修学旅行で勉強のことを考える奴はバカ
碇矢先生「よし京都に着いたぞ。起きろお前ら」
加藤「グーグー…」
志村「ガーガー…」
碇矢先生「よくもまあ、バスの中でここまで熟睡できるな…」
花畑「ぶん殴っても起きませんでした(笑)」
碇矢先生「マジですごいなコイツら!?」
花畑「ほらほら起きてー!!」
バシバシバシバシ(ビンタの音)
古手川「マジで起きないわね…(笑)」
新垣「顔真っ赤だけど…(笑)」
碇矢先生「おい高木。こういう時、どうすればいいんだ??」
高木「それぞれ、起こし方のコツがあるんですよ」
花畑・古手川「「え??」」
高木「おい加藤。さっき、美人のねーちゃんがお前のこと好きって言ってたよ」
加藤「マジで!?どこどこ!?」
古手川「一瞬で起きた…」
碇矢先生「なんだか、虚しい起き方だな…」
高木「おい志村。さっき、バスの中に100円落ちてたぞ??」
志村「マジで!?どこどこ!?」
碇矢先生「すげえ…扱いをマスターしてやがる…」
花畑「こっちもこっちで虚しいわね…」
加藤「おい!!どこだよその美人!!」
高木「もうどっか行っちゃった(笑)」
加藤「マジかよ!!最悪!!」
志村「おい!!どこだよ100円!!」
高木「もう誰かが拾ったっぽい(笑)」
志村「マジかよ!!ソイツから奪い取ってやる!!」
碇矢先生「やめろバカ」
志村「碇矢先生!?なんでここに!?」
碇矢先生「もう着いたから、起こしに来たんだよ」
加藤「ええ!?もう!?早!!」
志村「京都ってそんなに近かったっけ??」
碇矢先生「お前らがずっと寝てたからだ!!」
碇矢先生「さて、早速観光地をまわっていくぞー」
加藤・高木・志村「「「イエーーー!!!」」」
碇矢先生「まずは、銅閣寺だ」
高木「銅閣寺!?なにそれ!?」
碇矢先生「銅閣寺とは、足利義満の孫の孫の嫁の従兄弟の父親の友達の姉の息子の友達の母親の兄の友達の近所のおじさんが建てた寺だと言われている」
加藤「ほとんど誰だか知らん奴が建てた寺じゃん!!」
碇矢先生「特に何の特徴もなく、良いところもないため人気が無い」
加藤「でしょうね!!」
高木「てかなんで金閣寺じゃないの!?」
碇矢先生「金閣寺…??なんだそりゃ??よく知らんが…」
高木「それは教師としてどうなんだ!?」
碇矢先生「冗談だ(笑) とりあえずうちの学校ではそんなメジャーなところは行かん。人が多すぎてイライラするからな(教頭が)」
加藤「どんな理由!?」
碇矢先生「という訳だから、今回の京都修学旅行では、あまり人気のないスポットを巡るぞー」
加藤・高木・志村「「「なんでだよ!!!」」」
加藤「クソ修学旅行じゃねえか!!」
高木「てかハゲ教頭マジでふざけんな!!」
志村「金閣寺に連れていけ!!金色の寺見せろ!!」
碇矢先生「あのなあ、そもそも全部修学旅行のしおりに書いてあるんだぞ??文句を言うならその時にしろ。その時なら変えられたのに…」
加藤・高木・志村「「「…………………」」」
碇矢先生「なのにお前らは、どーせ配られてもなにも見なかったんだろうなー(笑) それなのに全てが決まってから後でゴチャゴチャと…」
加藤「まあ、それはそうですけど…」
高木「じゃあ、他の人から文句は来なかったんですか??」
碇矢先生「全く来なかった。何ならみんな、銅閣寺にめちゃくちゃ期待してたぞ??(笑)」
加藤「前から思ってたけど、この学校どうかしてるわ!!」
碇矢先生「そして次に行くのは、立食稲荷大社だ。」
加藤「立食稲荷!?」
高木「なんだそりゃ!?」
加藤「え!?伏見稲荷大社は!?」
碇矢先生「ちょっとこっからだと遠くて…」
加藤「どんだけめんどくさがり!?」
碇矢先生「でもここ、稲荷寿司が無料で食べ放題らしいぞ??立ち食いだが(笑)」
加藤・高木・志村「「「行きましょう!!」」」
加藤「うっぷ…マジで死にそう…」
高木「く、苦しい…稲荷寿司もう一生いらない…」
志村「し、死ぬ…マジで死ぬ…吐きそう…」
碇矢先生「お前ら、この後すぐに昼飯だぞ??」
