大食い料理の残したら罰金って、明らかに原価より高くない?
~放課後~
志村「ああ…腹減った…」
加藤「それで、結局何も食えなかったのか(笑)」
志村「そうなのよ。マジであの(自称)漁師ジジイはゴミ」
高木「災難だったな(笑)」
志村「しかも夜遅くに家帰ったら、もう晩飯すら残ってなかった…」
加藤「なるほど。雑草すら食べられなかったと(笑)」
高木「釣りしてて、かなり夜遅くなったからな(笑)」
志村「もうマジでいいことねえ…腹も極限まで減ってるわ…」
加藤「そんなお前に、ほれ」
志村「え??」
『キング超大盛りバカ盛り肉・野菜・油超ウルトラスーパーマシマシラーメン!!
30分以内に食い切れたら無料!!挑戦者求む!!』
志村「やるやるやるやるやるやる!!!!」
加藤「まあ、そーだよな(笑)」
志村「絶対やる。死んでもやる。今すぐにやる」
高木「3日もほぼ何も食ってないんじゃ、そーなるわ(笑)」
志村「行こう行こう。今すぐ行こう」
加藤「いや、部活が終わった後な(笑)」
志村「正気か!?こんな極限までお腹が空いた状態で、部活だと!?倒れるわ!!」
高木「志村。部活行ったら、きっと死ぬほどうまいぞ?そのラーメン」
志村「確かにいいいいい!!」
加藤「相変わらずチョロいなコイツ…」
~部活後~
志村「ゼエゼエ…ハアハア…オエエエエエ…」
加藤「もう流石に限界だな。引っ張って行くか(笑)」
高木「しょーがねーな(笑) 全く世話が焼けるぜ…」
志村「腹…減った…マジで…餓死する…」
加藤「腹の状態はいいけど、お前マジで残すなよ??」
高木「そうそう。こういうタイプの奴って、残したら罰金が意外とえぐいからな(笑)」
志村「残すわけねえだろ…こちとら3日間、何も食ってねえんだぞ??」
加藤「わかったわかった。じゃあ行くか(笑)」
志村「行こう行こう今すぐ行こう。早く俺を負ぶって行け。おんぶしろ」
加藤「ダル!!」
高木「自分で歩けこのボケ!!」
~店到着~
店長「いらっしゃーい!!」
志村「キング盛りバカ盛り肉・野菜・油ウルトラスーパーマシマシラーメンください!!」
店主「そんなラーメンはないですね」
志村「え??」
店主「メニュー名が違うんじゃないですか??」
志村「えーと…キング大盛りバカ盛り肉・野菜・油ウルトラスーパーマシマシラーメンください!!」
店主「うーーん、ちょっと名前が違いますね」
志村「はあ!?」
店主「超が2つ抜けてますね」
加藤「いいだろそんくらい!!ダルイなこの店主!!」
志村「キング超大盛りバカ盛り肉・野菜・油超スーパーウルトラマシマシラーメンくれ!!」
店主「はい!!注文いただきましたあ!!」
志村「やったぜ!!やっと食える!!」
加藤「良かったな(笑)」
店主「ちなみに、他のお2人は??」
加藤「流石に、この人を見届けるだけはダメすかね??」
高木「何か注文した方がいいっすよね??」
店主「あー応援ですか?それはいいですが、協力はしないでくださいね!」
加藤「もちろんです」
高木「むしろ協力しようとするとブちぎれられるので(笑)」
志村「よくわかってんじゃん。俺の食糧を取ったら殺す」
店主「それから、調理に2時間かかるので、少々お待ちください」
志村「はあ!?それまでに餓死するわ!!」
加藤「じゃ、俺達帰ってからまた来るわ(笑)」
高木「とりあえず、一旦家帰りまーす(笑)」
志村「おい!!そんなこと言って、あの時は帰って来なかったじゃねえか!!」
加藤「だって、おっさんとイチャイチャしながら池ポチャしてんだもん…なんか怖くて…」
志村「助けろよ!!マジで死ぬかと思ってたわ!!」
高木「まあここなら命の危険はねえだろ。じゃあな」
志村「待て待て待て!!いい匂いで餓死する可能性がある!!ちゃんと見ていてくれ!!」
加藤「ダッル…」
高木「じゃあ、明日の課題やって待ってるわ…」
志村「そんなもんやるな!!俺と遊べ!!」
高木「なんだコイツ!?勝手すぎるだろ!!」
加藤「てかテメエも課題やれ!!また碇矢に殺されるぞ!?」
