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食べ物を粗末にする奴は絶許

~とある街中にて~


流行「どーもー!!大人気インフルエンサーの「流行(りゅうこう) 乗子(のりこ)」で〜す!!やべ、自分で大人気とか言っちゃった♡てへぺろ!!」


流行「皆さん、見てください!!この美味しそうなケバブ!!肉厚でジューシーで、ああ…今すぐかぶりつきたい…いただきま〜す!!」


流行「…で、動画を切ってと。誰が食うかこんなモン」


流行「そしてこの動画に「マジ美味しかったわ〜」と、文字を編集してと…はあ、インフルエンサーも楽じゃないわね…」


流行「さて、こんなマズそうなケバブはさっさとその辺に捨てよ。こんなゴミ食べたら太っちゃうわ(笑)」


志村「ちょっと待ったああアアアアアアア!!!」


流行「!?え!?なに!?!?」


志村「おいテメエ…そのケバブ…」


流行「な、なによ!?文句あんの!?アタシが買ったものをどうしようがアタシの勝手でしょ!?」


志村「……………………」


流行「アタシはね、スタイルの良さでも売りにしてるのよ!!「こんなに食べても太らないキャラ」でやってんの!!だから太るわけにはいかない!!」


流行「なんなの!?黙りこくって…」


志村「そのケバブ、もし食べずに捨てるなら、俺にください!!」


流行「…は??」


志村「そのケバブ、捨てるなら俺にください!!」


流行「えっと…これが欲しいの??」


志村「はい!!」


流行「あ、じゃあ、どうぞ…(笑)」


志村「いよっしゃああああああ!!これで今日の昼飯代が浮いたぜ!!」


流行「なんだコイツ…(ドン引き)」


志村「早くください!!早く!!」


流行「えっと、アンタは何なの??」


志村「え??」


流行「アタシのストーカーかなんか??それともファン??」


志村「はあ??まずお前誰だよ」


流行「いやこっちのセリフだわ!!」


志村「俺はアンタが飯を捨てそうだから、捨てるくらいならもらおうと声かけただけ。アンタのことなんか何も知らん」


流行「はああ!?ア、アタシはインズタのフォロワー10万人の、超有名インフルエンサーよ!?そのアタシを、知らないですって!?」


志村「知らん。興味ない」


流行「ムギギギギギ…マジムカつく…」


志村「いいから早くその飯くれ。それもらったらアンタに用はないから」


流行「ウッッザ!!だったら金払え!!」


志村「え??」


流行「アタシはこのケバブに800円払ったのよ!?欲しいならお金を払え!!」


志村「え??だって捨てるんでしょそれ??」


流行「捨てるけど、アンタがもらうっていうならお金を徴収する!!」


志村「金払ったのが嫌なんだったら、何のために買ったんだコイツ…」


流行「うるさい!!今はケバブがブームなのよ!!この動画をあげたら、間違いなくさらにフォロワーが増えるの!!」


志村「アホくさ…人気取りごときで、800円の超高級ケバブ買うなよ…」


流行「超高級ではないけど!?」


志村「でも、だったら捨ててもいいよ」


流行「え??」


志村「そんなに俺にあげたくなくて、ケバブを捨てたかったら捨てれば?(笑)」


流行「え??いいの??」


志村「その代わり、その捨てた瞬間の動画を撮影して、拡散させるから(笑)」


流行「は??」


志村「アンタ、インフルエンサーなんだろ??ソイツが食べ物を食べずに捨ててる動画が拡散されたら、一体どーなるかなあ…?(笑)」


流行「…………………」


志村「食べ物を粗末にするドクズとして炎上して、フォロワー、増えるどころか減っちゃうかもね(笑)」


流行「…………………」


志村「もしそれでもいいなら、どうぞ捨てれば??(笑) 俺はどっちでもいいしどーでもいい。でも食べ物を粗末にする奴は嫌いだから撮影はする(笑)」


流行「…………………」


志村「あーあ。俺に無料であげれば万事解決なのに。あーあ。これまで積み上げてきたフォロワーが、一瞬で消え去るかもなー。今そういうの厳しいし(笑)」


流行「もうあげます!!どうぞどうぞ!!」


志村「あ、そうですか。じゃあ遠慮なくいただきまーーす(笑)」


ムシャムシャ


志村「うっめえええええええ!!このガツンとくるソース!!ジューシーな肉!!そしてシャキシャキした野菜!!どれを取っても最高だ!!」


流行「あーそう。良かったね…」


志村「こんな美味しい物を捨てようとしたなんて、本当にこの女は信じられねえ!!」


流行「ちょ、声でかいでかい!!アタシのフォロワーに聞かれたらどーすんだ!!」


志村「じゃ、これからよろしく頼むわ!!」


流行「は??」


志村「これから毎日アンタのところに来て、捨てる飯を食べに来るから(笑)」


流行「はあああああ!?絶対くんな!!来ても絶対あげねえから!!」


志村「…………………」


流行「…………………」


志村「えー皆さん。こちらにいるインフルエンサーの流行(りゅうこう) 乗子(のりこ)さんは、食べ物を買ったくせに食べずに捨てるクズです。一口も食べることなく捨てます。本当に最低でs」