加藤・高木・志村「「「先に言えよ!!!」」」
碇矢先生「まったく…ろくに観光もしないで、ずっとここで稲荷寿司を食い続けるとはな…どんだけバカなんだお前達は(笑)」
加藤「無料で食べ放題と言われたら、食わないわけにはいきません…!!」
志村「それが、俺達の使命なんだ!!宿命なんだ!!」
碇矢先生「随分と残念な宿命を背負ってるな。まあいい、次に行くぞ」
高木「次はどこですか??」
碇矢先生「次は、汚水寺に行く」
加藤・高木・志村「「「汚水寺!?!?!?」」」
加藤「めっちゃ汚そう!!」
高木「マジでどこだよそれ!?」
加藤「清水寺連れていけ!!水が清いところ!!」
志村「水が汚い寺なんて行きたくねえ!!」
碇矢先生「汚水寺の舞台から飛び降りれば、願いが叶うと言われてる」
加藤「そんな「清水の舞台から飛び降りる」的な感じで言うな!!」
碇矢先生「いやいや。清水寺と違ってさ、ホントにやってんのよ」
加藤・高木・志村「「「は???」」」
僧侶「さあ!!本日の挑戦者は誰かいらっしゃいますかー!?マジで本気で願いを叶えたい方、いらっしゃいませんかー!?」
加藤「…なにこれ」
碇矢先生「汚水飛び込みチャレンジだ。下にあるヘドロ池に飛び込めば、願いが叶うらしい」
加藤「誰がやんのこれ!?」
碇矢先生「…お笑い芸人とか??(笑)」
加藤「バラエティー番組用じゃねえか!!」
碇矢先生「ま、うちの学校からやるバカはいないだろ。俺はちょっとその辺を回ってくる」
加藤「そりゃそうですよ(笑)」
高木「りょーかいです(笑)」
志村「へー。これするだけでなんでも願いが叶うのか。やろうかな」
加藤・高木「「は???」」
高木「正気か??お前…」
志村「いやだって、この程度の高さからあの池に飛び込むだけだろ??余裕よ余裕」
加藤「そういう問題じゃねえ!!見ろよあの池!!腐ってるぞ!?めちゃくちゃ臭そうだぞ!?」
志村「大丈夫大丈夫。なんでも願いが叶うなら、その程度軽いもんよ。だって臭いなんてよ、洗えば取れるし!!こんなんで億万長者になれるなら全然マシ」
高木「いや、その願いが叶うかわからねえんだぞ!?」
加藤「そうだよ!!確実に叶うなんてどこにも書いてねえぞ!?」
志村「いやいや。よく見ろよあそこ」
加藤・高木「「??」」
「大栗旬:念願の大俳優になれました。汚水寺さんありがとう」
加藤「大栗!?聞いたことねえけど!?」
「「古垣結衣:念願の大俳優になれました。汚水寺さんありがとう」」
加藤「古垣!?だから誰!?」
高木「しかも一言一句同じじゃねえか!!」
「谷崎馬鹿人:念願の大俳優になれました。汚水寺さんありがとう」
加藤「いや、もはやマジで誰!?」
高木「絶対本人書いてねえだろ!!」
「無村架純:最近ドラマ出れてないんですが…どういうことですか??」
加藤「おい!!クレーム来てるじゃねーか!!」
「小谷翔平:もしまた二刀流できるようにならなかったら、汚水寺爆破します」
加藤「めっちゃ最近の話!?メジャーリーガーもここでお願いしてた!?」
高木「てゆーか全然信用ねえじゃねえか!!」
「足利義満:汚水寺のおかげで、無事に将軍になれました。ありがとう」
加藤「室町3代将軍も来てたの!?」
高木「無駄に歴史がなげえなオイ!!」
「卑弥呼:テキトーな私の予知を、ほとんど当ててくれてありがとう」
加藤「アンタ、テキトーに予知してたの!?」
高木「マジでいつからやってんだこの寺!?」
「徳川家康:天下を統一させてくれてありがとう」
加藤「アンタも来てたのか!!」
高木「叶って良かったね!!ヘドロ池に飛び込んだ甲斐あって!!」
「織田信長:天下を統一させてくれてありがとう」
加藤「アンタはできてねえけど!?」
「豊臣秀吉:豊臣家、俺が死んだ後すぐに滅びたんだけど。話違くない??」
高木「もう死んでるだろ!?どうやってここに書いたんだ!?」
志村「どうだ??ほとんどみんな、夢を実現してるだろ!?」
加藤「そうだな。一部を除いてな」
