コントや演劇をナメんじゃないよ
北野「なあなあ!!」
森田「ん?何??」
北野「知ってるか?あの加藤と志村が、漫才の大会で優勝して芸人になったらしいぞ!?」
森田「あー知ってるよ?スゴイよね(笑)」
北野「いーや、スゴくない!!」
森田「は??」
北野「アイツらがそんなことできるなら、俺にだって絶対にできる!!そうは思わねーか!?」
森田「なんですぐ、そういう発想になるのかな君は!?」
北野「だってよ、芸能人ならともかく、アイツらクラスメイトが優勝したんだぜ!?流石に俺でもできるわ!!」
森田「あーそう。だったらできるってことをさっさと証明してよ。あれこれ話すより、そっちの方が手っ取り早いし(笑)」
北野「上等だよ!!今すぐに俺が証明してやらあ!!」
森田「なんでここまで自信満々なんだ…??」
北野「というわけで、今から俺が漫才してやる!!」
森田「え?誰と??」
北野「そんなもん、お前に決まってるだろうが!!」
森田「はああああ!?なんで僕が!?」
北野「俺の友達なんて、お前らしかいねえもん」
森田「すげえ悲しい理由!!」
北野「だから、やるぞ森田!!」
森田「だったら杉本君とやりなよ!!僕は嫌だ!!」
北野「バカ野郎!!杉本が漫才の舞台に立ってみろ!?すぐに失神するに決まってんだろ!?」
森田「とんでもなく失礼なこと言われてるぞ!?いいのか!?」
杉本「まったくもって、その通りでござる。死んでも舞台には立ちたくないでござる!!」
森田「なんか図星だったっぽい!!」
北野「だから、お前と俺でやるしかない」
森田「嫌だよ僕も!!大勢の人の前で話すなんて!!」
北野「なっさけない奴だなー。そんなんじゃあ、これから先の人生大変だぞ??(笑)」
森田「お前にだけは言われたくないわ!!」
北野「経験としていいじゃねえか。やってみようぜ??」
森田「絶対嫌だ!!」
北野「はあ…情けねーわ…」
森田「は??」
北野「森田がこんな情けなかったとは思わなかったわ…いつも、あんなに偉そうなこと言って俺達にツッコんでくるのに、まさか人前でしゃべることもできないなんて…」
森田「いや言ってないわ!!いつも偉そうなこと言ってるのはお前だろうが!!」
北野「あーあ。確かにこれは漫才で優勝するのは無理だな。なんてったって、相方が人前で話せないチキンじゃあ、そりゃ漫才として成立しないもんな!!ガハハハハハ!!」
森田「うっっっざ!!上等だよ!!やってやるよ!!僕が相方になってやるよクソが!!」
北野「よく言った。そしたら杉本。お前は観客をやってくれ。まずはお前にネタを見せる」
森田「ええ!?早速やるの!?まだネタも何もないのに!?」
北野「当たり前だ。こんなもん即興でやるぞ」
森田「できるか!!お笑い芸人じゃねえんだぞ!?」
北野「あのなあ…俺達がもし売れてバラエティー番組に出た時どーすんだ??「できません」じゃ済まない世界だぞ??」
森田「なんでテレビに出て売れることになってんの!?そこ別に目指してないんですけど!?」
北野「一緒にお笑いで天下取ろうぜ??森田」
森田「勉強して普通に会社員やらせろ!!」
北野「まったく夢がねえな…」
森田「夢を見るより、まず現実を見ろ!!ほらさっさと、杉本君の前で漫才するよ!!」
北野「仕方ねえ。いっちょ見せつけてやるか。俺様の実力をな!!」
森田「ハイハイいいから早くして」
森田「はいどーもー!!森田です!!」
杉本「パチパチでござる!!」
森田(クッソ恥ずかしい……////)
北野「…………………」
森田「………………?」
北野「…………………」
森田「いや、どーしたの??なんか話しなよ??」
北野「…………………」
森田「いや、何してんの??君がやりたかったんでしょ??漫才」
北野「…………………」
森田「コイツ、失神してやがる!?」
