何度失敗しても、合コンに参加しない選択肢はない
〜高木と志村が執事バイトする前日〜
(※前々話「SとMは表裏一体」と並行しています)
志村「おい加藤。明日俺と一緒に、新しいバイトやろうぜ!!」
加藤「はあ??また怪しいバイトか??(笑)」
志村「怪しくねえよ!!時給10000円だぞ!?」
加藤「めちゃくちゃ怪しいじゃねえか!!」
志村「でも執事のバイトだぜ!?珍しくね!?」
加藤「まあ確かに、珍しいが(笑)」
志村「お嬢様の執事をするんだってよ。お前もやってみようぜ!?」
加藤「でもごっめーーん!!俺明日、合コンあるから!!無理でーーす!!(ドヤ顔)」
志村「あーそう。マジ後悔するよ??神バイトなのに…」
加藤「はあ??合コンに勝る予定なんてねえよ(笑)」
志村「どーせうまくいかねえんだから。やめとけって」
加藤「なんだコイツ!?しばくぞ!?」
志村「100%失敗する合コンより、時給10000円のバイトの方が絶対いいって!!」
加藤「やかましい!!俺は今回の合コンに懸けてるんじゃボケエ!!」
志村「…お前さ、お嬢様と執事の付き合える率って知ってるか??」
加藤「は??急になんだよ。知らんわ」
志村「実はな、お嬢様と執事って、めちゃくちゃ付き合える可能性高いらしいよ??(笑)」(※そんなデータはありません)
加藤「マジで!?」
志村「つまりお前も、このバイトをして執事としてお嬢様に仕えれば…もしかしたら…」
加藤「そのお嬢様と、付き合えるかもしれないってわけか!?いよっしゃあああああああ!!」
志村「やるよな??(笑)」
加藤「やるやる!!死んでもやる!!」
加藤「…わけにはいかねえんだよ!!明日は絶対合コンだ!!死んでも合コンに行く!!」
志村「なんだよ!!期待させやがって!!」
加藤「悪いな志村。明日は命よりも大切な合コンなんだ。そう、あれは先週のことだ…」
〜回想~
雄戸「カトチャンカトチャン!!」
加藤「なに??」
雄戸「何よその嫌そうな顔!!こんなカワイイ彼女が隣にいるのに!!もおープンプン!!」
加藤「彼女じゃねえし!!そもそもお前、女じゃねえし!!」(※男の娘です)
雄戸「カトチャン。考え方が古臭いわよ??今の時代、男とか女とかそんなに関係ないわ」
加藤「大アリだわ!!俺は女子と付き合いたい!!」
雄戸「でもそんなカトチャンと、こうして付き合えて本当によかったわ!!」
加藤「あの、話聞いてた??付き合ってないからね??今後も付き合う予定ないからね??」
雄戸「ひ、ひどい!!私との関係は、遊びってこと!?」
解散「うん!!だって今日も、「会いたい会いたい」って100回くらい超絶しつこくLINEしてくるから、仕方なく「男友達」として会ってるだけだから!!」
雄戸「ハア…性別で恋愛対象を決めるなんて…カトチャン、サイテーだよ…」
加藤「それだと、ほとんどの人がサイテーになるけど!?」
??「あれ、雄戸じゃん!!久しぶりー!!」
雄戸「え!?メグミに百合子に、新菜じゃん!!久しぶりー!!」
加藤「え??誰…って」
加藤(全員クソカワイイいイイイイいいイイイイ!!!!)
加藤(は…??待て待て、全員超絶ゲロクソ美少女じゃん!!確かに、雄戸も見た目は超絶可愛いけども、こんなに友達もみんなカワイイことあるか!?ヤッバ!!)
加藤「…………………」
メグミ「え??雄戸の隣にいる人、誰??」
百合子「あ、もしかして…」
雄戸「そうなの!!念願の彼氏!!」
加藤「…じゃねえよ!!噓情報教えんな!!」
新菜「え?そうなの?」
雄戸「そうなの。最初はラブラブだったのに、最近ちょっと…」
メグミ「あー倦怠期って奴ね…」
加藤「違うわ!!そもそも付き合ってすらいないわ!!」
百合子「雄戸を幸せにしてあげてね!!この子、本当にフワフワしてて危ないから(笑)」
雄戸「そんなことないもん!!もおー!!」
加藤「人の話聞いてる!?だから違うって…」
加藤(ヤバい…コイツら、可愛いすぎてマトモに目を合わせられない!!)
