勘違いも、広まりすぎたらそれが真実
修学旅行中に、浜田(♂)のことが好きだと高木と志村に勘違いされてしまった加藤(♂)。
当然、アホ２人がそんな面白い話を広めないはずもなく…
～修学旅行の次の週～
モブ「なあなあ、あの加藤がホモに目覚めたらしいぜ(笑)」
松本「マジで！？あのド変態で女好きの加藤が！？」
モブ「なんでも、モテなさすぎて男に手を出すようになったらしい…(笑)」
松本「なんだそれ。残念すぎるだろ(笑)」
有吉「で、誰を狙ってんの？(笑)」
モブ「それが、あの超イケメン浜田らしい(笑)」
松本「え！？マジで！？バカじゃん(笑)」
有吉「それな。学年１のヤリ◯ンを狙うとか(笑)」
腐女子Ａ「え！？浜田様とブサイク加藤のＢＬ！？」
腐女子Ｂ「なによそれ！？コーフンするじゃないの！！」
腐女子Ｃ「どっちが受け！？どっちが攻め！？」
モブ「知るかボケ！！」
～次の日の朝～
「ヒソヒソ…」
「コソコソ…」
「クスクス…」
「デュフフ…」
加藤「なんだ…？？なんかみんなから視線を感じるような…？」
ガラララ
加藤「おっす。おはよ」
高木「よ、よお！」
志村「ど、どーも」
加藤「どーも？？そんな挨拶したことあったか？？」
高木「…………………」
志村「…………………」
加藤「どうしんだよ？？黙りこくって…」
高木「加藤！！」
加藤「は？？」
高木「俺達、ずっと友達だからな！？」
加藤「は？？」
志村「お前がたとえどんな奴だろうと、お前は友達だ！！」
加藤「いやだから、なんだよ急に…」
高木「だから、浜田のとこ早く行ってこい…」
志村「それな。応援してっから(笑)」
加藤「は？浜田？？なんの話？？」
高木「とぼけなくていいって。早く行ってこい」
志村「そうそう。もう俺達わかってるから」
加藤「いやだから何！？浜田がどーかしたの！？」
高木「しつけえぞ加藤。もう隠さなくていいんだよ(笑)」
志村「まあな。隠したくなる気持ちもわかるけどな…(笑)」
加藤「なんの話だって聞いたんだろうが！！さっさと言えや！！」
高木「ったく、察しが悪いな…」
志村「ホントそれな。これだからバカは…」
加藤「張り倒すぞ！？」
高木「お前が、浜田のことを好きだって話だよ」
志村「もちろん、恋愛面の方でな(笑)」
加藤「は…？？」
高木「まあ、衝撃だったけど、今は多様性の時代だし、そういうこともあんのかなって…(笑)」
志村「それに、お前は女とマトモにしゃべれないから相性悪いし、男の方がいーんじゃね？とか思ったりもした(笑)」
高木「てか俺は、女にフラレすぎて男に目覚めたのかと思ってたわ(笑)」
志村「それな。マジでコイツ、女にモテないからな。男だったらワンチャンあると思ったんじゃね？(笑)」
加藤「好き勝手言ってんじゃねえぞゴルア！！そんなわけあるか！！」
高木「恥ずかしがるなよ。別に悪いことしてるわけじゃないんだし」
志村「そうそう。モテなさすぎて男に目覚めることもあるよ。きっと。多分。おそらく」
加藤「ねーわ！！俺はいつでも女が恋愛対象だ！！」
高木「無理するな。」
加藤「してねーわ！！」
志村「あーもう、しつけえぞ加藤！！」
加藤「なんで俺！？しつけえのはお前らだろうが！！」
志村「さっさと浜田の元に行けや！！自分の気持ちに嘘つくな！！」
高木「そーだよお前。好きだと思う心に正直になれ！！」
加藤「マジなんなのコイツら！？別に浜田なんて好きじゃねーわ！！何度言ったらわかんだよ！！」
高木「あーハイハイ。ツンデレツンデレ」
志村「さっさとデレろや。ツンが長い」
加藤「人の話を聞けやゴルアアアアアアア！！」
バキィ！！
高木「あべし！！」
志村「ぶべら！！」
加藤「で、なんでそういう発想になったんだ！！」
高木「いや、事の発端はお前の行動のせいよ」
加藤「はあ？？」
志村「お前が、修学旅行中に突然、浜田に会いたいとか言い出すから…」
加藤「あ…あの時か…」
～修学旅行中にて～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～(※第８話参照)