志村「またお前らに見せてもらうわ(笑)」
加藤・高木「「帰る」」
志村「噓噓噓噓噓!!やるやる!!課題やるから、帰るな!!お願いします!!」
~2時間後~
志村「グウウウウウウスピピピピピピ…」
加藤「結局、勉強始めて5分もたたないうちに爆睡してたな…」
高木「どんだけゴミなんだよ…絶対見せてやらねえから(笑)」
加藤「しかも結局、俺達も料理頼んじゃったしな」
高木「それな。普通にラーメンうまかった」
加藤「コイツがもし起きてたら、奪って食べられてたからちょうどよかったな」
高木「間違いない。てかそろそろできんじゃね??」
志村「はいお待たせしましたあ!!キング大盛り…なんだっけ??マシマシラーメンです!!」
加藤「アンタも忘れてんじゃねえか!!」
高木「よくそれで堂々と人に注意できたな!?」
店主「制限時間は30分。残した場合の罰金は50万円です!!それではよーーい…」
加藤「ちょ、ちょちょちょちょっと待て!!」
店主「はい??なんですか??」
加藤「今、なんて言いました!?罰金、50万!?」
店主「あれ?なんだお客さん、見てなかったんですか。食べきれなかった時の罰金は50万円ですよ(笑)」
加藤「いや高すぎだろ!!」
高木「どこにそんな高い金が使われてるんだ!?」
店主「スープのだしを取るのに、キャビアとかフカヒレとか使ってます」
加藤「史上最高の無駄遣い!!」
高木「絶対そいつらの味しねえよ!!」
店主「まあまあ。食べ切れば関係ないんで(笑)」
加藤「おい!!さっさと起きろ志村!!」
志村「んあ??」
加藤「お前、食い切れるよな!?絶対に!!」
志村「はあ??何だよ今更。当たり前だろ??俺、3日間何も食べてないのよ??」
加藤「そりゃそうだけど…罰金50万円だからな!?」
志村「罰金50万円!?俺、財布すら持ってきてねえぞ??」
加藤「まったくリスクを恐れない男!!」
志村「まあ、財布あっても金が入ってねえけどな(笑)」
加藤「意味なかった!!」
志村「大丈夫大丈夫。100%成功するから」
加藤「信用できねえけど、お前のその自信に託すしかねえわ…」
高木「頼んだぞ??マジで…」
志村「任せろ。俺にできないことはない」
加藤「あるわ!!全然あるわ!!」
志村「いただきまーす!!」
志村「…うっめえええええええ!!マジで最高過ぎる!!このべちょべちょの油・腐りかけみたいなクズ野菜・消費期限が切れてそうな肉!!すべてが最高だ!!」
加藤「それ褒めてんの!?」
志村「マジでウメエよ!!店主さん、こんな奇跡の食べ物を生み出してくれて、本当にありがとうござ
いました!!この世の全ての食材に感謝!!」
加藤「流石、3日間何も食べてない奴は、言うことが違うな…(笑)」
高木「実際3日も断食したら、全てがうまく感じるだろうな(笑)」
志村「うめえええええ!!マジでうめエエエエ!!」
ガツガツムシャムシャ
加藤「すげえ…マジで孫悟空とかルフィみたいな勢いで食べてるな…」
高木「驚異的なスピードだ…マジで行けるぞ!!」
加藤「でもこの流れ、前もどっかで見たような…??」
高木「あれだ、焼肉の時だ…後半に大失速した…」(※2話参照)
加藤「てことは、今回も…」
高木「ああ…全然あり得る…」
加藤「ぼろが出る前に、俺達で逃亡しようぜ」
高木「そうだな。この店から出れればこっちのもんだ」
店主「お客様。どこへ行かれるんですか??」
加藤「いや、その…ちょっと外へ…」
高木「夜風にあたりたくてですね…」
店主「ダメです。最後まで見届けてください、彼の戦いを。連帯責任ですから(笑)」
加藤「…………………」
高木「…………………」
志村「うめえええええ!!マジで止まらねえ!!この安物の味、サイコおおおお!!」
加藤(おい。どうする??)
高木(今はガンガン食べてるが、まだ半分以上ある。いずれ力尽きるだろ。そしたら…)
加藤(50万円!?そんなの払えるか!!)
高木(間違いない。どれだけタダ働きさせられるか…)
加藤(そうなる前に、こっちから仕掛けるぞ!!)
