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スノボは楽しいけど、バカ疲れる

志村姉「ねえねえお父さん」


志村父「何??」


姉「私さあ、スノボとかスキーとか、人生で一度はいってみたいんだよね」


父「行けばいいじゃん。バイト代をためて」


姉「いやみんなはさ、家族とかで行ってるわけよ。ゲレンデまで連れて行ってもらったりさ」


父「よそはよそ。うちはうち」


姉「だから私達もさ?家族でスキーあるいはスノボ行かない?って話なんだけど…(笑)」


父「母さん。今日の夜ご飯って何?」


姉「無視すんなテメエ!!大体我が家の飯はいつも、雑草とイノシシのスープだろうが!!わざわざ聞くまでもねえだろうが!!」


父「はあ!?最近はコオロギもご飯のレパートリーに入ってるだろうが!!」


姉「食いたくねぇんだよコオロギなんて!!」


父「食わず嫌いするな。コオロギの素揚げも炒め物も、刺身もマジで美味しいぞ?」


姉「刺身!?生で食ってるの!?」


父「まあ、所詮虫だからな」


姉「意味がわからない!!普通は腹壊すわ!!」


父「我が家は普通じゃないから。今更何を言ってるんだ…??」


姉「うるせえ!!」


父「食わず嫌いはやめろ。今度食べさせてやるから」


姉「結構だ!!」


父「外食ばっかしてると、健康に悪いぞ??」


姉「我が家の場合、家で食べてた方が健康に悪そうだわ!!」


母「まあまあ父さん。カワイイ娘のためですもの。たまには付き合ってあげましょうよ」


父「カワイイ??可愛くないわこんな生意気娘」


姉「自分の娘を可愛くないとかいうクソ親父、他にいる!?」


〜1か月後〜


志村「で、なんで俺まで連れてこられてんの??」


姉「そりゃまあ、アンタがいないと家族が揃わないから(笑)」


志村「別にいいだろ!?3人で行ってこいよ!!」


母「せっかく家族でスキー場に来てるんだから。みんなで楽しみましょうよ!!」


志村「えーー??めんどくさ…絶対ウザいもん…(主に親父との絡みが)」


父「とりあえず、スノーボード代とウェア(服)代は自分で払え。俺達は一切出さん」


志村「ほら見ろ!!やっぱりクソめんどくさい!!」


父「と、いうのは冗談だ(笑)」


志村・姉「「え??」」


父「流石に俺が払ってやるよ。2人とも安心しろ(笑)」


志村・姉「「マジで!?!?」」


志村「え…??明日大地震とか起きる??」


姉「もしかして、明日で地球終わる??」


父「まったく…失礼なクズどもだ。なあ母さん」


母「そうそう。私達が、アナタ達のために頑張ったのよ??」


志村「母さん…親父…マジで!?」


姉「ありがとう!!本当にありがとう!!」


志村「正直ここまでヒッチハイクで来た時点で、絶対今日も自腹だろうなーって思ってた!!」


姉「それな!!マジでそれな!!」


父「フン。感謝しやがれ」


志村「恩着せがましいな!!別に普通だからな!?」


姉「で、どの店で借りるの!?」


父「いや?借りないけど?」


志村「ってことはまさか、買ってくれたの!?」


姉「マジで!?今後のために!?」


父「は??そんなわけねえじゃん。」


志村・姉「「は??」」


父「俺達が作ったんだよ。1から」


志村・姉「「は??」」


父「木を切って、板を作って、自作スノーボードを作った」


志村・姉「「スノーボード舐めんじゃねえ!!」」


父「それから、ウェア(服)は母さんがお前達の昔のゴミ服から作り出した」


志村「いやもう、そこまでの手間をかけるなら、バイトしてその金で借りろや!!」


父「できるだけ働きたくない」


志村「マジで黙れ!!」


父「まあとりあえず、これを着て身につけてやれ」


志村「絶対嫌だ!!」


姉「こんなボロ雑巾とボロスノーボードを身につけて滑るくらいなら、死んだ方がマシだ!!」


父「…………………」


志村「なんだよ?」


父「せっかく、俺と母さんが真面目に必死に作ったのに、そういう事言うんだ…」


