顔だけで人を見てるとロクなことが無い
前回のあらすじ
合コンで唯一うまくいった高木。
狙っていた子と付き合うことができたようだ。
~合コンの2日後~
高木「よお、お疲れ(笑)」
加藤「…………………」
志村「…………………」
高木「なんだよ、ムスッとした顔しやがって(笑) 合コンに参加できたんだから、良かったじゃねえか(笑)」
加藤「うるせえ!!こっちは好意を持たれるどころか、嫌われてんだぞ!?」
志村「あいつらに俺達の噂流されて、もう一生世間の笑いもんだわ!!2度と合コンできねえ!!」
高木「大袈裟か。そんなに噂なんて広がらんわ(笑)」
高木「そもそもお前らは、最初から世間の笑いもんじゃん(笑) 今更何を気にしてんだよ(笑)」
加藤・志村「「やかましい!!」」
加藤「お前はいーよな。美人の中でも飛び切りの美人を彼女にできて」
高木「いやーそうなんよ(笑) なんとか狙ってた堀北さんを、無事ゲットできたわ(笑)」
志村「マジでムカつくわ。今すぐ〇ねよ」
高木「口悪すぎだろ(笑) ま、負け犬の遠吠えと考えれば罵声も心地良く聞こえるわ(笑)」
加藤・志村「「イライライライラ」」
加藤「ふん。ま、どーせすぐに別れるわ」
志村「そうそう。お前なんて所詮クズだし」
高木「クズ共にクズとか言われても…(笑)」
加藤「ふん。お前はホントにバカだな」
高木「は??」
加藤「あそこまで美人で、これまで彼氏ができたことが無いってことは、性格に難アリってことなんだよ。つまりお前の今回の相手は、とんでもなくヤバい性格の持ち主なのさ!!ざまあみろ!!鬼嫁に毎日ボコボコにされるがいい!!(笑)」
高木「えっと…それ、証拠はあんの??(笑)」
加藤「いやないけど。」
高木「妄想じゃねーか!!」
志村「まあでも、あそこまで美人でこれまでいないって確かに変だよな(笑)」
高木「そーでもないだろ。普通に少しガードが堅いだけだろ」
志村「そんな奴が合コンなんて来るか??」
加藤「…………………」
高木「…………………」
加藤「おい。志村の割にマトモな考察してんじゃねえ」
高木「そーだよ。こんな所で頭を使うなバカ」
志村「ぶっ〇すぞテメエら!!」
高木「まあでも確かに変だな」
加藤「おいおい真に受けんなよ(笑)」
高木(とりあえず何回か会って、探りを入れてみるか…)
~休日~
堀北「こんにちは!!待ちましたか!?」
高木(時間ピッタリ。すごい几帳面だ…)
高木「いや全然。てかすごいな、時間ぴったりじゃん(笑)」
堀北「ホントは5分前とかに来たかったんだけどね。誰かを待たせるの嫌ですし」
高木(なんていい人なんだ…感動した…)
高木「じゃ、行こうか」
堀北「はい」
~カフェで食事中~
高木(食べ方もめちゃくちゃキレイだ…どっかのお嬢様か??)
高木(しかもずっと敬語だし…もう彼氏彼女なのに…)
高木「あの、敬語やめても大丈夫よ??俺も敬語じゃないし」
堀北「いえいえ。これが私の会話のスタイルなので、気にしないでください」
高木(ええ子や…感動した…)
~カラオケ中~
高木(カラオケもうまいし、しかも少年マンガ系のアニメの主題歌ばっかりだから、俺もテンション上がる!!周りへの配慮も完璧!!超人ですやん!!)
~帰り道~
高木「じゃあ、そろそろ帰ろっか」
堀北「そうですね」
高木(俺の考えすぎか…?正直完璧だった…悪いところを探す方が難しいくらい、すごいいい人だった…この人が彼女で、本当に良かったわとすら思ってる…)
高木「家まで送ってくよ。どの辺??」
堀北「ありがとうございます。そのついでと言ってはなんですが…」
高木「え??」
堀北「家まできてくれませんか??」
高木「は??」
堀北「え、嫌ですか??」
高木「え、いや、いやという訳ではないけど…親御さんもいるだろうし…」
堀北「私、1人暮らしです」
高木「ええ!?実家から遠いの!?」
堀北「いえ。私の家の2軒隣にあります」
高木「バカちけえじゃねえか!!1人暮らしする必要ある!?」
堀北「いえ、どうしても1人暮らしをしたかったので…父親に全力でお願いしたら、あっさり許可してくれました。近いならいいだろうって」
高木「お金持ちなの??君の家は…」
堀北「そうですね。毎月お小遣い20万円くらいもらえるので…」
高木「20万円!?!?」
高木(俺ももらってる方だとは思ってたけど、レベルが違うわ…ガチのお嬢様だ…)
高木「家賃は!?」
堀北「勿論すべて込みで親が払ってくれます」
高木「羨ましい…」
堀北「で、来てくれますか??私の家」
高木「え、えーーーと…」
高木(これは、そういう意味なんだろうか??だとしたら、中々ヤバいぞこの子…世間で言うところの「ビッチ」って奴か!?彼氏ができた途端に家に連れ込むなんて、流石にド淫乱すぎる!!隣りにいる親はどう思ってんだろう…)
堀北「あの、大丈夫ですか??」
高木「え、いや、その、付き合ってすぐに家に行くってどうなのかなーって思って…(笑)」
堀北「はい??」
高木(その「はい??」は何!?どういうこと!?わかってないの!?)
