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金を取って人を占うからには、命を懸(か)けろよ

   

〜帰り道〜


「ねえねえ!!占いしていかない!?」


「いいね!!やりたいやりたい!!」


「キャーー!!どうなるか楽しみ!!」


志村「あのさ、前から思ってんだけど…」


加藤「何??」


志村「占いに金かけるって、バカじゃね??(笑)」


加藤「まあ、何に金をかけようが自由といえば自由だけど…(笑)」


高木「言わんとしてることはわかるな…(笑)」


志村「あんな当たるかどうかもよくわからない、クソテキトーな予言に、なんで金払って聞かわなきゃいけねーんだよって話よな!!(笑)」


加藤「いやお前、占い師になんか恨みでもあんの??(笑)」


志村「昔、「アナタはこれから水浸しになるでしょう」って言われた5分後に、マジで水たまりで転んでグショグショになったんよ。マジで許さねえあのクズ」


加藤「いや、めちゃくちゃ当たってるじゃねえか!!」


志村「あと中学時代に、「アナタはこれから消しゴムを失くして、授業中に借りた相手と付き合うことができるでしょう」って言われて、マジでソイツと付き合えたんだけどさ」


加藤・高木「「は??」」


志村「その女がロクでもなさすぎて、1日で別れたんよ。マジであのクソ占い師、絶対許さn」


加藤「いやいやいやいや!!」


高木「待て待て待て待て!!」


志村「は??なんだよ」


加藤「は?じゃねーよ!!その占い師、最強じゃねーか!!」


志村「どこがだよ。あんなロクでもない性格ゴミ女を紹介してきたんだぞ!?」


加藤「いや、完璧にあたってるじゃねーか!!ソイツ、マジで本物の占い師だぞ!?」


志村「バカかお前ら…ってよく考えたら、これまで10回やって、10回とも当たってんな!?」


加藤「バカだろ!!お前マジでバカだろ!!」


高木「てかお前、実は占い大好きだろ!!」


志村「おい!!占い師を探すぞ!!今すぐ占いをしてもらうぞ!!」


加藤「切り替えはや!!」


志村「優秀な占い師!!どこだ!?」


占い師「はい。私はよく当たる占い師です。これまでの的中率は100発100中です」


志村「マジで!?」


加藤「いやめちゃくちゃ胡散臭い!!」


占い師2「私は、よく外れる占い師です」


加藤「それも嫌だわ!!」


高木「正直なら良いわけじゃねえぞ!?」


占い師3「私は、まだ一度も占いを的中させたことがありません。」


加藤「今すぐやめろ!!占い師!!」


高木「てかこの辺、どんだけ占い師いんの!?」


占い師4「私は、そこそこの実力の占い師です」


志村「よし。この人にしよう」


加藤「いいのか!?それで!!」


高木「程々のこと言ってる奴が、正直者なんて保障はねえからな!?」


志村「ちなみに、外したらどう責任を取ってくれるんだ??」


占い師4「え??」


志村「当然、自分の占いには責任を持てよ??指3本くらいはもらっとくか??おうコラ」


加藤「ヤクザか!!」


志村「人を占うからには、命かけろよ??」


加藤「カッコ悪いなこのシャンクス!!」


占い師4「ひいい!!ごめんなさい嘘です嘘です!!全然、私外します!!お許しください!!」


志村「なんだよ。やっぱダメダメじゃねえか」


加藤「あんなこと言ったら、誰でもやらねーわ(笑)」


志村「まったく。外す前提で人を占うんじゃねーよ」


高木「占いなんてそんなもんだ」


志村「いや、外したら「自害する」「切腹する」くらいの強い心のある占い師じゃないと、俺は占われる気にならないね!!」


加藤「そんな占い師いねーよ!!」


志村「もしその覚悟があって占うなら、いくらでも金を出してやらあ!!」


高木「本当かコイツ…??」


占い師5「いーですよ。では私が命がけで占ってあげましょうか??(笑)」


加藤「え??」


志村「え??マジでいいんですか??外したらマジでアンタ死にますよ??(笑)」


占い師5「構いませんよ」


志村「上等じゃねえか。占われてやろうじゃん(笑)」


占い師「では、一万円お願いします」(※以下、「占い師」とします)


