みんなに平等に優しい奴こそ、真にいい奴である
〜テニス部にて〜
荒井「おい!!相変わらずおっせえなテメエら2人は!!」
加藤「いやだって…そんなすぐ体力変わらんすもん…」
志村「そーですよ。人間すぐには変わらないですって」
荒井「言い訳から入るな!!まずはスイマセンだ!!」
加藤「いつの時代のパワハラ上司っすか」
志村「もう古いっすよ。今のトレンドは優しい先輩です」
加藤「大体、体力ないだけでボロクソ責められることがおかしい」
加藤「ホントホント。体力も十人十色。自分なりに成長していけばいいと思いません??」
荒井「やかましい!!口答えすんな!!大体テメエらWクズはなあ…」
??「あ、荒井くん!!おーーい!!」
荒井「げ!?手似栖さん!?」
手似栖「お疲れ様!!練習頑張ってる!?」
荒井「は、はい!!も、もちろんですよ!!俺らマジで、まだまだ高みを目指してるんで。一瞬たりとも努力は怠らねえっす!!」
手似栖「すごーい!!カッコイイー!!」
荒井「い、いやー!!デュフフフフフ…」
加藤・志村((キモ……))
荒井「紹介する。女子テニス部の主将、手似栖 命さんだ」
加藤「テニス命!?」
手似栖「なんかさっきから、すごい怒鳴り声がしてたけど、あれって荒井君??」
荒井「え!?!?」
手似栖「荒井くん、もしかして怒ってた??」
荒井「いやいやいやいや!!違いますよー!!俺じゃないですって!!別の人の声です!!この俺が、そんな人に怒るわけないじゃないですか!!」
手似栖「そっか!!気のせいか!!(笑) ごめんごめん(笑)」
志村「いや、気のせいじゃn」
荒井「当たり前じゃないですかー!!後輩に優しい俺がそんな、怒るわけないじゃないですか!!(笑)」
手似栖「そうだよね!!荒井くん、後輩にも誰よりも優しくしてるって言ってたもんね!!」
荒井「そうなんですよー。やっぱり、後輩にもちゃんと優しくできてこその先輩だと思うんですよね。厳しく指導できるだけじゃダメっすよ」
手似栖「スゴーイ!!カッコイイ!!」
荒井「グヘヘヘヘヘヘへ…」
加藤「……………………」
志村「……………………」
手似栖「じゃあ、私もう行くね!!頑張って!!」
荒井「はい!!手似栖さんも頑張ってください!!」
加藤「……………………」
志村「……………………」
荒井「おい。なんだお前ら、その顔は…」
加藤「いや、別に??(笑)」
荒井「何か言いたげだな。言えよ」
志村「荒井先輩って、手似栖先輩のこと好きっスよね(笑)」
荒井「は!?そ、そそそそんなわけねだろ!!だだだだだ誰から聞いたんだそんな話!!」
加藤・志村((わかりやす…))
加藤「先輩の態度見てればわかりますよ(笑)」
志村「それな。デュフデュフしてて超キモかったし(笑)」
荒井「ああん!?」
加藤「先輩、マジで鼻の下伸ばしすぎです(笑)」
志村「多分あの手似栖先輩も、キモがってるんじゃないかなあ…(笑)」
荒井「マジで!?それはヤバイ!!ガチで困る!!」
加藤「それな。女性ってそういうのに敏感だからな」
志村「お前が女性を語るなと言いたいところだが、まあそうだな」
加藤「多分ですけど、今頃女子テニス部で先輩の悪口を言ってますよ」
志村「「マジあの後輩、絶対私のこと狙ってるー、きっしょー」って言われてますよ」
荒井「あああああああああ!!それはヤバいいいいいいい!!」
加藤「じゃ、そゆことで」
志村「お疲れ様でした」
荒井「ちょっと待て!!今の話から、何をそのまま帰ろうとしてんだ!!」
加藤「いやだって、俺達には関係のないことですし」
志村「そうそう。別に先輩が嫌われてキモがられても、俺達は何も問題ないですし」
荒井「テメエら!!絶対許さねえ!!」
加藤・志村「「なんで!?」」
荒井「今から手似栖先輩に「荒井先輩は素晴らしい先輩です!!」って100回伝えてこい!!」
加藤「100回!?そんなに伝えたら逆に評価下がりますよ!?」
荒井「だったら10回くらいでいい。行って来い!!」
加藤「それでも多いわ!!」
荒井「とりあえず3回でいいから早く伝えてこい!!やらなきゃ殺す!!」
加藤「3回も伝えんの!?」
荒井「それから「マジで頼りがいのあるカッコイイ先輩です!!」とも伝えてこい。大声でな」
加藤「正気か!?」
荒井「やらねえと殺すし、メニューもキツくする」
加藤「典型的なパワハラ上司じゃねえか!!」
志村「暴言・恐喝の現行犯ですな…」
