先生のところに持ってくるまでが、宿題です
志村「あああああああやべえええええ!!」
加藤「なんだ??」
高木「またなんかやったかのかお前(笑)」
志村「課題、完全に忘れてた!!」
加藤・高木「「は??」」
志村「え??」
加藤「なんだ。随分普通の悩みだな」
高木「それな。いつものコイツなら、「10円盗まれた」とかもっと頭おかしい悩みを持ってくるから、ちょっと楽しみにしてたのに(笑)」
加藤「それな。今回は普通すぎてつまんねえよな(笑)」
志村「テメエら、俺のことを何だと思ってんだ!?普通の学生だぞ!?」
加藤・高木「「普通ではない」」
志村「だから、今すぐに写させてくれ!!頼む!!」
加藤「うん??というか今日、国語の課題なんてあったか??」
高木「いや?ないと思うが…お前の勘違いじゃねえのか??」
志村「いや違う。これは1週間前に出された課題だ…」
加藤・高木「「は??」」
志村「その時も完全に忘れてて、碇矢にこっぴどく怒られて、来週のこの時間に提出忘れたら、廊下に立たせるだけじゃ済まさねえからな?って言われてたんだよ!!」
加藤「あー、そういえば先週、廊下に立たされてたな(笑)」
高木「あんなに重い課題、よく堂々と忘れて来たよな(笑)」
志村「マジであの時も死ぬかと思ったわ!!だからこそ、今日はさらにヤバイ!!本当に殺されるだけじゃすまねえ!!」
加藤「だったらちゃんとやって来いよ(笑)」(※ド正論)
志村「うるせえ!!俺だって覚えてたらちゃんとやったわ!!」
加藤「それをちゃんと覚えておくのが宿題なんだよ!!」
志村「しかも俺、碇矢に「これやるの1週間くらいかかりますね…」って生意気なこと言って、無理矢理提出を1週間延ばしてもらったんよね…マジでヤバイ…」
高木「相変わらず、全面的にコイツが悪いな(笑)」
加藤「それな(笑) フォローする気にもならん(笑)」
志村「そんなこと言わずに!!写させてくれ!!」
高木「だから、先週出しちゃったから、今手元にない(笑)」
加藤「同じく(笑)」
志村「でもでも、覚えてるだろ!?多少の内容は!!」
加藤「覚えてない(笑)」
高木「それな。課題って終わったら全て忘れるよな(笑)」
志村「あーもう、マジで使えねえわ。お前ら本当にクソ」
加藤「なんだコイツ。だったらもう何も手伝わねーわ(笑)」
高木「それな。1人で死んでいけ(笑)」
志村「噓噓噓!!ごめんごめん!!マジ助けてください!!」
加藤「とは言っても、今更どーにもならんしな(笑)」
高木「そうそう。あと5分じゃ無理よ(笑)」
志村「諦めたらそこで試合終了だ!!」
加藤「試合終了でいいんじゃね??」
高木「確かに」
志村「良くない!!早く案を出せ!!」
加藤・高木「「お前が出せ!!」」
志村「そんなこと言っても…仮病くらいしか…」
加藤「いーんじゃね?それで」
高木「ああ。授業ごと休むのがベストだろ」
志村「いやそれが、少し問題があってな…」
加藤「は??何??」
志村「俺、仮病を使いすぎて、保健の先生にいつも疑われてるんよ…(笑)」
高木「どんだけ仮病で休んでたんだよ(笑)」
志村「だから、毎回目の前で検温させられるし、めちゃくちゃ質問責めにされるし、クソ大変なんだよ…」
加藤「いやまあ、お前が悪いけどな(笑)」
高木「しかし、バレるもんかね??仮病」
志村「まず課題を忘れた時毎回やってるし、しかもベッドで1人になった途端、ゲーム始めるし…」
加藤「何してんのお前!?せめて課題やれや!!」
高木「てか学校にゲーム持ってくんな!!」
志村「しょーがねーじゃん。ゼルダの伝説マジでおもろいし」
加藤「もうダメだコイツ…」
高木「じゃあな。達者でな」
志村「待て待て待て待て!!お願いだから助けてくれ!!」
加藤「ま、1つだけ手はあるな(笑)」
志村「え??マジで!?」
加藤「ああ。しかもお前の今後にも役立つ最善の方法だ(笑)」
志村「ガチ!?早く教えて教えて!!」
加藤「志村を、俺達がボコボコにする」
志村「は…??」
加藤「だから、お前を俺達でボコボコにする」
志村「いやなんだそれ!?」
高木「なるほど!!お前は天才だ!!」
