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3度目の正直

志村「おい加藤!!今度の日曜日空いてるか??」


加藤「ん?どうした??」


志村「バイト先の女子が、なんか合コンを組んで欲しいって言ってきてさ。男を集めてんだけど…」


加藤「マジで!?最高じゃん!!行く行く絶対行く!!」


志村「いやー、でも俺は正直あの女そんな好きじゃねえんだよな。全然仲良くもないし…だからなんで合コンに呼ばれてるのかわからんし、モチベも低いんよね…(笑)」


加藤「バカかテメエ!!その女は最悪どうでもいい!!問題なのは、その女が連れてくる友達だろうが!!」


志村「確かに!!」


加藤「ひょっとしたら、超美人でカワイイすごい奴を連れてくるかも…」


志村「マジでか!?妄想止まらん…グヘヘヘヘヘ…」


加藤「おい。わかってるな??次の合コンはアイツは絶対連れていかねえぞ?」


志村「当然だ。高木は絶対に誘わない」


加藤「だが、代わりに誰を呼ぶ?」


志村「浜田」


加藤「イケメンすぎ。却下」


志村「松本」


加藤「陽キャすぎ。却下」


志村「北野」


加藤「きゃっk…いや、OKだ!!」


志村「マジで!?」


加藤「考えてもみろ。アイツがゴミキモすぎて、みんなドン引きするだろ!?そしたら、相対的に俺達の株が上がるって話だよ!!」


志村「なるほどお!!お前は天才だ!!」


加藤「アイツのキモさのおかげで、相対的に俺達がモテモテに…」


志村「グヘヘヘヘヘヘヘヘ…」


加藤「じゃあ、早速アイツを誘おう」


志村「そうだな。善は急げだ」


加藤「おい北野。合コン行こうぜ!!」


北野「なんだ??このスーパーイケメンでモテモテの俺様に、合コンに来て欲しいのか??」


加藤「そんなわけねえだろうが!!テメエなんざいらねえわ!!」


北野「え??」


志村「どうどう。落ち着け加藤。ここは彼女を作るための辛抱だ」


加藤「そうだったな…すまんすまん」


志村「是非合コンに来てほしい!!頼むわ!!」


北野「まあ、大親友に頼まれたんじゃ仕方ねえな。正直このモテモテの俺が、合コンなんかに行く必要は全くねえが、モテない残念な大親友のために、一肌脱いでやりますか!!」