杉本「マジでござるか!?」
森田「全っ然、杉本君のこと言えねえじゃねえか!!誰よりも情けねえじゃん!!」
杉本「はっ!?あれ??」
森田「気づいたみたいだね、北野君。流石にこれはダサすぎるよ…(笑) だって、観客は杉本君しかいないんだよ??(笑)」
北野「何してんだよお前!!」
森田「え??」
北野「なんで俺にツッコんでねえんだよ!!」
森田「は??」
北野「今のは「なに漫才中に失神してんだよ!!」ってツッコミの前フリだろ!?そんくらいわかれよ!!」
森田「いやわかるか!!てか絶対そんなもの狙ってなかっただろーが!!」
北野「まったく、あれがわざとだと見抜けないようでは、森田はまだまだだな…(ドヤ顔)」
森田「はあ!?」
北野「いやーそーかそーか。森田じゃ伝わんなかったか。普通の漫才師なら、あそこですかさず「いや漫才中に失神すんな!!バシイ!!」って頭叩いてツッコむのになー。やっぱり森田じゃ無理だったか。今のは高等テクニック過ぎたかー(ドヤ顔)」
森田「マジでウッッザ!?失神してただけのくせに」
北野「あれがわざとの失神じゃないと見抜けない時点で、お前は漫才師として失格だ(ドヤ顔)」
森田「漫才師になった覚えがねえよ!!とゆうか、それをやるつもりなら先に言え!!」
北野「いや、これ、即興漫才だからさ」
森田「即興でやる必要ねえんだわ僕らは!!」
北野「よし。気を取り直してもう1回やろう!!」
森田「まだやんの!?もうやめようぜ!?」
北野「まあ確かに、森田じゃ無理か…(笑)」
森田「は??」
北野「森田のツッコミレベルじゃ、俺の高等テクニックボケについて来れねえもんな…(笑)」
森田「マジでツッコミ殺してやる!!」
北野「その意気だ!!」
森田「はいどーもー!!森田です!!」
北野「…………………」
森田「…………………」
北野「…………………」
森田「いや、何を開始早々失神してんねん!!」バシイ!!
北野「…………………」
森田「いや、何か言えや!!漫才中やぞ!?」
北野「…………………」
森田「いや、あの、流石に目覚めろや!!」
北野「…………………」
森田「しつけーぞ!!さっさと起きて漫才しろ!!」
北野「…………………」
森田「もういいわ!!」
北野「ありがとうございましたー」
森田「これで終わり!?君、何もしてないじゃん!!」
北野「これでいいんだよ。これはいわば、相方を見定めるテストのようなものだからな」
森田「は??」
北野「まあギリギリではあるが、森田は合格かな…」
森田「なんでそんな上からモノを言えるんだ!?お前は何もしてねーからな!?ただ黙ってただけだからな!?」
北野「まず、最初のツッコミについてだが、核心に触れるのがちょっと早すぎるな…」
森田「は??」
北野「最初から「失神するな!!」ではなく、まずはしばらく1人でしゃべり続ける。そして、一切返答がないのを確認してから大声で「なんか言えや!!」と言う。その後、「漫才中だぞ!?」ときて「失神してやがるコイツ!?」と言うべきだったな。うん」
森田「なんか、ガチの分析始まった!?」
北野「そして最後に「もしかして最初から失神してた!?相方ヤバいんですけどー、どんだけー!!」と言うんだ。これが満点解答だった。間違いない。」
森田「どんだけー!!はパクリだろうが!!」
北野「あとちょいちょい出てくるエセ関西弁がウザかったな…」
森田「それは…いじるな!!恥ずかしいわ!!」
北野「だからまあ、ギリギリ合格って感じだな(ドヤ顔)」
森田「あーそう。だったら、ボケとツッコミ替わってみる??(笑)」
北野「え??」
森田「僕と、ボケとツッコミの役を替えて、見本を見せてよ(笑)」
北野「まあ、それは、うん。俺のツッコミは高度すぎて理解できないだろうから、また今度な」
