志村ケンジの大後悔時代
マジですいません。お盆遊びすぎました。
こっからまた切り替えて仕事も執筆も頑張ります…(絶望)
志村「ああああああああああああああ!!」
加藤「なんだよ急に…」
高木「ビックリした…」
志村「ひゃ、ひゃ、100円落としたあアアアアアアア!!」
加藤「あー、ドンマイ(笑)」
高木「まあ、そういうこともあるわ(笑)」
志村「笑い事じゃねえ!!」
加藤「は??(笑)」
高木「いや、笑い事だろ(笑)」
志村「100円だぞ!?あの100円を落としたんだぞ!?」
加藤「まあ、うん(笑)」
高木「そりゃ、ムカつくけど(笑)」
志村「ああああああああああ100円落としたあアアアアアアア!!クソが!!クソッタレが!!なんで俺ばっかりこんな目に合うんだ!!世界で一番不幸だ俺は!!」
加藤・高木「「いや、大袈裟か!!」」
志村「100円あれば何ができるよ!?何でもできるわ!!」
加藤「今時、そんなにできねえよ!!」
高木「100円じゃ、自販機でジュースも買えねえぞ!?」
志村「やかましい!!この俺が、何よりも大事な、命よりも大事な「お金」を落としてしまうなんて!!ああああああ!!一生後悔する!!どれだけ悔やんでも悔やんでも悔やみきれない!!」
加藤「いや、人が死んだ時レベルの悔やみ方!!」
高木「大袈裟なんだよ!!たかが100円だろうが!!」
志村「たかが100円だと!?100円をナメんな!!大金だぞ!?」
加藤「あーもういい。一生そこで後悔してろ(笑)」
高木「100円でここまで騒げるのがスゲエわ…(笑)」
志村「なんてバカなんだ俺は…もういい、自分を徹底的に戒める」
~次の日~
加藤「おいーーす。ギリギリセーフ(笑)」
高木「相変わらずギリギリだな(笑)」
加藤「お前もな(笑)」
高木「まあどうせ、志村のバカが遅刻してるから安心だけどな(笑)」
加藤「それな。下を見ると安心するからな(笑)」
志村「…………………」
加藤「あれ!?志村!?」
高木「なんでお前が、もう学校にいるんだ!?」
志村「俺は今日、始発で学校に来た…」
加藤「はあ!?」
高木「何してんの!?」
志村「これは、自分への戒めだ」
加藤・高木「「は??」」
志村「自分への罰則だ。100円落とした自分への罰だ!!」
加藤「まだ引きずってたのそれ!?」
高木「どんだけ後悔してんだよ!?」
志村「あろうことか、金を落とすなんて絶対にあってはいけない事だった。あんな落ちる可能性のあるポケットに大事な大事なお金を入れるなんて、絶っ対に、死んでもやっちゃいけなかったんだ!!お金は必ず財布に入れる!!これは絶対事項だ!!」
加藤「いやまあ、たまにポケットに入れちゃう事あるけどさ…(笑)」
高木「うん。片手がふさがってる時とかな(笑)」
志村「ダメだ!!荷物を置いて、必ず財布の中にいれる!!わかったか!?」
加藤「え??俺達に言ってたの!?」
高木「まあ、考えとくわ(笑)」
志村「そんな大きなミスをした俺は、罰則を受けて当然だ。これから1週間は、俺の苦しむことを徹底的にやる。授業も真面目に受けるし、人の話もちゃんと聞くし、宿題もやる」
加藤「いやそれ、めっちゃいい事じゃね??(笑)」
高木「模範的生徒になってるやん(笑)」
志村「そしてゲームや漫画などのは禁止し、金も徹底的にかけない!!飯も全部抜く!!」
加藤「いや、やりすぎだって!!」
高木「100円ごときで、どれだけ自分を戒めるんだ!?」
志村「それだけ、金の価値は重いってことだ…」
加藤「働いて取り返せばいいだろうが!!」
志村「取り返すも何も、俺はいつも徹底的にバイトを入れて余すところなく金を稼いでいる。つまり、収入が増やせないのであれば、支出を減らすしかない!!わかったか!?」
