オススメがしつこ過ぎる奴は嫌われる
~帰り道~
堀北「高木さん」
高木「あ??堀北…ってなんでここにいんの!?お前の学校、全然違う場所だろ!?」
堀北「高木さんのいるところ、堀北アリ。常識ですよ」
高木「そんな常識、今すぐに捨て去れ!!」
堀北「で、あの女とはどういう関係なんですか??」
高木「は??」
堀北「あの新垣とかいう女、やっぱり高木さん狙ってるんですか??」
高木「いや、別に狙ってるわけじゃねえけど…(笑)」
堀北「カワイイとも思ってない??」
高木「いや、まあ、普通にカワイイとは思ってるけど…(笑)」
堀北「ダメです。高木さんはあの女に騙されてます」
高木「はあ!?」
堀北「男性は男性と付き合うべきなんです。まだわからないんですか!?」
高木「お前は、一体何を目指してるの!?」
堀北「私以外の女性と付き合うのであれば、絶対に男性と付き合うべきです」
高木「俺は、男性と付き合う趣味は持ち合わせてません!!」
堀北「なるほど…」
高木「何が!?」
堀北「やはり、高木さんにはまだまだ勉強が必要ですね…」
高木「さっきから、何を言ってんの!?会話のキャッチボールしよ!?」
~次の日~
高木「はあ…今日も部活ダルかった…って、ポストが溢れかえってるんだが??」
高木「どれどれ…「初めてのBL」「BL入門」「これを読めば、君もBLの世界がわかる」「BLマスターに、君はなる!!」…ってなんだこれ!?」
堀北「是非読んでくださいね」
高木「これ、お前の仕業か!!何してんだテメエ!!」
堀北「高木さんに、是非ともBLの世界を知っていただきたくて…」
高木「知りたくねえわ!!この本は持って帰れ!!」
堀北「えー…1回くらい読んでくださいよー」
高木「絶対に読まん!!興味がない!!」
堀北「そういうの、食わず嫌いって言うんですよ??」
高木「ストーカーに人生を説かれる程、落ちぶれちゃいねえわ!!」
堀北「そうですか…ではまた今度」
高木「二度とくんな!!」
高木「…てかアイツ、なんで俺の家知ってんの!?こっわ!!」
~次の日~
高木「おいいいいいいいい!!誰だ俺の机に嫌がらせした奴!!」
「うわ、BL本だらけじゃん」
「高木って、そういう趣味あったんだ…」
高木「おいねえからな!?誤解すんなよ!?これは誰かが俺の机に勝手に入れただけだから!!」
「まあ、趣味は人それぞれだから…」
「そうね。そっとしてあげましょ…」
高木「おい!!人の話を聞け!!」
高木「…というか、オイ!!これを入れた奴出てこいや!!どうせそこにいるんだろ!?」
堀北「はい。お呼びでしょうか。」
高木「お呼びでしょうか。じゃねえ!!何をしてくれてんじゃボケが!!」
堀北「高木さんが食わず嫌いをして読んでくれないからです」
高木「だから読まねえっつーの!!興味ねえから!!」
堀北「全国の腐女子に謝ってください」
高木「興味がないってだけで!?」
堀北「絶対に、興味を持たさせてみせます!!」
高木「マジでやめてくれ!!」
~次の日~
高木「はあ…今日はいないといいが…」
堀北「おはようございます!!」
高木「ギャアアア!!出た!!」
堀北「人をお化けみたいに言わないでください」
高木「お化けよりもタチ悪いわ!!」
堀北「今日は、高木さんに読み聞かせをします」
高木「は??」
堀北「BL小説の読み聞かせです」
高木「正気か!?」
堀北「あ、18禁の方が良かったですか??」
高木「マジで絶対にやめてくれ!!」
堀北「では始めますね」
高木「まあ、勝手にすればいいけど、俺は自転車通学だからね??置いていくよ??」
堀北「私、自転車よりも速く走れるので、何の問題もありません」
高木「ガチで化け物じゃねえか!!」
堀北「では始めます。「タカシはヨウスケに、自分の思いを告げた」」
高木「やめろおおおおお!!聞きたくねえ!!」
ビュン!!
