大金の使い道って、意外と難しい
漫才大会の優勝賞金「１００万円」の使い道を考える志村
志村「さて、こうして１００万円が俺の手元にあるわけだが…」
高木「いやなんで！？」
志村「忘れたのか？俺は前の回で漫才大会で優勝しただろうが！」
高木「あーそういやそうだったな」
志村「その金がようやく俺のもとに届いたわけだが…」
高木「何を悩んでんだ？」
志村「いや、どうやって使おうか考えている」
高木「お前にしては堅実じゃん」
志村「この金を元手に大金を稼ぐか、それともパーッと派手に使い倒すか…」
加藤「その前にちょっといい？」
志村「え？」
加藤「あのさ、確か取り分はお前と俺で６対４だったと思うんですけど」
志村「え？」
加藤「優勝賞金の取り分は６対４だから、そのうちの４０万円は俺のなんですけど」
志村「いや、言いがかりはやめてほしいんですけど」
加藤「いや、事実なんですけど」
志」漫才中に失神した分際で俺の取り分とかほざかないでほしいんですけど」
加藤「練習に来なかったお前のせいで失神しちゃっただけなんですけど」
志村「人のせいにしないでほしいんですけど」
加藤「というか、それと取り分の話はマジ関係ないんですけど」
高木「話し方うっぜえ！！普通にしゃべれや！！」
加藤「とにかく、約束通り４０万円は俺がもらう」
志村「グヌヌヌヌ…」
高木「まあ、まだ６０万円あるからえーやん(笑)」
志村「た、確かにな。プラス思考で考えよう」
志村「で、この６０万円でどうするか…」
モブ「あ、志村金あんじゃん」
志村「え？？」
モブ「それお前の金だろ？」
志村「いや、まあそりゃ」
モブ「じゃあ借金返して♥」
志村「え？？」
モブ「この前貸した５００円返して」
志村「証拠は？」
モブ「お前の動画見る？これから俺に借金をすることを宣誓してる動画(笑)」
加藤「お前、そんなことして金借りてたの！？」
志村「…………………」
志村「ま、まあ５００円くらい、ヨユーだヨユー！！」
モブ「マジで！？いよっしゃああああ！！」
加藤「そんな喜ぶ！？」
モブ「だって、一生帰ってこないと思ったから…」
志村「俺をなんだと思ってんだ！！」
モブ「ド貧乏ドケチクズ」
志村「なんだと！？」
モブ「みんな！！今なら志村が金を持ってる！！借金を返してもらえるぞ！！」
志村「いや、ちょ、何を」
モブ「おおおおおおおお！！」
志村「いやこんな借りてたの！？」
加藤「なんでお前が覚えてねえんだよ！！」
志村「全員架空請求だ！！」
モブ「はいあの時のレシート」
志村「グヌヌヌヌ…」
モブ「はい請求書」
志村「請求書！？」
モブ「はい誓約書」
志村「誓約書！？俺、どんだけガチでお前から金借りてんの！？」
モブ「はいお前の血印」
志村「俺、どんな思いで借金してんの！？」
モブ「はいお前の血」
志村「なんで持ってんの！？怖いんですけど！！」
モブ「はいお前の「チ。」６巻」
志村「道理でずっと６巻だけねえと思ってたわ！！さっさと返しやがれ！！」
志モブ「はいお前の「中間管理職トネガワ」１０３巻」
志村「そんなに巻数出てねえ！！」
志村「ってか、いい加減にしろやゴルアああああ！！」
志村「ボケ合戦じゃねえんだぞ！？ちゃんと俺が金を借りた奴だけ名乗り出ろや！！」
モブ「はい。」
モブ「はい。」
モブ「はい。」
モブ「はい。」
モブ「はい。」
モブ「まだこんなにいんの！？」
モブ「俺は１０００円」
モブ「俺は１万円」
モブ「俺は１０万円」
モブ「俺は１００ま」
志村「ちょっとまてえええええ！！いやおかしいだろ！？なんで１０倍ずつ上がっていくんだ！？」
モブ「いやお前が借りるから…」
志村「そんな借りた覚えはねえ！！」
モブ「お前の友達が借りた」
志村「え？？」
モブ「志村に返してもらえって言って、１万円借りていった」
志村「どんなクズ！？そんな奴を友達にした覚えはねえ！！」
モブ「金借 逃太郎って奴」
志村「いかにも借金してトンズラしそう！！」
志村「てか知らねーよ！！誰だソイツ！？」
モブ「お前の幼稚園の同級生らしい」
志村「１ミリも記憶にねえ！！」
モブ「俺は赤ん坊時代の志村の親友を名乗る金仮 逃助に、１０万円貸しちゃったんよね…」
志村「赤ん坊時代の親友ってなに！？まだしゃべれねえだろうが！！」
モブ「俺の１００万円は志村の親父に貸した」
志村「は？？」
モブ「お前の親父を名乗る変な奴に１００万円貸せって言われたから、貸してあげた」
加藤「変な奴に１００万円も貸すな！！」
モブ「そんで、俺の息子から返してもらえって言って、金持って消えてった」
