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幼馴染が魔王/勇者でした。  作者: 夕藤さわな
08.拘束編

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08-01 どんな力なんですか、リカ!?

「いーやーだぁぁぁーーー! 僕もジー君といっしょに行くー! ジー君といっしょに国王と面会するー! ジー君一人でなんて行かせない! 行かせたくないぃぃぃーーー!!!」


「勇者様が……僕の推しが三才児みたいなダダのコネ方をしている! 床をゴロンゴロン転げまわって三才児みたいなダダのコネ方をしているぅぅぅーーー!!!」


「朝から元気ですね、リカもラレンも」


 床をゴロンゴロン転がるリカと髪をかきむしるラレンをあきれ顔で眺めてバラハはため息をついた。


「昨日もらった手紙に書いてあっただろ。ラレンは一番上のお兄さんと、ジーは国王陛下と面会。俺たち三人は二番目のお兄さんと軍関係者といっしょにアーロン男爵の取り調べだって」


「僕が行かなくても取り調べはできる!」


「リカの〝女神の懺悔〟の検証もかねているって書いてあったでしょう」


「でもーだってぇーーー」


 すっかり幼児化しているリカにオリーとバラハはげんなり顔になる。そんな二人を見てあいかわらず淡々とした表情だけれど心の中では苦笑いしているジーがリカに向き直った。


「忙しい国王に無理を言って面会時間を作ってもらっている身なんだ。あまりわがままを言うわけにはいかない。わかってくれ、リカ」


「約束したじゃない。ジー君のそばを離れない、ジー君の手を絶対に離したりしないって」


「……リカ」


「それにジー君の敵は僕の敵。ジー君を傷付けようとする者がいるなら僕は全力でジー君を守るし、傷付けようとする者たちを全力で排除する。それが例え、国王であっても! ラレンのお父さんであっても!」


「ゆ、勇者様ぁぁぁーーー!」


「リカ、排除はしないでくれ。国王であろうとなんだろうと排除はしようとしないでくれ、絶対に」


 大真面目な顔で首を横に振るジーを見つめてリカは唇をとがらせた。


「でも……だけど……!」


「ラレンも同席してくれる。だから心配するな、リカ」


「そうですよ、勇者様。魔王コイツと父の面会には僕もリレマー兄様も同席することになってます。その前にリレマー兄様の執務室で話をすることになってはいるけど、二人の面会時間には切り上げて同席しますから。なんの話なんだかさっぱりわからないけど、何があっても時間になったら切り上げて同席しますから。……本当になんの話なんだろ。怖っ」


「……ジー君、ラレン」


 大丈夫だ、心配するなと念を押すようにリカの目をのぞきこむジーと、兄の話が想像つかなくて頭を抱えて青ざめるラレンの説得により、リカはようやく三才児状態を脱却する気になったらしい。


「わかったよ、ジー君。でも、お守りに一つ、おまじない的なものをかけさせてほしいんだ」


 すっくと立ちあがったリカはジーの手を取るとぎゅっとにぎりしめた。

 かと思うと――。


「〝女神の執着〟」


「……執着?」


 ぼそりと何かつぶやいたし、神剣も淡く白い光を放った。あきらかに女神アルマリアに授かった力を使っている。どう考えても女神アルマリアに授かった力を使っている。

 でも、リカはニコニコと微笑むだけだ。ジーがオウム返しに尋ねたけれどニコニコニコニコと微笑むだけだ。


「執着? 勇者様、今、〝女神の執着〟って言いませんでしたか?」


「女神アルマリアから授かった力だよな。どう考えても女神アルマリアから授かった力を使ったよな、リカ!」


「どんな力なんですか、リカ。〝女神の執着〟ってどんな力なんですか、リカ!?」


 ラレンとオリー、バラハに詰め寄られてもリカは少しも三人に顔を向けようとしない。ただ、微笑んでこう言った。


「例え、ジー君のそばを一時的に離れても、一時的に手を離すことになっても、ジー君を傷付けようとする者がいるなら僕は全力でジー君を守るし、傷付けようとする者たちを全力で排除するから」


 ニコニコニコニコニコニコと微笑みながらジーを見つめて、こう言った。


「絶対に、全力で排除するからね」

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