流行「おいいいいいい!!わかった、わかったからやめてくれ!!大騒ぎしないでくれ!!」


志村「じゃ、次の撮影場所を教えてくれ」


流行「はあ!?誰g」

志村「さてと。流行(りゅうこう) 乗子(のりこ)は食べ物を粗末にするクズだとツイートしよ」


流行「おいやめろ!!」


志村「俺の1000個のアカウント使って、全力で拡散させよっと(笑)」


流行「おいマジでやめてくれ!!わかった、明日の撮影場所も教えるから!!」


志村「で、どこ??」


流行「えーと、原宿かな」


志村「俺の定期圏内じゃない。他の場所にしてくれ」


流行「知らねーよ!!」


〜次の日〜


流行「結局、あのバカに言われるがまま、場所がド田舎になってしまった…」


流行「畜生…アイツに弱みを握られてるから逆らえないし…まあ、飯を渡せばいいだけだけど…(笑)」


志村「よお!!今日は何を食べたフリするんだ??(笑)」


流行「こんなド田舎に、バズる料理があるわけない!!」


志村「はあ!?ド田舎にはド田舎の良さがあるんだよ!!」


流行「へえ、例えば??」


志村「やっぱない!!」


流行「今の会話の時間を返せ!!」


流行「…あ、でも待って、この辺に有名な喫茶店があるわ!!そこのジャンボパフェがバズってる!!」


志村「えー?喫茶店??高いじゃん…」


流行「お前が払う訳じゃねえだろうが!!」


志村「それに、俺は今しょっぱい物を食べたい気分なんだよな…」


流行「お前の話は聞いてねえわ!!買うのはアタシだぞ!?」


志村「ジョーダンジョーダン(笑) なんでもいーよ(笑)」


~徒歩20分後~


流行「そこそこ歩いたわね…周りはホントに何もないわ…(笑)」


流行「着いたわ!!さあ、ジャンボパフェを頼むわよ!!」


志村「どーせ食べないのに、よくここまで来たな(笑)」


流行「いいのよ。あんなもの食べたらアタシが太っちゃうからね。人気のためにもこの美しい体型(スタイル)はキープしないと」


志村「たかだかパフェ1杯くらいで太らねーだろ(笑)」


流行「いーや。毎日毎日あんなもの食べてたら、間違いなく太ってブクブクになる!!だからアタシはハイカロリーのものは絶対に一口も食べない!!」


志村「だったら、この「美味しい食べ物爆食い系美少女インフルエンサー」っていうのやめたら!?捨てられる食べ物が可哀想だろうが!!」


流行「やかましい!!今はこういう、「いっぱい食べるカワイイ女子」がウケる時代なんだよ!!」


志村「「カワイイ女子」…?誰のことだ?」


流行「シバくぞ!?だからアタシは毎日毎日、カワイイ自撮り写真と食べ物を大量に投稿して、これほどの人気を獲得することができたんだ!!」


志村「そんなに体型が気になるなら、運動すればいーじゃん(笑)」


流行「それはめんどくさい」


志村「ダメだこりゃ…(笑)」


流行「まあ、アンタにとってもいいじゃない。無料で色々食べれるんだから」


志村「まあな!!2000円の巨大パフェなんて、食べる機会今後の人生でもないからな!!超絶ゲロクソ楽しみだぜ!!」


流行「いや大袈裟か!!自分で買えよ!!」


志村「無料で食べるからこそ価値があんだよ。わかってねーなー。これだから金持ちは…」


流行「なんだこのクズは!?」


志村「いいから早くパフェ頼んでくれ!!ワクワク」


流行「すいませーん。ジャンボパフェ1つ」


店長「わかりました」




志村「うまそう!!いただきまーす!!」


流行「ちょっと待ったあああああ!!」


志村「は??」


流行「まずは、食べ物とアタシのツーショット写真。そして、アタシの自撮り写真。からのジャンボパフェ単体のアップ写真を複数枚。これでよし」

志村「じゃあ、いただきまs」


流行「待ったあああああああ!!」


志村「まだなんかあんの!?」


流行「スプーンで一口分取って、いかにも今から食べるぜ!ということをアピールする写真を1枚。そしてスプーンとアタシのツーショット」


流行「…あと、なんかちょっと美味しそうだから、一口だけ食べることにして、パフェを食べた瞬間の自撮り写真も何枚か取るわ(笑)」


パクリ。モグモグ


流行「んーー!!おいしーー!!最高!!」


流行「はい。後は全部あげるわ。残さず食べて。完食したパフェの写真も撮りたいから」


志村「…………………」


流行「あれ??どーしたの??」


志村「俺のジャンボパフェを勝手に一口食べたから、お金払え」


流行「お金払うのアタシなんですけど!?」


〜10分後〜


志村「ふう…ごちそうさま。超絶美味かった。超幸せ」


流行「そりゃ良かったわね(笑)」


志村「これからもよろしくな」


流行「マジ嫌すぎる…」


志村「じゃ、会計はよろしく!!(笑)」


流行「なんか、ニート彼氏を養ってる気分…」


流行(うん?あれ…??お金が…足りないかも!?)


流行(ヤバいヤバいヤバいヤバい…ここ、電子マネー使えるか!?)


『※注意書き

お支払いは、現金のみでお願いします♨』


流行「クソが!!」


流行(ヤバいヤバいヤバいヤバい…ド田舎だから、近くにATMはない…マジ詰んだ…)


