期末試験で遅刻した時の絶望感は半端ない
~放課後~
加藤「明日から期末試験だな…」
高木「それな。マジで死にたくなるわ…」
志村「は??どーせ高木はまた高得点だろ(笑)」
高木「そんなことねよ。勉強ダリいし、最近のテストむずいし」
加藤「よっしゃ!!今度こそは、高木の点数を越してやらあ!!」
高木・志村「「そりゃ無理だな」」
加藤「なんだと!?」
志村「おいおい。流石に現実を見ろ(笑)」
高木「そうそう。お前どれだけ勉強しても、毎回50点とかじゃん(笑)」
志村「そんな奴が、基本的に8割とる高木に勝てるわけねえだろ(笑)」
加藤「やってみなきゃわかんねえだろうが!!」
志村「いやわかる。1000円賭けてもいい(笑)」
加藤「言ったな!?マジで後悔しろ!!俺は今回、死ぬほど勉強したからな!!」
志村「ハイハイ。しょっちゅう聞いたそれ(笑)」
高木「それな。今回もどーせ全部50点くらいよ(笑)」
加藤「ウッッザ!!マジで覚えてやがれ!!もし俺が高木よりいい点とったら、金も払わせた上に、みんなの前で土下座させてやる!!」
志村「いーよいーよ。何でもやってやるよ(笑)」
加藤「言ったな!?約束だからな!?」
志村「ハイハイ(笑)」
加藤「よし。今日も徹夜で死ぬ気で勉強してやるぜ!!」
高木「相変わらず、気合いだけは入ってんな(笑)」
志村「…………………」
高木「ん??どーした??」
志村「お前、わざと低い点を取るとかはやめてくれよ…??(笑)」
高木「なるほど。それもアリだな(笑)」
志村「おいやめろ!!金は払いたくねえ!!」
加藤「このカスどもめ…この俺様をナメやがって!!今に見てろ、みんながあっと驚くような高点数を取ってやるぜ!!」
~その日の夜~
加藤「さて、今日も徹夜だ徹夜。まったく勉強ってもんは終わりがねえな…これでもう5徹目だ…これだけやれば、流石に高木のクソ野郎にも勝てるだろう」
加藤「さーて、気合いを入れて頑張r」
加藤「ZZZZZZZZ…」
~12時間後~
加藤「むにゃむにゃ…」
母「アンタ何してんの!?今日もテストあるんじゃないの!?おいコラ起きろ!!」
加藤「むにゃむにゃ…あと7時間寝かせて…」
母「要求時間が多いな!!ってオイ!!もう遅刻するぞこのバカタレ!!」
ドカバキボカスカ
加藤「むにゃむにゃ…」
母「ハア…ハア…な、なんだコイツの、この圧倒的睡眠力は…」
加藤「すやすや…」
母「畜生…この手だけは使いたくなかったが…」
母「あ!!あそこに爆乳美少女が!!」
加藤「!?………むにゃむにゃ」
母「…バカな!?いつもならこれであっさり起きるのに!?」
加藤「グーグー。スピー…」
母「ならば、これはどうだ!!」
母「その爆乳美少女が、アンタのこと好きだってさ!!」
加藤「マジで!?」
母「やっと起きた…」
加藤「どこどこ!?俺のことが好きな爆乳美少女どこ!?」
母「いねーよそんなもん!!」
加藤「なにィ!?騙しやがったな!?」
母「それより見ろこれ!!」
加藤「え??」
加藤「8時…50分…だと!?あああああああやっべええええエエエエ!!!!」
母「テストは何分から!?」
加藤「9時から…マジで終わった…」
母「諦めんな!!たかだか20分くらい過ぎるだけじゃねえか!!さっさと行け!!」
加藤「その20分が致命的なんだよ…だが行くしかねえ!!うおおおおおお!!」
母「頑張れバカ息子!!」
加藤「誰がバカだ!!」
母「試験当日に遅刻かます奴はバカだ!!」
加藤「確かに!!」
〜移動中〜
加藤「あーマジで最悪だ!!こんなザマじゃ、勝てる勝負だって勝てねえ!!畜生…」
加藤「どうにかして時間を遅らせる方法はねえもんか……そうだ!!誰かに「加藤が腹壊してトイレにこもっている」と言ってもらおう!!そうすれば、多少なりとも待ってくれるはずだ!!」
