靉靆
痛いくらい
肌に針を刺して
この寂び朽れた夜を
どうでもよくしたい
心は依然青いままで
気が抜けばそれだけで
雫のように垂れてしまいそう
締まっていた中身の奇食も一緒に
こぼれてくるんだろうか
それなら腸はこぼれないでいて欲しいな
痛いくらい
痛いくらい
ひりひりするぐらい
肌に針を刺して
肌に針を刺して
肌を剥いて
この寂び朽れた夜を
この寂び朽れた夜を
この酸素が贅沢に使われて
結果錆びて鉄の匂いがする夜を
とうとう雲と霞の見分けがつかなくなる
たなびくはずだった
もうどうでもよくしたい
もうどうでもいいにしたい
もうなんとでも言える手招きに変えたい