流行「…………………」


志村「なんだ??どーした??」


流行「アンタ、現金って持ってる??」


志村「はあ??奢られるとわかってて持ってくるわけねえだろうが。何言ってんだ」


流行「ですよねー……」


志村「え??何??もしかしてお金ないの??(笑)」


流行「…………………」


志村「あらら…インフルエンサーって意外とお金ないんだねー。カワイソー(笑)」


流行「…………………」


志村「まあ確かに、SNSに写真あげても普通はお金もらえないもんなー。そっか、お金ないのかあー(笑)」


流行「たまたま、今たまたま現金がないだけだから!!アタシ、全然貧乏じゃないから!!」


志村「ハイハイ。オカネモチデスネー」


流行「ウッッザ!!奢ってもらう分際でマジでウッッザ!!」


志村「で、どーすんの??俺は何回も言うけど一銭も持ってねえぞ??」


流行「マジで一銭も!?」


志村「当たり前だ。奢られるとわかっているのに、なんでお金を持ってくる必要があるんだ?」


流行「あーもう使えねえ!!300円さえアンタが持ってれば払えたのに!!」


志村「やかましい!!そもそもテメエが金を忘れるのが悪いんだろうが!!」


流行「うるさい!!未だに現金しか使えないなんて思ってなかったんだよ!!」


志村「じゃ、皿洗いでもして払いな(笑)」


流行「ふざけんな!!アンタがやれ!!」


志村「は??嫌だよ。俺に落ち度ねえもん(笑)」


流行「ウッッザ!!」


志村「じゃ、俺は帰るから。おつかれ(笑)」


流行「待て待て待て!!」


志村「なんだよ??」


流行「パフェを奢ってもらっておいて、アタシを置いて帰るのかアンタは!?」


志村「うん。」


流行「うんじゃねえ!!」


志村「もうゴチャゴチャうるせえなあ…でも2人いたってどーにもなんねえだろ??」


流行「そうだけど!!考えてくれ脱出方法を!!」


志村「食い逃げじゃね??」


流行「バカか!!」


志村「じゃあ皿洗い」


流行「ふざけんな!!」


志村「だったらもう、店を脅迫すれば??(笑)」


流行「え??」


〜3分後〜


流行「あのー、すいません…」


店長「あ、お会計ですか?少々お待ち下さい」


流行「ここのジャンボパフェ、無料で提供してくださいませんかね…??(笑)」


店長「はい??」


流行「あのですね、アタシがこの店を全力で宣伝してあげるんで、今回食べたジャンボパフェ代を、無料にしてくれませんか??」


店長「えーと、ごめんなさい。おっしゃっている意味がよくわからないのですが…」


流行「だから、アタシは超有名インフルエンサーです!!フォロワーは10万人います!!そんなアタシに紹介されたら10万人分の売り上げが出るってことです!!だから無料にしてください!!」


店長「何言ってんだこの変人!?」


流行「さらに言えば、このジャンボパフェを無料にしなかったら、この10万人にこの店の悪口を書き