加藤「よし!!早速、高木にLINEだ!!」
LINE加藤「高木頼む!!俺が腹壊してトイレにいるって碇矢に言っておいてくれ!!」
LINE高木「なんだお前、遅刻すんのか?(笑)」
LINE加藤「うるせー!!そうなんだよ。だから頼む!!」
LINE高木「残念ながら、お前のその依頼は受けられない(笑)」
LINE加藤「はあああ!?なんでだよ!?」
LINE高木「なぜなら、この俺も遅刻するからだ(笑)」
LINE加藤「はあああああ!?なんだコイツ!?テストに遅刻するとかどーかしてんだろ!!」
LINE高木「テメエが言うな!!」
加藤「あーもうしょうがねえ!!いるかわからねえが、志村に聞く!!」
LINE加藤「おい志村、今ちゃんと学校いるか!?」
LINE志村「当たり前だろ。今日は試験当日だぞ??」
LINE加藤「お前がマトモなことを言うな!!腹が立つ!!」
LINE志村「実はな、俺は今日の試験で6割以上取ったら、親父から100円もらえるんだ。だから今日は始発で学校に来た」
LINE加藤「相変わらず金がかかるとスゲーなコイツ!!」
LINE志村「それで??お前は遅刻すんの??(笑)」
LINE加藤「そうなんだよ。それで「腹壊してトイレにいるから、試験の時間を少し遅らせてくれ」って碇矢のバカに言っといてくれないか??」
LINE志村「りょーかい。そのまま伝えとく」
LINE加藤「サンキュ!!」
LINE志村「で、何円くれる??」
LINE加藤「は??」
LINE志村「伝える代わりに、何円くれる??」
LINE加藤「この金の亡者が…人の弱みにつけ込みやがって…」
LINE志村「嫌ならやらないけど(笑)」
LINE加藤「100円」
LINE志村「1000円」
LINE加藤「絶対嫌だ!!200円やる!!それでやれ!!それ以外ならもう頼まん!!」
LINE志村「わかったわかった。200円でやってやるよ」
LINE加藤「サンキュ!!」
志村「碇矢先生」
碇矢先生「なんだ??」
志村「さっき加藤君が「腹壊してトイレにいるから、試験の時間を少し遅らせてくれって碇矢のバカに言っといてくれないか??」って言ってました」
碇矢先生「ほう…??加藤が、碇矢のバカとそういったのか??」
志村「はい。碇矢のバカに試験の時間をずらして欲しいそうです」
碇矢先生「お前までバカバカ連呼するな!!それが先生に対する態度か!!却下だ却下!!」
志村「あ、なんか俺も腹痛くなってきました!!トイレ行ってきます!!」
碇矢先生「あと5分で試験開始だぞ」
〜トイレにて〜
LINE志村「ダメだったわ(笑)」
LINE加藤「お前、ホントにちゃんとやったのか!?」
LINE志村「当たり前だろ。俺を信じろ」
LINE加藤「信じるに値しねーわ!!」
LINE志村「それより、他にいい案があるぜ。」
LINE加藤「はあ!?マジで!?」
LINE志村「ああ。これをすれば20分は延長できる」
LINE加藤「マジでか!?是非ともやってくれ!!」
LINE志村「おけ。じゃあ3000円ね」
LINE加藤「はああああああ!?ふざけんじゃねえ!!そんな大金、絶対嫌だわ!!」
LINE志村「あーそう。じゃあいいのね、テストに大遅刻かましても(笑)」
LINE加藤「そ、それは…」
LINE志村「加藤は、テスト勉強誰よりも頑張ってたのになー。それがこんな形で実力が発揮されないなんて…マジでカワイそうだわ。20分あればどれだけの問題解けるんだろうな??しかも教科は、時間が命の英語。さらになんとなんと、最初は聞けば正解のようなリスニング問題。あーあー、聞きさえすれば、解けるのになー。時間さえ間に合えばなー。加藤だけが間違えてカワイソウに…また低い点取って、みんなにバカにされるのか(笑)」
