ネカマにホイホイ釣られる者達
~部活終了後~
加藤「おい志村」
志村「なに??」
加藤「聞いて驚くな。俺は今日、とある女と2人きりで映画に行くのさ!!」
志村「なん…だと…??」
加藤「クックック…すまんな志村。俺は一足先に大人の階段を上ってしまうぜ(ドヤ顔)」
志村「…なーんてね」
加藤「は??」
志村「実は俺も、今日とある女と2人きりで映画デートに行くのさ(ドヤ顔)」
加藤「はああ!?お前も!?」
志村「ああ。俺も今日、お前にそれを自慢するつもりだった(笑)」
加藤「絶対ありえねえ!!お前、悔しいからって架空のエピソード作ってるだろ!?」
志村「そんなわけねえだろうが。ガチでデートに行くんだよ(笑)」
加藤「噓だ!!お前にそんな相手がいる訳がねえ!!」
志村「そのセリフ、そのままそっくりお前にお返ししてやるよ!!」
加藤「まあいい。本当かどうかは当日わかるさ」
志村「どういうことだ??」
加藤「当日になったら、2ショット写真をお互い送り合おうぜ(ドヤ顔)」
志村「は??」
加藤「お互いの証明として、その女との2ショットをお互いに送り合うんだ」
志村「ああ、全然いいぜ??上等だよ(笑)」
加藤「いいんだな??後悔しても知らねえぞ??(笑)」
志村「だって、噓じゃねーもん。お前は本当にバカだな(笑)」
加藤「よーしいいだろう。なら後で見せてやるよ、俺のバチクソカワイイ彼女(候補)をな!!」
志村「あー上等だよ。俺も見せてやるわ!!あまりの可愛さに拍子抜けすんなよ!?」
加藤・志村((まあ、まだソイツの顔も知らんけどな!!))
〜時をさかのぼること1日〜
~加藤の場合~
加藤「さーてと、暇つぶしにインズタでも見よっと」
加藤「うん??新しいフォローが来てるな??」
加藤「なになに…「絶世の美少女」だと!?しかも彼氏募集中だと!?」
加藤「そんなの、フォロー承認するに決まってるだろうが!!早速フォローバックだ!!」
加藤「すぐに承認された!?マジでコイツ、俺に気があるんじゃね!?」
加藤「…って畜生!!全部の写真、顔隠れてるじゃん!!これじゃあ絶世の美女かどうかわかんねえ!!クソが!!」
加藤「あれ??メッセージが届いたぞ??」
加藤「どれどれ…「今度会いませんか??」だと!?いきなり!?」
加藤「こんなの、俺に気があるに決まってんじゃん!!ぜひ会いましょう!!デュフフフフフ…」
~その頃、志村~
志村「うん…??インズタに新しいフォローが来てる」
志村「なになに…「絶世の美少女」だと!?しかも彼氏募集中だと!?」
志村「いきなりフォローしてくるなんて…コイツ、俺に気があるんじゃね!?」
志村「だとしたら早速メッセージを送ろう。「今度会いませんか??」…と」
志村「秒で返信が来た!?どれどれ…「いいですよ♡是非是非♡」だって!!いよっしゃあああああああああ!!春が来たあああアアアアア!!」
~そして、現在~
加藤「何の映画を見るのかもよく知らんけど、超楽しみだぜ!!」
加藤「いきなり2人きりで映画はマジでレベル高い!!今度こそ、マジで付き合えるかもしれんぞ!?」
加藤「デュフフフフフ…楽しみだなあグヘヘヘヘヘヘ…」
志村「デュフフフフフ…映画デートとか最高だぜグヘヘヘヘヘヘ…」
加藤「なんだ??前にいるキモイ男は…こんな奴みたいにはなりたくない」
加藤「…って志村!?」
志村「はあ??…って加藤!?なんでここに!?」
加藤「お前こそ!?そんなキモい顔して何してんだ!?」
志村「テメエに言われたくねえわ!!そんなデュフ顔しやがって!!」
加藤「デュフ顔ってなに!?」
志村「俺はこれから女とイチャイチャするんだ。お前に構っている暇はない」
