お年玉によって、親戚のありがたみを知る その3
祖父「さてと。みんなのお腹も満たされてきたところで、恒例のお年玉の時間だが…」
志村「はいはいはい!!志村ケンジ16歳!!是非とも頂きたいです!!」
祖父「挙手制じゃねえよ!!」
志村「え!?そうなの??」
祖父「お前のお年玉は、ない」
志村「はあ!?」
祖父「それから志村の姉。お前のお年玉も、ない」
姉「なんで!?」
祖父「文句ならお前の親父に言ってくれ。お前の親父h」
志村「ふざけんじゃねーよクソジジイ!!マジ〇ねよ。金大量にある癖に、こんな1人の学生に払うお年玉すらケチんのかよ。とんでもねえケチ社長がいたもんだ!!」
姉「マジでそれな。社長っていうから、どんな太っ腹なお年玉か期待してたら、まさかのくれないって…マジでドケチだな。どーせゴミみたいな会社なんだろ」
祖父「うるせええええええええ!!最後まで人の話を聞け!!お前ら、どんだけ悪口が次から次に出てくるんだ!!あと、俺の会社は「ZONY」だぞ!?超一流企業だ!!」
志村「ええ…あそこの社長って、こんなドケチ野郎だったんだ…」
姉「だいぶ萎えるわよね…まあコイツの周りが優秀なのかも…」
祖父「まだ出てくるか悪口!!とんでもねえ奴らだ!!親の顔が見たい!!」
志村・姉「「アンタの娘だわ!!」」
祖父「いいか??お前達にだけあげない理由は、ズバリ貴様らの親父のせいだ!!」
志村・姉「「は??」」
祖父「お前達の親父はな。だいぶ前にこのようにパーティーをした際に、お年玉を子供にあげる、という行事があったのだが、そこで貴様らの親父は「はいお年玉」とか言って、10円玉をあげたんだぞ!?信じられるか!?」
志村「あの親父なら信じられるわ(笑)」
姉「流石すぎる。プライドが終わってる(笑)」
祖父「いくら小学生とはいえ、10円は少なすぎるだろ!!」
父「いーや。子供の頃から贅沢を覚えると、将来ロクな大人にならん。子供の頃はド貧乏に過ごしておくくらいがちょうどいい」
志村「それ完全にアンタの幼少期じゃん!!」
父「こうして厳しい幼少期を過ごすことで、将来俺のようなたくましい大人に育つことができるのだ!!だからお年玉はやらん!!」
姉「たくましい!?ドケチなだけだろうが!!」
父「大体よお、お年玉なんて金持ちの親があげればいいと思うんだよな。なんでわざわざ、俺達みたいな貧乏一家から金を取るんだ!!」
祖父「そんなに文句言うなら、親戚の集いに参加すんな!!」
祖母「そもそも、お年玉をもらっておいて、他の人にあげないっていうのは筋が通らねえだろうが!!人としてどうかしてやがる!!」
父「じゃあ、うちのガキどもにもあげなくていいですよ(笑)」
志村・姉「「はああ!?」」
志村「おい!!俺達を巻き込むな!!」
姉「そーよそーよ!!アタシ達は普通に欲しいわ!!」
父「やかましい。お前達はお年玉もらえなくても死にはしねえだろ」
志村「アンタがあげたくないだけだろ!?」
姉「お年玉あげても死にはしねえだろうが!!」
父「うるせえ。俺が払うくらいなら、お前達がもらえない方がましだ」
志村「とんでもねえクソ親父だ!!」
姉「くたばれこの非常識人!!」
父「俺は、常識をぶち壊していく」
志村「カッコよく聞こえるけど、ただのヤベエ奴だからな!?」
父「だってさ、別に参加項目に「お年玉は必須」なんて書いてなかったじゃん」
祖母「子供にあげるのは常識なんだよ!!」
父「俺は、常識をぶち壊しt」
祖母「もういいわ!!何も渡すものが無いなら、さっさと会場から出ていけ!!」
父「わかったわかった。だったらほれ、肩たたき券をやろう」