志村「よし帰ろう」


加藤「おい!!さっきの話はどこいった!?」


志村「高すぎる!!なんだ一万円って!!」


加藤「命かけてるんだから、相応の対価だろ!!」


高木「むしろ安いくらいだ!!」


志村「やっぱ命かけなくていいから、安くしてくれ(笑)」


加藤「なんだコイツ!?」


占い師「では、1000円のテキトーコースになりますが、よろしいですか??」


加藤「なにそれ!?」


高木「コース別なの!?」


志村「……………………」


加藤「で、どーすんの??」


志村「それでも高いな…」


加藤「マジでなんなのコイツ!?」


高木「もう死ねや!!」


加藤「占いやりたいなんて2度と言うな!!」


志村「だから加藤か高木、俺の代わりにやってくれ(笑)」


加藤・高木「「絶対嫌だ」」


志村「なんでだよ!?気になるだろ!?」


志村「もし外したら、俺がコイツを脅迫して、絶対金返させるからさ!!」


加藤「はあ??ホントかよ」


志村「当たり前だろ!?俺は親友だからな」


高木「そういう奴は、大抵親友じゃねえんだよ」


志村「いいか??もし当たればお前らはサイコーの気分になる。外れてもお金が返ってくるんだぞ!?こんな最高な占いがあるか!?」


加藤「確かに!!最高だ!!」


高木「いや、どこがだよ(笑)」


加藤「なんでだよ!?絶対当たる占いだぞ!?」


高木「当たったところで、それがロクでもない占いだったらどうすんだ??」


加藤「え??」


高木「たとえば「アナタは車にはねられて死ぬ」とか占われて嬉しいか??」


加藤「…………………」


高木「それか「今日の夜ご飯は白米です」とか占われて嬉しいか??(笑)」


加藤「…………………」


加藤「俺、やっぱやめよ…」


志村「おい!!諦めるな!!やれよ!!」


高木「いやお前がやれよ!!」


志村「俺はやらない。無料でやってくれない限りやらない」


加藤「もう2度と占いをやりたいとかほざくな!!」


高木「大体、あの昔の話は何だったんだよ」


志村「え?」


高木「前によく占いしてもらってたんだろ??」


志村「あー、あれは無料だったから」


高木「は??」


志村「あれは、近所のババアが遊びでやってただけなのよ。俺は実験台だっただけよ」


加藤「いや、そのババアすごすぎんだろ!!」


高木「ガチの予知能力者じゃねーか!!」


志村「いやただの近所のババアだよ(笑) 占いで食っていけなくてどっか行っちゃったけど(笑)」


加藤「慈善事業の限界!!」


高木「お前、少しは金払ってやれよ!!」


志村「いやだって、当時の俺はさらに金なかったから、1円でも金を取ろうものなら、ブチギレてババアの髪の毛全部引き千切ってたわ(笑)」


加藤「こんな奴しかいなかったら、そりゃ占いなんて商売やってらんねーわ!!」


高木「少しはリスペクトしろ!!」


志村「ほんでしばらくしたら、不倫がバレてどっか行っちゃったんよね(笑)」


加藤「自分の危険は予知できなかったのか…(笑)」


高木「すごいんだがすごくないんだか…(笑)」


志村「ま、とにかく加藤はやるよな??」


加藤「やらねーよ!!」


志村「はあ??チャレンジ精神のないゴミだな。だからいつまでもお前はモテないんだよ!!」


加藤「あんだとゴルァ!!マジで殺す!!」


占い師「君は、恋愛面で悩んでいるね??」


加藤「な、なぜそれを…??」


志村「コイツ…できる!?」


高木「いや、今自分で言ってたからだよ!!なんで驚いてんだよ!!」


占い師「そっちの君は、昔から金銭面で悩んでいるね??」


志村「バ、バカな!?なぜそれを…??」


加藤「スゴすぎるぞコイツ…」


高木「だから、さっき自分で金無い話をしてたからだろうが!!驚いてんじゃねーぞバカ共!!」


加藤「ア、アナタはもしかして…」


占い師「はい。私こそが伝説のスーパー占い師です」


加藤・志村「「おおおおおおおおおお!!」」


高木「伝説のスーパー占い師ってなに!?」


