後輩に優しくすればいいというものではない
荒井「おいお前達」
加藤「はい??」
荒井「今、中学生の後輩たちが見学に来ている。面倒を見てやってくれ」
加藤「えーーー…」
志村「めんどくさ…」
荒井「なんだコイツら!?ただでさえ下手くそでクソ使えねえゴミ2人組なんだから、こういう時くらい働きやがれ!!」
加藤「いや口悪!?」
志村「何もそこまで言わなくても!?」
荒井「いーや。テメエらにはこんくらい言わなきゃ効果がないからな」
加藤「俺達をなんだと思ってんすか!?」
志村「死ぬほどいい後輩じゃないっすか!!」
荒井「自分からそんなことを言う「いい後輩」は存在しない。よく覚えとけ」
志村「まあそもそも、荒井先輩が全っ然いい先輩じゃないからな(笑)」
荒井「あ??」
加藤「確かに。そんな上手くない癖にいつも威張り散らして、メンドクセーことはすぐに押し付けて。本当にロクでもないしな(笑)」
志村「そうそう。口答えしたらすぐキレてくるし。情緒不安定だし(笑)」
加藤「それな。女にフラレたら機嫌悪くなるし。よくいるゴミクズ先輩って感じ」
荒井「あんだとゴルァ!!さっさと後輩たちのところいけクソボケが!!」
加藤・志村「「ひいい!!」」
加藤「まったく…なんで俺達がこんな目に…」
志村「顔も知らねえ中3の面倒なんて、なんで俺達が見なきゃいけないんだよ」
加藤「マジでそれな。浜田に押し付ければ良かった」
志村「あ、アイツらじゃね??」
「「「こんちゃーす」」」
加藤「おっす」
志村「君達が、手荷府里中学のテニス部の子達??」
越前「はい。今日は先輩方の練習風景を見に来ました。越前です」
手塚「手塚です」
大石「大石です」
加藤「そっかそっか。よろしくな」
志村「見学なら、あの位置がよく見えるかもな」
加藤「そのうち、コートの中にも呼ぶかも」
志村「そしたら一緒に練習しようぜ」
越前・手塚・大石「「はい!!」」
〜移動〜
加藤「なんだ、全然いい奴らじゃんか。礼儀正しいし」
志村「それな。どんな生意気なガキが来るのかとヒヤヒヤしてたわ(笑)」
加藤「これなら、来年もし入ってくれたら、いい後輩になりそうやな」
志村「それな。早くあの荒井とかいうウザ先輩にいなくなって欲しいとこやけど(笑)」
加藤「確かに。早く俺達が最高代になりてえな」
〜練習中〜
加藤「おりゃあ!!」バコ!!フワ〜
加藤「クッソ、上手くいかねえな…」
志村「もっとこうした方がいいんじゃね??」
加藤「確かに。こうか??」
バコン!!
加藤「おーさっきより良い音したわ」
志村「後はコントロールやな」
加藤「それな。ラリー続けるようになりてえわ」
越前「…………………」
手塚「…………………」
大石「…………………」
加藤(おいおい。なんか俺達のことじっと見てるぞ??)
志村(なんだなんだ??もしかして、俺達がうますぎてビビってんのかな??)
加藤(バカお前、尊敬の眼差しだろ。あんだけ食いついてガン見してんだぞ!?)