祖父「金以外で済まそうとすんな!!」
祖母「てかそれ、子供が大人に渡すもんだろーが!!」
父「この俺が、その子の肩を叩いてやる」
祖母「アンタが子供の肩を叩くの!?こってねーよ!!」
父「それか、肩たたかせ券でもいいな…」
祖母「どんな券!?」
父「その子に、俺の肩を叩かせる権利を与える券」
祖母「いい加減にしろ!!大人しく現金を渡せ!!」
祖父「そうしないと、訴えるぞ!?」
父「お年玉あげなかっただけで!?」
祖父「あのなあ、君の子供だけもらって、他の子供達が一銭ももらえないというのは、これはかなり筋違いじゃないかね??」
父「ケチ臭いなあ…そんなにお金が欲しいんですか??何円ならいいんですか??」
祖父「ちげーわ!!「礼儀としてちゃんとしろ!!」って意味だわ!!」
志村「でも親父。このジジイ、マジでケチ臭いぜ」
祖父「お前の親父よりはマシだわ!!」
姉「ホント。あの大企業ZONYの社長とは思えない…」
父「それな。俺がケチ臭いのは、ド貧乏人だから当たり前としても…」
祖父「プライドねえの!?自分で言ってて悲しくならん!?」
父「アンタは超がつくほどの大金持ちだろ??だから俺達に金くれよ。親族だし」
祖父「図々しいな!?大体な、ワシがこの財産を築くのに、どれだけの時間と労力を要したと思ってるんだ!?いいか?あれはワシがまだ学生だった頃、新しいk」
父「ZZZZZZZZ…」
祖父「寝るんじゃねえ!!」
父「はっ!?すいません…退屈な話を聞いてると眠くなってしまう性でして…」
祖父「誰の話が退屈だゴルア!!お前仕事できねえだろ!?」
父「いいえ。仕事はお金が入るので、気合が違います。残業も万々歳です」
祖父「ほう…??ならば1万円やると言ったら、貴様はワシの言うことをなんでも聞くのか??」
父「「なんでも言うことを聞く」料は、100万円からのスタートとなっています」
祖父「は!?」
父「まあアナタは大企業の社長ですし、500万円くらいでもいいですよね??」
祖父「どんだけ金を取ろうとしてんだよ!!100万円だ!!」
父「ケチ臭いなあ…」
祖父「どこがだ!!」
父「で、やります??100万円で」
祖父「やる!!お前にやらせて大恥かかせてやる!!」
父「恥ごときで100万円もらえるなら安すぎる」
姉「プライド、マジでないのコイツ!?」
志村「いや、誰でもやるだろ。100万円ももらえんだぞ??」
父「それな」
姉「「なんでも」は嫌だわ!!「自殺しろ」とか言われたらどーすんだ!?」
父「あ……」
志村「確かに……」
姉「考えてなかったんかい!!」
父「じゃ、先に100万円」
祖父「は??」
父「先払いです。当たり前でしょ??」
祖父「グヌヌヌヌヌ…100万円おろしてくる」
祖母「ちょっと正気!?そんなもんに100万円使わないでよ!!」
祖父「いーや。コイツと娘を別れさせる!!離婚させる!!」
祖母「なるほど!!流石はアナタ!!天才だわ!!」
祖父「クックック…そうだろうそうだろう!!おい。100万円おろしてきてくれ」
~10分後~
祖父「ほれ100万円だ」
父「うおおおおおおおお!!サイコおおおおおお!!この厚さ!!マジ神!!」
姉「吞気に喜んでる場合じゃねえだろ!!」
祖父「では早速お前に命令する」
父「はーい」
祖父「今すぐに、カンナと別れてもらう!離婚してもらう!」
父「いいですよ」
祖父「ん?無理か?(笑) なんだ?なんでも言うことを聞くんじゃ…って、え!?!?」
父「え??」
祖父「え??今、いいって…言った??」
父「はい。言いましたけど??」
祖父「マジで!?マジで離婚してくれんの!?」
父「いいですよ??」