志村「え?」


父「悲しいわ。そんなクズ娘・クズ息子に育てた覚えはねえぞ?」


姉「私達も、2人がこんな頭おかしい親だとは思わなかったわ!!」


父「それは、日頃の観察眼が足りなさ過ぎる」


姉「いやうるさ!!」


志村「俺、やるわこれで!!イエーイ!!」


姉「ケンジ!?正気!?」


父「あれが正しい姿だ。お前も見習え」


姉「どこがだよ!!ただのバカだろ!!」


姉「大体、こんなダサいボードとウェアじゃあ、インスタ映えしないだろうが!!」


志村「それが理由か!!どんだけインスタに写真をあげたいんだよ!!」


姉「私はインスタに命賭けてるんじゃ!!」


志村「バカじゃん!!なんだこのバカ姉!!」


父「じゃあ、俺達はこれでやるけど、お前は自腹でレンタルボードとウェア借りれば??(笑)」


姉「私もそれでやります!!」




父「おいユウカ。なんなんだ、このリフト代とか言う奴は?」


姉「いや、リフトに乗るためのお金だけど…」


父「あのゴミみたいな乗り物に乗るだけで、こんなに高い金を払わなきゃいけないのか??正気か??この国は一体どうなってるんだ??」


姉「国のせいじゃねえわ!!どこでもそうだ!!」


父「このリフトは、乗らなきゃいかんのか??」


姉「いや、当たり前だろ!?アンタ、この高い雪山を歩いて登るつもりなのか!?」


父「おう。それが何か問題あるか??」


姉「問題しかねえわ!!登れるかボケが!!」


父「いや、行けそうじゃね??」


志村「それな。大した標高じゃないし」


母「そうね。このくらい雪山なら、いつもの狩りで登ってるからね」


姉「あの、いつの時代の人間ですか!?」


父「じゃあ、とりあえず登ってみるか」


姉「絶対嫌だわ!!」


父「あーそう。じゃあ1人でリフト券買って、リフト乗れば??(笑)」


姉「そんな金も持ってない!!」


父「じゃあ早く歩くぞ。時間がもったいない」


姉「歩いて登ってる方が時間もったいないわ!!そんなことしたら、滑る時間が全然なくなるだろうが!!」


父「あのなあ、俺とか母さんくらいになると、この程度の坂は一瞬なんだよ!!見てろ?」


父「ここは人が多いから、こっちの人気のない坂にしよう」


母「待っててね。すぐ戻ってくるから」


スタタタタタ…


志村「すげええええ!!坂を駆け上がっていく!!」


姉「良い子は絶対マネしないでね!!」


志村「よっしゃあ!!俺もやるわ!!」


姉「やるな!!」


父「いいぞケンジ。登り方を教えてやる」


志村「これができれば、リフト代が無料になるぜ!!」


姉「そのくらい親が払いやがれ!!」


父「あのなあユウカ。親として、無駄な金を払わない方法を教えるのは非常に大事なことなんだ」


姉「無駄じゃねーよ!!必要経費だ!!」


父「だったら、ユウカだけリフト代払えば?(笑)」


志村「それな。姉貴だけ一万円くらいのリフト代払えばいーじゃん(笑)」


姉「……やっぱ私も学びます!!教えてください!!」


~2時間後~


父「流石は俺達の息子と娘だ。すぐにこの雪山登り術をマスターできるなんてな」


母「ホントね。教えた甲斐があったわ」


志村「ゼエゼエ…」


姉「ハアハア…」


父「まあでも、これの欠点は死ぬ程疲れることなんだよな(笑)」


母「そうね。人の2倍以上は動くからね(笑)」


志村「つ、疲れた…」


姉「そして腹減った…」


父「よし。そろそろ飯にするか!!」


志村・姉「「やったー!!」」


姉「ゲレンデ飯!!インスタ映えするに違いない!!」


志村「早く店を探そうぜ!!」


父「は??店??」


志村・姉「「え??」」


父「なんの話をしてるんだ?店なんかで飯を食うわけ無いだろう」


志村・姉「「え??」」


父「あのなあ、ゲレンデ飯なんて大して美味くもない料理を高い値段で売ってくるような飯だぞ??そんなもんに我が家が金を払うわけがねえだろ(笑)」(※完全に個人の意見です。全然そんなことはありません)