志村「誰がモテない大親友だゴルア!!ぶっ殺すぞ!?」


北野「え??」


加藤「どうどう。落ち着け志村。ここは彼女を作るための辛抱だ」


志村「ハア…ハア…そうだったな。すまんすまん」


北野「そうだ!!どうせだし、杉本も誘っていいか??」


加藤・志村「「杉本??」」


北野「俺と森田といっつも一緒にいる奴だ」


加藤「あー!!あの、いつも全然しゃべらない奴か!!」


志村「この前の人狼で、初めてしゃべってるところ見たわ」


北野「アイツは人見知りだからな。初対面の奴とはしゃべれねえんだ」


加藤「じゃあ、合コンは大敵じゃねえか!!」


志村「正気か!?そんな奴を誘うなんて!!」


北野「いやさ、アイツも前々から彼女が欲しい欲しいって言って、未だに2次元にしか彼女がいないような奴だからさ。そろそろ作ってあげたいじゃん??」


加藤「いや、お前もいないだろ」


志村「それな。何を上から目線で語ってんだよ」


北野「いや、俺は作ろうと思えば作れるから。ただ作る気が無いだけだから」


志村「出たよ。モテない奴特有の、惨めな噓(笑)」


加藤・北野「「あんだとゴルア!!」」


志村「なんでお前もキレてんだ!?」


志村「まあ、相手が4人来るらしいから、ちょうどいいっちゃいいか」


加藤「そうだな。4対4がベストだろ」


北野「じゃあ、杉本を誘っとくわ!!」


加藤「…………………」


志村「…………………」


加藤「勝ったぜ!!キタコレ!!マジで神!!」


志村「神様は俺達を見捨てなかった!!最高!!」


加藤「あの激キモクソヤバ北野と、人見知りの杉本!!これは絶対勝った!!このメンツで俺達がモテないわけがない!!」


志村「これまでは、ライバルが悪かったんだ。高木とかいう中途半端ゴミクズカスイケメンのせいで、これまで俺達がどれほど恥をかいてきたことか…」


加藤「間違いない。これまで俺達が合コンで失敗してきたのは、高木とかいうキモキモゴミイケメンがいたせいだ!!つまり、全部高木のせい!!」


志村「だがそれも今日で終わり!!明日から俺達は、待望の…リア充だああああああああ!!」


加藤・志村「「イエエエエエエエエエエエエイ!!!!」」


加藤「だが、油断は禁物だ」


志村「そうだな。今回に俺達は全てを賭ける」


加藤「そうと決まれば早速…」


志村「ファッション選びだ!!」


~合コン当日の午前7時~


加藤「楽しみすぎて、超早起きしてしまった…クソ眠い…」


志村「それな。学校は起きれないのに、このイベントのためなら起きれたわ」


加藤「さて志村。ちゃんとお金は持ってきたか??(笑)」


志村「当然だ。ありったけの全財産を持って来たぜ」


加藤「よし。じゃあモテるコスチュームを合コンまでにそろえるぜ!!」


志村「おーーーー!!」


加藤「ここに行くぞ。「イケイケモテモテコーディネートマスターショップ」だ」


志村「なんかヤバそうな店出てきた!!」


店員「いらっしゃいませ-」


加藤「イケイケファッションを探しに来ました!!」


店員「どーぞどーぞ。お入りください。当店は、アナタ方のようなどんだけ外見が終わってる残念な方でも、マトモな見た目に変えることに定評のある店でございます!」


志村「いや、言い方に棘しかねえんだけど!?」


加藤「外見が終わってて、悪うござんしたねえ!!」


志村「おい加藤。大丈夫なのか、このクソ店は…」


加藤「心配ない。口コミの評価は高かった」


店員「ではどうぞこちらへ。コーディネートは、全てこの店長、ファッションマスター服神(ふくがみ)にお任せ下さい」


