表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/133

こういうドッキリは、マジで勘弁してほしいよね

~ファミレスにて~


志村「いらっしゃいませー」


ジジイ「おい。あそこ座ってもいいか??」


志村「いえ、すいません。あそこはまだ片付けができておりませんので…」


ジジイ「なんじゃい。さっさとしてくれ」


志村(うっわ…出たわこのタイプのダルウザ客…)


志村「大変申し訳ございません。別のお席をご用意していますのでそちらに…」


ジジイ「ワシはあそこの席がいいんじゃい!!さっさと清掃して案内しやがれ!!」


志村「ああん!?なんだコイツ!?」


ジジイ「ん??コイツじゃと??」


志村「いえいえ!!何でもございません!!すぐに清掃いたします!!」


ジジイ「わかればいい。はよせんかい」


志村(マジで死ねクソジジイ)




志村「ご注文が決まりましたらお呼びください」


ジジイ「は??何を言ってる??」


志村「はい??」


ジジイ「ワシにオススメを教えろ」


志村「はい。今月は20種のキノコ入りスパゲッティがオススメです」


ジジイ「違う。アンタの」


志村「はい??」


ジジイ「アンタ自身のオススメじゃよ!!さっさと教えやがれ!!」


志村「えーーと…こちらのドリアですかね??」


ジジイ「なるほど。そしたら、このハンバーグを1つくれ。以上」


志村「こんのクソジジイ…」


ジジイ「ん??なんか言ったか??」


志村「いえいえ!!なっっんでもございません!!失礼します!!」


志村(マジで殺す殺す殺す殺す…)


志村(フウ…深呼吸だ深呼吸…)


店長「志村くん、お会計おねがーい」


志村「はいただいま」


志村「えーと、お会計1560円になります」


ババア「この「ドコデモPAY」でお願いします」


志村「ドコデモPAY…??すいません、ちょっと聞いたことが無いですね…」


ババア「はあ!?アンタ正気!?」


志村「はい??」


ババア「今時、ドコデモPAYを使ってない店なんて、聞いたことないわよ!?」


志村「いえ、私は逆に使える店を聞いたことが無いですね」


ババア「だから、そのドコデモPAYで支払いよろしく」


志村「いえですから、当店ではお取り扱いしておりません。すいません」


ババア「あっそ。じゃあ払わないわ」


志村「はい??」


ババア「だって、ドコモPAYが使えないこのクソ店が悪いんですもの!!アタシは払う義務なんて一切ないわ!!だから払わない!!」


志村「いや、そういう訳にはいかないのですが…」


ババア「だって、時代遅れなこの店が悪いんじゃない!!アタシは一切悪くないわ!!ドコモPAYに対応してないこの店が全部悪い!!」


志村「あのー、さっきと名前が違うんですが…(笑)」


ババア「は??何??」


志村「さっきは「ドコデモPAY」って言ってたのに、今は「ドコモPAY」になってるので…どっちが本当の名前なんですか??」


ババア「何このクソ店員!?揚げ足取ってきたわ!!本当に最低!!絶対訴えてやる!!」


志村「いや、どういう罪!?」


ババア「まーた揚げ足取った!!ちょっとコイツじゃ話にならないわ!!店長呼んで!!」


志村「あの、いいから早く払っていただけますか??」


ババア「時代遅れのバカじゃ話にならないわ!!早く店長呼んできて!!」


志村「こんのクソババア…」


ババア「ん??なんか言った??」


志村「いえいえ!!なっっんでもございません!!失礼します!!」


志村(マジで殺す殺す殺す殺す…)


志村(なんなんだ今日は!?一段とクレーマーが多い!!そして、何故か全員俺が担当する羽目になっている!!ふざけんじゃねえ!!)


志村(フウ…深呼吸だ深呼吸…)


カランコロンカラン


志村「いらっしゃいませー」


お爺「え??」


志村「はい??」


お爺「なに??」


志村「はい??」


お爺「なんか言った??」


志村「えーと…「いらっしゃいませ」と言いました」


お爺「え??」


志村「あ、もういいです。こちらへどうぞ」


お爺「え??」


志村「こ、ち、ら、へ、どうぞ!!!!」


お爺「そんな大声出さんでも聞こえてるわい。まったくやかましいのお…」


志村「このボケジジイが…!!」


お爺「ん??何か言ったか??」


志村「いえいえ!!なんっでもございません!!」


志村(マジで殺す殺す殺す殺す…)