LINE加藤「お前、この短時間でどんだけの長文を送ってきてんだよ!!文字打つの早すぎだろ!!」
LINE志村「え?いいの?実力発揮できずに、また敗北者になっていいの??白ひげになっていいの??」
LINE加藤「感動のシーンを茶化すな!!」
LINE志村「え??マジでいいの??高木に勝てるチャンスを逃していいの??」
LINE加藤「…わかった!!1000円!!1000円でやってくれ、頼む!!」
LINE志村「ったく、しょーがねーな…友達サービスだぞ??感謝しろよ」
LINE加藤「友達サービスなら無料でやってくれ!!」
LINE志村「なんか言ったか??」
LINE加藤「お願いします!!土下座!!」
LINE志村「てか、LINE打ってねえでさっさと学校来いや!!」
LINE加藤「ホントだよ!!」(※みんなは、歩きスマホはやめましょうね♡)
碇矢先生「よし。ではそろそろ試験を始めるか。まずはリスニング試験からだな。準備してくれ。何か質問のある奴はいるか?」
志村「はい」
碇矢先生「なんだ??」
志村「エアコンの温度が少し高いので下げてください」
碇矢先生「わかった。これでどうだ??」
志村「うーん…もうちょい下げてください」
碇矢先生「わかった。これでどうだ??」
志村「うーん…やっぱりもうちょい上げてください。今度は寒くなっちゃいました(笑)」
碇矢先生「…………………」
碇矢先生「仕方ないな。これでどうだ??」
志村「うーん…やっぱりもうちょい下げてください。超絶クソ暑いですね」
碇矢先生「いや、さっきから1度しか上げてないんだが!?」
志村「すいませんね、敏感肌なもので…」
碇矢先生「嘘つくな!!」
志村「それでは、もう0.5度下げてください」
碇矢先生「そんな細かく変えられねえよ!!」
志村「あ、そうですか。ではこれで我慢します(笑)」
碇矢先生「イライライライラ」
碇矢先生「フウ…それじゃあ、リスニングの試験を始めるぞ。音声が聞こえない奴はいるかー?」
志村「すいません、音量を上げてください」
碇矢先生「は??その位置で聞こえねえの??」
志村「はい。聞こえないです。音量上げてください」
碇矢先生「…………………」
碇矢先生「ほれ。これでどうだ??」
志村「うーん…聞こえない。もうちょい上げてください」
碇矢先生「聞こえないことあるか!?1番後ろの奴、聞こえるだろ!?今の音量で!!」
「はい。バリバリ聞こえます。」
志村「僕は難聴なので、もうちょい音量上げてください」
碇矢先生「……ほらよ」
志村「もうちょい上げてください」
碇矢先生「1番後ろ!!」
「鼓膜破れそうです。今すぐ下げてください」
碇矢先生「聞いたか?もう上げんからな」
志村「先生。僕と彼は違う人間です」
碇矢先生「は??」
志村「人はみんな違ってみんないいとよく言いますよね?その通りで、僕と彼は違う人間なんです。だからこそ、耳の良さも違う。彼はたまたま耳が良くて、後ろでもとてつもない音が聞こえるのかもしれないですが、僕は生まれつき、とても耳が悪いんです」
碇矢先生「初めて聞いたけど!?その設定!!」
志村「ずっと秘密にしてました」
碇矢先生「嘘つけえ!!もういい!!始めるぞ!!」
志村「ええ!?ひどい!!耳の悪い僕は、リスニングの試験は諦めろと言うんですか!?ハア…そうですよね、所詮、少数派は踏みにじられる世の中だ…あーあー!!リスニングの試験、頑張って対策したのになー!!まさか耳が悪いっていう理由だけで、0点になるなんて!!ひどい世の中だわ!!耳が悪い自分を恨むわ!!」
碇矢先生「うるせえええええ!!お前の耳に合わせてたら、他の人が0点になるだろうが!!」
志村「そんな!!僕が0点になってもいいと言うんですか!?」
碇矢先生「お前はいつも0点だろーが!!」