加藤「おおー!!なんかスゴそう!!」


志村「まあ実際、俺らよくわかりませんし服のこと(笑)」


服神「でしょうね(笑)」


加藤「は??」


志村「え??」


服神「アナタ達の、その激ダサオワコンコーディネートを見ていると、よくわかります」


志村「えーと、コイツ殺していい??」


加藤「落ち着け!!よく言うだろ?うまいラーメン屋の接客はオワコンだって!!」


志村「服屋の接客が終わってたら致命的だろ!!」


服神「だがしかし!!この私に任せていただけば、アナタ達を何よりも誰よりもイケメンに変えてご覧にいれます!!」


加藤・志村「「おおおおおおおおお!?!?」」


服神「では早速、服を取ってまいります」


加藤・志村「「はい!!」」


加藤「これ、マジで期待できるんじゃないか!?」


志村「それな。実力でわからせるタイプの店か!!」


〜5分後〜


服神「では、試させていただきます」


加藤「お願いします」


服神「あーこれ、ダメですね…素材はいいのに、お客様のせいで台無しになってますね…」


加藤「は??」


服神「お客様から出るダサダサオーラのせいで、服までダメダメになってますね…」


加藤「おい何を言ってんだコイツは。殴り殺されたいか??」


志村「まあ確かに、コイツはクソダサだから仕方ないな(笑)」


加藤「ああん!?」


服神「いやーせっかくのオシャレ服が…」


加藤「だったら他の服をさっさと持ってきやがれ!!」


服神「ハイハイ。では次、こちらはどうでしょう??」


加藤「はい。着てみたけど…」


服神「いやー、これもダメですわ。アナタのダサダサオーラに呑まれてしまってますね…」 


加藤「人をディスらないとやってられんのかお前は!!」


服神「では次、こちらはどうでしょうかね??」


加藤「…………………」


服神「あーこれもダメですね。ヒドイですね。」


加藤「俺に似合いそうな奴持って来いや!!なんなんださっきから!?こんな穴だらけの服は誰が着てもダサいだろ!!」


服神「ダメですよ。服のせいにしては」


志村「そうそう。全部お前のせいだから。お前のダサダサオーラのせいだから(笑)」


加藤「テメエは黙ってろ!!」


服神「この服、アナタ以外であれば似合うんですけどねえ…」


加藤「俺に似合うやつを持って来いや!!」


服神「当店にはないですね」


加藤「ない!?なんだこの店!?マジで使えねえ!!」


志村「もうお前はすっ込んでろ。次は俺の番だ!!」


服神「ではこの服などいかがですか?」


志村「よし!!どうだ!?」


服神「ダメでしたね…お客様のクソダサキモキモオーラに打ち勝てる服が、当店には存在しません…」


志村「は??」


加藤「あっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」


服神「お客様ちょっと、ダサダサレベルが他の方と違いすぎますね…高すぎる。これではどんなにオシャレな服も、全てがクソダサに見えてしまう…」


志村「はあ!?じゃあどうすんだよ!?」


服神「仕方ありませんが、一生クソダサ人間として生きていくしかないですね…(笑)」


志村「マジぶっ殺すぞテメエ!!」


加藤「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」


加藤「げっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」


志村「テメエはさっきからやかましいんだゴルアアアア!!」


志村「じゃあどーすればいいんだよ!!」