加藤「それはこっちのセリフだ。さっさと俺の前から消えろ」
志村「見たところ、お前1人しかいないみたいだが??(笑)」
加藤「ああん!?これから来るんだよ!!大体それはテメエもだろうが!!」
志村「俺は「もうすぐ来る」ってメッセージ来てるから!!」
加藤「それは俺もだし!!もうすぐ来るところだし!!」
志村「ここだ!!ここが集合場所だわ!!お前はあっち行け!!シッシ!!」
加藤「ああん!?俺だってここが集合場所なんだよ!!お前こそあっち行け!!」
志村「マネすんじゃねえ!!早く失せやがれ!!」
加藤「黙れ!!いいから離れろや!!」
志村「うるせえ!!もういい、離れてやるよ!!」
加藤(どうやら、アイツも本当みてえだな…マジでデートするみてえだ…)
志村(アイツも、ハッタリや妄想じゃなかったみてえだな…ガチのデートか…)
加藤(こうなったら、アイツの彼女(候補)と比べてやるぜ!!)
志村(絶対に、俺の彼女(候補)の方が美人に決まってる!!)
~30分後~
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤・志村「「おっっっっそ!!」」
加藤「何してんだ!?何かあったのか!?」
志村「とりあえず連絡しよう!!」
チャット加藤「大丈夫??たどり着ける??」
チャット女「ごめーん、今日は体調崩しちゃったから、パスで!!」
チャット加藤「え??マジで??」
チャット女「ごめんなさい!!今度、別のデートで埋め合わせします!!」
チャット加藤「えええええええええ!?」
チャット志村「どうしたの??何分頃につけそう!?」
チャット女「ごめーん、今日は体調崩しちゃったから、パスで!!」
チャット志村「え??マジで??」
チャット女「ごめんなさい!!今度別のデートで埋め合わせします!!」
チャット志村「別のデート!?マジで!?」
チャット女「今度は、遊園地行きましょ!!」
チャット志村「イエーーイ!!行く行く!!」
加藤「は??ってことは、今日は来ないってこと…??」
志村「やった!!次は遊園地デートだぜ!!」
加藤「ヤバいヤバいヤバい、志村に噓だと思われる…マジでヤバい…」
志村「え??でも俺今日、ここに何しに来たんだ…??」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「…………………」
志村「…………………」
志村「あ、あれ??どうした加藤。相手はまだ来ないのか??(笑)」
加藤「は、はあ!?そういうお前こそ、相手が見当たらないけど??」
志村「俺の相手はなア、今日体調崩してんだよ!!」
加藤「おいおい。そんな噓は見苦しいな(笑)」
志村「はあ!?じゃあテメエの相手はどうなんだよ!?」
加藤「俺の相手は、本当の体調不良だ」
志村「本当の体調不良!?俺の相手が仮病だとでもいうのか!?」
加藤「そうだよ。もしくはその相手自体が噓の可能性もある(笑)」
志村「そんなわけあるか!!てかそれはお前もだろうが!!」
加藤「俺の相手はいるよ。今度別のデートの予定も立てたからな」
志村「それは俺もだから!!」
加藤「いい加減にしろ!!俺のマネをするな!!」
志村「だからこっちのセリフなんだよ!!」
加藤「もういい、お前には付き合い切れん。帰る!!」
志村「いや、せっかくだから何か映画見ようぜ(笑)」
加藤「見る見る!!この「風立ちぬ谷のもののけ魔女の千尋豚は、ラピュタの動く城でどう
生きるか?」見ようぜ!!」
志村「ジブリの集大成!!」
~1週間後~
加藤「今度は、2人きりで遊園地だぜ!!いええええええい!!」
加藤「「早く会いたいな♡」だって!!カワイイな~ホントに(笑)」