志村「こちらの席へどうぞ」


お爺「はい??」


志村「こちらの席へどうぞ」


お爺「え??」


志村「こ、ち、ら、の、席へどうぞ!!」


お爺「だから聞こえてるわい。やかましい」


志村「テメエが聞き返してくるからだろうが!!」


お爺「ん??」


志村「いえ、何でもございません!!」


お爺「注文いいかな??」


志村「はい、何でしょうか??」


お爺「…………………」


志村「…………………」


お爺「…………………」


志村「…………………」


志村「あのーお客様。申し訳ございませんが、お決まりになりましたらお呼びください」


お爺「え??」


志村「お客様。も、う、し、わ、け、ございませんが!!お、決、ま、り、に」

お爺「だからやかましいわ!!メニューくらいゆっくり決めさせんかい!!」


志村「だったら「注文いいかな?」とかほざくなクソジジイ!!」


お爺「はい??」


志村「いいえ!!なんっでもございません!!決まりましたらお呼びください!!」


お爺「え??」


志村「もういいわ!!じゃあな!!」


〜休憩室にて〜


安井「志村、大丈夫か??お疲れじゃん(笑)」


志村「安井先輩…マジで困りますああいう人…ガチでストレスっすわ…」


安井「なら、俺が代わりに対応しとこうか??」


志村「マジすか!?めっっちゃありがたいです、お願いします!!」


安井「おっけー」


〜5分後〜


志村「はあ…やっとあの耄碌(もうろく)ジジイから解放されたぜー!!」


不破「おいそこの豚野郎…じゃなくて志村」


志村「あの、その言い間違いマジでやめてくれる??」


不破「アンタ以外の男は、基本的にみんな喜ぶんだけどね」


志村「日本の男は、マジでどうなってんだ…?」


不破「で、どーしたの??」


志村「いや、俺が対応してためんどくさいボケジジイ客の対応をさ、安井さんが代わってくれたんよ」


不破「あーなるほど」


店長「素晴らしい!!」


志村「なんだ??」


不破「クソ豚店長の声だ」


志村「見に行くぞ!!」


〜移動中〜


店長「いやー、本当に素晴らしいよ安井君は…」


志村「どうしたんですか??」


店長「いやね、安井君が私達のレストランを経営している会社の社長に、褒められたんだよ!!」


志村「は??社長??」


不破「だれだれ!?」


店長「こちらに座っている方だ」


不破「え??このみすぼらしいジジイが??」


志村「ああああああああああ!!さっきのボケジジイ!!」


お爺(社長)「あ、さっきのやかましい若造だ(笑)」


店長「コラ貴様!!社長に向かってボケジジイとは何だ!!」


志村「あ、確かに。すいません!!」


志村「…ってコイツにも怒れよ!!みすぼらしいジジイとか言ったんだぞ!?」


店長「彼女はいいんだ。カワイイから」


志村「令和の時代にとんでもねえ発言!!」


社長「まあまあ店長さん。実際私がとんでもない客を演じてたからね。仕方ないよ(笑)」


志村「あ、さっきのは演じてたんですね」


社長「そうだよ。私自身がわざとみすぼらしい格好をして、よく店にいそうな「面倒くさい客」を演じていたんだ」


志村「なんのために!?」


社長「抜き打ちチェックさ」


志村「え??」


社長「私の店で働くバイトを含めた店員が、しっかりとお客様に配慮して仕事ができているか、ということを定期的に確認しているのさ」


店長「素晴らしい!!社長自らそのようなことをしてくださるとは!!流石です!!」


不破「暇かよ(笑)」


志村「それな(笑)」


店長「おい志村!!社長に向かってなんだその失礼な態度は!?」


志村「だからなんで俺だけ!?コイツの方が絶対失礼だろ!?」


社長「その点、彼の対応は非常に素晴らしかった。安井君、だっけ??」


安井「は、はい!!」


店長「そうです!!うちの店で働いている安井です!!」


社長「彼は非常に丁寧な接客をし、嫌な顔一つせず、私のようなボケた老人にしっかり対応してくれた。彼のようなバイトが今後も増えてくれることを願う」


店長・安井「「あ、ありがとうございます!!」」


不破「アホくさ…」


志村「仕事戻ろうぜ」


社長「そのような、常日頃から素晴らしい態度で仕事に臨んでいる安井君に、ご褒美をあげよう」


志村・安井・店長「「「え???」」」


社長「ほれ、特別サービスだ。10万円」


安井「え!?も、も、もしかして、くださるんですか!?」


社長「勿論だ。しっかり受け取りたまえ」


志村「何いいいいいイイイイイイいいい!?!?!?」


安井「ありがとうございます!!本当にありがとうございます!!」