堀北「高木さんは、私がどんな趣味でも受け入れる、と告白した時おっしゃってくれましたよね??」
高木「うん、まあ、そりゃあね?趣味は人の自由だし…」
堀北「そんな高木さんだからこそ、全てを打ち明けられる彼氏彼女の関係になろうと誓ったんです。」
高木「あ、ああ…そうだったね…」
堀北「だから今から、私の全てをお見せします」
高木「え!?あ、ああ!!その趣味を俺に見せてくれるってこと!?」
堀北「え??そうですよ??なんだと思ったんですか??」
高木「い、いや別に!?なんでもない全然なんでもない!!」
堀北「じゃあ来てくれますよね??」
高木「あ、ああ…うん。じゃあ少しだけ失礼します…」
(ドアを開ける音)
堀北「どうぞ」
高木「お邪魔しまーす……って、これは…なんだ…??(驚愕)」
堀北「はい。全てBLグッズです」
高木「は…??」
堀北「これがBL本。これがBLポスター。これがBLクッション。これがBLのDVD。実写もアニメも取り揃えてます。」
高木「へ、へえーー。す、すごいねーー」
高木(き、気持ち悪い…)
堀北「今まで何人かの男の人をこの家に連れて来たのですが、全員この家を見て逃げ出していきました…」
高木「あ、そうだったんだ…」
高木(無理もねえな…とてもじゃないが、俺もこの家では過ごしたくない…(笑))
高木「てか家に連れ込んでたの!?彼氏はいないんじゃなかったっけ!?」
堀北「彼氏候補です。みんな「家に来て」と言ったら付き合う前でもホイホイ来てくれました」
高木「流石は変態男ども…性欲に忠実だなあ…(笑)」
堀北「でもまあこの家の中を見て、みんな逃げましたけどね(笑)」
高木「なるほど。それで趣味に寛容な男を探してたってわけだ…」
堀北「そうです。BL好きですけど彼氏は欲しいので…」
高木「まあ、それはいーんじゃない??」
高木「あ、もしかして、さっきカラオケで少年マンガ系の主題歌をよく歌ってたのって…」
堀北「はい。少年マンガ系はBL妄想がとてもはかどるので、よく見ているんです!!」
高木「あ、そうだったのね…(ドン引き)」
高木「で、こっちはリビング??」
堀北「はい。リビングには18禁のBL本やらポスターが飾ってあります」
高木「オロロロロロロロロ!!」
堀北「キャー!!何してるんですか!!大切なエロBL本が汚れるじゃないですか!!」
高木「ご、ごめん…あまりにも気持ち悪くて…」
堀北「そうですよね…気持ち悪いですよね…」
高木「いや…別に、こういうのを買うのは全然いいと思うけど…なんで飾るの!?こんなのが常日頃から目についたら、生活が落ち着かないでしょ!!」
堀北「いえ。私はこのBLエロ画像を眺めながらご飯を食べるのが本当に好きなんです////」
高木「オエエエエエ……どんな趣味してんの!?」
堀北「変ですか??」
高木「変です!!超変です!!それはマジ無理です!!」
堀北「ひどいです…傷つきました…」
高木「いや逆に考えて!?俺の家が、女性の裸の画像で埋め尽くされてたらマジで嫌でしょ!?」
堀北「いえ、問題ないですけど…」
高木「え…??」
堀北「普通に一緒に眺めますけど…」
高木「なんで!?それは引けよ!!」
堀北「いやだって、いつも自分の裸見てますし。今更女性の裸に何とも思いません」
高木「マジかこの人!?でもごめん、俺は無理!!」
堀北「そうですか…あなたもまた私を捨てて逃げ出すんですね…そうですよね、こんなBL腐女子キモキモ女…誰も相手にしてくれるわけない…」
高木「…………………」
堀北「…………………」
高木「いや、別れないよ。」
堀北「え??」
高木「さっきも言っただろ。別に人に迷惑さえかけなければ、こういうのを買ったり眺めたりするのは自由だって。別にいーじゃん。それが堀北の趣味なら」
堀北「高木さん……」
高木「これが心の支えになってるなら、別にいーんじゃない?周りの人の意見なんて関係ないって!」
堀北「ありがとうございます!!じゃ、じゃあ、まだ彼氏でいてくれるんですね!?やったー!!」
高木「うん。でもまあ、この家にはちょっともう来たくないけど…(笑)」
堀北「ええ!?なんでですか!?」