祖母「やったわ!!お父さんやったわ!!」
祖父「ガハハハハハ!!100万円を賭けた甲斐があった!!ようやくこれで、志村家という呪縛から解放された!!強欲モンスターから逃げられた!!」
祖母「やったわお父さん!!キャーー最高!!」
父「じゃ、カンナ。再婚しよう。」
母「ええ。またお願いします////」
父「こちらこそ////」
祖父・祖母「「は??」」
父「え??」
祖父「いや、何してんの??」
父「いや何してんのって…別れたから再婚しただけなんですけど…」
祖父「ふざけんな!!そんなもん認めねえ!!」
父「認めないも何も、もう約束は果たしたんで。離婚したでしょ??」
祖父「もう金輪際、娘に近づかないと誓え!!」
父「それはまた追加料金です。また100万円払いますか??」
祖父「ふざけんな!!おい!!また持って来い!!」
祖母「ちょっと!!またやるの!?」
祖父「当然だ!!別れるまでやる!!」
祖母「ほれ、追加の100万円だ。誓え!!もう金輪際、カンナに近づかないと!!」
父「はい誓います」
祖父「よし!!いいだろう!!」
父「ところで、今日の夜飯どーするか?」
母「いらないんじゃない?昼いっぱい食べたし」
祖父「おいいいいいいい!!何を堂々と近づいてんねん!!」
父「はい??」
祖父「はい??じゃねーよ!!さっき「金輪際、カンナには近づかない」って誓っただろ!?」
父「誓ったけど、その誓いを守るとは言ってない」
祖父「なんだコイツ!?マジで〇す!!」
祖母「せこすぎだろ!!誓ったことは守れよ!!」
父「「守る」のも追加料金です」
祖父「ならもう100万円だ!!これでその誓いを守りやがれ!!」
父「わかりました」
祖父「これでもう大丈夫だろ…」
父「ホントはさ、この料理も持ち帰りたかったんだよな」
母「そうね。残すくらいならね」
祖父「おいいいいいいい!!何を平然と話してんだよ!!」
父「え??」
祖父「その「え??」やめろ!!金輪際近づかないって言っただろ!?」
父「え?これって、「近づいてない」ですよね??」
祖父「は??」
祖母「え??」
父「俺にとって、この距離は近くないって認識なんですけど…」
祖父「めちゃくちゃ近いんですけど!?」
父「いや、それは人それぞれじゃないですか。どっからどこまでが「近い」のか」
祖父「は??」
父「具体的に何m離れるか示していただかないと、わかりませんよ??」
祖父「あーそう!!だったら常に100m離れやがれ!!」
父「ではもう100万円」
祖父「ムキイイイイイイ!!!!」
祖母「もうやめましょ!!埒が明かないわ!!」
祖父「いーや!!必ずコイツを、娘から遠ざける!!娘の遺産が目当てに決まっている!!このクズ男め!!絶対に許さん!!」
父「お義父さん!!」
祖父「は??」
父「俺は、遺産なんていりませんよ!!」
祖父「え!?」
祖母「ホ、ホントに…??」
父「俺は、カンナを心から愛してるんで。彼女さえいれば後はどうでもいい」
祖父「なん…だと…??」
母「あ、あなた…」
父「俺が遺産目当てで結婚したと、アナタは思っているかもしれないが、こんな俺にここまでついてきてくれる嫁がいるってだけで、俺はもう、既に超幸せなんです。だから、これ以上のことは望まないし、必要ない。彼女さえいてくれれば」
母「マジカッコ良すぎ…感動…」
祖父「…………………」
祖母「…………………」
祖父「ワシは、どうやら勘違いしていたようだ…貴様は、ワシが思っていたよりもマトモな人間だったようだ…今まですまなかった…」
祖母「この膨大な遺産が必要ないなんて…なんて立派な方なんでしょう…」