服神「お客様大変申し訳ございませんが、ダサすぎて当店には合う服がございません…」


志村「この店、焼き討ちしようかな…」


加藤「それな。もういいです。俺達で勝手に決めます」


服神「やめた方がいいです。アナタ方のファッションセンスは皆無なので、マトモな服を探すことは絶対にできません」


加藤「大きなお世話だ!!」


志村「テメエはすっこんでろ!!」


服神「絶対やめた方がいいです。ダサい方はダサい服しか見つけることができないので」


加藤「うるせえ!!」


志村「とっとと失せろこのボケ!!」


加藤「てかお前に任せても、ロクな服が出てこなかったじゃねえか!!」


志村「ホントだよ!!何がファッションマスターだ!!笑わせんな!!」


服神「あれは、お客様のダサダサオーラに打ち消されてしまったからです。本来なら、どれもとてもオシャレな服なんです」


加藤「そのオーラを打ち消せる服を探してこいって言ってんだよこのハゲ!!」


服神「ないですねえ…」


加藤「だったら、もう俺達でテキトーに探す」


志村「そうそう。自分で合うかどうか決める」


加藤「だからお前は消えろ」


志村「そして死ね」


服神「なるほど。では見届けさせていただきます」


加藤「いやメンタル強!?」


志村「どっか行けって言ってんだよ!!」


加藤「おい。この服どうだ??」


志村「いーじゃん。最高だな」


服神「全然ダメですね。その服を選ぶなんて、本当にセンスがないですね…」


加藤・志村「「だからテメエはどっか失せろ!!」」


加藤「これはどうだ?」


志村「いーじゃん」


服神「ダメダメですね。そんなダサい服を選ぶなんて、本当にセンスが皆無でいらっしゃる…」


加藤「お前の店の商品なんだけど!?」


服神「お二人とも、やはりセンスがなさすぎます。この店の服を着るのに相応しくない」


加藤「ダサい奴をカッコよくするのが、オシャレなんじゃねえの!?」


服神「…………………」


加藤「…………………」


志村「…………………」


服神「急にド正論をぶち込まないでください」


加藤「なんか論破できた!?」


志村「とりあえず、ここの評価は星1つけとくんで」


加藤「最低最悪のゴミ店でしたって書いとくわ」 


服神「問題ありません。どうせ私の口コミで上書きするので」 


加藤・志村「「は??」」


服神「あの口コミは、すべて私の自作自演です。」


加藤「え??」


服神「あの口コミは、全て私の1000個のアカウントによって書き込まれたものです。」


加藤「なるほど。どーりでコメント内容が全部ショボかったわけだ…「この店マジ神」とか(笑)」


服神「なのでいくら個人が星1をつけたところで、すぐに私のアカウント軍団で叩き潰せます(笑)」


加藤「いや暇人か!!」


志村「そんな暇あるなら、もっと別の経営戦略立てろや!!」


服神「だからどうぞ。いくらでも星1でもなんでもおつけください(笑) どうせ無駄でしょうが(笑)」


加藤「あっそう。じゃあネット上じゃなくて、対人で情報を伝えるわ(笑)」


服神「え??」


加藤「あの店ヤバいよーって、俺と志村のあらゆる友達に伝えさせてもらう」


志村「確かに。そしたら少なくともうちの学校からは滅多に来なくなるだろうな(笑)」


服神「…………………」


加藤「…………………」


志村「…………………」


服神「フ、フン!!そんな脅しには屈しない!!いいかお前ら。世の中口コミなんだよ!!だから、口コミさえ良いものにしておけば、うちからお客が絶えることはない!!残念だったな!ガッハッハッハッハ!!」


