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ヤンキードラマ、昔よく流行ったな

北野「昨日のさ、ヤンキードラマ見た??」


森田「え??何それ??」


北野「はあ!?お前見てねえの!?「お前のことは命に代えても俺が守る」略して「おまも」!!めっちゃ面白いぞ!!」


森田「全然面白くなさそう!!タイトルから全く惹かれない!!」


北野「わかってねーなー。あのヤンキーから女の子を守る主人公、マジでカッコいいんよ!!」


森田「どういう話なの??」


北野「ヤンキーに絡まれてる女の子を助ける」


森田「うん。それで??」


北野「以上だけど」


森田「はあ!?え??単発ドラマ??」


北野「いや連ドラだけど。全部で25話ある」


森田「しかも長め!!2クールやってやがる!!」


北野「1から5話でヤンキー達の会話を永遠にして、6から10話でヤンキーがヒロインをナンパして絡んで、11から15話でヤンキーが主人公を脅して」


森田「驚異的な引き伸ばし!!視聴者絶対に離れる!!」


北野「そして最後の16から25話で、ヤンキーと主人公の熱い戦いが展開されるんよ!!いやーあれは熱いバトルだったわ…で、最後ヒロインが惚れて終わり」


森田「絶対に見ない!!ゴミドラマだ絶対!!」


北野「でも視聴率は30%で、第2シーズンも確定してるぞ??」


森田「どうなってんの!?みんな我慢強すぎ!!」


北野「ま、普通に面白かったからなー」


森田「へえ。でも北野君もそんなの見るんだね」


北野「当たり前よ。俺だったら、もっとヤンキーどもを早く瞬殺できるのになあ…って妄想しながら見てるわ」


森田「痛い妄想だなあ…聞いてて恥ずかしい」


北野「でもズルいよな…あの主人公」


森田「え??」


北野「現代日本じゃあさ、あんなヤンキーに絡まれるなんて事件、起こらないじゃん絶対」


森田「まあ、絶対とは言わないけど、早々起こらないよね」


北野「だから、俺もあのドラマみたいにヤンキーをボコして、惚れられるとかいうチャンスが無いわけよ」


森田「えっと…??」


北野「俺だって、確実にあの状況にあったら、主人公みたいにヤンキーをボコせるのになあ…残念ながら、今の日本じゃあそのタイミングが無いんよね…」


森田「こんな痛いこと言う高校生がいたんだ…ホントに一緒にいて恥ずかしい…」


北野「あーあー!!ヤンキーとかが絡んでこないかなー!!そしたら秒でシバき倒すのに!!」


森田「はあ…他人のフリしよ…」


北野「あーあ。俺にもドラマみたいなチャンスが欲しいわー!!」


森田「神様。どうか与えてあげてください。このクズが調子に乗らないように」


ヤンキー「おいねーちゃん!!ちょっと向こうで遊ぼうや!!」


女「…………………」


ヤンキー「え??無視ですか??冷たいなー(笑)」


女「…………………」


ヤンキー「ねえねえ。俺と遊ぼうよ!!イイコトしようや!!」


女「…………………」


北野「…………………」


森田「…………………」


森田(キタアアアアアアアアアアアア!!神様ありがとう!!この状況を作ってくれてありがとう!!)