加藤「すげえ!!こんなすげえ超能力者なら、いくらでも金払うわ!!」


占い師「私にお金をくだされば、アナタ達の夢が叶うように導くこともできますよ??(笑)」


加藤「マジで!?じゃあ俺にも彼女ができるってこと!?」


占い師「ええ。もちろん」


志村「マジで!?じゃあ俺も、億万長者になれるってこと!?」


占い師「当然です。保証します」


加藤・志村「「いえええええええい!!」」


高木「よくもまあ、そんなポンポンと信じられるな!!(笑)」


志村「当たり前だろ。この人は絶対に本物の超能力者だ。俺が保証する」


高木「世界で最も頼りない保証!!」


加藤「で、いくら払えばいいんですか!?」


占い師「10万円ですね」


加藤「は…??」


志村「いや、高すぎだろ(笑)」


占い師「よく考えてみてください。これから夢が叶うんですよ??この程度、大した額じゃないですよ!!」


加藤「いや、大した額だわ」


志村「ないわー。コイツ偽物だわ」


占い師「…というのは冗談です!!3万円でいいです!!アナタ方には特別大サービスで、たったの3万円で占います!!」


高木「めちゃくちゃ安くなった!!(笑)」


加藤「ですよね!!じゃ、お願いします!!」


高木「マジで払うのか!?今の話で疑えや!!」


占い師「アナタはどーしますか??」


志村「やりますやります!!」


高木「マジか!?お前金ねーだろ!?」


志村「よく考えろ。これでお前は億万長者になれるんだぞ??だとしたら、ここで払う3万円なんてはした金よ!!」


高木「でもお前、払えないじゃん(笑)」


志村「だから、俺は加藤に金借りて占うわ」


加藤「はあ!?なんでだよ!!自分で払え!!」


志村「そんな金ねえわ!!」


加藤「じゃあ諦めろ(笑)」


志村「高木!!」


高木「絶対嫌だ。死ね」


志村「なんでだよ!?」


高木「お前じゃ返ってこない可能性が高いからだわ!!」


志村「必ず返す!!なんなら100倍にしてもいいぞ!?」


高木「は??正気かお前(笑)」


志村「当たり前だろ!?俺は今から、億万長者になるんだぞ!?そんな男が、3万円の100倍!!えーと…その程度の額を払えないわけがないだろうが!!」


高木「3万の100倍くらいとっとと計算しろや!!300万円じゃボケェ!!」


志村「とにかく!!300万円くらい、秒で返してやるわクソボケ野郎!!」


高木「それが貸してもらう人間への態度か!!」


志村「すいませんお金貸してください靴でもなんでも舐めますペロペロします土下座します」


高木「よろしい。貸してやる。ただし、この誓約書に名前を書いて印鑑を押してもらう」


加藤「いやどんだけ徹底的にやんの!?」


志村「ハイハイ!!書きます押します!!早く貸してくだしゃい!!グヘヘヘへへ!!」


高木「ほらよ。持ってけバカ志村」


志村「イエーーイ!!流石は高木だぜ!!」


加藤「じゃあ、この3万でお願いします!!」


志村「俺も俺も!!」


高木「ハア…終わったなお前ら…(笑) ちゃんと忠告はしたからな??(笑)」


加藤「大丈夫大丈夫!!この人は本物!!」


志村「そーだよ。お前も見てただろ!?」


高木「もういいです(笑)」


占い師「では、占いを開始します。少々お待ち下さい」


加藤・志村「「はい」」


占い師「オンガラマンジャホイホイ!!オンガラマンジャホイホイ!!チャンジャキムチトリカラ!!ハッ!!」


加藤「ドキドキ」


志村「ワクワク」


高木「鼻くそホジホジ」


占い師「出ました!!アナタ方の運命が!!」


加藤・志村「「おおおおおおおお!!」」


占い師「まず加藤様。アナタにはこれから、とある女性が話しかけてきます。それがアナタの生涯の伴侶となる方です」


加藤「おおおおおおおお!!」


占い師「それから志村様。アナタにはこれから、とある女性が話しかけてきます。そちらの女性が売ってくださる壺をお買いください。その壺が100億円で売れるので、それで億万長者になれます」