志村(確かに!!どうだ!?これが高校テニス部の実力よ!!カッコイイだろ!?(ドヤ顔))
越前「…………………」
手塚「…………………」
大石「…………………」
〜30分後〜
主将「よし、休憩!!」
加藤「ふいー疲れた…」
志村「アイツら、俺達高校テニス部のレベルの高さに拍子抜けしてるだろうな(笑)」
加藤「いっちょ、ドヤ顔しに行くか!!(笑)」
志村「それな!!先輩風吹かそうぜ!!(笑)」
〜移動〜
加藤「おっすお疲れ!!」
越前「…………………」
加藤「どーだった?俺達の高校テニス部の練習は?」
越前「クソレベル低かったです」
加藤「え?なんだって?」
越前「超絶ヘタクソでした」
加藤「そーかそーか。うますぎて感動したのか!!」
手塚「いいえ、下手すぎて驚きました」
加藤「えーと、俺の聞き間違いじゃなければ、下手すぎて驚いたって聞こえるんだけど…」
越前「はい。そう言いました」
手塚「マジでドヘタクソで、見るに耐えなかったです」
大石「才能ないので、今すぐテニスやめた方がいいですよ」
加藤・志村「「あんだとゴルア!?」」
越前「打つフォームもキモいし、見てられない」
手塚「あんなので、強い球が打てるわけない」
大石「マジでテニスをナメてんの?って感じ」
加藤「テメエら…」
志村「マジでぶち殺すぞ…??」
越前「もう下手すぎて可哀想でした」
手塚「もはや死んだほうがいいですね」
大石「来世に期待しましょう。お疲れした」
加藤「自分が何言ってるかわかってんのか…??」
志村「テメエら、マジでヤベエぞ…??先輩に言っていい言葉じゃねえだろ…」
越前「いえ、敬語使っているだけマシですよ」
加藤・志村「「は??」」
手塚「そうそう。本来敬語を使う価値もねえもん」
加藤・志村「「は??」」
大石「弱い奴に敬語使ってもしょうがねえしな」
加藤・志村「「あ??」」
越前「つーわけで、敬語もやめるわ」
手塚「クソザコ先輩はもはや先輩ではない」
大石「俺ら、強い先輩にしか敬語使わねえから」
加藤「なんだコイツら!?」
志村「マジでムカつく!!」
越前「ゴチャゴチャ言うなら、まずはうまくなってから言ってもらえませんかね??」
加藤「ジョートーだよ!!だったら、今から俺達とダブルスで勝負しようや!!」
志村「そーだそーだ!!偉そうなこと言う前に、まずは俺達の前で実力見せてみろや!!」
越前「いいですよ??(笑)」
手塚「ちなみに僕達2人は、この前のダブルスの市大会で3位でした」
加藤・志村「「え??」」
手塚「そして彼は、シングルスの市大会で準優勝でした」
加藤・志村「「え??」」
大石「どっちでやります??シングルスかダブルス(笑)」
加藤「く、口では何とでも言えるわ!!ダブルスだダブルスで勝負だ!!」
志村「そーだそーだ!!どーせその経歴も嘘だろう!!俺達でコテンパンにしてやるよ!!」
越前「じゃ、後でやりましょう(笑)」
加藤・志村「「ボコボコにしてやる!!」」
〜練習終了後〜
越前「じゃあ、3ゲーム先取でいきましょう」
加藤「勝負だクソガキども!!」
志村「俺様達をナメた報いを受けさせてやる!!」
〜10分後〜
大石「ラブゲーム!!ゲームセット!!」
加藤「…………………」
志村「…………………」
越前「あの、1点も取れてないみたいですけど…(笑)」
手塚「今、どんな気持ちですか??(笑)」
加藤「…………………」
志村「…………………」
越前「あれ??先輩の威厳を見せつけるんじゃなかったんですか??(笑)」
手塚「まさか中学生相手に、ラブゲームですか??プププ…恥ずかしい…(笑)」
加藤「…………………」
志村「…………………」
越前「なんか言ってくださいよ(笑)」
手塚「負け惜しみをどうぞ(笑)」
加藤「クックック…」
越前・手塚「「え??」」
加藤「これで、俺達に勝った気でいるとか、マジで笑わせてくれるぜ…(笑)」
志村「それな。まだ俺達は本気の1割も出してないというのにな…(笑)」
越前「いや、見苦しすぎるわ!!」
手塚「ならさっさと本気出せや!!」
加藤「お前ら、本気を出していない俺らに勝ったごときでドヤ顔してんの、マジでうけるわ」
志村「それな。俺らは今本気を出せねえ状態なんだよ。腕と足に大怪我してるからな」
越前「いやそれ先に言えよ!!」
手塚「大敗してからほざくな!!」
加藤「そんな状態の俺達に勝って調子乗るとか、マジ片腹痛いわ(笑)」
越前「アンタ達のその発言が片腹痛いわ!!」
志村「いやー流石に無理だったわー。いくら中坊とはいえ、怪我した状態で勝つのは無理だったわー」
手塚「うるせえよ!!どこだ!?どこ怪我してんだよ!!」
加藤「いやちょっと今、服で隠れてるから…」
志村「そうそう。見えない所を怪我してるから…」
手塚「じゃあさっさと脱げ!!見せてみろ!!」