加藤「あの、いいんですか??」
店主「え??」
加藤「このままだと、志村は食い切りますよ??」
店主「いや、それはまだわかりませんよ。こっからスピードダウンする可能性も高い。私はこれまで、そんな風に失敗する客を何度も見てきた」
加藤「甘いですね。見てください。彼の箸は一向に止まる気配がありませんよ??むしろ加速している。これでも彼が、失敗すると思いますか??」
店主「それは……」
加藤「どうですか??ここらで一旦、手を打ちませんか??」
店主「え??」
加藤「俺達が志村を説得して、全部食べさせないようにします。そしてその残飯を、俺達が1万円で買い取ります。どうですか??」
店主「は??」
加藤「こうすると、お互いにメリットしかないですよ??」
店主「どういうことだ??」
加藤「いいですか??このままだと志村が食べ切ってしまうため、あなた方はお金を得ることが一切できない。無料になりますからね」
加藤「しかしそこで、俺達があえて残させて、1万円で残飯を買い取るんです。そうすることで、あなた方も1万円儲けることができる」
店主「ふざけんな!!アイツが残したら、俺は50万円もらえるんだぞ!?」
加藤「もし残したら、ですよね?(笑)」
店主「…………………」
加藤「残すと思いますか??あんな、無限に食べ続けるカービイみたいな奴が(笑)」
店主「…………………」
加藤「絶対に、俺達の誘いに乗った方がいいと思いますよ??(笑)」
店主「いやでも絶対に食べ切るなら、アナタ方になんのメリットがあるんだ??払わなくてもいい1万円を、あえて払おうとするなんておかしい…」
加藤「…………………」
高木「…………………」
店主「………………?」
加藤(どーする!?言い訳が何も思いつかねえ!!)
高木(やっぱり無理あったな、この説得は…(笑))
店主「なんだ??」
加藤「こ、これは優しさですよ。せっかく2時間もかけて作ってくれたものに、お金を払わずに帰るなんて、僕達そんなことはできません」
高木「ま、間違いないね。俺達、美味しいものには正当な対価を払いたいんです!!」
店主「美味しい美味しいって、アンタらはまだ食べてねえだろうが!!」
加藤「まあまあ。細かいことは置いといて…」
店主「細かくねえよ!!」
加藤「で、どーします??やりますか?やらないで金をドブに捨てますか?」
店主「…………………」
店主(確かに、コイツのスピードは驚異的だ…)
店主(ぶっちゃけ、1万円でこの料理の原価(元)は取れる…激安食材しか使ってないからな…だから、提案に乗っても全然いいが…)
加藤「どうします??すぐに返事が欲しいです。志村が食べ切っちゃうので(笑)」
高木「あーあーあー。もういいみたいだわ。無料でいいみたいだ(笑)」
店主「ま、待て!!」
加藤「はい??」
店主「わかったよ……その提案、乗った!!」
加藤・高木「「あざっす!!」」
店主「あざっす…??」
加藤「りょーかいです。ではでは後ほど(笑)」
加藤(1万円くらいなら、ギリギリ払えるな…(笑))
高木(それな。何とかなったわ…(笑))
加藤(これで志村が残しても、そこまで問題ないぜ…)
ガツガツムシャムシャ
ガツガツムシャムシャ
加藤「しかし、相変わらずすげえな志村…(笑)」
高木「それな。半分いったけど衰えないスピード…」
店主「残り20分!!」
志村「なーんだ。まだ20分もあんのか。余裕余裕(笑)」
加藤「そんなこと言って、焼肉の時は失速したじゃねえか(笑)」
志村「あの時は、胃袋の調子が良くなかっただけだ!!」
高木「あの時は1週間食べてなかったから、コンディション的には上じゃね??(笑)」
加藤「…………………」
高木「…………………」
志村「…………………」
志村「うるせえ!!」
高木「口喧嘩よっわ!!」
志村「黙ってろ!!俺は食べ切る!!そして賞金ゲットだぜ!!」
加藤「賞金は出ねえよ!?」
志村「え??」
加藤「無料になるだけだ!!話聞いてたか!?」
志村「なんだよ。ま、どちらにせよ食い切るけどな」
加藤「ハイハイ。まあせいぜい頑張ってくれ(笑)」
高木「まだ半分もあるし、どーせ途中で力尽きる(笑)」
~15分後~
志村「よっしゃ!!余裕で食べ切ったぜ!!(笑)」
加藤・高木「「おい!!なんでだよテメエ!!」」
志村「え??」
加藤「……………………」
高木「……………………」
加藤(おい…何のための1万円だったんだ…??)
高木(最悪じゃねーか…普通に食えんのかよ…)
加藤「あの、やっぱさっきの話はなかったことに…(笑)」
店主「できるか!!1万円よこせ!!」
加藤・高木「「最悪だ!!」」
〜完〜