森田「あれ??北野君、出番じゃない??(笑)」


北野「え!?あ、あ、ああそうだな!!」


北野「…………………」


森田「…………………」


北野「…………………」


森田「………………?」


森田「いや、何してんの??早くナンパを止めに行きなよ!!(笑)」


北野「いや、あれはナンパじゃないかもしれない。もう少し様子をみよう」


森田「どう考えてもナンパだろ!?あれほどわかりやすいナンパ、今時無いと思うよ!?」


北野「まだわからない。ナンパ冤罪は彼らにも失礼だ」


森田「ナンパ冤罪って何!?」


北野「だから、もう少し様子をみよう」


森田「あれ??もしかして北野君、ビビってる??(笑)」


北野「は、はああ!?そ、そ、そそそそそそんなわけねえじゃん!!ビ、ビビビビビってる!?こ、この俺が!?俺様が!?」


森田「うん。だって何もしないじゃん(笑)」


北野「あーいいよいいよわかったよ。そういうこと言うなら、やってやるよ。俺やってやんよ」


森田「どうぞどうぞ」


北野「マジでやるからな!?後悔しても知らねえぞ!?」


森田「いや、僕は別に関係ないんですけど!?」


北野「おいテメエら!!ちょっと待て!!」


ヤンキー「あ??」


北野「いい加減にしろ!!いい歳してナンパなんて、恥ずかしくねえのか!?」


森田「あのさ、北野君…」


北野「お前らさあ、ダセえんだよ!!集団でか弱い女の子を囲うなんて…恥を知れ!!」


ヤンキー「何だとテメエ…」


北野「かかってこいよ!!性根を叩き直してやる!!」


森田「あのさ、北野君さあ!!」


北野「え??何??」


森田「カッコイイことを言うのはいいけど、僕の後ろに隠れながらいうのやめてくれるかな…??」


北野「い、いや…なんかこの位置が居心地よくて…」


森田「居心地よくて…じゃねえよ!!正々堂々と前に出て発言しろ!!」


北野「や、やめてくれ!!俺はお前の後ろを守ると決めたんだ!!」


森田「はあ!?何言ってんの!?」


北野「お前の背中を、俺に預けろ」


森田「背中に敵いねえから!!カッコつけんな!!」


北野「だからお前は、前だけ向いていればいい。」


森田「前にしか敵はいねえんだよ!!」


ヤンキー「おい。今俺様に文句言ったのは、どこのどいつだ??」


北野「別にどこのどいつでもいいだろ。そんなことよりナンパなんてダセエ真似はやめろ」


ヤンキー「ああん!?」


北野「…ってこちらの森田が言ってました」


森田「おい!!責任を擦り付けんな!!」


ヤンキー「テメエか!?テメエが悪いのか!!」


森田「違います!!」


北野「近寄るなよ口くせえんだから。ちゃんと歯くらい磨けよゴミ」


ヤンキー「ああん!?」


北野「…ってこちらの森田が言ってました」


森田「もうやめろそれ!!言ってないから!!全部この後ろにいる北野だから!!」


ヤンキー「森田、絶対許さねえからな!?」


森田「なんで騙されんの!?どう考えても僕じゃないでしょ!!」


北野「おい森田!!お前最低だな!!」


森田「言ったのはお前だろうが!!」


北野「こちらの方に、なんて口を利くんだ!!謝れ!!」


森田「どんな気持ちで言ってんのコイツ!?」


北野「ヤンキー様。うちの森田が大口叩いてホントすいません」


森田「ヤンキー様!?」


ヤンキー「お前が謝る必要はない。問題はコイツだ」


北野「間違いないですね。任せてください。必ず俺が謝らせます」


森田「なんでいつの間に部下みたいになってんの!?」


北野「おい森田。マジでよくないって。ヤンキー様にそんな口きくのはさあ…」


森田「いや、だから僕じゃないんだけど!?」


北野「ヤンキー様。またコイツが舐めた口きいてました。「謝るわけねえだろ。脳ミソ腐ってんな死ねよ。てかぶっ殺すぞ?」って言ってました」


ヤンキー「そうか。じゃあいよいよコイツを潰すしかねえな…」


森田「いや違います!!全部こっちですって!!この北野とかいうゴミクズです!!」


北野「それから、「マジで死にやがれキモヤンキー。バーカバーカバカアホドジマヌケー(笑)」」


北野「…ってコイツが言ってました!!(笑)」


森田「コイツ調子乗ってる!?しかも暴言めっちゃ低レベル!!」


ヤンキー「いや、今のは明らかにお前が言ってただろ。バカじゃねーの」


北野「え…??」


森田「ついにバレた!?てか最初から気づけよ!!」


北野「違います!!俺じゃないです!!信じt」

ヤンキー「いや、どう考えてもお前が言ってただろ。そんなの誰が騙されんだよ」


森田「いやアンタだいぶ騙されてたけど!?」


北野「いやいやいやいや!!そんなわk」

森田「そうです!!今までの暴言は全て、この北野とかいう奴です!!コイツが僕が言ったことにしてきたんです!!全部コイツの発言です!!」


ヤンキー「やっぱテメエだったのか!!殺すぞコラ!!」


北野「ひいい!!」


ヤンキー「マジでナメやがって…ぶっ殺す!!」


北野「い、いや違いますって!!俺じゃないですよ!!」


森田「明らかにコイツですね。この僕の後ろで縮こまってるクズです」


ヤンキー「言いたいことあんなら、言えよオイ!!はっきりとよお!!」


森田「ほら前に出なよ北野君(笑)」


北野「ゴニョゴニョ…」


ヤンキー「あん??なんだって??」


北野「いや、えと、あの、その、えーとですね、その…ナンパとか、やめた方がいいのかな、とか、思ったり、思わなかったり、みたいな??」


ヤンキー「はあ??何言ってるか全然わかんねえんだけど…」


森田「僕も全然わからないです(笑)」


北野「だ、だから!!あの、その、えと、あのその、ナンパとか、やめ、やめやめやめあばばばば…」


ヤンキー「なんだコイツ!?キモ!!」


森田「普通にしゃべれないなら、ヤンキーにケンカ売るんじゃねえ!!」


北野「…………………」


ヤンキー「あ??なんか黙りこくったぞ??」


森田「失神したのかな?(笑)」


北野「本当に、すいませんでした!!」


森田・ヤンキー「「は??」」


北野「僕達が間違っていました!!本当にすいませんでした!!」


森田「急に謝りだした!?別に僕達は間違ってないと思うけど!?」


北野「本当にしゅいましぇんでした!!焼き土下座でもスライディング土下座でも靴ペロペロでもなんでもするんで許してくだしゃい!!」


森田「急に逃げ腰になった!?超ダッサ!!」


北野「ヤンキー様の素晴らしさがようやくわかりました!!ナンパができるなんて、本当にカッコイイ!!マジ尊敬してるっす!!」


森田「手のひら返しがスゴイな!!」


ヤンキー「そうだろうそうだろう」


北野「なんでこんなイケメンなんだろう…この顔でナンパなんてされたら、むしろ女性側が大喜びですね!!ホイホイついてきちゃいます!!」


ヤンキー「そうだろうそうだろう」


北野「マジでリスペクトっす。これから一生、ヤンキー様についていきます!!」


ヤンキー「そうだろうそうだろう」


森田「ちゃっかり舎弟になろうとしてる!?」


北野「さあどうぞどうぞ、いっぱいナンパしちゃってください!!」


森田「ナンパを促進するな!!」


~完~

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