加藤「いやちょっと、脱ぐのは恥ずかしいから…////」
志村「それな。脱げとかセクハラだぞ??」
越前・手塚「「女子か!!」」
加藤「まあとにかく、両手両足と腹と頭と色々怪我してる俺達に勝っても意味ねえから」
志村「そうそう。全身骨折の俺達に勝っても全然意味ない」
越前「なんで今普通に歩けてんの!?」
手塚「だったら、どうすればいいんだよ!?」
加藤「俺達の一番弟子である、浜田を倒してもらおう」
越前「まあ、別にいいっすよ(笑)」
手塚「アンタらの弟子なんて、秒で倒せるわ(笑)」
加藤(クックック…バカどもが、終わったな(笑))
志村(浜田は県大会常連クラスだぞ??バカな奴らだ(笑))
加藤「おい浜田!!」
浜田「なに??呼んだ??」
加藤「コイツらに、お前の実力教えてやれ」
浜田「はあ??」
志村「わからせてやれ。このガキ共にお前の実力を」
浜田「え?なんで??」
加藤「えーーと…」
志村「んーーと…」
浜田「練習戻っていい?(笑)」
加藤「いや待て待て!!」
志村「コイツらが「浜田さんとかマジで大したことないっすよね」とか言ってたから!!」
浜田「マジで??それは潰すわ(笑)」
越前・手塚「「言ってねえよ!!」」
浜田「で、どーするの?やるのやらないの??」
加藤「コイツに勝ったら、正式にお前らが俺達より上だと認めてやるよ」
越前「いやもう、お前らよりは上だから!!」
志村「そうそう。もしお前らがコイツに勝てば、なんでも言うこと聞いてやる」
越前「言ったな??」
手塚「その言葉、忘れんなよ??」
加藤「その代わり、もしお前達がコイツにシングルスで負けたら、一生俺達の奴隷後輩として働いてもらうから」
越前・手塚「「え??」」
志村「もしこの浜田に負けたら、お前らは今後俺達の言う事を全て聞いてもらう」
越前「いや、対価が重すぎるだろ!!」
手塚「なんでこの人に負けたら、アンタ達の言うことを聞かなきゃいけねえんだよ!!」
加藤「え??どーするの??やるのやらないの??(笑)」
志村「まあ、この勝負から逃げるなら、別にそれでもいいけどね(笑)」
越前「はあ!?いーよ、やってやるよ!!」
手塚「受けて立つわクソが!!」
大石「シングルスといえば、俺だろ。任せろ」
浜田「じゃ、何ゲームでやる??」
大石「5ゲームで。」
浜田「おっけー」
〜20分後〜
越前「バ、バカな…アイツが…」
手塚「1ゲームも取れずに負けるなんて…」
大石「…………………」
浜田「いやまあ、普通にうまかったよ?センスあるよ君」
大石「うますぎる…なんだこの人は…」
浜田「いやまあ1個上だし、こんなもんでしょ。お前も来年はこんくらいになれるよ」
大石「先輩…お名前は??」
浜田「浜田だけど?」
大石「浜田先輩!!俺を弟子にしてください!!」
浜田「は??」
越前「俺も俺も!!お願いします!!」
手塚「浜田先輩、カッコよすぎっす!!」
大石「マジで参りました!!浜田様!!」
浜田「どーなってんだこりゃ…(笑)」
加藤「流石は浜田だぜ!!」
志村「よくやったぜ!!」
浜田「は??」
加藤「どうだゴルア!!」
志村「見たかテメエら!!」
越前「いや、アンタ達は関係ないでしょ」
手塚「そうそう。アンタ達はタダの雑魚だから」
加藤「なわけねえだろゴルア!!」
志村「ナメンじゃねえぞゴルア!!」
加藤「浜田と俺達は対等でお互いに切磋琢磨する仲間だぞゴルア!!」
浜田「いや、チゲえけど(笑)」
志村「つまり、浜田より弱い=俺達より弱いになるんだぞゴルア!!」
浜田「いや、ならねえけど(笑)」
加藤「とにかく、浜田が勝ったってことは、俺達が勝ったってことなんだよ」
志村「そうそう。浜田の勝利は俺達の勝利。約束に従いやがれ敗北者ども」
越前「コイツら…」
手塚「マジでウゼエ…」
加藤「いいか?テメエらは今後一生俺達の言うことを聞け。ね、浜田様」
志村「おらカスども、敬語使えオラア!!しばくぞゴルア!!ね、浜田様」
浜田「いや、俺は何も言ってないけど!?」
大石「いやアンタらが威張り散らすなや!雑魚の癖に!」
加藤「ちょっと浜田さん、この生意気なクソガキやっちゃってくだせえよ」
志村「そうそう。この物分かりの悪いクズ中学生どもに、言っちゃってくだせえ」
加藤「「先輩は敬え、そして敬語を使え」とかガツンと言っちゃってくださいよ」
志村「「俺のダチに舐めた口きいてんじゃねえぞクソガキ共」とか叱っちゃってくださいよ」
浜田「いや、まあ、お前らセンスあるから頑張れよ(笑)」
加藤・志村「「は??」」
浜田「あと、練習は怠るなよ??コイツらと違ってお前らセンスあるから(笑)」
加藤・志村「「おい!!」」
越前・手塚・大石「「「はい!!浜田様!!」」」
浜田「あと、来年は絶対うちの部活入れよ(笑)」
越前・手塚・大石「「「はい!!浜田様!!」」」
加藤・志村「「絶対来んな!!」」
〜完〜