加藤(可愛いすぎて失神してしまう…ヤバいヤバいヤバい…)
加藤「…………………」
メグミ「あれ??なんか急に黙っちゃった(笑)」
百合子「どーしたの??(笑)」
雄戸「??どーしたの??カトチャン」
加藤「…………………」
雄戸「失神してる…(笑)」
メグミ「なんで!?」
百合子「雄戸の彼氏、おもろ!!」
新菜「突然失神してんの爆笑」
雄戸「おーーーい、大丈夫??しっかりしてカトチャン!!」ブンブン
加藤「は!?!?」
雄戸「あ、起きた(笑)」
加藤「あ、あのさ…雄戸さ…」ヒソヒソ
雄戸「え?何?急に小声で」ヒソヒソ
加藤「一応聞くけど、あの3人って性別は女だよな??」ヒソヒソ
雄戸「何言ってるの??当たり前じゃない。」
加藤「いや、お前のせいで当たり前じゃないんだが!?」
雄戸「というか、なんでそんなこと聞くの?…ってまさか…」
加藤「え??」
雄戸「カトチャン、私を差し置いて、あの3人のこと狙ってるとか…?」
加藤「違う違う!!狙ってない狙ってない!!」
加藤(本当は全然違わないけど…バリバリ狙ってる(笑))
雄戸「じゃあなんで??」
加藤「えーと、あの、そう、うーんと…そうだ!!」
加藤「じ、実はさ、俺の友達がさ、男子校で女子との出会いがなさ過ぎてさ、「女子を紹介して欲しい」って、ずっと俺にうるさくしつこく言ってきててさー!!いやー、本当に困っちゃうよねー!!」
雄戸「あー、なるほどね。納得したわ」
加藤「フウ…あぶねえ…って、なんで彼女でもない奴(しかも男)に気を使ってんだ俺!?」
メグミ「どうしたの??雄戸」
雄戸「実はね、カトチャンの友達がね」
メグミ「へえ。いいじゃん。うちらで良ければ会おうか?(笑)」
加藤「ええ!?」
百合子「確かに。私も女子校だし、小学校以来男子としゃべってないわ」
新菜「うちもうちも!!全然アリだよ!!」
加藤「マジで!?噓でしょ!?」
メグミ「え??なんで??」
加藤「だって、みんなこんな、超オシャレで超美人で、100%恋人いそうなのに…」
メグミ「恋人ねえ…欲しいよね」
百合子「うちもできたことないわー」
新菜「私も私も」
加藤「マジで!?」
メグミ「噓ついてどうすんのよ(笑)」
加藤(うおおおおおおおおおおおお!!神様ありがとおおおおおお!!)
加藤「早速、その友達を誘っておくわ!!じゃあ、近いうちに会いましょう!!」
メグミ「え??あ、うん(笑)」
新菜「セッティングとかよろしくね(笑)」
加藤「ま、ままま任せておいてくだしゃい!!デュフフフフフ…」
雄戸「カトチャン、鼻の下伸びてる…浮気するつもりじゃないでしょうね??」
加藤「違う違う!!」
加藤「…てゆーか、だからまずお前は彼女じゃねえから!!」
〜帰宅中〜
加藤「これは、これはマジで大チャンスだぞ!?すごすぎる、あんな美女3人がそろいもそろって彼氏がいないなんて!!雄戸と知り合いで良かった!!」
加藤「さて、そこで問題だが、友達は誰を誘うかってことだな…」
加藤「男子校って言っちゃったからな…中学時代のアイツらを誘うしかないが…」(※加藤は中学時代は男子校だった。高校からは転校して共学)
加藤「しかしまあ、志村は無駄に臆さずにしゃべれて、無駄にコミュ力高いし、高木はイケメンでムカつくし、モテないダメダメな男子校のアイツらを誘うのがちょうどいいか(笑)」
加藤「そうじゃん!!アイツらは全然カッコ良くないし、女子免疫も0だから、会話もロクにできないに決まってる!!そしてアイツらがやらかしまくればやらかしまくるほど、相対的に俺の評価が上がる!!まさに最高の状況だ!!」
加藤「来たぜ神様!!俺は今度こそ、合コンを成功させます!!ヒーーハーー!!」
加藤「早速、あのゴミ共に連絡だ。LINEしよう」
加藤「えーと…「今度、めっちゃカワイイ女子4人と合コン行くんだけど」と打って…」
ピロン
加藤「え??まだ送信してねえぞ??」
LINEマホト「行く行く行く行く行く!!死んでも行く!!地球が爆発しても行く!!」
加藤「いや、まだ何も送信してねえんだけど!?怖!!何コイツ!?キモ!!」
ピロン
加藤「また!?」
LINE山川「合コンか!?死んでも行くわ!!」
加藤「だから、なんなのコイツら!?合コンへの嗅覚がすごすぎんだろ!?」
LINEあつし「なるほど、男女4対4か。そこで俺達3人に声をかけたわけか…死んでも行くわ」
加藤「死んでも来る奴しかいねえ!!まあ、気持ちはわかるけど!!」
LINE加藤「なんなのお前ら!?エスパー!?」
LINEあつし「でも、マジで合コンやるんでしょ??」