店長「こんな大金を…社長、本当にありがとうございます!!安井も、もっとお礼しろ!!」


安井「ありがとうございます!!」


社長「いいっていいって。彼の仕事っぷりに感動しただけだから」


安井「ありがとうございます!!」


社長「彼のような立派なバイトが増えることを期待しているよ、店長」


店長「はい!!一生懸命頑張ります!!」


志村「ちょっと待ったああああアアアアアアア!!!!」


店長「は??なんだよ志村」


社長「なんだね??」


志村「社長!!何か忘れていませんか!?他にも10万円を与えるのにふさわしい人物が!!」


社長「え??」


志村「最初、社長がこの店に入った時、対応したのは一体誰でしたか!?」


社長「あー。そうかそうか。あれは君だったね」


志村「そうですそうです!!思い出してくださいましたか!?あの丁寧な接客・完璧な対応と言葉遣い!!まさに10万円を与えるべき店員だと思います!!」


社長「うんうん。もちろん覚えてるよ、あの失礼な発言の数々」


志村「え??」


社長「君は私に、「ボケジジイ」「クソジジイ」などと連呼したね??」


志村「えっと…」


志村(ヤバい…完全に聞こえてないと思ってた…)


店長「志村…貴様…」


社長「さらに、私の接客を途中で放棄し、安井君にぶん投げたね??」


志村「あ、あれー??そうだったかなー??」


志村(バ、バレてる…)


社長「基本的には丁寧だが、ちょっと不機嫌になるとすぐに口が悪くなる。これではうちのバイトが務まっているとは到底言えないねえ…」


志村「い、いや違うんです!!あの時は客が多くて忙しくて疲れててですね…」


社長「私は、客が少なくなる時間帯を狙って来たつもりだが??」


志村「…………………」


社長「実際、今はそれほどお客様の数もいないようだが…??」


店長「安心してください。コイツは今日でクビにしますので。」


志村「ちょっと、待ってくださいよー!!今日はたまたまです!!ウザいクレーマー客が多くて、情緒が不安定だったんです!!いつもはもっと紳士でちゃんとしてるんです!!」


社長「接客とは、いついかなる時も優しく丁寧に振る舞う必要があるのでは??」


志村「…………………」


社長「…………………」


店長「クビですね。やはり」


志村「待て待て待て待て!!待ってください店長!!」


店長「じゃ、私はこれで帰る」


志村「ちょっと社長!!俺にも10万円ください!!10万円お願いします!!」


店長「テメエみたいな、バイトの恥さらしクズに渡す金はねえよ」


志村「そんな!?今日だけなんです!!俺は普段はもっと真面目なんです!!」


店長「お客様が、おかえりです」


店長・安井「「ありがとうございましたー!!」」


志村「また来てください!!今度もまた俺が対応しますから!!絶対来てくださいね!!」


カランコロンカラン


店長「安心しろ。その時にお前はもういないから」


志村「テ、テンチョー!!ジョーダンきついっすよー!!(笑)」


店長「だったら、そこにいるクレーマーをなだめてきてくれ(笑)」


志村「え??」


クレーマー「おい!!さっさと水のお代わりをよこせや!!」


志村「は、はい??」


クレーマー「さっきから何度も呼んでんだよ!!水をよこせ!!」


志村「あのーお客様。それ以前に料理を注文していただきたいのですが…」


クレーマー「はあ!?だいぶ前に注文したわ!!ふざけんな!!」


志村「しかしですね、こちらで把握できていないのですが…」


クレーマー「それはそっちの落ち度だろうが!!」


志村「では、何を注文したのか教えていただけますか??」


クレーマー「忘れた!!とりあえず水を持ってこい!!」


志村「その前に、注文お願いします」


クレーマー「ああん!?なんだこのウザ店員!?チェンジで!!」


志村「ファミレスでチェンジされた!?」


クレーマー「おいそこの女!!さっさと水のおかわり持ってこいや!!」


不破「死ね豚野郎。気安く話しかけんな」


クレーマー「は、はひ!?しゅいましぇんでした!!」


不破「あー、マジでバイト疲れたわー…おいそこの豚。椅子になれ。そして座らせろ」


クレーマー「はひ!!ありがとうございましゅ!!////」


志村「いいなー!!俺もその椅子に座りてえ!!」


クレーマー「ああん!?ぶっ殺すぞクソガキ!?」


志村「俺、来世はドS美少女に生まれたいです!!!!」


~完~

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