然、異世界に転生したり、転移したり、あるいは異世界の住人がパーティから追放されたりして、そこから自分だけが持つ特別な力で無双する。特別な力を得て、敵を蹂躙し、美少女や美男子たちに囲まれる──、そんな夢のような物語。

 

 彼らには努力なんて必要ない。最強の力を手に入れた時点で、すべてが確定する。

 都合のいい展開に次ぐ展開。その異常な力を振りかざし、主人公と、その取り巻きと、そういうのが好きな読者が気持ちよくなれるだけの、まぁ、そんな話だ。


 だが、俺には。



 これがどうにも受け付けない。馴染めない。



 あれを心から楽しんでいる自分を想像すると、背筋が寒くなる。ぞっとする。

 自分が、現実でろくに努力もしないくせに、異世界でなら成功できると本気で信じているかのようで。


 現実では努力しても報われないことがある。それは当然だ。世の中は理不尽にできている。どれだけ勉強したって、結果が出ないこともある。努力を重ねても、認められないこともある。大抵の人間は、そんな悔しさを抱えながら、日々を生きている。


 だが、それでも、報われることだってある。例えば、勉強を続けた結果、ある日ふと英語のニュースが聞き取れるようになったり。スポーツをしていたら、思わぬ場面で体力が活かせたり。何かに打ち込んでいたら、誰かが見ていて、思いがけないチャンスをもらえたり。


 そうやって、少しずつ積み上げたものだけが、人生を変えてくれる。


 けれど、いわゆる「なろう系」の主人公は、そんなものを一切必要としない。その話の基点から、「最強」だ。魔法が使えて当然、剣を振れば達人並み、知識チートで商売も成功。


 ──嫌にならないか?なぜなら、自分は、「そう」じゃないから。


 「こんな人生があったらいいな」と憧れる気持ちはわかる。


 でも、そういう話ばかりが持て囃されることに、俺はどうしようもなく違和感を覚えてしまうのだ。


 そもそも、現代の一般人が突然ファンタジーの世界に送り込まれたら、どうなるだろうか?武器の扱いも知らない、魔法なんて使えない。衣食住すらままならない。生き延びるだけで精一杯のはずだ。

 仮に、転生先で、誰からも愛される最高の人格を持ち、最強の力を持てるような人間がいたとしよう。そんな人物は、住む世界が現実世界であったとしても、既になにか相応の結果を残しているのではあるまいか。



 ──そんなことを考えたのは、ほんの気まぐれだった。



 創作は娯楽である、ファンタジーとして楽しんで、生活に良い影響を与える励みになっているのならば、それを否定する気は全く無かった。

 どんな話にも需要がある。受け手の自由だ。俺が何を言ったところで、何かが変わるわけでもない。


 と同時に。


 心の奥底では、俺もまた、「逃げたい」と思っていたのではないか?


 誰かの加護を受けて、何もかもが思い通りになる、そんな世界を──。

 努力せずとも称賛され、絶対的な力を振るえる場所を。俺も、心のどこかで、望んでしまっていたのではないか?


 だからこそ、拒絶していたのか。そんな自分を、直視したくはなかったから。


 だが、もしかしたら、こういう意地悪な考えを持ってしまったことに対する罰なのかもしれない。



 人生というのは、往々にして──、「起きてほしくない」ことに限って、起きてしまうものなのだ。


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