姉「とんでもねえこと言ってる!!ゲレンデ飯に謝りやがれ!!」


志村「確かに。ゲレンデ飯とか、全部バカ高いもんな!!あれはマジでボッタクリだ!!」(※マジで個人の意見です。そんなことないです)


姉「アンタも納得すんな!!」 


母「そうそう。高いばっかりでそんなに美味しくもないしね(笑)」(※決して作者の意見ではありません)


姉「ひどすぎる!!店がかわいそう!!」


父「ケンジ…わかってくれるか。流石は息子だ」


志村「でも親だから奢ってくれ。腹減って死にそうだ」


父「絶対嫌だ」


志村「なんだこの超ドケチ親父!?一緒にどっかに旅行来ても、全然メリットねえんだけど!?」


父「あのなあ、金だけが旅行のメリットだと思うな」


志村「アンタは黙ってろ!!」


姉「え?じゃあマジでどうするの?どこで食べるの?」


父「そこだ」


姉「は??なにもないけど…」


父「そこの木の下で食べる」


姉「はあ!?こんなとこで何を食べるんだよ!!」


父「何って、そこにいっぱいあるだろう(笑)」


志村「え??何が??」


姉「まさか…雪??」


父「そうだ。ゲレンデなら雪が食い放題だ」(※良い子は絶対にマネしないでください)