高木「逆に、よく俺がここに来たがると思ったな!?」
堀北「私、彼氏と一緒にBL本やらアニメを見るのが夢だったんですけど…」
高木「正気か!?それは無理!!絶対無理!!」
堀北「そうですか…残念です。でもまあ、これから少しずつ高木さんをBLに染めていけば、それはあんまり問題じゃないですね!(笑)」
高木「え…??」
堀北「というわけで今から、私と控えめなBLアニメを一緒に見ましょう!!」
高木「控えめって何!?お断りします!!」
堀北「え!?なんで!?」
高木「なんでじゃねえ!!」
堀北「あ、BLドラマの方が良かったですか!?」
高木「どっちも良くねえわ!!一旦BLから離れろ!!」
堀北「高木さん。食わず嫌いはいけませんよ??」
高木「いやあのさ、逆に考えて??例が悪いけど、例えば俺がさ、最高にヤバい性癖のA◯とかを堀北さんに見せようとしてきたら、ドン引きするでしょ??」
堀北「いえ、見ますけど…」
高木「え…??」
堀北「普通に一緒に見ますけど…」
高木「なんで!?怖い怖い!!」
堀北「そもそもBLとアダルトビデオを一緒にしないでください。BLはファンタジーなんです。あれはそういうエロとして扱うものじゃなくて、もっと崇高な何かなんです!!」
高木「18禁の買ってるくせに何言ってんだ!?どう考えてもそっち目的だろうが!!」
堀北「ぐへへへ////」
高木「「ぐへへへ」じゃねえ!!キモ!!」
堀北「じゃあ、まずはBL本から入りましょう!!これマジで感動しますよ!?」
高木「だから読まねえっつーの!!しつこ!!」
堀北「じゃあわかりました。それなら、私の仕事のお手伝いをしてもらえますか??」
高木「え??急に手伝い??仕事??」
堀北「実は私、18禁のBLの同人誌を作っているんです。結構売れてるんですよ?それも収入源ですね。まあ、全部他のBLグッズ購入で消えていきますけど(笑)」
高木「え、あ、そう…すごいね…(ドン引き)」
堀北「なので高木さん。BL新作本のモデルとして協力してください!!」
高木「は…??」
堀北「主人公のモデルになって欲しいんです」
高木「えっと…それってつまり、男とキスしろってこと…??」
堀北「はい。勿論です。もう1人のモデルの方とキスしていただきます」
高木「えっと、マジで嫌です」
堀北「え!?なんでですか!?」
高木「なんでじゃねーよ!!普通に嫌だろ!?」
堀北「いえ、そんなことないと思いますが…」
高木「じゃあお前、テキトーな女とキスしろって言ったらできるのか!?」
堀北「はい。全然できますけど…」
高木「え…??」
堀北「はい??」
高木「いや、なんで!?なんでそんなこと普通にできんの!?」
堀北「いやなんでって…そりゃそうですよ。私達はBLの世界を望んでいます。BLの世界では、男性は男性と付き合わなければならないので、女性は女性同士で恋をしないといけないんですよ。つまりですね、BLとGLは表裏一体なんですよ。BLの世界では女性は余っちゃうんで、女性はGLにならないといけないんです!!つまり、BL大好きな私みたいな人は、GLとか百合とか、女性同士のイチャイチャも全然OKなんです!!」(※個人差あります。てかここ読まなくていいです)
高木「????????」
高木(何を言ってるのかさっぱりわからない…俺がおかしいのか…??)
堀北「というわけで、ご協力お願いします!!」
高木「やらねーわ!!お前、彼氏がなんでもやってくれると思ってるだろ!?BL同人誌のモデルになるとか死んでも嫌だ、やらん!!」
堀北「高木さんがいてくれれば、同人誌の新刊のクオリティが上がるんです!!」
高木「知らねーよ!!勝手にやりやがれ!!」
堀北「しょーがないですね…それが嫌なら、別の形で協力お願いしてもいいですか??」
高木「は…??」
堀北「18禁同人誌のデッサンです!!私まだ現実で男の人の裸を見たことがないので、リアルな男性の裸を見たいんです。なのでヌードデッサンさせてほしいんです!!」
高木「どっちにしろ嫌だわ!!てかマジでヤバいわコイツ…もう別れる、サヨナラ!!」
堀北「ちょっと!!待ってください!!」
~続く~