荒井「さて、お前達のメニューは明日から坂道ダッシュ1000本かな…」
加藤・志村「「行ってきます!!」」
〜移動中〜
加藤「まったく…あのクズ野郎。マジで覚えてろ…」
志村「それな。なんで俺達がこんなカスみたいなことしなきゃならねえんだよ…」
加藤「そもそも女子テニス部ってどこにいんだ??」
志村「あっち側のコートって聞いたけども」
加藤「あ、いたわ」
志村「まあ確かに、美人だよなあ…」
加藤「それな。あんな荒井みたいなゴミカスクズとは釣り合わん」
志村「かと言って、練習メニューをキツくされるのもなあ…」
加藤「俺に良い案がある」
志村「そういう時は大抵、良くない」
加藤「ごにょごにょ…」
志村「お前は天才だ!!」
〜女子テニス部〜
加藤「手似栖先輩、今お時間ありますか??」
手似栖「あるよー??どうしたの??」
志村「いや実は、手似栖先輩にお伝えしたいことがありまして…」
手似栖「はい??」
加藤「荒井先輩は素晴らしい先輩です!!」
志村「マジで頼りがいのあるカッコイイ先輩です!!」
手似栖「え、あ、そう…(笑)」
加藤「荒井先輩は素晴らしい先輩です!!」
志村「マジで頼りがいのあるカッコイイ先輩です!!」
手似栖「あ、うん…(笑)」
加藤「荒井先輩は素晴らしい先輩です!!」
志村「マジで頼りがいのあるカッコイイ先輩です!!」
手似栖「いや、わかったよ!!(笑)」
加藤「以上です!!」
手似栖「それで伝えたいことは終わり!?」
加藤「これで、荒井先輩から託された伝言を終わります!!」
手似栖「え??」
加藤「今のは、荒井先輩に言わされました!!言えと言われました!!」
手似栖「えーと、お疲れ様でした…??荒井くん、マジか…(苦笑)」
〜男子テニス部〜
荒井「おい!!伝えてきたか!?」
加藤「はい。お望み通り」
荒井「よし。よくやった。これで手似栖先輩からの俺の評価は爆上がりだな!!後輩にこんなに慕われてる先輩、他にいねえだろ!!」
加藤「いえ、めっちゃキモがられてましたよ」
荒井「は??」
加藤「キモがられてました。荒井先輩」
志村「それどころか、超悪口言われてました」
荒井「はああ!?なんでだよ!?」
加藤「「荒井とかいうキモい奴、私に色々アピールしてきて、マジでキモイ」って言ってました」
志村「それから、「荒井とかいうキモい奴はマジで死ね。存在が不快なんだよ。2度と私に会いにくんなカス」とも言ってました」
荒井「噓だ…噓だああアアアアアアア!!」
志村「あと、「荒井死ねキモいんだよテニス部やめろゴミカスクズ」って言ってました」
荒井「おい。なんか噓くさいぞ…??それ、本当に言ってたのか??」
志村「最後に、「荒井のクズは、マジで3Kだわ」って言ってました」
荒井「3K??」
志村「キモイ・カス・ウザイの略です」
荒井「2Kと1Uじゃねえか!!」
加藤「というわけで、手似栖先輩を狙うのはやめた方が良いです」
志村「そうです。付き合うのは10000%無理なので。」
荒井「いーや!!やってみなきゃわかんねえ!!」
加藤「どうぞどうぞ」
志村「後は好きに玉砕してください」
荒井「お前達も手伝え」
加藤・志村「「なんでそうなる!?!?」」
~部活終了後~
荒井「で、どうすればうまくいくと思う!?」
加藤「そのまま、告白すればいーんじゃないですか??」鼻ホジホジ
志村「やっぱり、ド直球で思いを伝えることが大事っすよ」耳ホジホジ
荒井「そうか!!やっぱそうだよな!?よしよし!!明日にでも告白しよう!!」
加藤「いや、行動力はスゲエな!?」
荒井「当然だ。善は急げだ」
加藤「まあ、精々頑張ってください(笑)」
志村「フラれても、また次がありますから」
荒井「なんでフラれる前提なんだゴルア!!」
〜荒井離脱〜
加藤「無理無理。あんなパワハラクソ野郎が、あんな完璧美人の手似栖先輩と付き合うなんて(笑)」
志村「それな。どんな夢見てんだよあのバカ。もう少し現実を見ろや(笑)」
加藤「マジで笑っちまうよな(笑)」
志村「さっさと玉砕して、メンタルブレイクして部活を去って欲しいところだぜ」
加藤「うん??なんか、あそこで女子テニス部の人がしゃべってんな…」
「えー??それホント!?」
「マジマジ。手似栖先輩、男子テニス部の荒井って人のことが好きらしいよ!?」
「えー??マジで!?荒井先輩ってどんな人だろ!?気になる気になる!!」
加藤・志村「「はああああああああああああ!?!?」」
「え…??なに??この人達…」
「急になんですか…??」