森田「いや、その高度なツッコミを見たいんですけど!?」
北野「森田にはまだ早い」
森田「さっさと見せろや!!万人にウケてこその漫才だろーが!!」
北野「いーやM1で審査員を笑わせてこその漫才だ!!」
森田「うるせえ!!」
杉本「今の漫才を、みんなの前で披露するでござるか??」
森田「いや、絶対ダメでしょ!!人に見せるレベルじゃねえ!!」
北野「うーーん…漫才っていうのがよくなかったかもな…」
森田「え??」
北野「やっぱり、コントの方がいいかもな。役に入り込めるし、森田としてもやりやすいだろ」
森田「いや、なんで僕ができないせいみたいになってんの!?」
北野「よし。決めた。新しく学校でコント部を作ろう」
森田「相変わらず行動力だけは鬼!!」
北野「俺が台本も書いておく」
森田「絶対やめろ!!僕が書いた方がまだマシだ!!」
北野「大丈夫だ。自信はある」
森田「お前はいつも、自信だけだろうが!!」
北野「杉本、会場は取っておいてくれ」
杉本「イエス、サーでござる!!」
森田「いや、どんだけガチでやるつもりなの!?」
北野「当たり前だ。やるからには観客1000人を目指す」
森田「やめとけ!!集客がうまくいってもいかなくても、絶対に大失敗するから!!」
杉本「何事も挑戦する姿勢が大事なんだ。よく覚えとけ」
森田「挑戦するにもそれに見合う努力が大事なんだ!!よく覚えとけ!!」
〜1週間後〜
北野「台本を書いてきた。読んでくれ」
森田「マジで書いてきたの!?諦めてなかったんだ!?」
北野「ああ。俺の辞書に不可能はない」
森田「ナポレオンに謝れ!!」
北野「会場も、杉本(社長の息子)にお願いしてとってもらった」
森田「は??」
北野「バッチリでござる。1000人は入れる劇場を抑えたでござる!!」
森田「余計なことすんな!!なんでそう、行動力だけは人一倍凄まじいわけ!?」
杉本「とりあえず、文句は俺の台本を読んでからしてもらおうか??」
森田「ハイハイ…読むよ…」
『台本〜こんなラーメン屋は嫌だ〜』
「お、新しいラーメン屋ができてるな。入ってみるか」
「へいらっしゃい!!」
「店長。この店のオススメはなんですか?」
「そうっすねえ、マズいラーメンですね!!」
「は??」
「まずいラーメンっていう名前のラーメンが、この店で一番うまいです!!」
「いや、紛らわし!!名前変えろや!!」
「いや違うんですよ。マズいラーメンって言ってハードルを下げておけば、多少マズくても美味いと思っちゃうでしょ??「あれ??そんなマズくない」的な」
「いやマズいのはマズいんかい!!」
北野「……………………」
森田「……………………」
北野「どーだった?(笑)」
森田「悔しいけど、ちょっと面白いじゃねえか!!」
北野「だろ??見たかこの俺様のギャグセンスを!!」
森田「信じられない…あのつまらなさの極みみたいな北野君が、ネタを考えられるなんて…」
北野「いや、失礼過ぎないか!?」
森田「さて、続きを読もう」
「ちなみに、その「マズいラーメン」の味は何ですか?」
「濃厚クリーム豚骨です」
「なんかうまそう!!」
「濃厚な生クリームと豚骨を混ぜ合わせたものです」
「なんかマズそう!!」
「…え!?なんで生クリームと豚骨を一緒にしようと思ったの!?どう考えても合わないでしょ!!」
「いや、私は味の開拓者になりたいので。日々努力と挑戦を欠かしません!!」
「めっちゃ真面目!!なんでそれで生クリームという選択肢が出てきた!?」
「美味いものと美味いものを合わせれば、美味くなるんじゃないかと」
「急に単調!!バカ丸出し!!」
「いいですか!?ラーメンっていうのはねえ、麺とスープの絶妙なコラボレーションが大事なんですよ!!だからまずは、美味しいスープを作ることから始めるんです。スープは豚骨や鶏ガラなどを大体8時間程度煮込んで出汁を取る。この出汁こそがスープの命ですよ!!昆布とか魚介とかまずは色々試して最適解を得るんだ!!そして次は麺!!麺は…」