加藤「さてと、ここが待ち合わせの場所か…」
加藤「早く会いたいなあ、デュフフフフフ…」
志村「デュフフフフ…早く会いたいなあグヘヘヘヘヘヘ…」
加藤「なんだ??隣にいる超絶キモイ奴は…ああいう奴には近寄らないようにしよ…」
加藤「…って志村!?」
志村「はあ!?加藤!?」
加藤「またテメエ、俺のマネしやがって!!」
志村「ああん!?だからチゲえっつーの!!」
加藤「じゃあなんでまたテメエがいんだよ!!」
志村「それはこっちのセリフだ!!俺はここに呼ばれただけだ!!」
加藤「そんなこと言って、超絶カワイイ俺の彼女(候補)を見に来ただけだろ??本当に気持ち悪い奴だ…」
志村「マジでぶち殺すぞ!?大体テメエ、まだ一度も会ってねえだろうが!!」
加藤「ああん!?今日こそ会うんだよ!!向こうも早く会いたいって言ってるし!!」
志村「俺の彼女(候補)もだわ!!今日こそ見せてやるよ、俺の女(になる予定の人)をよお!!」
加藤「いいだろう!!今度こそ証明してもらおうか!!」
志村「上等だよ!!お前こそ、妄想じゃないことを証明しろ!!」
~30分後~
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤・志村「「おっっっっそ!!」」
加藤「何してんだ!?何かあったのか!?」
志村「とりあえず連絡しよう!!」
チャット加藤「大丈夫か!?何があった??」
チャット女「ごめん、交通事故起こしちゃった…」
チャット加藤「え!?マジで!?」
チャット女「お金が足りない!!今すぐ3万円送れますか??」
チャット加藤「全然いいよ!!パイパイでいい!?」
チャット女「大丈夫です。本当にありがとう!!」
チャット加藤「いえいえ。彼氏として当然のことをしたまでです(ドヤ顔)」
チャット女「好き♡」
チャット加藤「俺も大ちゅき♡」
加藤「「好き♡」だって、デュフフフフフ…」
加藤「あ、でも結局、遊園地には来ないってことなのか…??」
チャット加藤「結局、遊園地には来れないんだよね??」
チャット女「トラブってるから無理ね。ごめん」
チャット加藤「いやいや大丈夫!!そっち向かうよ。どこにいる??」
チャット女「いや、絶対に来ないで。また今度会いましょう」
チャット加藤「あ、はい…」
加藤「…………………」
加藤「志村のバカになんて言い訳しよう…」
チャット志村「何してんの??ずっと待ってんだけど」
チャット女「ごめん、交通事故起こしちゃった…」
チャット志村「え??マジで??」
チャット女「お金が足りない!!今すぐ3万円送れますか??」
チャット志村「貸すならいいよ!!」
チャット女「え??」
チャット志村「だから、3万円貸すならいいよ!!」
チャット女「えーと…」
チャット志村「ちなみに、返す時は利子つきでよろしく!!」
チャット女「わかりました。それでは送金してください」
チャット志村「いや、直接渡すから。今どこ??」
チャット女「はい??」
チャット志村「直接渡して、その場で誓約書も書かせるから。場所教えて」
チャット女「志村さんに迷惑はかけれません。送金お願いします」
チャット志村「そっちの方が迷惑なんだよ。早く場所教えて」
チャット女「…………………」
チャット志村「………………?」
志村「あれ??返信来なくなった……おーーーーーい!!」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「なんか、彼女が急用らしいから、帰るわ」
志村「あれ??また彼女さんは来ないんですか??(笑)」
加藤「やかましい!!それはテメエもだろうが!!」
志村「俺の相手は、交通事故にあったから来れねえんだよ!!」