LINE加藤「まあそうだけど!!なんでわかったんだよ!?怖いわ!!」
LINE山川「俺達は、常にお前から連絡が来るのを待ってるからな」
LINE加藤「なんでだよ!?」
LINEマホト「何のためにお前が共学いると思ってんだよ」
LINEあつし「俺達を合コンに召喚するためだろうが」
LINE加藤「いや、全然ちげえけど!?」
LINEあつし「とりあえず、お前から連絡が来た瞬間に返信すると決めている」
LINE加藤「連絡をする前に返信来たけどな!?」
LINEマホト「そろそろお前から連絡が来そうな予感がした」
LINE山川「同じく」
LINE加藤「だからこえーよ!!」
LINEマホト「で、何日の何時から?場所はどこ?」
LINE山川「その女の子達はどこの学校?同い年?」
LINEあつし「カワイイ?どの女優に似てる?趣味は?」
LINE加藤「めっっちゃグイグイくるな!?興味津々か!!」
LINEあつし「当たり前だろ。早く答えろ」
LINE加藤「質問が多いんだよ!!1つずつ処理させろ!!」
LINEマホト「返信遅すぎ。マジ萎え」
LINE山川「タップが遅い。初心者?」
LINEあつし「スマホの使い方下手か」
LINE加藤「なんなのコイツら!?マジムカつくんだけど!?無駄に返信はええし!!」
LINEマホト「はよはよ」
LINE山川「あくしろよ」
LINE加藤「うるせえ!!」
LINE加藤「来週の日曜日の12時からだ!!場所は新谷駅」
LINE加藤「学校は知らん。他校の友達からの紹介だから」
LINEマホト「何ソイツ??もしかして女??」
LINE山川「なんだテメエ!?もしかして女友達か!?」
LINEあつし「殺す殺す殺す殺す」
LINE加藤「いや、男(の娘)だけど??」
LINEマホト「なんだ、驚かせやがって…」
LINE山川「まあ、加藤みたいな下品で口も悪くてキモい奴に女友達ができるわけがない」
LINEあつし「それな。女とマトモにしゃべれない加藤に女友達ができるわけない」
LINE加藤「マジぶっ殺すぞ!?ナメんじゃねえ!!いるわ女友達の1人や2人!!」
LINEマホト「はあ!?マジで殺す殺す殺す殺す」
LINE山川「絶対許せねえ。殺す殺す殺す」
LINEあつし「レッツゴー東京湾。死ね死ね死ね」
LINE加藤「なんて答えれば正解なんだ!?」
加藤「雄戸のことはめんどくさくなるから、写真は見せないでおこう…(笑)」
LINE加藤「ところでお前ら、予め言っておくけど、マジでがっつくなよ??(笑)」
LINEマホト「は??なんで??」
LINE山川「合コンなんだから、全力で狙っていくけど」
LINEあつし「当たり前だろうが。何言ってんだコイツ」
LINE加藤「あのなあ、向こうは友達になるために来てんだよ。そこに呼んでもらって、急にがっついたらドン引きされるだろ!?」
LINEマホト「はあ!?合コンだぞ!?考えが甘いんだよ!!」
LINE山川「本当だよ!!恋人探しに来るのが普通だろうが!!」
LINE加藤「お前達はホント、発想が童貞ですわ…(笑)」
LINEマホト・山川・あつし「「「ああん!?!?!?」」」
LINE加藤「短絡的なんだよ考えが。こういうのは、まずは友達から始めんだよ。いきなり恋人になろうとしてる時点で「こりゃこの人モテないわー」ってオーラがプンプン出てますわ(笑)」
LINEマホト「ウッッザこいつ!!」
LINE山川「マジでシバくぞ!?」
LINE加藤「ハア…これが男子校のレベルか…(笑) 女子との関わり方がなってないわ…(笑)」
LINEマホト「おいマジで何だコイツ」
LINE山川「あの挙動不審の激キモ加藤が、調子乗ってるぞ??」
LINEあつし「通りすがりの女性ともマトモにしゃべれなかったくせに、何を偉そうに…」
LINE加藤「やかましい!!とにかく来週はがっつくな!!まずは友達からスタートだ!!でもその後は恋人だ!!やるぞテメエら!!」
LINEマホト・山川・あつし「「「おーーー!!!」」」
加藤「クックックック…」
加藤「なーんてね。お前らはただの踏み台だよ。俺がモテるために犠牲になってもらうぞ、クズ共(笑)」
マホト「プププ…バカが。協力なんてクソくらえだ。アイツらを蹴落として、絶対彼女を作ってやる!!」
山川「あのクズ共と協力なんかしてたら、俺まで一緒に奈落の底だ。アイツらの屍を踏み越えて、俺だけが1人勝ちしてやるぜ!!」
あつし「彼女欲しい彼女欲しい彼女欲しい彼女欲しい彼女欲しい彼女欲しい彼女欲しい彼女欲しい彼女」
~合コン当日に続く~