森田「って待て待て待て待て!!」
北野「なに??」
森田「なんで急に、ラーメンについて熱く語るだけの話になっちゃってんの!?」
北野「いやーすまん。途中からラーメンへの熱が止められなくなっちゃって…(笑)」
森田「ネタを書いてる間くらい我慢しろよ!!」
北野「ちなみに、全部の文量はこんなもんじゃないぞ??」
森田「え??」
北野「原稿10ページ分はある」
森田「長すぎだろ!?え??何がしたいん??」
北野「ラーメンの素晴らしさをみんなに伝えたい!!」
森田「別の場所でやれ!!」
北野「違うジャンルだからこそ意味があるんだよ!!ラーメン好きに、ラーメンの良さを教えても意味がないだろ??」
森田「みんなはコントを見に来てんだよ!!客帰るぞ!?」
北野「まあまあ。これで終わりじゃないからさ」
森田「え??まだ続くの??」
北野「この後、俺のツッコミ「長すぎだろ!!」が入ってコントは終了する」
森田「ほぼ終わってるじゃねえか!!」
北野「俺の予想では、ここオチで間違いなく爆笑が取れる!!」
森田「オチの前に全員帰るわ!!」
北野「最後の最後に、まさかのツッコミがボケに回る。こんな高等テクニックが使える奴は、この世にそうそういない」
森田「いや全然いるわ!!最近もM1出てるわ!!」
北野「というわけで、森田はこれを覚えてくれ」
森田「は??」
北野「このラーメンの説明文章を頑張って覚えてくれ」
森田「なんで僕が!?」
北野「なんでって…お前がツッコミAの担当だから(笑)」
森田「いや、いつ決まったの??」
北野「いや、漫才の時からお前がツッコミだったやん」
森田「いや、決まってはいなかったけど??」
北野「いや、お前しかいない。俺はお前のツッコミに光る物を感じた。」
森田「いや、めちゃくちゃ文句言ってたけどね!?「ギリギリ合格」とか「高等テクニックが理解できない」とかさ!!」
北野「あれは、ツンデレだ」
森田「ツンデレ!?」
北野「本当は死ぬ程素晴らしいと思ってた」
森田「嘘つくな!!」
北野「お願いだ相方。ツッコミやってくれ」
森田「絶対嫌だ!!お前がやれ!!」
北野「…………………」
森田「なんだよ??」
北野「俺には、ツッコミができない理由があるんだ…」
森田「え??何それ…」
北野「セリフが長すぎて覚えられない!!」
森田「なら台本を変えろや!!」
~1週間後~
北野「結局コント当日になってしまった…」
森田「普通に緊張するなあ…でもまあ、どうせ客が集まらないから、中止かな(笑)」
森田「…って、めっっっちゃ客いる!!マジで1000人くらいいる!!なんで!?」
杉本「それは拙者が呼んだからでござる」
森田「え??」
杉本「拙者が、会社の人間に声をかけまくって1000人の客を揃えたでござる!!」
森田「なんて余計なことを!!」
杉本「いやー、我ながら頑張って人を集めたでござるよ(笑)」
森田「頑張らなくていい所で頑張るな!!」
杉本「「拙者の友達が超絶面白いコントをやるでござる!!」と言って、嫌そうにしてる若手社員も連れてきたでござる!!」
森田「最低最悪の社長息子!!」
森田「…ってか最悪の状態だ!!それ、マジで面白くなかったら地獄の空気になるじゃん!!」
杉本「え??面白いでござるよね??」
森田「いやまあ、少しは面白いと思ってるけども!!学生レベルだよ!?人に見せるもんじゃないって!!」
杉本「そんなことないでござる!!自信を持つでござる!!」
森田「はあ……とんでもないことになった……」
森田「なんでこんなに客を連れて来ちゃうかなあ…身内ネタぐらいで済ませたかったのに…」