加藤「うん、まあぶっちゃけどーでもいい(笑)」


志村「少なくとも俺達は、もう二度と来ないし(笑)」


〜店の外〜


加藤「まったく、ひでえ目にあったぜ…とんだクソ店だ。星1つけよ」


志村「どーする??もう向かうか?結局、服とか何も買ってないけど(笑)」


加藤「まあいーんじゃね??一応家からちゃんとしたの選んで着て来たわけだし」


志村「そーだな。まあ俺達からは、ダサダサオーラが出てるらしいけどな(笑)」


加藤「それな。ダサダサレベルが高いらしい(笑)」


志村「まあ、流石にお前よりはマシだけど(笑)」


加藤「いやいやいや。「お前の方がレベル高い」とか言われてたやん(笑)」


志村「いやいやいや。あれはアイツの目が節穴なだけ」


加藤「いやお前が激ダサなのは事実だと思う(笑)」


志村「…………………」


加藤「…………………」


加藤・志村「「ぶっ殺す!!」」


~合コン当日、午前10時~


加藤「楽しみすぎて、3時間前に来てしまった…」


志村「どーする??」


加藤「その辺の公園で少し休んでるか」


志村「そうだな。さっきの服屋のクソ店員のせいで疲れたし…」


加藤「それな。原っぱで一眠りしようぜ!!」


志村「さんせーい」


加藤・志村「「ZZZZZZZZZ…」」


~4時間後~


加藤「おい!!おい志村!!」


志村「むにゃむにゃ…なんだようるせーな…」


加藤「そんなこと言ってる場合じゃねえ!!もう午後2時だぞ!?」


志村「二に荷に弐に2時!?集合時間を1時間も過ぎてるじゃねえか!!」


加藤「そうだよ!!だから急ぐぞ!!」


ダダダダダダダダダ


志村「なんで起こしてくれなかったんだよ!!」


加藤「それはこっちのセリフだボケが!!」


志村「うわ!!電話の不在着信300件も来てる!!」


加藤「当たり前だろうが!!お前は男側の幹事だぞ!?」


志村「なんで起こしてくれなかったんだよ!!」


加藤「だから、俺も寝てたんだよ!!」


志村「寝ながらでも俺を起こせよ!!」


加藤「無茶言うな!!」


志村「まったく…肝心な時にホント加藤は…」


加藤「さっきから、全部ブーメランだからな!?」


志村「ああもう…大事な大事な、命がけの合コンが!!なんでこんな目に…」


加藤「俺だってそうだよ!!こんなに朝早くから頑張ってたのに!!」


志村「畜生…なんで起こしてくれなかったんだよ!!」


加藤「何回やるんだこのやり取り!!もういいわ!!」


志村「ハア…ハア…アイツらがいる店まで、もうすぐだ…ゼエゼエ」


加藤「待て志村!!」


志村「は??なんだよ急に…」


加藤「よく考えろ。このまま行っても、ただのド腐れ遅刻ゴミクズ野郎だ」


志村「確かに。それはそうだな」


加藤「だから、言い訳を作ろう」


志村「なるほどお!!お前は天才だ!!」


加藤「連絡が取れなかった、ということは、何か緊急事態が起こったから、ということが最も多いだろう。だから、緊急事態が発生したことにしよう!!」


志村「そうだな。で、その緊急事態とは??」


加藤「交通事故だ!!」


志村「いける!!それなら許してもらえる!!」


加藤「シチュエーションは「歩いてたら車に引かれた。けど俺達は頑丈だったから、無傷!!スゲー!!でも警察と色々話してたから全然連絡できなかったよ♡てへぺろ」作戦だ!!」


志村「長すぎ!!でも理解した!!」


加藤「よし行くぜ!!」


カランコロンカラン


北野「あ、あいつらだ」


加藤「本当に遅れて申し訳ない!!」


志村「マジでごめん!!実はさあ、さっき歩いてたら車に引かれた。けど俺達は頑丈だったから、無傷!!スゲー!!でも警察と色々話してたから全然連絡できなかったよ♡てへぺろ!!」


北野「…………………」


女子1「…………………」


女子2「…………………」


志村「あれ??何この空気…」


加藤「おいバカ!!そのまんま言ってどうすんだよ!!」


志村「はあ!?だってそういう作戦だろ!?」


加藤「てへぺろとかいらねーんだよ!!申し訳ない感じでやれやバカ!!」


志村「お前が余計なことを言うからだろうが!!」


加藤「あれは作戦名だわ!!残りはうまく変えろよ!!」


志村「わかりにくい!!だから全部お前のせい!!」


加藤「なんだとゴルア!!今のは全部テメエのせいだろうが!!」


女子3「あ、あのー…」


加藤・志村「「ああん!?」」


女子3「ひいい!!」


加藤「あ…いやあの違いますごめんなさい!!」


志村「そうですマジですいませんでした靴舐めます」


女子3「いや、あの、もうそういうのはいいんで…どうぞ席に座ってください」


加藤「あ、はい…どうも…」


志村「し、失礼します…」


女子1「……………………」


女子2「……………………」


北野「……………………」


杉本「……………………」


加藤「……………………」


志村「……………………」


加藤(おいいいいいいい!!なんなんですかあ!?この地獄の空気は!!)


志村(俺達は、遅刻して超話しづらいんだから、お前らが回せや!!)


杉本(初対面怖い怖い怖い怖いでござる…)


北野(クックック。みんなが、この俺のカッコよさに惚れてるぜ!!流石はイケメンの俺様だ。みんなの視線を釘付け!!黙っていても通じるこの魅力!!)


加藤(そして、なんでアイツは無口なのにドヤ顔してんだ…?)


志村(どーせ自分がカッコイイとかまたうぬぼれてんだろ(笑))


加藤(でもどーすんだよ!!誰か話を切り出せや!!)


杉本(あああああああ緊張するでござるうううううう!!北野君に無理矢理連れてこられてきたとは言え、拙者にはこの空気、耐えられないでござる!!ああああああああ)


泡ブクブクブクブク…


加藤(おい!!アイツ失神してるぞ!?)


志村(ホントに役に立たねえな!!おい北野!!)


北野(ああ…俺ホントにカッコイイカッコイイカッコイイ…)


加藤(さっさとしゃべりやがれテメエ!!)ヒソヒソ


志村(早くこの地獄の沈黙を終わらせろ!!)ヒソヒソ


北野(あのなあ。俺は黙っていても、相手と通じ合えるんだよ。だから話す必要ないんだ)ヒソヒソ


加藤(超能力者か!!)