加藤「だろ??」
志村「いや「だろ??」じゃねーよ!!ふざけんじゃねえ!!」
加藤「なんで??正当な理由で休めるよ??(笑)」
志村「それはそうだけども!!失うものがでかい!!」
高木「失うもの??お前がボコされるだけじゃん(笑)」
加藤「それな。何も失わん。むしろ休みを得られる」
志村「確かに!!お前達は天才だ。さあ、思う存分殴るがいい!!」
加藤「よし。日頃の恨みを晴らそう」
高木「それな。コイツにはいつも迷惑かけられっぱなしだからな」
志村「え??あの、ちょっと、2人とも、目が怖くないですか??」
加藤「オラアアアアアアアアアア!!」
高木「死ねええええええええええ!!」
志村「死ね!?おいちょっと!!手加減はしてくr」
ドカバキボカスカ
ドカバキボカスカ
志村「いてええええええええ!!おい!!ガチでぶん殴ってんじゃねえか!!」
高木「いつもいつも、俺からの借金をすっとぼけやがって!!マジで殺す!!」
加藤「いつもいつも、死ぬほど煽ってきやがって!!マジで殺す!!」
志村「待て待て待て!!お前ら、ガチで殺す気じゃねえか!!」
加藤「当たり前だろ。こんくらいの憎しみが無いと、ぶん殴れない」
志村「ぶん殴らなくていいんだけど!?ソフトタッチでいいんだぞ!?」
加藤「バカ野郎!!それじゃあ保健の先生を騙せないだろうが!!」
志村「マジで!?」
加藤「保健の先生ナメてんじゃねえぞ!?アイツらは洞察力の神だ!!」
高木「仮病とかすぐばれるぞ??」
志村「よし!!もっとボコボコにしてくれ!!」
加藤・高木「「ガッテン!!」」
ドカバキボカスカ
ドカバキボカスカ
~30分後~
加藤「ゼエ…ゼエ…」
高木「ハア…ハア…」
志村「…………………」
加藤「フウ…スッキリしたぜ…」
高木「そうだな。これで志村への日頃のうっぷんは発散できた(笑)」
志村「おいテメエりゃ…フォントにこれ、俺にょためだったにょか…??」
加藤「当たり前だろうが。俺達を信じろ」
志村「信じるに値しねえ!!」
加藤「でも良かったじゃないか。これで念願のズタボロだ」
高木「そーだな。問題なく保健室行けるぞ」
志村「仮病で疑われる方が良かったわ!!」
加藤「バカお前。碇矢に怒られるぞ??」
志村「ここまでボコボコにされるよりマシだわ!!」
加藤「まあまあ。落ち着けって」
高木「そうだよ。保健室行こうぜ」
志村「テメエら…絶対後で殺す…」
ガララララ
志村「健子先生、失礼します…」
健子「あ、仮病マスター志村君じゃん」
加藤「そんなあだ名ついてたの!?」
高木「ほら。やっぱり仮病しないで良かったじゃん(笑)」
健子「なに??今日はどんな仮病でココ来たの??(笑)」
加藤「完全に大喜利扱いされてるじゃねえか!!」
志村「バカにすんじゃねえ…今日はホントの怪我だ…」
健子「え!?ホントだ!!ボロボロじゃん!!大変、すぐ手当てしないと!!」
志村「お願いしましゅ…あと、授業休ませてください…」
健子「もちろんだよ!!全然いいよ!!碇矢先生に連絡しとくね!!」
志村「よっし!!」
健子「え??」
志村「え??」
健子「今、喜ばなかった??」
志村「いや??そんな訳ないじゃないですか(笑)」
健子「??そうね」
加藤(やったな志村!!)
志村(ありがとなお前ら。お前らのおかげだぜ!!)
高木(いーよいーよ。俺達もぶん殴れてスッキリしたし(笑))
加藤(それな。定期的にやってもいいくらいだ(笑))
志村(それは流石にご勘弁だ(笑))
健子「え、で、どーしたの??この傷」
志村「え??」
健子「え??」
志村「え??」
健子「いやだから、なんでこんな傷になったの??」
志村「いや、それはコイツらにボコられt」
加藤「じゃなくて、階段からこけました!!」
高木「そうそう!!階段から転がり落ちました!!」
健子「え?なんで君達が答えるの??」
加藤「いやそれは、目の前で見てたからですよ!!」
高木「そうそう!!コイツ、目の前で階段踏み外して転がり落ちたんです!!」
志村「いやそんな訳ないj」
加藤(おいいいいいいい!!テメエ、これまでの努力を無に帰すつもりか!?)