加藤「でもまあ、こっちの方が志村のためにはいいんじゃね??(笑)」
高木「確かに。真面目になるってことだもんな(笑)」
志村「ああああああああ!!これも全て、金を落とした俺のせいだ!!ああああああああ!!」
加藤・高木「「さっさと切り替えろや!!」」
~5日後~
志村「あああああああああ!!100円がああああああああ!!」
加藤「いや、まだ引きずってたの!?」
高木「いい加減に切り替えろっつーの!!」
志村「だが、今週もあと2日。土曜日と日曜日を乗り切るだけだ。土曜日は部活終わった瞬間すぐに帰って何もしない。遊ばない。それで乗り切れる!!」
加藤「えーマジで??みんなでサイゼリヤ行こうぜ??(笑)」
志村「死んでも行かない!!これは戒めなんだ!!」
加藤「マジかよ…つまらんな(笑)」
高木「あれ??そういえば今週の日曜日、お前ら試合じゃなかったっけ??」
加藤「あーそうだな。確か、かなり遠い所だった気がする。神奈川の下の方とかだったかな??」
志村「なにいいいいいいいいい!?!?」
加藤「なんだよ急に!?」
高木「耳元で大声を出すな!!」
志村「その話、本当か!?」
高木「いや、何でお前が知らないんだよ!!加藤と同じテニス部だろ!?」
志村「完全に忘れてた…」
加藤「電車でここから2時間以上かかるからな。遅れるなよ??(笑)」
志村「まだ戒め中だからな。遅刻なんて死んでもしない」
加藤「戒め中じゃなくてもするな!!」
志村「電車…2時間以上か…」ブツブツ
加藤「なんだ??」
~日曜日、試合当日~
顧問「よし。これで全員集まったか??そろそろ集合時間だが…」
加藤「先生。志村がまだ来てません」
顧問「はあ!?何してんだあのバカ…誰か連絡は??」
加藤「それが、さっきから誰からの連絡も出ないんです」
斎藤「いくら電話かけても繋がりません」
顧問「心配だな…誰か「一緒に行こうぜ」とか誘わなかったのか??」
加藤「いえそれが、誘ったんですけど「俺は1人で行くから」とか言い張って、絶対に一緒に行こうとしないんで諦めました」
顧問「そうか…電車の遅延とかか??」
加藤「いや、アイツの乗ってそうな電車、どれも遅延してないですね」
顧問「じゃあ、普通に寝坊か…あのバカたれ…」
加藤「まあ、それが一番可能性高いですね(笑) 連絡が取れないのも寝てるからでしょう(笑)」
顧問「本当にどうしようもない奴だ。説教だなこりゃ」
志村「間に合いましたああアアアアアアア!!」
顧問「この声は、志村!?」
加藤「なんでチャリ持ってんの!?」
志村「ゼエゼエ…ハアハア…ギリギリ間に合ってますよね!?」
顧問「まあ、そうだな。ちょうど集合時間ピッタリだ(笑)」
志村「ゼエゼエ…ハアハア…良かった…」
加藤「おいお前、ケータイ出ろや!!」
斎藤「ホントだよテメエ!!心配したんだぞ!?」
志村「すいません…チャリをぶっ飛ばしてここまで来たんで、全然ケータイ見る余裕なくて…」
加藤・斎藤・顧問「「「は??」」」
顧問「え??何て言った??」
志村「全然ケータイ見る余裕なくて…」
顧問「の前!!」
志村「すいません」
顧問「の後!!」
志村「…」
顧問「の後だボケエ!!」
志村「チャリをぶっ飛ばしてここまで来ました」
顧問「正気か!?ここまで何キロあると思ってる!?」
志村「ですが、これで電車代を浮かせることができました…」
顧問「いやどんだけだよ!?」
加藤「お前バカだろ!?疲れ果てて試合どころじゃねえだろ!?」
志村「いーや。これはアップだ。お陰で足が元気いっぱいだぜ!!」
プルプルプルプル
加藤「プルプル震えてるじゃねえか!!」
志村「心配ない。たかだか120キロを10時間チャリをこいで来ただけだ」
加藤「たかだかじゃねえ!!」
斎藤「え??じゃあお前、徹夜してここまで来たってこと??」