志村「おおおおおおおお!!」


高木「おーおーうるせえ!!」


高木「…てか志村の方は、あからさまに怪しいな!!おいお前ら、十分注意しt」

加藤「どこだ!?俺の生涯の伴侶おおおお!!」


志村「どこだ!?壺の女あああああああ!!」


高木「ダメだこりゃ…」


加藤「すいません!!俺の生涯の伴侶ですか!?」


志村「すいません!!その壺俺にくれるんですよね!?」


高木「ヤバすぎる…他人のフリしとこう…」


怪しい女「アタシですアタシ!!アタシが生涯の伴侶です!!」


高木「名乗り出てきた!?怪しすぎ!!」


加藤「おお、あなたが!?素晴らしい!!今すぐ俺と付き合ってください!!」


怪しい女「いいですけど、1つ条件があります」


加藤「え??何??」


怪しい女「銀行の口座とパスワードを教えてください♡」


高木「いや、コイツら人を騙す気ある!?こんなんで引っかかるバカがどこにいr」

加藤「ハイハイどうぞどうぞ。これがキャッシュカードで、パスワードは※※※※です!!」


高木「いたわ。俺の目の前に。」


加藤「お前の金はお前の金。俺の金もお前の金」


高木「貢ぎジャイアン!?」


加藤「よっしゃー!!これで念願の彼女ができたぜ!!」


怪しい女「もう…そんな大声出してはしゃいじゃって。カワイイんだからもー!!////」


加藤「グヘヘヘへへ…お前のカワイさには負けるぜ。ああガワイイなあ。デュフフフフフ…」


怪しい女「ねえダーリン。どこ行く??」


加藤「そうだなあ…行きたいところはいっぱいある。ディズニーとかUSJとか箱根とか沖縄とか北海道とかみなとみらいとかライブとか佐渡島とか…」


高木「佐渡島!?」


怪しい女「うーんと、その中だったらアタシ、ディズニー行きたいわ!!」


加藤「よっしゃあ!!いこいこ!!」


怪しい女「あ!!大変!!」


加藤「ん??どーした??」


怪しい女「アタシ、財布を家に忘れてきちゃったわ!!」


加藤「ええ!?マジで!?」


怪しい女「ダーリン。今日だけ、全部負担してもらってもいーいー??♡」


加藤「いいよいいよ!!もう俺がドーンと全部奢っちゃうわ!!ガハハハ!!」


怪しい女「キャーーー!!ダーリンかっこいーーー!!」


加藤「あ、でも今金がねえわ。おろしてこねえと…」


怪しい女「大丈夫大丈夫!!アタシがやってくる!!」


加藤「あ?ホント?じゃあよろしく」


高木「よろしくじゃねーよ!!」


加藤「え??」


高木「お前、何を任せてんだよ!!」


加藤「え??なんで??だってアイツ、もう俺の彼女だし。変なことするわけねーじゃん(笑)」


高木「思い出の一切ない彼女は、赤の他人だ!!」


加藤「お前なあ、これまでどんなヒデエ彼女に出会ってきたか知らねえけど、疑いすぎだって。彼女は絶対に悪いことなんてしない。俺が保証する」


高木「その根拠は??」


加藤「目を見ればわかる。あんな金に飢えたハイエナのような目をした女が、悪事をするわけがない」


高木「めちゃくちゃしそうじゃん!!的確な分析!!」


加藤「確かに!!ヤベエ!!」


高木「とこだ!?銀行のATM!!」


〜ATM〜


怪しい女「クックック…モテないバカ男は本当にチョロイぜ…(笑)」


怪しい女「さてと、とりあえず100万円くらい引き出しますかね。よいしょっと100万、と」


ATM「ピピー。残高が足りません」