高木「普通に何人か外してるし、信用してない人もいたぞ(笑)」
志村「でも大半は、みんな億万長者になってるじゃん!!俺も絶対やる!!」
加藤「まあ、そんなやりたければどうぞどうぞ」
高木「俺達は関係ないんで。どうぞどうぞ」
志村「よっしゃー!!俺も億万長者の夢を叶えるぜ!!飛び込みます!!」
僧侶「そうですか。ありがとうございます」
志村「じゃ、早速飛び込めばいいのか!?」
僧侶「いえ。その前に3000円お願いします」
志村「は…??」
僧侶「飛び込み料金、3000円を徴収しています。お願いします」
志村「はああ!?絶対嫌だわ!!」
僧侶「いいんですか??それでは夢を叶える機会を放棄したことになりますよ??」
志村「いや…それは…でも流石に3000円は無理!!」
僧侶「あのですね。先程読み上げていただいた方々は皆、100万円以上の大金をお支払いくださっているのですよ??夢を叶えるというのは、それだけ犠牲が伴うのです」
志村「グヌヌヌヌヌヌ…それでも…」
僧侶「それに、かの有名な織田信長様は、今でいう1億相当の金額をこちらにお納めくださたんですよ??それに比べて、3000円が如何に破格な事か!!」
加藤「そんなに払って、汚い腐ったヘドロに飛び込んで、夢叶わなかったのか!?」
高木「可哀想!!織田信長、めちゃくちゃ可哀想!!」
志村「グヌヌヌヌヌヌ…」
僧侶「あのですね…あなたのお願いが一体何かは知りませんが、叶った後のことを想像してみてください!!」
志村「叶った後…??金が超いっぱい…億万長者…」
僧侶「どうですか??3000円なんて一瞬で返ってきませんか??ここでお願いすれば、3000円なんて屁じゃない程のリターンが来ること間違いなしですよ!!」
志村「確かに!!やるやる!!やります!!」
加藤「本当にこの人達、僧侶か!?俗にまみれすぎだろ!!」
僧侶「では、こちらの海パンに着替えてから、どうぞ飛び込みください」
志村「ありがたい!!くれるんですか!?」
僧侶「いいえ。5分1万円でお貸ししています」
志村「ぼったくりどころの話じゃねえ!!やめたやめた。帰る!!」
僧侶「冗談です。そちらはキレイ好きの方用の新品パンツです。金のないドケチなクソ貧乏人の方々のために、こちらもご用意しています」
志村「口悪!!ケンカ売ってんのか!?」
僧侶「こちらのボロボロ海パンであれば、なんと無料でお貸ししています」
志村「えっと…なにこれ…??」
僧侶「他のお客様の使い回しパンツです。後で返してくださいね」
志村「ええ…??(ドン引き)」
僧侶「洗濯などで洗浄してしまうと、御利益が無くなってしまうのです。そのため使った後は、そのままの状態で保管しています」
加藤「もはや嫌がらせだろ!!」
高木「てかこれ、最後に洗濯したのいつですか…??」
僧侶「そうですね…詳しくは知りませんが、2000年前とかですかね??(笑)」
志村「噓だろ…2000年間蓄積した、色んな人の股間とヘドロ池の臭い…超ヤバそう……」
志村「でも、ちょっと気になる…クンクン」
志村「オエエエエエエエエエエ!!くっっさああアアアアアアア!!」ゲロロロロ
僧侶「うわきったな!!ちょっと!!神聖な舞台をゲロで汚さないでください!!」
志村「オロロロロロロ…マジでヤバすぎ…においマジで超ヤバい…臭いどころじゃない…うんことか比にならない…1000人のゲロとうんこをかき混ぜて1000年間熟成させたような臭いだった…」
加藤「いやどんなにおい!?わかんねーよ!!」
高木「てかお前はそれをかいだことがあんのか!?」
僧侶「まあ、とにかく早くどうぞ」
志村「うええ、気持ち悪…早く終わらせよう…」
僧侶「では願いを言ってください!!」
志村「はい…。俺は、総資産10兆円以上の億万長者になりたいです…必ず、必ず叶えてくださいお願いします…」
僧侶「では、飛び込んでください!!」
志村「…………………」
僧侶「さあ!!」
志村「うおおおおおおおおおおお!!」
ピョーン!!