高木(俺達が自作自演してることがバレたら、碇矢がブチギレるだろうが!!)
志村(あ、確かに(笑) あっぶね~(笑))
加藤(あっぶね~(笑)じゃねーよ!!まったく…)
健子「え??志村君、ホントなの??」
志村「はい。ホントです。階段から超絶転げ落ちました。マジで痛かったです」
健子「あ、そう…??」
加藤「うんうんうんうん」
高木「うんうんうんうん」
健子(なんか怪しいわね…もしかしていじめかしら??)
志村「だから、授業を休ませてください!!お願いします!!」
健子「とりあえず、碇矢先生に来てもらいましょう」
志村「え!?いや、それはちょっと!!」
健子「え??なんで??」
加藤「いや、まあ、その、碇矢先生も今から授業ですし…」
高木「そうですよ。流石に授業中にお邪魔するのは…」
健子「というか、君達は授業参加しなくていいの??(笑)」
加藤「あ、ヤッベ!!」
高木「急げ!!殺される!!」
ダダダダダダダダ
志村「バカな奴らだ(笑)」
健子「さて、と…じゃ、正直に聞かせてもらうわよ」
志村「え??」
健子「志村君、あの2人からいじめを受けてるわね??」
志村「は??」
健子「隠さなくていいのよ。アナタ、あの2人にいじめられてるでしょ??」
志村「いやまったく。あんなゴミどもにいじめられるわけがない」
健子「いじめられてる人の典型的な反抗文ね。「自分がいじめられていることを隠すために、強い言葉を使ってごまかす」。この本の通りだわ…」
志村「いやマジでチゲえんだけど!?なに勘違いしてんだ!?」
健子「困ったわね…このまま隠すようなら、碇矢先生に相談しないと…」
志村「おいマジでやめろ!!」
健子「え??」
志村「え??」
健子「担任への報告を執拗に嫌がる…これは重症ね、間違いなく過激ないじめだわ…」
志村「いやだから違うっつーの!!妄想たくまし過ぎ!!」
健子「だったら、別に碇矢先生に聞いていいでしょ??志村君がいじめられてるか心配だもの」
志村「それはやめろ!!階段から落ちて大怪我したことだけ伝えてくれ!!」
健子「それはもう伝えた。でもいじめのことも話します」
志村「だからいじめじゃねえっつーの!!」
健子「アナタが今、私に正直に話してくれたら、碇矢先生には伝えません。どうする??」
志村「…………………」
健子「………………?」
志村「どうぞ。お呼びください」
健子「??あ、そう…」
志村「それまで、寝ててもいいですよね??」
健子「あ、うん…そりゃもちろん…」
志村(クックック…よくよく考えたら、たとえ碇矢のバカに問い詰められたところで、階段から落ちたと一点張りしておけば問題ないだろう(笑) 俺達の完全犯罪を暴くことなど、誰にもできない!!)
~1時間後~
ガララララ
健子「あ、碇矢先生!!」
碇矢先生「志村のバカが、どうしたんですか??」
健子「なんか、階段から落ちて大怪我した、と本人は言い張ってるんですが、どう考えても暴行の跡みたいな傷ですし、いじめを隠してそうなんですよね…ここに志村君を連れて来た2人も、なんか志村君に「階段から落ちた」と無理矢理言わせてるようでしたし…」
碇矢先生「いじめ…??志村が…??」
健子「心当たりありますか??」
碇矢先生「いやまったく…ちなみにその2人って、加藤と高木ですか??」
健子「あ、そうです!!そう言ってました!!」
碇矢先生「めちゃくちゃ仲いいですよ、アイツら(笑) いつも一緒にいます(笑)」
健子「え!?ホントですか!?じゃあ何だったんですかね…」
碇矢先生「…………………」
碇矢先生「ちょっと怪しいな…今日は志村の課題の提出日…ふむふむ。探りを入れてみます。先生、ご連絡、本当にありがとうございます」
健子「いえいえ。よろしくお願いします」
碇矢先生「おい志村。ちょっと入るぞ」
志村「はい。どうぞ」
シャーーッ
碇矢先生「大丈夫か??すごい怪我だな」
志村「はい。痛いですけど、なんとか一命はとりとめました」
碇矢先生「ほうほう。聞いた話によると、階段から落ちたそうだな??」