怪しい女「はあ!?これ、親の口座じゃねーのか!?チッ!!ガキの個人口座かよ…」


怪しい女「仕方ねえ。5万円くらいならおろせるだろ」


ATM「ピピー」


怪しい女「ああん!?」


怪しい女「なら3万円!!」


ATM「ピピー」


怪しい女「なんだコイツ!?残高なんなんだよ!!」


ATM「ただ今の残高 35円」


怪しい女「まさかの二桁!?クソの役にも立たねえ!!てかどうやって生きてくんだコイツ!!」




加藤「あ!!いた!!」


怪しい女「…………………」


加藤「そのキャッシュカードと金を返してもらおう!!」


怪しい女「やるわ!!」


加藤「え?」


怪しい女「テメエ、ほとんど無一文じゃねえか!!残高35円ってなんだよ!!3桁もねえやつ、初めて見たわ!!」


高木「お前、そんな金欠だったの??(笑)」


加藤「あ、そういやさっきの3万円が全財産だったかも(笑)」


怪しい女「金のねえアホ男には用はねえ!!」


加藤「ちょっとハニー。そんなこと言わないでよー♡」


怪しい女「何こいつキモ!!」


加藤「一緒にディズニーいこ♡」 


怪しい女「誰が行くか!!大体金ねえだろうが!!」


加藤「だから、ハニーの金でいこ」


怪しい女「くたばりやがれ!!」


高木「はいはいお幸せに…さて、志村の方は…」


怪しい女2「この壺を10万円で買ってください!!借金してでもいいから!!さっきの占い師に言われたでしょ!?」


志村「だーかーらー!!その壺が100億円で売れるんだってば!!その金で後で10万円とかいうはした金くらい、すぐに払うから!!」


怪しい女2「渡す前にください!!10万円!!」


志村「だから壺を受け取ってから後で払うって!!バカなのかアンタは!?」


怪しい女2「お前が言うな!!」


志村「この壺、100億円で売れるんだぞ!?なんなら後で100万円払ってもイイ!!」


怪しい女2「いーや先払いで10万円だ」


志村「このわからずやが!!」


高木「いい加減に気づけバカ。この壺は100億円もしねーんだよ(笑)」


志村「え??なんで??」


高木「あのなあ、なんで100億円で売れるとわかってるものを、コイツが売らねーんだよ。それはこのゴミ壺に、100億円の価値なんてねーからだ(笑)」


志村「はあ!?そんなことわかんねーだろうが!!なんでも鑑定団に出品すれば、絶対高値がつく!!」


高木「あーそう。もうお好きにしてください(笑)」


〜1週間後〜


加藤「絶対許さねえ…」


志村「クソが…絶対ぶち殺す…」


高木「なんだお前ら。どーした?1週間、学校来てなかったけど…(笑)」


加藤「あの占い師ババア、絶対にぶち殺す…」


志村「ホントだよ。俺達を騙しやがって…」


高木「今更!?もうあれから1週間もたったぞ!?」


志村「だって俺、昨日までずーーっと、あのオバハンと言い争いしてたもん」


高木「1週間も!?」


志村「いやーもう、1日目からもう言葉が尽きてな。同じセリフの繰り返しだったわ。あー不毛不毛」


高木「だったらさっさとやめろや!!」


志村「いやでもさ、100億円なんて大金、そう簡単には諦められんだろ!?」


高木「早々に諦めろ!!そんなうまい話はねえ!!」


志村「だから学校休んで、寝る間も惜しんで1週間オバハンと永遠に口論してたら、ついにオバハンが力を尽きて、これが詐欺だと暴露したんよ(笑) してやったりって感じだぜ!!ガハハハハハ!!」