志村「失礼な!!3点は取ってますよ!!」
碇矢先生「変わんねーよ!!」
志村「とりあえず音量上げてください!!」
碇矢先生「あーもう、お前1番前の席に来い!!すまんけど、あのバカと席変わってあげてくれ」
「はい、どうぞ(笑)」
碇矢先生「どうだ??聞こえるか??」
志村「いえ、まったく聞こえないですね」
碇矢先生「いや耳腐ってんのか!?」
志村「あー多分耳くそが詰まりすぎてるんですね…」
碇矢先生「知るか!!とりあえずもう音量は変えん。我慢しろ」
志村「えーー…??」
碇矢先生「他には何かあるか?もう始めるぞ??」
志村「すいません、机が揺れるので変えてください」
碇矢先生「いい加減にしろやテメエ!!なんなんださっきから!!」
志村「ホントですホントです!!超絶鬼揺れます!!ほら見てください!!」
ガタンゴトンガタン
碇矢先生「お前が揺らしてるだけじゃねーか!!」
ガララララ
碇矢先生「!?!?」
加藤「ゼエ…ゼエ…」
高木「ハア…ハア…」
碇矢先生「……………………」
志村「おーお前ら。やっと来たか(笑)」
加藤「ゼエゼエ…え…?まだ始まってないんですか??」
高木「ハアハア…え?マジすか?もうスタート時間、15分くらい過ぎてますよ?(笑)」
碇矢先生「このバカのせいで、まったく始められなかったんだよ!!」
加藤・高木「「マジで!?」」
志村「フン。俺に感謝しろ(ドヤ顔)」
碇矢先生「ドヤ顔してんじゃねえ!!もういい、さっさと試験を始めるぞ!!席につけ3バカ!!」
加藤・高木・志村「「「はーい(笑)」」」
碇矢先生「まったくこのクズどもめ…」
志村「あ、先生。もう音量下げていいですよ?」
碇矢先生「は??」
志村「でっかい耳クソが取れたんで、もう音も聞こえるようになりました(笑)」
碇矢先生「……………………」
志村「いやーマジでお騒がせしました(笑)」
碇矢先生「いやいや、遠慮しなくていいよ志村くん。この音量でいこうじゃないか(笑)」
志村「え??」
碇矢先生「あれだけ自分の意見を主張してきたんだ。それを今更やっぱり大丈夫でした、はねえよなあ??(笑)」
志村「いや、でも、それだとみんなが困るじゃないですか!!だからほら、絶対音量は下げた方がいいですよ!!」
碇矢先生「そうだな。だからみんなには耳栓を渡した(笑)」
志村「は??」
碇矢先生「お前が、どーーしても耳が悪いと喚き散らすから、仕方なく俺が(志村以外の)人数分用意したんだ。本当に感謝しろよ?志村。うちのクラスは優しいからな(笑)」
志村「い、いやー、み、みんなそんな気を使わなくていいのになー…全然外していいよ?耳栓(笑)」
碇矢先生「残念だったな。もう誰にも聞こえてない」
志村「そ、そんな!?ちょ、先生、俺マジで、巨大耳クソ取れたんで、今聞こえますって!!」
碇矢先生「さて俺も耳栓して…じゃ、始めまーす」ポチッ
志村「ちょ、ま」
「Listening test!!!!」
志村「ギャアアアアア!!耳が!!耳があああああああ!!」
~1週間後~
碇矢先生「それじゃあ、テスト返すぞー」
志村「最悪だわ…リスニング全然できなかった…」
加藤「まあ、そりゃあんな音量で鳴らされたらな(笑)」
志村「マジで碇矢のクソ野郎…覚えてやがれ…」
高木「まあ、お前のおかげで俺達は助かったよ(笑)」
志村「ふざけんな!!お前何点??」
高木「あーリスニング??満点だったわ(笑)」
志村「相変わらずヤベエなコイツ…もう強すぎて嫉妬する気にもならんわ…」
高木「まあ、聞くだけだし(笑)」
志村「やっぱ腹立つ!!くたばれ!!」
高木「で、加藤はどーだった??」
加藤「…………………」
志村「おい。なんか言えよ(笑)」
加藤「0点だった…(涙)」
志村「俺が助けた意味ねえじゃねえか!!!!」
~完~