堀北「あ、待ってください」
ダダダダダダダダダダダダ
高木「ヒイイイイイイ!!」
堀北「「ヨウスケは驚いていたが、実は彼もタカシのことがずっと気になっていた」」
高木「やめろおおおお!!聞きたくねえ!!」
堀北「「そして、深くうなずき、彼の思いに応えることを決断した」」
高木「うおおおおおおおお!!全力でこぐ!!」
堀北「このヨウスケって名前、めっちゃ良くないですか!?なんかイケメン感のある名前じゃないですか!?一方でタカシはめちゃくちゃ男らしい名前ですよね!!なんか悪く言えば「男臭い」?的な感じ!!そんな2人が付き合うんですよ!!」
高木「え!?お前の感想付きなの!?この話!!」
堀北「はい。アタシの推しポイントを全力でオススメしていきます!!」
高木「結構です!!てかマジで気が散る!!事故るからやめてくれ!!」(※本当にやめましょう)
堀北「大丈夫です。高木さんのことは私が命に代えても守ります」
高木「本当に守ってくれるから嫌だわ!!」
堀北「事故も未然に防ぐので安心してお聞きください」
高木「安心はするけど、お聞きはしたくない!!」
~20分後~
高木「ゼエ…ゼエ…」
堀北「「そして、タカシはヨウスケの唇に…」あら。いい所で学校に着いてしまいましたか…」
高木「ハア…ハア…なんかいつもの倍疲れた…」
堀北「では誠に残念ですが、ここまでにしておきましょう」
高木「学校に着いたことが、ここまで嬉しい日があるだろうか…??」
堀北「では、また帰りにお会いしましょう」
高木「え??」
堀北「この校門で、アナタの帰りをずっと待ってますね」
高木「俺が帰るの、午後8時くらいだよ!?正気か!?」
堀北「11時間程度、余裕です」
高木「いや、学校行けや!!」
堀北「大丈夫です。休学届は出してあります」
高木「何が大丈夫なの!?」
~11時間後~
高木「マジで待ってるんだけど…こっわ…」
堀北「あ、お帰りなさい高木さん!!」
高木「ま、まさか…」
堀北「では、帰り道の読み聞かせを始めますね(笑)」
高木「マジでやめろ!!」
堀北「「タカシは、ヨウスケと唇を重ね合わせ…」」
高木「いやだあアアアアアアア!!聞きたくないいいいいい!!」
堀北「今日から毎日やってあげますからね(笑)」
高木「ふざけんな!!」
~1ヶ月後~
堀北「「そしてサトシはジュンペイと恋に落ち、2人はそっと手を取り合った」」
高木「ふんふん。それで??」
堀北「「2人の発情は抑えきれず、ベッドに横たわり、そのまま1つになった」」
高木「なるほど。素晴らしいハッピーエンドだな」
堀北「…わかってくれましたか??」
高木「ああ。ようやく堀北の言っていることがわかった。やはりBLは素晴らしい。男は男と愛し合い、女は女と愛し合う世界であるべきだ」
堀北「良かったです。高木さんもこっち側に来てくださって」
高木「BLの素晴らしさを教えてくれてありがとな。今までの俺は間違っていた。食わず嫌いで、BLの良さをわかろうとしなかった。許してくれ」
堀北「全然大丈夫です。私も頑張った価値があります」
高木「一緒に、BLの素晴らしさを伝えていこう!!」
堀北「はい!!」
~学校にて~
高木「というわけで、お前らもBL本を読め」
加藤・志村「「は??」」
加藤「えーと、頭でも打ったか…??」
志村「最近の高木、確かにちょっと変だったけど、まさかここまでおかしくなるなんて…」
高木「別にどこもおかしくない。俺はただ、BLの素晴らしさを理解しただけだ」
加藤「あ、そうなんだ…じゃあお好きにどうぞ」
志村「それな。読みたきゃ勝手に読め」
高木「いや。俺にはお前達に、この素晴らしさを伝える義務がある」
加藤・志村「「ないだろ!?」」
高木「俺と一緒に、BL本を世に広めていこう!!」
加藤「残念ながら、俺達が何もしなくてもBL本は世(の一部)に広まっている!!」