森田「そういえば、さっきから北野君の姿を見ないけど、何をしてるんだろう??」
北野「ブツブツ…ブツブツ…」
森田「おーーい北野君…って」
北野「へいらっしゃい!!そうっすねえ。マズいラーメンっすね!!へいらっしゃい!!そうっすねえ。マズいラーメンっすね!!へいらっしゃい!!そうっすねえ。マズいラーメンっすね!!」
森田「めちゃくちゃ練習してる…北野君、すごい気合い入ってるな。やっぱり自分でネタを書いたのだけあって、このコントにかける思いはすごいのかも…」
森田「…………………」
森田「仕方ない。僕も、覚悟を決めて頑張るか!!」
〜30分後、開演〜
杉本「えー、それでは、あー、お集まりの皆様、えー、本日はお忙しい中、えーと…」
森田「司会がどんだけ噛んでんだよ!!」
杉本「あの、えー、誠にありがとうございましゅ、でござる。司会は拙者、いや私、杉本が、えと、あの、その、務めさせていただくでござる」
森田「グッダグダ!!司会の最初の一言くらい、すんなりと決めてくれよ!!」
杉本「えー、あー、それでは皆さん。拙者の友人2人による爆笑コント「こんなラーメン屋は嫌だ」です。どうぞでござる」
森田(ついに来た…よし、全力を尽くすぞ!!)
森田「お、新しいラーメン屋ができてるな。入ってみるか」
北野「へいらっしゃい!!」
森田「店長。この店のオススメはなんですか?」
北野「そうっすねえ、マズいラーメンですね!!」
森田「は??」
北野「そうっすねえ、マズいラーメンですね!!」
森田「は??」
北野「そうっすねえ、マズいラーメンですね!!」
森田「いや、それはさっき聞いたんですけど…」
北野「そうっすねえ、マズいラーメンですね!!」
森田「しつけえわ!!何回同じこと言うんだよ!?」
森田(あれ…??コイツもしかして…セリフ2言しか覚えてない!?)
北野「そうっすねえ、マズいラーメンですね!!」
森田「…………………」
北野「そうっすねえ、マズいラーメンですね!!」
北野「そうっすねえ、マズいラーメンですね!!」
北野「そうっすねえ、マズいラーメンですね!!」
森田「うるせえんだよ!!ぶっ壊れたおもちゃか!!」
北野「…………………」
森田「…………………」
北野「…………………」
森田「………………?」
森田(あれ??もしかしてだけど…)
北野「…………………」
森田(北野君、失神した!?)
北野「…………………」
森田(やっぱりだ!!あのバカ、ガチで失神しやがった!!)
北野「…………………」
森田(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!)
ザワザワ
「なんだ??どうした??」
「おい。固まっちまったぞ??」
「この後、どう続くんだ??」
「さあ??何がなんだか…」
森田(あーもうクソが!!本当に使えねえ!!なんなのコイツ!?)
北野「…………………」
森田「…………………」
森田(あああああああああもういいいいい!!もうどうにでもなりやがれってんだ!!)
森田「…………………」
北野「…………………」
森田「い、いやーしかし、ラーメンっておいしいですよね??」
北野「…………………」
森田「僕、マジでラーメン好きなんですよー!!」
北野「…………………」
森田「だから、まずいラーメンって逆にどんなのか気になるって言うかー」
北野「…………………」
森田「なんか言えや!!」
北野「…………………」
森田「コント中だぞ!?」
北野「…………………」
森田「失神してやがるコイツ!?」
北野「…………………」
森田「いや、何を開始早々失神してんねん!!」バシイ!!
北野「…………………」
森田「いや、何か言えや!!コント中やぞ!?」バシイ!!
北野「…………………」
森田「いや、あの、流石に目覚めろや!!」バシイ!!