高木「そこまでしなくても詐欺だとわかれや!!」


志村「で、加藤の方は??」


加藤「いや俺は、あの日彼女にあれからずっと付きまとってたら、警察呼ばれてストーカーの疑いをかけられて、警察に捕まってたわ(笑)」


高木・志村「「いや、(笑)じゃねーよ!!」」


高木「笑えねーわ!!」


志村「え??前科者なの??」


加藤「バカ言うなお前。俺がリアルにストーキングなんてするわけがねえだろ??」


高木「いや、端から見たらどう考えても、お前はストーカーだったけど…(笑)」


加藤「そんなことねーよ。別に、丸1日しつこく付きまとってただけだし」


高木「それをストーカーと言うんだよ!!」


志村「え?やっぱり前科者じゃん(笑)」


加藤「違う違う。その後、俺が警察に取り調べ受けて色々と話してたら、あの女が警察に詐欺の常習犯で捕まって、俺は開放されたんよ(笑)」


高木「1つの犯罪がもみ消されたな…(笑)」


志村「お前も犯罪者なのは変わらない…(笑)」


加藤「で、結果的に俺のおかげで1人の犯罪者が逮捕できたってわけ!!おかげで俺、警視総監賞もらえそうだわ!!(笑)」


高木「代償として、1人の犯罪者が野放しにされてることに気づいていない…」


志村「ダメだ警察…この男を解放しては…」


加藤「ま、なんにせよ…」


志村「そうだな。それだけは間違いない…」


加藤・志村「「あのクズ占い師は、確実にぶち殺す!!」」


〜占い師探し中〜


加藤「いねえぞ?アイツ…」


志村「どこいった??」


加藤「おいゴルァ!!どこに隠れやがったこのド腐れ外道が!!ミンチにして東京湾沈めっぞオラア!!」


高木「いやどこのヤクザ!?」


志村「人の純粋な心を踏みにじりやがって!!ぶち殺したるわゴルァ!!」


高木「まあ、お前らがバカすぎるのも原因の1つだけどな(笑)」


加藤・志村「「なんか言ったかゴルァ!?」」


高木「なんでもないです…」


加藤「うん??アイツのいた机に、まだ飲みかけのホットコーヒーがある。まだ温かい!!アイツは、まだこの近くにいるぞ!!」


高木「探偵か!!」


志村「クンクン…クンクン…金の匂い金の匂い…」


高木「いや何してんの!?」


志村「いやさ、この前習得したんだけど、どうやら俺には金の匂いを嗅ぎ当てる能力があるらしいんだよね(笑)」


高木「やっば!!何その特殊能力!!」


加藤「志村家独自の能力らしい」


志村「その通りだ。志村家に昔から伝わる、秘伝の技だ!!大金を引き当てることができる!!」


高木「その割に、お前はいつでも貧乏だな(笑)」


加藤「…………………」


志村「…………………」


志村「確かに!!なんでだ!?」


高木「胡散臭い能力だな(笑)」


加藤「お前、親父に騙されてんだよ(笑)」


志村「そんなわけ…あるな。あのクソ親父なら」


加藤「で、その嘘くさレーダーは何ていってる??」


志村「その角を右に曲ってから左に曲って、30m真っすぐ行って、信号で30秒止まって、渡ってからタクシー拾って、あの車を追ってくださいって言えば、その占い師のいる場所にたどり着けるみたいだな…」


加藤「超具体的!!」


高木「なんか合ってそうだな…信じるか?」


加藤「まあテキトーに探してても埒があかないし、志村のその話に乗ってみるか!」


高木「そうだな!!」


志村「えーと右行って、左行って…」


〜30分後〜


加藤「ここでバンジージャンプを10回して………どうだ!?アイツは現れたか!?」


志村「いやー、現れないなー(笑)」


高木「全然現れねえじゃねえか!!」


加藤「お前の指示通り、もう10回もバンジー飛んだぞ!?」


志村「おかしいな。前回はうまくいったんだけど…(笑)」


加藤「前にもこんなことあったの!?」


志村「勘違いしてたかもしんない。最初に右に曲がったところ、あれ左だったかも!」


加藤「今更振り出しに戻れるか!!」


高木「もっと早く言え!!」


志村「それか、加藤のバンジーの回数が足りないかも…」


高木「よし。それなら回数を増やそう」


加藤「おいやめろ!!もうやりたくねえ!!」


志村「金を取り返すためだ。我慢しろ」


加藤「俺達、もうそれ以上の金を使ってないか!?タクシー代とかバンジー代とか!!」


志村「やかましい。つべこべ言わずやるぞ」


加藤「お前がやれ!!」


占い師「あのさあ、後ろがつかえてるんだけど。飛ばないなら、早く代わってくんない??」


高木「あ、すいません…って、あれ??」


志村「あ、お前…」


加藤「あの時の、占い師じゃん…」


占い師「え…?あ…お前らは…」


加藤「…………………」


高木「…………………」


志村「…………………」


占い師「逃げろ!!」


加藤・高木・志村「「待てやゴルアあああああああ!!」」


ガシイ!!