志村(あーもういいわ!!)


志村「いや、改めて本当に遅刻して申し訳ない。志村といいます」


加藤「本当にごめんなさい。加藤です」


佐藤「いえいえ。無事でよかったです。佐藤です」


浜辺「浜辺です」


前田「前田です」


清水「清水です」


志村「えっと、俺達が来るまでは、みんなどんな会話してたの??」


佐藤「いや、それがですね…(笑)」


浜辺「2人とも、いつまでも無言なので…」


前田「私達でずっとしゃべってました…(笑)」


加藤・志村「「はああ!?」」


北野「クックック。その通りだ(ドヤ顔)」


加藤「クックック。じゃねえよ!!クソダサじゃねえか!!」


志村「どういうメンタルしてたら、今の話でドヤ顔できんだよ!!」


清水「だから、その人達の名前も知らないんですけど…(笑)」


加藤「お前、よくそれで合コン来ようと思ったな!?」


北野「勘違いするな。俺はミステリアスなキャラを演じてただけだ」


加藤「ミステリアスをはき違えんなカス!!」


志村「やっぱりお前を連れてくるんじゃなかったわ!!」


加藤「ま、まあ、それじゃあこっから挽回します!!」


志村「そうそう。じゃ、皆さんの趣味とか好きなこととか聞いてもいいですか?」


佐藤「アニメです」


浜辺「私も」


前田「うちも」


清水「アタシも」


加藤「え、他には??」


佐藤・浜辺・前田・清水「「「「ないです」」」」


志村「全員アニメだけ!?」


佐藤・浜辺・前田・清水「「「「はい」」」」」


加藤「いやまあ、アニメ好きなのはいいことですけど…(笑)」


志村「ちなみに、どんなアニメが好きなんですか??」


佐藤「「イチャイチャボーイズパラダイス」とか」


加藤「聞いたことねえ!!」


志村「なんかタイトルからヤバそう!!」


浜辺「それから「イケイケイケメンパラダイス」とか」


加藤「なんなんだそのアニメは!?」


志村「てかパラダイス系多いな!!」


加藤「あの、呪術〇戦とか、鬼〇の刃とかは見てないんですか!?」


佐藤「呪術〇戦…??鬼○…の刃??」


加藤「いや、名前くらいは知ってるだろ!!」


浜辺「まったく聞いたことないですね…」


清水「アタシも」


前田「うちも」


加藤「マジで!?」


佐藤「あ、でも銀〇は見てました!!」


加藤「え!?マジで!?俺も俺も!!」


志村「俺もマジで大ファンなんよ!!よかったー、銀○を知ってる人いて!!」


佐藤「え!?志村さん達も銀○の大ファンなんですか!?」


志村「そうだよ!!めっちゃ面白いよね!!」


佐藤「そしたら、アニメの145話で銀さんが言った名言、わかりますよね??」


志村「え??」


浜辺「あれ、マジでいいよねー!!」


前田「ね!!ホントカッコイイ!!」


志村「え??145話って…??」


加藤「えーと、どの話だったっけ??(笑)」


佐藤「は??わからないんですか??」


志村「え?あ、うん…」


佐藤「じゃあ244話の内容とか覚えてますか??」


志村「え??244話…??」


加藤「どんな話だったっけ??(笑)」


佐藤・浜辺・前田「「「…………………」」」


佐藤「じゃあ、88話の冒頭の会話は??」


加藤・志村「「知らねーわ!!」」


佐藤「ええ…噓でしょ??」


浜辺「その程度の情報も知らないで、大ファンとかほざいてるのかあ…」


加藤「そこまで言われる!?」


志村「話数を知らなかっただけで!?」


佐藤「ちなみにですけど、アニメ銀〇を何周見ましたか??」


志村「は??何周って??」