加藤「そんなことより、浜田の部屋に遊びに行こうぜ！！」
高木・志村「「は？？」」
高木「なんで浜田！？アイツ１組だぞ！？」(※加藤達は３組です)
志村「俺達と別の階層だし、あそこを巡回してるの教頭だし、そこまでのリスクを冒して今アイツに会いに行こうとは思わないんだが(笑)」
加藤「なんてこと言うんだ！？俺達は友達だろ！？」
高木「いやまあそうだけど…なんで今？？(笑)」
志村「そうだよ。どうせ危険を冒して行くなら、女子部屋だろ！！」
加藤「いや。やっぱり男同士でギャーギャーするのも最高だ！！」
高木「じゃあ、この部屋でできるやん(笑)」
志村「それな(笑)」
加藤「この部屋じゃダメなんだ！！浜田がいない！！」
高木「いや、どんだけ浜田に会いたいんだよ(笑)」
志村「え？？何お前、浜田好きなの？？(笑)」
加藤「全然好きじゃねーわ！！でも今は会わなきゃいけねえんだよ！！」
高木「何だ？？告白でもすんのか？？(笑)」
志村「危ない目に合ってまで浜田に会いに行くなんて…ラブラブですな(笑)」
加藤「あーもういいわ！！もう俺１人で行くわ！！」
高木「マジで行くの！？(笑)」
志村「１人で会いに行くとか、ガチじゃねーか！！」
加藤「もうテメエらには頼まん！！えーと浜田に連絡連絡…「今からお前の部屋行くわ」と」
高木「コイツ、積極的すぎるだろ！！」
志村「まさか、あの加藤がホモに目覚めてたなんて…」
高木「確かに、加藤はマジでモテないし女と全く縁はないし、超残念な奴だけど…」
志村「女性への憧れと性欲だけは人１倍あったから、ホモには目覚めないと思ってた…」
高木「それな。ド変態だけがコイツの取り柄だったからな…」
志村「まさか、いくらモテないからって、男に手を出すなんてなあ…」
加藤「やかましいわテメエら！！好き勝手言ってんじゃねえ！！」
バタン！！
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
高木「まあ、あれはホモだと思うよね(笑)」
加藤「確かに。改めて振り返るとヤベーな(笑)」
志村「だろ？？あれは勘違いするだろ？？(笑)」
加藤「間違いねえ！！まあでも誤解が解けてよかったわ！！」
高木「そうだな。もう手遅れだけど(笑)」
加藤「は？？」
志村「確かに。もう手遅れだな(笑)」
加藤「え？？は？？」
志村「もう、みんなに伝えちゃったわ(笑)」
高木「そう。学年中に(笑)」
加藤「はああああああああ！？！？ふざけんなよテメエら！！確証も得てないのに、何を拡散してくれてんだ！！」
高木「いやだって…こんなオモロイ情報、みんなに伝えないわけにいかねえだろ！？」
加藤「本当に友達か！？このゴミクズども！！」
志村「そうそう。だからみんなにビラも配って、演説もして、全力で伝えた(笑)」
加藤「何してくれてんだテメエ！？デマ情報を全身全霊で拡散してんじゃねえ！！」
志村「しょーがねーだろ！？」
加藤「しょーがあるわ！！」
高木「まあいーじゃねえか。ホモだからって何が悪いってわけでもねえんだし(笑)」
加藤「そういうことじゃねえよ！！嘘の情報をバラまいてんじゃねえ！！今すぐ撤回しろ！！」
志村「まったく…しょーがねーな…」
志村「えー、校内の皆さん。お聞きください。どうやら加藤くんは、別に浜田君のことが好きではないそうです！！」
加藤「おい！！そんな全校放送みたいな感じで言うのやめろ！！」
志村「えー…だって１人１人に言うのめんどくさい…」
加藤「それが問題を起こした人間の態度かゴルア！！てか何人に言ったの！？」
新垣「加藤君…？何を騒いでるの…？」
加藤「え！？あ、ああああ新垣ひゃん！？」
新垣「大丈夫？？何か怒ってるの？？」
加藤「ぜ、ぜぜぜぜ全然らいじょうぶでしゅ！！いくらでもなんでもおっしゃってくだひゃい！！」
新垣「えっとね…あのね…」
加藤「？？？」