加藤「飛んだ…」
ドボン!!
高木「沈んだ…」
志村「ギャアアアアアアアアアア!!くっせええええええええええ!!」
加藤「あ、生きてた…(笑)」
高木「マジで臭そう…(笑)」
加藤「しばらく、アイツには近寄らんとこ(笑)」
高木「そうだな。しばらく友達もやめよう(笑)」
志村「くっっさ!!マジでくっさ!!マジで死ぬ!!ハア…ハア…」
僧侶「お疲れ様でした。それでは池からおあがりください」
志村「ハア…ハア…オエエエエエエ!!くっさ!!」
加藤「うわ!!ここまで臭い!!」
高木「ヤッバ!!あの水、絶対ヤバいって!!」
僧侶「お疲れ様でした。それではこれにて終了です」
志村「えっと…シャワーはどこですか??」
僧侶「はい??そんなものはありませんが??」
志村「は…??このまま帰れと…??」
僧侶「はい。あ、その海パンだけお返しください(笑)」
志村「いや、この状態で服着たくないんですけど…」
僧侶「そうは言われましても…次の方も待っていますので…」
志村「待ってねえだろ!!他の客、誰もいねえぞ!?」
僧侶「なんにせよ、すごいクサいので早くどこか行っていただいて…」
志村「マジで殺すぞテメエ!?」
志村「…あ、そういえば」
僧侶「はい??」
志村「飛び込んだのはいいけど、いつ頃その願いは叶うわけ??」
僧侶「さあ??」
志村「は??」
僧侶「我々にもわかりません。いつあなたの願いが叶うのか」
志村「えっと…いつ頃叶うかもわかんねーの??」
僧侶「そんなこと、我々は一言も申しておりませんよ??"いつか"叶うかもしれない、と常々言っていただけです(笑)」
志村「はああああああああああ!?いつかっていつだよ!!」
僧侶「知らないです。10年後か100年後か、はたまた1000年後か…(笑)」
志村「100~1000年後なんて、俺もう死んでるじゃねえか!!テメエ、騙したな!?」
僧侶「いやいやいやいや。私達は別に噓など…」
志村「なーにが、絶対に夢が叶うまじないだ!!それなら、お前ら坊主も全員やればいいじゃねえか!!そーだよな!?」
僧侶「いやー私達には、そういった欲は一切ございませんので…(笑)」
志村「3000円もの大金を俺から奪っておいて、それはねえだろオラアアアアアア!!」
ガシイ!!
僧侶「え!?ちょ、つかむな!!てかクサ!!ママジくっさ!!」
志村「お前もヘドロに落ちろやあああああああ!!」
僧侶「いやだああああああ!!離せ離せ!!絶対あんな臭い池になんて飛び込みたくない!!」
志村「やかましい!!一緒に落ちて夢を叶えようぜ!!ガハハハハ!!」
僧侶「やめろおおおおおおおお!!いやだああああああ!!」
志村「ヒャッハアアアアーーー!!死ねええええええええ!!」
僧侶「いやあアアアアアアアーーー!!」
ドボーン!!
志村・僧侶「「オエエエエエエエ!!くっさ!!オロロロロロロ!!」」
碇矢先生「噓だろ…??あのバカ、マジでやったのか…??」
加藤「そうっすね…もう、手遅れです…」
碇矢先生「…………………」
加藤「…………………」
高木「…………………」
碇矢先生「さて、と。みんなに合流するか…」
加藤「はい。そうですね。」
高木「楽しい修学旅行を再開しましょ」
碇矢先生「俺達は、なにも見なかった。OK??」
加藤・高木「「イエス!!ボス!!」」
~続く~