加藤「確か、400話くらいあるよね?そんなの当然1周しかしてないけど…」


志村「しかも全話見た記憶はねえわ…神回を厳選して見たって感じ」


佐藤「ハア…もういいです」


浜辺「話にならない┐(´д`)┌」


加藤「はあ!?」


志村「何!?」


佐藤「アニメ銀〇を3周以上してない人とは会話したくないです…」


前田「その程度で大ファンを名乗るなんて…ドン引きですね」


志村「いや、それはこっちのセリフ!!」


加藤(おい!!なんなんだこの合コンは!!なんか思ってたのとチゲえぞ!?)


志村(なんだこれ!?全然話が合わねえぞ!?)


加藤「…………………」


志村「…………………」


佐藤「…………………」


加藤(いや、気まず!!)


志村(おい!!話題を変えるんだ!!)


加藤「ま、漫画とかは、好きですか!?」


佐藤「はい。漫画も大好きです!!」


加藤「何の漫画を読んでますか!?」


佐藤・浜辺・前田・清水「「「「銀〇」」」」


加藤「ですよねー!!ホントすいませんでした!!」


志村「他には、何を読んでるの!?」


佐藤「イチャイチャボーイズパラダイス」


加藤「それ、漫画が原作だったの!?」


志村「他には!?」


浜辺「イケイケイケメンパラダイス」


志村「もういいわそれ!!他!!」


前田「萌え萌えラブラブガールズプリンセス」


加藤「なんだそれ!?」


志村「まっったく聞いたことねえ!!」


杉本「「萌え萌えラブラブガールズプリンセス」でござるか!?!?」


加藤「うわ!!」


志村「ビックリした…」


杉本「誰でござるか!?萌え萌えラブラブガールズプリンセスの名を口にした者は!!」


前田「え…??私、だけど…」


杉本「マジで、最高でござる!!同志よ!!」


前田「え!?もしかして、あなたも見てたの!?」


杉本「大ファンでござる!!ここにも、あの神アニメを見た同志がいたでござるか!?」


前田「えー嬉しい!!私もよ!!」


清水「あなたはもしかして、アニメ派なんですか!?」


杉本「拙者は両方好きでござるが、どちらかというとアニメ派でござる!!」


清水「私も私も!!アニメには独特の良さがあるよね!!」


杉本「そうでござる。漫画の良さもしっかり生きてるでござる」


清水「わかるー!!アニメ、本当にできよかったよね!!」


前田「私も見てたよ!!ホント面白かったよね!!」


佐藤「私も私も!!サイコーだった!!」


加藤・志村「「…………………」」


杉本「あの神アニメを見てないなんて、非国民でござる!!」


加藤「おい!!この世が非国民だらけになるわ!!」


志村「そんなアニメ、聞いたこともねえわ!!」


佐藤「マジでそれな。正直人権ないよね」


加藤・志村「「ダニィ!?!?」」


浜辺「ホントそれ。死ねばいいのに…」


加藤「いや、言いすぎだろ!!」


志村「コイツらヤバすぎ!!」


前田「えーでも、同志に会えてめっちゃ嬉しい!!」


杉本「最高でござる!!今日は朝まで語りつくすでござる!!」


佐藤・前田・清水「「「イエーイ!!!」」」


加藤・志村「「い、いえーい!!」」


佐藤「え??あなた達は知ってるの??」


加藤「いや、まあ、うん…」


志村「実はさ、見てたんだよね…」


加藤「そうそう。だから、話に入れて欲しいなって…」


志村「うんうん。お願いします」


前田「じゃあ、どんな話だったかわかる??」


加藤「いやー、えーと、そうすね…」


志村「カワイイ女の子が、色々あってプリンセスになる物語、的な??」


(※読まなくていいです)