志村「何言ってんだこのオッサン!?」


姉「正気か!?マジで言ってんのか!?」


父「なーんちゃって。冗談だよ冗談(笑)」


志村「アンタが言うと、冗談にならねえんだよ!!」


姉「頼むぞ!?マトモな飯を食わせてくれ!!」


父「安心しろ。ここで弁当を食べる」


志村・姉「「は??」」


父「母さんと俺で、弁当を作って持ってきている」


志村「いや、どんだけだよ!?」


姉「ねえ、たまには外食しようよ!?」


母「はいどうぞ。めっちゃ重かったわ(笑)」


姉「…なにこれ??」


父「イノシシを焼いたやつと、家の近くに生えていた雑草を茹でたやつだ」


姉「いつもの飯じゃねえか!!」


志村「こんな時くらい特別な飯を食わせろや!!」


父「あのなあ、そもそも我が家のような貧乏一家がスノボができてる時点で幸せなんだよ。それに加えて飯も美味しいものを食わせろなんて、そんな贅沢は許さん」


志村「虐待だ虐待!!」


姉「こんなクソ親、嫌すぎる!!」


父「あーそう。じゃあ食わなくていいわ。自腹でゲレンデ飯でも食べてくれば?(笑)」


志村「もうそうするわ!!このクソ親父!!」


姉「それな!!もういいわ!!行こケンジ!!」


志村「じゃ、ありがとう姉貴(笑)」


姉「え??」


志村「俺は金ないから、奢りよろしく!!(笑)」


姉「は??」


志村「俺この前ゲーム買っちゃって、金マジでまったく無いから、奢りよろしくね!!(笑)」


姉「誰が奢るか!!自分で買え!!」


志村「買えねーんだよ!!年上なんだから奢りやがれ!!」


姉「誰がテメエみたいなクソ弟に奢るか!!」


志村「くたばれクソ姉貴!!」


姉「あーもういいわ!!私だけ買うわ!!」


志村「うーわ!!マジで最低の姉貴だわー!!こんなカワイイ弟にご飯すら奢らないとか、人間のゴミクズ姉貴だわー!!」


姉「こんな口悪い奴、カワイくねえわ!!飯が食いたきゃ、ここで皿洗いでもして働いて金稼いで食いやがれ!!」


志村「はあ!?マジでケチだわ。もういいわ。だったら食わなくていいわ!!」


姉「あーそう!!じゃあ私だけ買ってくるわ!!」


志村「あー勝手にしろ!!ここで座って待ってるわ!!」


~5分後~


姉「ラーメン美味しそー!!いただきまーs…」


志村「ジイイイイ……」


姉「…あげねーよ??」


志村「ジイイイイ……」


姉「…………………」


志村「ジイイイイ……」


姉「あげねーからな!?」


志村「一口!!」


姉「ダメ!!」


志村「ドケチかよ!!一口だぞ!?」


姉「アンタの一口は一口じゃねえんだよ!!自分で買え!!」


志村「マジでケチだな!!本当に姉か!?絶対に許さねえ!!もう勝手に食べるから!!」


姉「ちょ、待てコラ引っ張るな!!」


志村「一口くらい寄越せやクソ姉!!こちとら朝から何も食べてねえんだぞ!?」


姉「私だってそうだわ!!お腹ペコペコなんだよ!!だから一口もあげねえ!!」


志村「このクズ姉貴、絶対許さねえ!!」グイッ


姉「そもそもアンタが金を使い込むのが悪いんだろうが!!」グイッ


志村「金は使うためにあるんだボケが!!」グイグイ


姉「限度があるんだよ!!」グイグイ


ツルッ


志村・姉「「あ……」」


バッシャーーン


志村「…………………」


姉「…………………」


志村「…………………」


姉「…………………」


志村「なあ、姉貴」


姉「何??」


志村「落ちたラーメン、食べてもいい??」


姉「それだけは、マジでやめろ」


~外に戻った2人~


父「さてと。ようやく火が起こせたぜ…」


母「あら??どーしたの?2人とも」


志村「いや、うん…」


姉「昼飯が、消え去った…」


父「そうか。母さんと俺は、この新鮮なイノシシ肉と雑草を食べるから。この火を使ってな」


母「よく見てなさいよ?」


志村・姉「「…………………」」


父「さてと。イノシシ肉を炙ってと。さらに持ってきた雑草と肉を鍋に入れて、スープを作る」


母「スープの水は、その辺りにある雪を使いましょ」(※マジでやめてください)


グツグツグツグツ


父「あーうまそー!!これを食わないなんて、本当に可哀想な奴らだなー(笑)」


志村・姉「「…………………」」


志村「やっぱ俺も食べる!!」


姉「私も私も!!」


父「はい、一杯500円」


志村・姉「「自分の子供から金とるな!!」」


父「ジョーダンだよ(笑) 食え食え」


志村「このオッサンの場合、本当に冗談に聞こえんわ…」


姉「マジでそれ…」


~10分後~


志村「うめええええええ!!」


姉「マジで生き返る!!うますぎる!!」


「え?何このいい匂い…」


「超うまそうなんだけど…」


「いいなあ。俺達も食いたい…」


「それなあ…あったかそう…」


志村「うめえー!!半端ねえ!!」


姉「本当に最高!!美味しすぎる!!」


志村「そしてめっちゃあったまる!!」


姉「ホントそれ!!体の芯から温まるわー」


「ジュルリ…」


「ゴクリ…」


「マジで寒いからな…」


「食べてえ…」


「あ、あのー」


父「はい?」


「僕達にも、いただけたりしませんかね?そのイノシシ鍋みたいな奴…」


父「いいですけど、一杯1000円ね」


「え…??」


「マジすか…??」


姉「ちゃんといい値段取ってくる!!ゲレンデ飯レベルで高い!!」


父「そりゃそうだ。新鮮な肉と野菜だぞ??そう簡単に安くは売れないわ」


志村「そうそう。俺達が頑張って取ったイノシシと雑草だからな。金は取るよ」


姉「アンタは何もしてねえだろ!!」


「払います!!食べさせてください!!」


「俺も!!」


「俺もだ!!」


父「よろしい。1000円」


「俺にもお願いします!!」


「私にも!!」


父「しっかり列になって並んでくれ。一杯1000円な」


姉「完全に商売しちゃってるよ!!」


母「あ、でもそろそろ食材がなくなってきたわ…(笑)」


「そんな!?」


「私も食べたかった…」


「俺も…」


父「安心しろ。その辺から野生のシカとってくるわ」


姉「強すぎる!!たくましすぎるわこのオッサン!!」


※商売をする時は、必ず許可を取りましょう(笑)


~完~

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