北野「…………………」
森田「しつけーぞ!!さっさと起きてコントしろ!!」バシイ!!
北野「…………………」
森田「もしかして最初から失神してた!?相方ヤバいんですけどー、どんだけー!!」
北野「…………………」
森田「…………………」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
森田(すべったあああああアアアアアアア!!!!)
森田(お前のせいだぞ!?もうマジでキレたわ!!なんで僕がこんな目に!!)
森田(絶対に許さねえ!!もうコント中に憂さ晴らししてやる!!お客もドン引きして帰るがいい!!)
森田「テメエのせいですべったじゃねえかオラアアアアアア!!
バキイ!!
北野「ひでぶ!!」
森田「死ねええええええええ!!」
バキイ!!
北野「ぶべら!!」
森田「オラオラ!!オラアアアア!!くたばれやゴルアアアアア!!」
ドカバキボカスカ!!
北野「あべし!!」
森田(起きやがれこのバカ野郎!!おいマジで起きろ!!)
北野「…………………」
森田「…………………」
北野「…………………」
森田「…………………」
森田(畜生…ダメか…!!終わった…)
北野「いや、長すぎだろ!!」
森田「…え??起きた…??」
北野「いや、長すぎだろ!!」
森田「あの、急に何…??」
北野「いや、長すぎだろ!!」
森田「何回連呼してんだよ!!ぶっ壊れたおもちゃか!!」
北野「いや、長すぎだろ!!」
森田「まだなんだよ!!そのツッコミは!!」
北野「いや、長すぎだろ!!」
森田「もうマジで黙れ!!」
バキイ!!
北野「いや、マジでなぎゃすぎだろ!!」
森田「うるせえ!!」
ドカバキボカスカ
北野「いや、ミャジでなぎゃすぎだろ!!」
ドカバキボカスカ
北野「いや、ミャジでなぎゃしゅぎだろ!!」
ドカバキボカスカ
北野「¥$%、ミャジでなぎゃしゅぎだりょ!!」
ドカバキボカスカ
北野「¥$%、$♪8〒¥〆2#々%$€!!」
ドカバキボカスカ
北野「チーーーーン…」
森田「やっと、黙ったか…ゼエゼエ…」
北野「ハアハア……」
森田「…ってなんなんだこのコント!!もう終わり!!終了!!」
杉本「では、以上でコントを終わるござる!!ご清聴、誠にありがとうでござる!!」
パチパチパチパチ
~10分後~
森田「…………………」
森田「あああああっぶねええええええええ!!」
森田「心臓、止まるかと思ったわ!!まさか、1000人の観客の前で、アドリブコントをすることになるなんて…マジで本当に死ぬかと思った!!」
北野「いやー、よくやった森田。大成功だったな」
森田「どこがだよ!!」
北野「見事、それぞれの役目を果たしたな」
森田「だからどこが!?テメエは失神してただけじゃねえか!!」
北野「うん??ほとんど台本通りじゃないか」
森田「は…??」
北野「よく見てみろよ。この台本の最後のページ」
森田「え??」
北野「最初の2言と、最後の「いや、長すぎだろ!!」以外、全てのセリフ担当は森田なんだよ」
森田「は??」
北野「ほれ。このページ」
森田「えーと…?「※ただし「へいらっしゃい!!」「そうですね…マズいラーメンです!!」「いや、長すぎだろ!!」以外のセリフは、全てツッコミの森田が担当とする」…」
森田「いや、なんでだよ!!」
北野「斬新だろ??ツッコミだけで回すコントなんて(笑)」
森田「回らねーよ!!1人2役なんてできるわけねえだろ!?」
北野「だから、俺が失神したフリをしたのも、あれは計画通りだったってわけだ(ドヤ顔)」
森田「…………………」
北野「俺の計画通り、無事に終わらせられたな。いやー、良かった良かった(ドヤ顔)」
森田「…………………」
北野「どうした??俺のあまりの計画性に感動したか??(ドヤ顔)」
森田「死ねええええええええええ!!」
北野「ギャアアアアアアアア!!」
〜完〜