高木「そして、俺と付き合ってくれないか??」
加藤・志村「「は??」」
加藤「え??いよいよ何を言ってんだ??」
志村「あれ??俺まだ、夢から覚めてないんかな??」
高木「どちらでもいい。俺とLOVELOVE同棲生活を始めて欲しい」
加藤「マジで何言ってんのコイツ!?」
志村「なんでお前とやんなきゃいけねえんだ!?」
高木「お前達は間違っている。男は男と愛し合い、女は女と愛し合うべきだ!!」
加藤「お前が決めんな!!」
志村「別に俺が誰と愛し合ってようが自由だろうが!!」
高木「よく考えてもみろ。お前達は全くモテないだろ??」
加藤・志村「「ああん!?!?」」
高木「それは、恋愛対象が異性だからだ。異性なんて所詮、お互いの気持ちなんてわからない。同性の気持ちがわかるのは同性だけだ。だから俺と付き合え」
加藤「だから、マジで何言ってんのコイツ!?」
志村「ヤベエよ…ついこの前まで彼女作ってた奴が何か言ってるよ…」
高木「あの時の俺はとち狂っていた。だが今は、完全に目を覚ました。さあ、俺と一緒にBLの世界を開こうじゃないか!!」
加藤「勝手にやってくれ!!」
志村「マジでヤバいな…お前、堀北に何かされたか??」
高木「堀北??アイツは本当に神だ」
加藤・志村「「は??」」
高木「アイツこそが、俺にBLの素晴らしさを教えてくれた。アイツがいなければ、今の俺はいない」
加藤「今のお前は、マジでいなくていいよ!?」
志村「ったく、しょーがねーな…」
~放課後~
加藤「おい!!堀北!!」
堀北「なによ」
志村「テメエ、高木に何しやがった??」
堀北「何って…BL本を勧めただけだけど…」
志村「へえ、どんな風に??(笑)」
堀北「行き帰りの時間で、読み聞かせを行ったわ」
加藤「読み聞かせ!?アイツ自転車だろ!?」
堀北「そうよ??だから私が走りながら読んで聞かせてあげたわ」
志村「こっっわ!!」
堀北「1ヶ月くらい」
加藤「1ヶ月!?洗脳じゃねーか!!」
堀北「洗脳じゃない。オススメしただけ」
志村「やかましい!!今すぐに高木を元に戻せ!!」
堀北「元に戻せって…高木さんは元々こんな感じだったと思うけど…」
加藤「そんなわけあるか!!どんな風に見えてたんだ!?」
堀北「私は、高木さんが内に秘めていたBLへの愛を目覚めさせただけです」
加藤「アイツ、そんなのを秘めてたの!?」
堀北「そのおかげで高木さんは、BL本を好きになり、BL(同性愛)にも目覚めました」
加藤「いいこと0じゃねえか!!」
堀北「私はハッピーです!!」
志村「お前はな!?もういい。俺達で高木を元に戻す」
堀北「無理ですよ。高木さんはもうすっかりBL脳なんで(笑)」
志村「クックック…それはお前、男をなめてるぜ(笑)」
堀北「え??」
志村「男の本能とは、「エロ」だ!!」
堀北「は??」
志村「アイツが「BL洗脳」されたなら、俺達は「エロエロ洗脳」してやる!!」
堀北「何する気!?」
~次の日、高木の家の前~
志村「よお高木」
高木「志村!?なんでここに!?」
志村「お前を元の姿に戻しに来た」
高木「はあ??」
志村「正直言って、今のお前は見てられん。俺が元に戻してやる」
高木「???」
志村「加藤!!例の物を!!」
加藤「イエス、サー!!」
バラバラバラバラ…
高木「!?!?」
加藤「どうだ!!これが俺と志村と親父の持っている、全てのエロ本だ!!」
高木「そ、そんな下品な物を、俺の前で見せないで!!」
加藤「下品…??いいや違う。これは神聖な読み物だ」
高木「何を言ってんの!?」
志村「今からこれを使って、お前の内に潜むエロ本能を目覚めさせてやる」
高木「エロ本能!?」
志村「男子高校生なんて、所詮はドエロド変態の猿だからな。エロ本を見せればすぐに飛びついて大興奮するはずだ!!」(※個人の意見です)