志村「当然だ!!目がギンギンにさえわたってやがるぜ!!」
斎藤「バカだろ!!マジでバカだろコイツ!!」
加藤「いやだから、普通に働いた方がコスパいいから!!」
志村「そんなことはわかっている!!これは自分への戒めなんだ!!100円を失くしたゴミクソバカな自分への戒めなんだ!!」
加藤「まだこだわってたのそれ!?」
斎藤「何がお前をそうさせるんだ!?」
志村「この苦しい思いをすることで、俺はもう二度と金を落とすなんてバカで愚かでどうしようもない行為をしなくなるだろう…」
加藤「たかが100円落としただけで、どんだけ精神を追い詰めてんだ!?」
~3時間後~
審判「ゲームセット!!志村選手、無得点で1回戦敗退!!」
志村「あれ…??足が思うように動かない…」膝プルプル
加藤「膝ガクガクじゃねえか!!試合どころじゃねえ!!」
志村「畜生…!!あんなに練習したのに…!!」
加藤「100円や交通費よりも、遥かに大事なモノを失ってる!!」
志村「いいんだ、これも戒めだ。金を落としたバカな自分への罰だ!!」
加藤「普段から、そんくらいストイックに生きろよ!!」
~試合終了、解散~
加藤「何??お前自転車で帰るの??(笑)」
志村「当たり前だろ??ここに置いたままだと、明日使えねえだろうが!!」
加藤「今から10時間のチャリかあ…(笑)」
志村「単純計算でも、明日の朝4時には家に帰れるな」
加藤「おっそ!!そんなんで明日、学校来れんのか!?」
志村「任せておけ。体力には自信がある」
加藤「絶対に遅刻しそう…(笑)」
志村「まあ確かに、もう戒め期間は終わったから、遅刻してもいっか(笑)」
加藤「「戒め期間」以外は、本当に怠惰だなコイツ!!」
志村「だって、授業めんどくさいし」鼻くそホジホジ
加藤「ヤバいなコイツ…(笑) あ、ところで今からみんなで飯行くけど、お前来ない??」
志村「行くわけねえだろうが!!俺はまだ戒め期間中だぞ!?」
加藤「どんだけ厳密に戒め期間を設けてんだよ!!もういいだろ!?」
志村「いーや。この苦しさから人は学んで成長するんだ。覚えておけ」
加藤「はあ…わかりましたよ(笑)」
志村「大体、俺は金ねえんだから飯なんて行けねえっつーの…って、あれ??」ゴソゴソ
加藤「え??」
志村「あれ??財布が、ないんだが…」
加藤「え??お前、まさか…(笑)」
ガサゴソガサゴソ
志村「…………………」
加藤「………………?」
志村「財布、落としたんだけど…」
加藤「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!ダッサ!!あんだけ自分を戒めておいて、全然学習してねえじゃんお前!!(笑)」
志村「そんなバカな…小銭はともかく、まさか財布ごと落とすなんて…」
加藤「いや明白やん。そのポケット、穴開いてるし(笑)」
志村「なにイ!?本当だ!!」
加藤「気づいてなかったの!?」
志村「この穴…オシャレ穴だと思ってた…」
加藤「やっぱりバカだコイツ!!」
志村「畜生…俺の300円が…」
加藤「全然金は入ってねえじゃねえか!!ダメージ少な!!」
志村「バカ野郎、300円だぞ!?超大金だ!!」
加藤「そう思ってるのはお前だけだ!!」
志村「しかも、俺の失くした財布代も考えなきゃいけない…」
加藤「まあそれは確かにな。どこで買ったの??」
志村「いや、母さんの手作りだった…」
加藤「じゃあ0円じゃねえか!!」
志村「そうだけど、300円がでかすぎる…マジで死にたいわ…」
加藤「だから大袈裟だっつーの!!漫画1冊、我慢すればいいだけだろうが!!」
志村「仕方ない。今度九州にいる親戚に会いに行く時、自転車で行くことにしよう」
加藤「マジでやめろ!!絶っ対にたどり着けねえから!!」
~完~