志村「いや知らねえし、そんなクズ親父この世にいねーよ！！…とは俺の場合言い切れない。」
加藤「言い切れないの悲しい！！」
高木「まああのドケチクズ親父だからな…(笑)」
志村「というわけで、今から確認を取る！！待ってろ！！」
加藤「信用のない親父すぎる！！」
prrrrrr…
志村「もしもし親父」
父「なんだケンジ。今仕事中だ。」
志村「いやごめんけど、俺の友達から勝手に金借りた？」
父「はあ？何いってんだ。お前の友達から金をもらうことはあっても、借りることはない」
志村「いや、もらうこともすんな！！大人だろ！！
父「いいかケンジ。借金なんてクソ食らえだ。利子つけて増額して返済するなんて、この世で最も愚かな行為だ！！よく覚えとけ！！」
志村「いや、友達同士なら利子は発生しないけど…(笑)」
父「なにい！？なんていい友達だ…」
志村「いや、アンタどんな青春送ってきたの！？」
父「とにかく、この俺が他人から借金することはありえない。それがどうした？」
志村「いや、それが聞けたら大丈夫」
父「そうか。」
志村「忙しいとこ悪いな。それじゃ。」
父「ところで、この電話にかかった通話料と通信料をお前の小遣いから引いておく」
志村「安定のクソドケチ！！」
～志村帰還～
モブ「どーだった？」
志村「親父じゃないな。」
モブ「そうか」
志村「うん」
モブ「じゃ、１００万円」
志村「いや、それは返さねえよ！？」
志村「誰だか知らん奴に押し付けられた１００万円をなんで払わなきゃいけねえんだよ！！」
モブ「じゃあ、俺が貸した１００万円はどーすんだよ！！」
志村「知るかボケ！！警察いけ！！」
モブ「ガッテン！！」
加藤「なんてバカな会話なんだ…」
高木「てか、よく１００万円も持ってたな…」
加藤「とりあえず、１人ずつ借金は返せよ(笑)」
志村「まったく、しょーがねーなー」
加藤「元はと言えば、お前のせいだろうが！！」
志村「えー校内の皆さん。ただいまから、志村。この志村が皆さんからの借金を返済いたします。返してほしい方は、１列にお並びください」
加藤「選挙の演説か！！」
高木「そしてなんでちょっと上からなんだ！？」
〜１０分後〜
志村「え？すっからかんなんだが…」
加藤「チリも積もれば山となるってガチなんだな(笑)」
高木「てかお前、どんだけ借りてたんだよ(笑)」
志村「みんな、ちゃんと証拠のレシートを持ってたからな…」
志村「まあ、俺は何のレシートなのかまったく覚えてないけど(笑)」
加藤「なら意味ねえじゃねえか！！」
志村「それより見ろ！！俺の残金がたったの３８円だぞ！？どういうことだ！！」
加藤「いや、因果応報だろ」
高木「そうそう。なるべくしてそうなった。」
志村「これじゃあ何もできねえじゃねえか！！」
加藤「いーじゃねえか。無事に借金は返せたんだから。」
志村「畜生…こんなことなら返さなけりゃ良かった…」
加藤「おいなんてことを！！」
志村「うん？待てよ…？借金を返したってことは…」
加藤「え？」
志村「また借りてもいいってことだな！！」
加藤「まあ、そうだけど」
志村「よし、１００万円借りよう！！」
加藤「バカすぎる！！」
志村「心配ない。また返せばいい。」
加藤「その発想の結果、このザマだろうが！！」
志村「というわけでお前ら、金貸してくれ」
モブ「だが断る」
志村「なんで！？ちゃんと返したじゃん！！」
モブ「ああ。借りてから２ヶ月後にな。」
モブ「信用性０。貸すメリットなし。」
志村「この人でなしが！！」
加藤「どっちがだ！！」
高木「事実しか言ってねえ！！」
志村「もういい。他のヤツに頼む」
モブ「だが断る」
モブ「断る」
モブ「タヒね」
モブ「くたばれ」
モブ「利子１００％ならいいよ」
志村「ただの倍額じゃねえか！！」
〜３０分後〜
志村「…………………」
加藤「まあ、日頃の行いだな」
高木「それな。お前はクズすぎた」
志村「畜生…１００万円で学校の隣に家を建てようと思ったのに…」
加藤「それは借金返さなくても無理だったわ！！」
高木「家なめんな！！」
加藤「とにかく、お前は残念だったな(笑)」
加藤「日頃の行動が愚かでゴミすぎた。ま、因果応報って奴だな。」
加藤「クックック…俺はこの４０万円で豪遊させてもらう」
加藤「お前は貧乏人らしく、無様に小銭でも拾ってろ。」
加藤「あっひゃっひゃっひゃ！！」
志村「このクズ…いつか必ずぶち殺す…」
〜次の日〜
加藤「俺もなくなった…」
志村「は？」
高木「もう？」
加藤「巨乳女に全財産くれたら付き合ってくれるって言われたから、４０万円渡したら逃げられた…」
高木「うちの学校、バカしかいねえ！！」
～完～