父「はい必要ないです。必要はないですが、いただきはします」
祖父・祖母「「は??」」
父「俺は必要はないですけど、もしいただけるのであれば、いただきます」
祖父「え??いらないんでしょ??」
父「いらないです。いらないですけど、カンナは遺産を継いでしまうので、仕方なく本当に仕方なくですが、いただきます。」
祖母「いや、本当にあげないけど(笑)」
祖父「遺書で、君の家族だけ書かないつもりだったけど(笑)」
父「え!?お義父さん、自分の娘に遺産を残さないつもりですか!?正気ですか!?それでも親か!!遺産をよこせ!!」
祖父「本性を現したな!?この金の亡者が!!くたばれ!!」
父「ああん!?お前よりは絶対に長生きできるわクソジジイ(笑)」
祖父「日本の先進医療をなめるな!!お前が先に〇ね!!」
父「いーやお前が〇ね!!くたばり損ないの老いぼれが!!」
祖父「なんだとテメエ!?もう許さん!!マジで許さん!!ワシの持つ全権力を駆使して、社会的に抹殺してくれるわ!!」
父「俺はもう社会的に死んでるんで問題ないでーす!!(笑)」
祖父「なんだコイツ!?じゃあもう物理的に〇してやる!!」
父「上等だよ!!ジジイに負けるほど落ちぶれちゃいないぜ!!」
祖父「ナメるな!!ワシはこれまで筋トレを欠かさず続けてきた!!お前如きには負けん!!」
父「ジジイがいきり立つなよ(笑) どーせ大した筋トレしてねえだろ??(笑)」
祖父「私のベンチプレスは、100kgです」
父「ダニィ!?!?盛ってんじゃねえぞクソジジイ!!」
祖父「盛ってねえわこの人間のクズ野郎!!」
父「バーカバーカ!!」
祖父「アーホアーホ!!」
姉「見てるこっちが恥ずかしくなるな…」
志村「これが共感性羞恥って奴か…」
社員1「社長…ドン引きです…」
社員2「俺達、こんな社長にこれまでついてきてたのか…」
父「ゴミゴミバカバカクソクソ!!」
祖父「カスカスクズクズ○ね○ね!!」
母「うっせえんだよボケが!!2人とも仲良くしねえと、マジでぶっ○すぞ!?」
父・祖父「「!?!?」」
姉「母さんがブチギレた…(笑)」
志村「まあ、よく見る光景だな(笑)」
姉「アンタは死ぬほどキレられてるからね(笑)」
父・祖父「「しゅ、しゅ、しゅしゅしゅしゅいましぇんでした!!」」
叔父「…………………」
叔母「…………………」
叔父・叔母「「こっっっわ!!」」
叔父「え??妹って、あんな怖かったっけ…??」
叔母「ヤベエ、震えが止まらん…」ガクガクブルブル
志村「マジ怖いっしょ??うちの母親、若い頃にパワハラ上司にブチギレて、大勢の前で土下座させたらしいですよ…」
叔父・叔母「「マジで!?」」
志村「それどころか、ポンコツ社長にもブチギレて土下座させて、経営方針・戦略を立て直して、会社の危機を救ったらしい…」
叔父「社長にも!?」
叔母「てか土下座させる必要ある!?」
志村「そしてビッ〇モーターやダイ〇ツに潜入して、母さんが不正に気づいてブチギレたら、怖すぎてビビった上層部が不正を暴露したらしい…」
叔父「あの告発ってこの人のおかげだったの!?」
叔母「てかなんの仕事してんだ!?潜入!?」
志村「さらに海外派遣された母さんは、たまたま会ったイーロン・マ〇クにブチギレて、Twitterを買収して名前をXに変えさせたらしい…」
叔父「なんの理由でキレたんだ!?」
叔母「てかあれもアンタのせいだったのか!!」
志村「こんな風に、世界を動かすほど怒った母さんは怖いんだ!!わかったか!?」
叔父「はい!!肝に銘じます!!」
叔母「もう2度と逆らいません!!」
母「全部噓だわ!!でたらめ言ってんじゃねえ!!」
~完~