占い師「ひいい!!」


加藤「誰が逃がすかゴラ。」


志村「テメエからは、全財産搾り取ってやるからな??(笑)」


占い師「ちょ、あの、勘弁してください(笑)」


加藤・志村「「できるか!!」」


加藤「さっさと3万円返せ!!」


志村「てか俺らの金で、何を呑気にバンジーしようとしてんだこのボケナスは!!」


占い師「いーだろーが!!俺が自分の金で何してたって!!」


加藤「自分の金じゃねえだろうが!!」


志村「このクズが…ぶち殺すしかねえな…」


占い師「待って待って!!」


加藤「あ??今更命乞いか??」


占い師「3分間待ってくれ!!」


加藤「逆ムスカ!?」


占い師「今、この私の味方につけば、100円あげるよ??」


志村「は??なめてんじゃねえぞ。俺はテメエのせいで30000円失ってんだぞ??100円じゃ釣り合わねえ」


占い師「バカかお前は。その3万円に上乗せして、100円もさらにお前にやるっていってんだよ」ヒソヒソ


志村「なん…だと…??」ヒソヒソ


占い師「どーする??(笑)」ヒソヒソ


志村「いいだろう。交渉成立だ」ヒソヒソ


加藤「よし。覚悟しろ」


志村「お前ら、いちゃもんつけんなよ」


加藤・高木「「は??」」


志村「お前らは、覚悟を持って占いに臨んだんだ。それを今更文句を言うなんて、恥を知れ!!」


加藤「すぐに寝返るお前だけには言われたくねえわ!!」


高木「テメエこそ恥を知れ!!」


志村「あのなあ、テメエらとの友情より、俺は100円の方が大事なんだよ」


加藤「おい!!よりによって100円ごときで寝返るな!!」


高木「やっっす!!俺らとの友情やっっす!!」


志村「悔しかったら、コイツより高い金を払っt」 

加藤「なら200円やるよ」


志村「占い師、ぶっ殺す!!」


占い師「待て待て!!だったら230円!!」


志村「占い師ナメんな!!テメエら殺す!!」


加藤「もういーわこのくだり!!」


占い師「言っとくけどな、俺はコイツに100万円まで払えるからな??金で対抗しようだなんて思わないことだ(笑)」


加藤「その割には、100円から刻んでるやん(笑)」


高木「それな。200円の次、230円だってさ。せめて100円は上げろよ(笑)」


占い師「やかましい!!とにかく財力なら、この俺が上だ!!お前らに100万円なんて出せないだろ!!大人をナメるんじゃない!!(ドヤ顔)」


加藤「あーあ。言っちまったな(笑)」


高木「それな。もう手遅れだ(笑)」


占い師「え??」


志村「ボディーガード料100万円をくれるまで、俺はもう戦わねーわ」


占い師「は??」


志村「100万円くれるなら、お前を守ってやる」


占い師「いや、ちょ」


占い師「ただし、100万円以下の金額なら、死んでもお前を守らない」


占い師「おい待て!!なんでそうなる!?」


加藤「単純な話よ。100万円あるなら、それを全て回収してやろうって魂胆よ」


占い師「バカか!?俺がやられたら元も子もねえだろうが!!」


志村「そしたら、お前の死体から金を回収する」


占い師「ただのクソ泥棒!!」


占い師「わかった、俺の財産の半分をやるから!!それで手を打とうじゃないか!!」


志村「仕方ない。お前を守ってやろう」


加藤「はあ…めんどくさ…」


高木「ほれ志村。100円」


志村「え!?100円!?」


高木「取ってこい。お前にやる」


志村「マジで!?」


高木「ほれ。」谷底ヘヒョーイ


志村「100円んんんんんんんんん!!!!」


ピョーン


加藤「あ、落ちてった」


高木「ま、大丈夫やろ」


占い師「いやいやいやいや!!ここバンジージャンプ専用の谷底だよ!?確実に死ぬって!!」


加藤「この程度の高さで死んだら、それは志村じゃない」


高木「それな」


占い師「なんなんだアイツは!?」


加藤「ま、なんにせよ覚悟しやがれ」


占い師「ひ、ひいい!!」


ドカバキボカスカ


占い師「す、すびばせんでじだ…もう、占いなんて2度としましぇん…」


加藤「わかればよろしい。ほれ、金」


占い師「え??」


加藤「3万円だよ。俺達を占った代金。早く返せ」


占い師「い、いやー。えーと、そのー…」


加藤「は??」


占い師「ぜ、全部使っちゃいまして…えへへ…(笑)」


加藤「はあああああああ!?」


志村「ふざけんなよテメエ!!」


占い師「うお!!いつの間に!?」


志村「この崖、結構急だったな…上がるの大変だったわ(笑)」


高木「いや、あっちの階段から上がってこいや!!」