加藤「今の話、本当ですか!?」
「はい??」
加藤「あの、その、手似栖先輩が、荒井とかいうゴミクズを好きって話…」
「ええ…まあ…??私はそう聞きましたけど…??」
加藤「そ、そんなバカな…」
志村「絶対におかしい…そんなはずが…」
「あの、どうしたんですか…??」
加藤「あの完璧美少女の手似栖先輩が、あのゴミクズ荒井と付き合う…??」
志村「そんなの絶対ダメだ…付き合ったら、絶対自慢してくるし…」
加藤「そんなのウザすぎる…耐えられない…」
志村「あんなのがリア充になるってだけで、もう耐えられない…」
「あの、大丈夫ですか…??」
加藤「ブツブツ…」
志村「ゴニョゴニョ…」
「もう行こ??(笑)」
「うん…(笑)」
加藤・志村「「荒井先輩!!」」
荒井「あ??何だお前ら」
加藤「手似栖先輩への告白、やめた方が良いです!!」
荒井「ちょ、バカお前…でかい声で何言ってんだ!?」
加藤「絶対にやめた方が良いです!!てゆーか絶対やめましょう!!」
志村「そうです!!絶対にやめましょう!!」
荒井「はああ!?なんでだよ!?」
加藤「確実にフラれます!!」
荒井「なんでそんなことわかるんだよ!?」
加藤「わかるんですよ!!」
志村「手似栖先輩は、荒井先輩なんて全っ然好きじゃないですから!!」
荒井「だから、なんでそんなことがわかるんだよ!!」
加藤「占いでそう出てるんですよ!!」
志村「荒井先輩は、明日絶対にフラれるって!!」
荒井「なんで、占いで他人を占ってるんだよ!!自分のことを占え!!」
加藤「とにかく、絶対にやめましょう!!」
志村「そうです!!まだ、いや永久に非リアのままでいましょう!!」
荒井「嫌だわ!!」
加藤「まだまだリア充になるのは早いです!!」
志村「そうです!!非リア充こそ至高です!!非リア充万歳!!」
荒井「もうお前達とは話にならん。さっさと失せろ」
加藤「ちょ、待てコラ!!」
志村「俺達よりも先に、リア充になることは許さん!!」
荒井「フン。負け犬の遠吠えだな(笑)」
加藤・志村「「ウッッザ!!」」
~次の日、テニスコートにて~
加藤「うわ…マジでアイツ、告白するつもりだ…」
志村「最悪だ、あのクズに先を越されるのか!?」
加藤「マジでムカつく…あんな奴がリア充になるなんて…」
志村「終わった…絶対にうまくいくやん…最悪…」
荒井「手似栖先輩!!アナタのことが好k」
手似栖「ごめんなさい。私、他に好きな人がいるから…」
荒井「え…??」
加藤「え??普通に一瞬でフラれてんじゃん…」
志村「え??なんで??荒井好きじゃないの??」
「あれ??なんか告白してる…」
志村「あ、昨日の女子テニス部の…」
「あ、どうも…」
志村「えっと、手似栖先輩、荒井先輩が好きじゃなかったんですか??」
「あ、あの人が荒井先輩??」
志村「そうですけど…」
「あ、じゃあ違ったわ(笑)」
加藤・志村「「え??」」
「普通に、私が人を勘違いしてただけだったわ。手似栖先輩が好きな人の名前、いつも荒井先輩の隣にいる人だわ(笑)」
加藤「あー、仲本先輩か…」
志村「まあ、あの人はカッコイイからなあ…テニス上手いし、性格もいいし…」
「なんか、まあ、ドンマイね…荒井先輩(笑)」
加藤「いやー、マジで良かったわ(笑)」
「良かった!?」
志村「ああ。これで一件落着だ(笑)」
「え!?先輩だよね!?喜んでんの!?」
加藤「当たり前だ。アイツの不幸は俺達の幸福」
志村「あのゴミクズがリア獣に進化しなくて、本当に良かったわ…」
「リア獣!?なんだそれ!?」
加藤「とりあえず、もう一回喜びますか!!」
志村「それな!!声を大にして喜ぼう!!」
加藤・志村「「いよっしゃあああああああ!!」」
「どんだけだよ!?」
~10分後~
加藤「いやー、お疲れ様です(笑)」
志村「いやー、ドンマイでしたねー(笑)」
荒井「…………………」
加藤「だから言ったんすよー先輩(笑)」
志村「そうそう。だからやめとけって言ったのに(笑)」
荒井「…………………」
加藤「俺達の忠告を聞かないからですよ(笑)」
志村「そうそう。自分の身の丈に合った恋愛をしないとね(笑)」
荒井「…………………」
加藤「先輩は、顔も性格もマジで超オワコンなんですから(笑)」
志村「しっかり、そのオワコン具合に見合った相手と付き合わないと(笑)」
荒井「死ねええええええええ!!」
加藤・志村「「ギャアアアアアアアアア!!!!」」
~完〜




