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幼馴染が魔王/勇者でした。  作者: 夕藤さわな
04.星空編

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04-07 一晩、雑魚寝っておかしいとは思いませんか!?

「これがジー君のお部屋……ジー君のお部屋にお泊り……!」


「魔王城内にある魔王の部屋で勇者パーティな僕たちが一晩、雑魚寝っておかしいとは思いませんか、勇者様」


「ジラウザ様の布団の隣に布団を敷いておきますね、同志リカルド」


「ジーキルさん……いや、同志ジーキルよ!」


「魔王城内にある魔王の部屋で勇者パーティな僕たちが魔王といっしょに一晩、雑魚寝っておかしいとは思いませんか、勇者様!? 危機感を覚えませんか、勇者様ぁぁぁあああーーー!!!」


 ジーが持て余している広い部屋の、家具も何も置かれていなかったスペースにジーキルが運んできた四組の布団とジーのベッドに敷かれていた一組の布団が並べられている。

 リカはにっこにこの笑顔でジーキルに向かって親指を立てているし、ラレンは頭をかきむしっているし――。


「さ、夕食の支度をするぞ」


「明日は朝早いんですからさっさと食べてさっさと休みましょう」


 オリーとバラハはすっかり状況に順応して夕飯の支度を始めている。


「すまない。本来なら私の客人としてもてなさなければならないところなのに自炊してもらうなんて……」


「気にするなって、ジー!」


 心の中ではどんよりと暗い顔をしているのだろう、ガックリと肩を落とすジーの背中をオリーはケラケラと笑いながら叩いた。


「まさかジーキルさんの取り計らいでこっそり魔王城に招き入れてもらってたとはな!」


「私たち勇者パーティと魔族はそもそも倒すか倒されるかの関係ですもんね。魔王城でお茶を飲んで、夕飯を食べて、一泊するなんてのんきが過ぎますもんね」


「そのうちお茶を飲むと一泊するは実行する気満々なんだけどね。倒すか倒されるかの関係なのに! 魔族の長である魔王なコイツといっしょに! のんきに実行する気満々なんだけどね!」


 のんきに笑うオリーとのんきに微笑むバラハにラレンは地団駄を踏む。

 そして――。


「崇め奉るべき王様であるジー君にコソコソさせるとは……よし、滅ぼそう。やっぱりすべての魔族を滅ぼそう」


「リカ、やめてくれ、リカ」


 すらりと鞘から神剣を抜くリカをぷるぷると震えながらジーが止めた。


 幼馴染で親友であるリカと、その仲間であるオリー、バラハ、ラレンはジーにとって客人だ。もてなし、ジーと共に温かく美味しい食事を取ってもらいたいところだ。

 でも、魔族たちは人族を恐れている。魔族を滅ぼそうとしている勇者パーティの面々ともなればなおのこと。

 ジーと共に食事を取るわけにもいかないし――。


「調理もできるだけこっそりお願いします。バルコニーから煙が立ちのぼっているのに気が付いて警備兵が駆けつけてくる可能性もありますから」


「こっそり自炊か。一気に難易度があがったな」


 勇者パーティが魔王城内にいることがバレるわけにも、不審がられて様子を見に来られるわけにもいかないのだ。


「私の火魔法と風魔法に任せてください。繊細な杖さばきで煙も湯気も出させません」


「ジーキルさんが持ってきてくれたパンとジャムで十分なんじゃないかな。ジー君が大好きな温かいお茶もあるしね」


 フフフフ……と不気味な笑い声をあげながら杖を構えるバラハとジーキルがこっそり調理場から持ってきたフワフワのパンを早速、頬張っているリカにラレンは地団駄を踏んだ。


「魔族から渡されたパンとジャムとお茶ですよ!? さも当たり前のように食べないでください、勇者様! 飲まないでください、勇者様!」


「いや、でもジーキルさんが用意してくれた物だし」


「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ、ラレン。ジーキルさんは良い人です」


「オリーもバラハもこの状況に馴染むな! この状況を受け入れるな! ここが魔王の私室で相手が魔族だってわかってる!? 良い人じゃないよ! 百歩譲って良い魔族だよ、良い魔族ぅぅぅうううーーー!!!」

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