前田「全然違う。幼い頃に両親を失って、ひどい暮らしをしてきた少女が、自分をプリンセスとして生涯を捧げることで世界を救えることを知るの。でも愛を知らない彼女はこんな腐った世界を救いたくない。だからプリンセスになるかどうか葛藤するんだけど、色んな人たちとの出会いを経て、最終的には覚悟を決めてプリンセスになって、世界のために命を捧げることにするっていう感動話よ」


加藤「想像以上に重い話だった!!」


志村「タイトルを変えろバカ野郎!!」


杉本「ホントに感動したでござる!!今思い出しても、涙が出そうでござる!!」


前田「ホントそれ!!あんな良いストーリー見たことないよ!!」


杉本「122話の、彼女の名言が忘れられないでござる…」


加藤「なっが!!何話あるんだよ!!」


杉本「全部で1000話あるでござる」


加藤「約25年間にわたる放送!!」


志村「国民的アニメレベルじゃねえか!!なんで有名じゃねえんだ!?」


杉本「しょうがないでござる。屋久島テレビでしかやってないでござるから…」


加藤「ローカルオブローカル!!」


志村「誰が見てるんだそれ!!」


杉本「でも契約すれば、誰でもどこでも見れるでござるよ!!」


加藤・志村「「普通しねーわ!!」」


杉本「拙者はそれで、このアニメを5周したでござる!!」


志村「5周!?1000話を!?正気か!?」


加藤「どれだけの時間をそのアニメで消費したんだ!?」


前田「もうちょっと、そこの見てない2人は黙ってて!!」


加藤・志村「「はい…」」


佐藤「でさあ、350話の、ヒロインのあの名言、本当に超絶カッコイイよね!!」


加藤「うんうん。間違いないね」


志村「それそれ。それなんだよな」


前田「アンタらは黙ってて」


加藤・志村「「…………………」」


杉本「あ、ちなみに拙者、銀◯も履修済みでござるよ」


佐藤「え!?もしかして銀◯も見てるの!?」


杉本「勿論でござる。3周はしてるでござる」


佐藤「キャーーー!!杉本君、サイコーーー!!」


浜辺「ねえねえねえねえ!!145話の銀さんの名言って覚えてる!?」


(※読まなくていいです)


杉本「そんなもの、基礎知識でござるよ。「消させはしねえさ…もう誰も。たとえか細い蠟燭(ろうそく)の火でも、集まりゃ闇も照らせる。たとえ火が消されても、1本でも火が残っていれば、また火をともせる。お前には、俺の火は消せねえよ。何度吹き消そうとも無駄な話だ。俺にはとっておきの火種があるんだ。絶対に消えねえ、火種がついてんだ。奴らがいる限り、俺は何度消されても、何度でも燃え上がる。」でござるな。あれは痺れたでござる…」


加藤「なっっっが!!」


志村「そんなもん、3周しても覚えられねえわ!!」


浜辺「杉本君、マジで最高。2次会行かない!?」


前田「もっと色んなアニメについて深堀りしよ!!」


杉本「もちろんでござるよ、拙者ももっと、貴殿達と語り合いたいでござる!!」


佐藤「やったー!!じゃあ志村君たちは、ここでバイバーイ!!」


加藤「え、ちょ、ま」


志村「おーーーーーい!!」


加藤「…………………」


志村「…………………」


加藤「おい!!どうしてくれんだよ!!なんだこの結果は!!」


志村「俺が知るか!!あんなクソ野郎どもだとは思ってなかったんだよ!!」


加藤「しかも、全員高度なオタクじゃねえか!!そんくらい気づいとけ!!」


志村「うるせーな!!そもそも俺が誘わなきゃ、誰にも合コンに誘われないような金魚の糞がギャーギャーわめいてんじゃねえぞ!?」


加藤「誰が金魚の糞だゴルア!!別にお前が誘わなくても、他にも合コンのつてなんていくらでもあるわ!!ナメてんじゃねーぞ!?」


志村「あーそう。じゃあもう2度と誘わねえわ(笑)」


加藤「本当にすいませんでした!!またどうかよろしくお願いいたします!!」


~完~

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