加藤「はあ!?マネすんじゃねえ!!俺の相手も交通事故だわ!!」
志村「マネしてんのはテメエだろうが!!」
加藤「てか、交通事故ならさっさとその場に行けよ!!」
志村「だから、行こうとしても場所を教えてくれねえんだよ!!」
加藤「俺もだわ!!だからどうやっても行けねえんだよ!!」
加藤「…………………」
志村「…………………」
加藤「もうどうしようもねえし、帰るわ…」
志村「いや、せっかくだからジェットコースター乗ろうぜ(笑)」
加藤「乗る乗る!!あの「スプラッシュビッグサンダースペースマウンテン・オブ・テラー・オブ・ジ・アース」乗ろうぜ!!」
志村「ディズニーの集大成!!」
~次の日~
高木「お前らそれ、騙されてるよ??(笑)」
加藤・志村「「は??」」
高木「だから、そのアカウントの女?に騙されてるって(笑)」
加藤「いや、そんな訳ねえだろ」
志村「そうだよ。俺達に会うって言ってんだぞ??」
高木「いやだから、それが噓なんだって(笑)」
加藤「おい高木」
高木「え??」
加藤「いくらなんでも、見苦しいぞ??」
高木「は??」
志村「そうだよ。いくらお前に彼女ができないからって、俺達の彼女を偽物呼ばわりすんなよ」
高木「いや、まだ会ってもいないんだろ!?」
加藤「そうそう。モテない奴の嫉妬は見苦しいぞ??いくら俺達がリア充だからって…」
高木「だから、まだ会ってすらいねえだろうが!!なんで彼氏ヅラしてんだよ!?」
加藤「いやだって、こんだけ誘ってくるんだよ??俺のこと好きに決まってる」
志村「そうそう。最近はすっかり彼女ヅラして、めっちゃ金銭も要求してくるしな」
高木「完全に詐欺りにきてるじゃねえか!!」
加藤「それな。財布まで共有しちゃって、もう完全にこれ、彼氏彼女だよな(笑)」
志村「いや、それはしてないけど」
加藤「え??」
志村「え??お前、財布を共有してんの??」
加藤「え??うん。アナタと付き合いたいのですが、お金に困ってますっていうから3万円あげた」
高木「バカだコイツ…」
志村「ああ…救いようのないバカだ…」
加藤「なんで!?彼女だぞ!?お金に困ってたらあげるのが普通だろ!?」
志村「普通じゃねーよ!!彼女だからって甘やかすな!!」
加藤「いい加減にしろ!!お前は金に厳しすぎんだよ!!」
志村「男だろうが女だろうが、金のやりくりはしっかりしろ!!だから俺は一銭も貸さん!!」
加藤「クソドケチ野郎が!!そんなんだからモテねえんだ!!」
志村「金をたかってくるだけの女なんていらんわ!!なあ高木??」
高木「さっきから、ツッコミがずれてんだよ!!お前は黙ってろ!!」
志村「ええ!?」
高木「いいか加藤??お前それ、騙されてるから。彼女でもなんでもないから」
加藤・志村「「ええ!?」」
加藤「ジョセフィーヌが彼女じゃないだって!?」
志村「俺のジョセフィーヌは本物だ!!実在する!!」
高木「なんで外人なんだよ!!見るからに怪しいだろうが!!」
高木「…って、なんで同じ名前なんだ??」
加藤「はあ??お前、だからマネすんじゃねえよ!!」
志村「彼女(候補)の名前までマネできるかボケが!!」
加藤「なにイ!?おいちょっと見せてみろ!!」
志村「ほらよ!!」
加藤「噓だろ…??完全に、俺と同じアカウントじゃん!!」
志村「マジで…??お前にも、コイツからメッセージが来てるってことか??」
加藤「ああ…そうだ…」
志村「ってことはつまり、コイツは…」
加藤「ああ…コイツは…」
高木「やっと気づいたか、やれやれ(笑)」
加藤・志村「「浮気してるってことじゃねえか!!」」
高木「そういうことじゃねえ!!」
~完~