加藤「本当か!?その作戦大丈夫か!?」
志村「大丈夫だ。高木の顔を見ろ。デュフデュフして……ないだと!?」
高木「…………………」
加藤「全然ダメじゃねえか!!」
志村「なんだあの軽蔑しきったような顔は…」
加藤「まさか、高木は変態じゃないとでもいうというのか…??」
志村「いやそれはない。変態じゃない男なんてこの世にいない」(※そんなことありません)
加藤「だったら、なんで無反応なんだ!?」
志村「あれかもしれん。性癖が合わないだけかもしれん」
加藤「なるほど。エロにも色々なジャンルがあるからな」
志村「そうそう。これはどうだ!?○○○○○!!」
高木「…………………」
加藤「ならこれはどうだ!?○○○○!!」
高木「…………………」
加藤「○○○○○○!!」
志村「○○○○○○!!」
高木「…………………」
加藤「バカな…俺達の一押しのとエロ本が…」
志村「ことごとく否定されていく…」
高木「あの、もう俺帰っていい??」
加藤「ふざけんな!!」
志村「今から俺達で、エロ漫画の読み聞かせをする!!」
高木「絶対にやめてくれ!!」
堀北「絶対にやめやがれ!!」
志村「出たな、ストーカー女」
堀北「何をするかと思えば、エロ漫画の読み聞かせとはな…私が育て上げたBL大好き高木さんに、余計なことをしないでもらいたい!!」
加藤「育て上げた!?洗脳しただけだろうが!!」
志村「邪魔すんな。俺は高木を元に戻す」
堀北「絶対にさせない!!」
志村「バカが。俺達は2対1だぞ??」
堀北「え??」
志村「俺とお前の戦闘力は互角だった。つまり俺がお前を抑えれば、加藤がエロ漫画の読み聞かせを行うことができるんだ!!」
堀北「なん…だと…??」
加藤「あ、それで俺も連れてこられたのか(笑)」
志村「加藤頼んだぞ。必ず高木にエロ漫画を読み聞かせろ」
加藤「ガッテン」
高木「絶対にやめて欲しいんだけど!?」
堀北「させるか!!」
志村「お前の相手は俺だ!!」
ドカバキボカスカ
加藤「よし高木。エロ漫画を読みながら学校に行こうじゃないか」
高木「絶対に嫌だ!!ついてくんな!!」
加藤「えー、「部屋は真っ暗になり、あやかの○○○は○○○○○○になり、タカシの○○○は○○○○○して、お互い準備は万端になった」」
高木「やめてくれえええええええ!!」
加藤「「そしてタカシはあやかを押し倒し、獣のような激しいキスをして」」
高木「ヒイイイイイイ!!」
加藤「あ、逃げるな!!」
志村「追え加藤!!」
堀北「させるか!!」
志村「おっと。お前の相手はこの俺だ」
堀北「邪魔だ!!」
ドカバキボカスカ
加藤「「そしてあやかをベッドに押し倒し、○○○○を○○○○して○○○○」」
高木「うわあああああああ!!」
~1ヶ月後~
高木「グヘヘヘヘヘ…女の○○○と○○○○を○○○○して、○○○を○○○○して○○○○○○○○○○」
加藤「…………………」
志村「…………………」
高木「そして○○○を○○○に○○○○○して、○○○○してデュフフフフフフ…」
加藤「やっべ…変態になりすぎた…(笑)」
志村「これじゃ、余計にヤバイ奴かもしれん…(笑)」
加藤「ま、高木はイケメンでモテててウザかったから、このままでいいだろ(笑)」
志村「そうだな。いつもモテモテでムカつくし、このままでいっか(笑)」
高木「よくねーわ!!」
加藤・志村「「!?!?!?!?」」
加藤「しかし、志村驚いたぜ」
志村「え??何が??」
加藤「今回、一切金がかかってなかったじゃん??それなのに、高木を取り戻すのにスゲエ必死になってたから、マジで感動したよ」
志村「あー、そりゃあな。当たり前よ」
加藤「友情って奴か。熱いぜ」
志村「いや、高木が元に戻ってくれないと、堀北からの護衛料とか得られねえからな(笑)」
加藤「結局金じゃねえか!!感動して損した!!」
~完~