志村「はい。階段からつまずいて100段くらい落ちました」
碇矢先生「うちの学校で、100段もある階段はないな」
志村「間違えました。50段でした」
碇矢先生「それもないな」
志村「そんくらいに感じるほどスッ転びました。ヤバかったです」
碇矢先生「で、目の前に加藤と高木がいたのか??」
志村「え??」
碇矢先生「ん??」
志村「アイツらがなんですか??」
碇矢先生「ん??あの2人がここまで送ってくれたと聞いたが…??」
志村「え?あ…あーーー!!そうですね!!そうですそうです。あの2人が、俺が転んだ先にたまたまいて!!それで保健室まで運んでくれたんですよー!!いやー、友情ってやっぱいいですね!!いじめなんてないですよ、絶対ない!!」
碇矢先生「あっそう。でもその傷、とても階段から落ちてついたものとは思えないんだよなあ…(笑)」
志村「気のせいですよ!!どう考えても階段の傷です!!」
碇矢先生「ちなみに、どこの階段で落ちたんだ??」
志村「え??」
碇矢先生「早く言え」
志村「えーと、あれ、そう、あの辺ですね」
碇矢先生「わかるか!!どこだ!!」
志村「えーーーーと、どこだっけな…俺達のクラスの前だったかな…??」
碇矢先生「そろそろ、本当のことを言ったらどうだ??(笑)」
志村「え??」
碇矢先生「ホントは階段からなんて落ちてないだろ??」
志村「ち、違いますよ!!先生はこの俺を疑うんですか!?」
碇矢先生「ああ。疑う要素しかない」
志村「ひでえ!!それでも教師か!!」
碇矢先生「真実を話してくれたら、100円やるよ?」
志村「はい。実はわざとボコボコにされました。宿題をやり忘れたのをごまかすために、アイツらに依頼してボコボコにしてもらい、授業ごとサボろうとしました。」
碇矢先生「…………………」
志村「…………………」
碇矢先生「ほうほう。なるほどな…」
志村「は!?口が勝手に!?い、今のは噓です!!」
碇矢先生「そーかそーか。あれほど言った宿題を、また忘れたのか…」
志村「い、いやいやいや!!やってきてますよ!!ちゃんとやってます!!」
碇矢先生「じゃあ今すぐ見せろ」
志村「あ!!い、家に忘れてきちゃいましたー!!いやー、ホントはちゃんとやってたんですけどね!!いやー残念残念!!また今度で!!」
碇矢先生「持ってき忘れるのも、やってないこととほぼ同義だからな!?」
志村「いやちゃんとやってたんすよ!?ホントホント!!今無いってだけで!!」
碇矢先生「まあいい。とりあえず廊下に立たせる」
志村「ええ!?なんで!?」
碇矢先生「なんでかはわかるだろ!!」
~放課後~
碇矢先生「というわけで加藤も高木も、くだらない噓に協力した罰だ。廊下に立ってろ」
加藤「なんで俺達まで!?」
高木「おかしいだろ!!」
志村「まあまあいーじゃねえか。3人で立とうぜ??(笑)」
加藤「ふざけんな!!テメエだけ立ってろ!!」
志村「ああん!?どんだけ冷てえんだよお前らは!!」
加藤「当たり前だろ!?テメエのせいだ!!」
高木「絶対許さねえから!!」
碇矢先生「それで??コイツは本当に宿題をやってるのか??」
志村「あ、ちょ」
加藤「やってる訳ないじゃないですか。コイツまだ白紙ですよ」
高木「そうそう。まだ何も書いてない。ただのゴミですよ」
志村「おい!!」
碇矢先生「志村…やっぱりお前は、疑うに値する人間だ…」
志村「先生!!先生の仕事は、最後まで生徒を信じて、夢や希望を与える仕事です!!」
碇矢先生「やかましいわ!!」
碇矢先生「…とりあえず、志村は明日の朝までにレポート提出な??」
志村「ええ!?ちょっと、今から朝までそんな時間ないっすよ!?」
碇矢先生「何言ってんだ。今から俺の仕事が終わるまで、ずっと立っててもらう」
志村「いや鬼すぎるだろ!!」
碇矢先生「そうだな。せめて3時間ぐらいにしとくか」
志村「いや誤差!!」
碇矢先生「じゃ、しっかり宿題に取り組めよ。今度こそ」
志村「先生!!」
碇矢先生「今度はなんだ!?」
志村「100円、いつくれますか??」
碇矢先生「やかましいわ!!」
~完~