志村「あ、階段あったんや…気づかんかった(笑)」


占い師「とんでもねえ奴だ…」


志村「で、どういうことだテメエ。返答次第ではここから突き落とす」


加藤「何に使ったんだ??」


占い師「えーと、バンジージャンプ…(笑)」


加藤・高木・志村「「「は???」」」


占い師「全国のバンジージャンプ巡ってたら、交通費とか諸々で金が全部なくなった(笑)」


加藤「お前占い師のくせに、趣味がバンジージャンプ!?」


占い師「いーだろ別に!!占い師だってバンジーしてえ時があるんだよ!!」


高木「それで、全国のバンジーを巡ってたら金を使い果たしたと??」


占い師「それでまた占いで一儲けしようとしてたら、殺気立ったお前らの姿が見えて、逃げるようにここに来たんだよ!!」


志村「言いたいことは、それだけか??」


占い師「ちょ、ちょっと待ってくれ!!違うんだ、これにはやむを得ない事情があって…」


加藤「なに??」


占い師「俺は、極度のバンジージャンプ中毒者なんだ!!だからバンジーしないと気が済まないんだ!!」


志村「バンジー中毒って何!?」


高木「なら占い師やめて、お笑い芸人でもやれ!!」


加藤「終わった…俺の3万円が…」


志村「よし。お前の臓器を売ろう」


占い師「ちょ、ま」


加藤「確かに。それで万事解決か」


占い師「俺、本当にこの中毒症状、苦しくて苦しくて…本当はバンジーなんてやりたくないんです…うううううう(涙)」


加藤「か、カワイソウ…」


志村「同情するぜ…なんて人生だ…グス」


占い師「そうなんです…ぴえんぴえん」


占い師(ま、全部嘘だけどな(笑) なーにがバンジージャンプ中毒者だよ(笑) こんな嘘に騙されちゃってプププ…普通に全額財布にあるわ(笑))


加藤「仕方ない。それなら、無限にバンジージャンプやらせてあげるか…」


志村「そうだな…中毒者なら仕方ない…」


占い師「え??」


加藤「お前に、ここのバンジージャンプを、あと100回飛ばさせてやるよ…」


志村「そうだな。その権利をお前にやる」


占い師「は??いや、金は??大丈夫なの??」


加藤「あー、実はここのバンジージャンプ、ちょっと料金体制が特殊でな。」


占い師「え??」


加藤「なんか、「紐ゆるゆるキャンペーン」っていうのやっててさ。バンジーの紐をゆるくする代わりに、10回バンジーしたら100回無料でバンジーできるっていうキャンペーンしてるんだ」


占い師「なんだそのキャンペーン!?いらな!!マジでいらな!!てか紐ゆるゆるなんだろ!?下手すると死ぬぞ!?」


加藤「なんか、そのスリルがいいらしい」


占い師「まあ、バンジーってスリルを楽しむもんだけど!!それはもはや自殺志願なのよ!!」


志村「で、今俺達が10回やったから、あと100回は無料になったってわけ」


占い師「10回もやったの!?」


加藤「いやだって、このバカ志村が「10回やらなきゃ、あの占い師は現れない」とかほざくから…」


占い師「すげえな!!コイツこそ本物の占い師じゃん!!」


高木「確かに!!」 


加藤「じゃ、バンジー100回どうぞ」


占い師「え、えーと…」


加藤「あ、スリルが足りないって!?それなら、お願いしまーす!!」


スタッフ「はーい」


占い師「は??」


ノコギリギコギコ


占い師「いや、何してんの!?」


加藤「命綱切ってもらってる」


占い師「いやいやいやいや!!バカじゃないの!?それバンジーじゃなくて、ただの落下になるから!!」


加藤「うるさいな。早くやれよ」


志村「そーだよ。中毒者なんだろ??」


占い師「いやでも、流石にこれは…」


加藤「すいませーん。この人のバンジーの準備をお願いしまーす」


占い師「嘘です嘘です嘘です!!本当にすいませんでした!!3万円ちゃんとお返しします!!」


加藤「いや、足りんけど」


占い師「え??」


志村「俺達の交通費とバンジー代も込で、10万円ずつくれ」


占い師「いや知らねーわ!!」


加藤「嘘だろ…??財布に死ぬほど金入ってるじゃん…」


志村「本当だ…100万円??」


占い師「人の財布を勝手に見てんじゃねえ!!」


加藤「え?占い師って、そんな儲かるの!?」


占い師「まあね。私は30回に1回は当たるから…」


加藤「そんな割合でいいのか!?」


志村「俺もやる俺もやる!!」


加藤・高木「「やるな!!」」


~続く~

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