ますよ!?そしたら10万人が来なくなるんです!!それでもいいんですか!?」


店長「さて、警察警察と…」


流行「本当にマジで超すいませんでした!!皿洗いでもなんでもします!!させてください!!」


店長「なに??払えないの??(笑)」


流行「全力で働くので、どうか警察にだけは言わないでくださいお願いします!!」


店長「しょーがないな(笑) じゃあ、皿洗いとかホールを手伝ってくれるかい??」


流行「はい!!本当にありがとうございます!!」


志村「じゃ、俺は帰るわ」


流行「テメエもやるんだよ!!」


志村「ええ!?」


~1時間後~


店長「お疲れ様。もういいよ(笑)」


流行「本当にありがとうございました…」


志村「あーダルかった…」


流行「ハアハア…やっと終わった…」 


志村「畜生…なんで俺までこんなことに…」


流行「当たり前だろうが!!何を1人だけ逃げようとしてんだよ!!」


志村「まあいーじゃねえか。おかげで無事に帰ることができたんだから(笑)」


流行「よくねえわ!!アタシは大恥かいたわ!!動画とか撮られてなくて本当に良かったわ!!マスターがいい人で本当に良かったわ!!」


志村「本当にそれな。俺だったらこんなクソ客が来たら、速攻で警察に通報するわ(笑)」


流行「お前の作戦だろうが!!マジでシバくぞ!?」


志村「あ、そうだ」


流行「は??」


志村「明日は部活の遠征があるから、長野で撮影することにしよう。昼頃に長野駅に集合で」


流行「誰が行くか!!」


〜その後〜


流行「本当に、本当にあの時、動画とか撮影されて炎上しなくて良かったわ…マスターに感謝…」


流行「これで人気もキープできたし、ホッと一息…」


流行「フォロワーもどんどん増えて…って、ええ!?なんでフォロワーが半減してんの!?は??嘘でしょ!?なんでなんで!?」


流行「なんかめっちゃメッセージ届いてる!!なになに!?」


流行「えーとどれどれ…?「彼氏いたんですね」「あなたには失望しました」「もうファンやめます」「2度と顔みせんな」って何これ!?なんで炎上してんの!?」


流行「あ、パフェの写真にあのバカが写ってる…」


流行「え…??もしかしてだけど、コイツがアタシの彼氏だと勘違いしたの??」


流行「嘘でしょ??こんな奴がこのアタシと釣り合ってるわけないじゃん!!みんな気づいて!?アタシはフリーだから!!コイツが彼氏なわけないから!!」


流行「てか、彼氏がいるかもってだけで、こんなにフォロワー減ったの…??」


流行「え…??既にフォロワー1万人を割ったんだけど…嘘でしょ??」


流行「…………………」


流行「もうインフルエンサーなんてやめてやるわ!!クソッタレが!!」


〜完〜

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