加藤(え？？ま、まさか…愛の告白…？？俺が浜田に取られると心配して、まさかの焦り告白！？マジか！！ここに来てついに春の到来！？)
新垣「あ、あのね！！」
加藤「うん、うん！！」
新垣「が、頑張ってね！！加藤君！！」
加藤「え？？」
新垣「ど、同性同士だと、色々と障害があると思うけど！！絶対に諦めないで、幸せを掴み取ってね！！」
加藤「え、えーと…あー、うん…」
志村「だってさ(笑) 良かったな加藤(笑)」
加藤「…………………」
新垣「………………？」
高木「新垣。ちょっとカモン」
新垣「え？」
高木「実は、かくかくしかじか」
新垣「？？！？！？！？え！？ホント！？は、は、恥ずかしい！/////ホントにごめんなさい！！」
加藤・志村「「か、かわいい……」」
加藤「全然いいっすよ！！心配してくれて本当にありがとう！！」
志村「そうそう。元はと言えば、このバカが全部悪いんだから(笑)」
加藤「いや、悪いのは全てお前だろうが！！」
新垣「いや、ちょっと待って、ホントに恥ずかしい…」
加藤「大丈夫だよ。むしろ、流石は新垣さんって感じだった」
志村「それな。ホントにいい人だ。新垣さんは」
新垣「そ、そう…？ありがとう…」
腐女子Ａ「加藤君！！加藤×浜田の同人誌書いていい！？」
加藤「いいわけねえだろうが！！何を勝手に、人をエロの題材にしてくれてんじゃゴルア！！」
腐女子Ｂ「加藤君が攻めにするから！！いいでしょ！？」
加藤「なんの解決策にもなってねえけど！？」
腐女子Ｃ「いーやダメ！！加藤君は受けだって！！」
腐女子Ｂ「そんなわけないでしょ！！いい加減にしろ！！」
腐女子Ｃ「なんですって！？張り倒すわよ！？」
加藤「どっちでもいいしどーでもいいし、ガチで気色悪いわ！！消え失せろ！！」
志村「よし！！ならそれ、商売化しよう！！」
加藤「するな！！著作権とるぞ！？」
志村「いいよ？」
加藤「え？？」
志村「加藤と浜田に著作権代払って、ガチでＢＬ書籍化しようぜ！！」
加藤「正気かテメエ！！」
腐女子Ａ「やるやる！！私達書きたい！！」
加藤「書くな！！」
志村「よしよし。契約成立だな」
加藤「大体テメエは何すんだよ！！」
志村「何もしない。案を出しただけ」
加藤「ただのゴミじゃねえか！！」
志村「いーだろ？お前にも著作権入るんだし(笑)」
加藤「何円？」
志村「１円」
加藤「著作権ナメんな！！」
加藤「というか、そんなもん売れるわけねえだろ！？」
志村「いや、既に行列ができてる(笑)」
加藤「なんなのこの行列！？」
高木「どんだけ腐女子多いんだよこの学校！！」
志村「お前知らなかったの？うちの学校は、日本全国屈指の腐女子率を誇る高校よ？」
加藤「なんだ腐女子率って！！聞いたことねえぞ！？」
志村「腐女子御三家に入ってるらしいな」
加藤「腐女子御三家！？なんだそれ！？」
志村「その中でもなんと…うちは日本トップの腐女子率を誇ってるらしい！！」
加藤「その情報、全然アピールにならねえだろ！！」
志村「腐女子が行きたい高校ランキング、堂々の第一位！！」
加藤「だから、アピールになんねえっつーの！！」
志村「腐女子率で日本全国第一位だぞ！？これはすごいことなのよ！！」
加藤「すごくねえよ！！腐りきった者たちが集まっただけじゃねえか！！」
志村「うちの学校、女子の２人に１人は腐女子らしい」
加藤「マジで！？校内の４分の１が腐女子！？ヤバすぎだろ！！」
志村「その話を聞いて、毎年各地の腐女子の猛者達が集うらしい」
加藤「腐女子の猛者って何！？」
志村「だから、うちの漫研には１５０人の部員がいるんよね」
加藤「サッカー部より多いじゃねえか！！」
志村「そして、毎日１５０冊もの新たなＢＬ同人誌が生み出されている！！」
加藤「１日にＢＬ本を１人１冊書いてるってこと！？」
腐女子Ａ「クックック。その通りだ」
腐女子Ｂ「そんな私達の異名は、「ＢＬ製造マシーン」だ」
加藤「カッコよくねえよ！？」
志村「よし！！ＢＬ製造マシーン達よ！！今すぐに全部員を集めて、毎日１５０冊のＢＬ本を作るのだ！！」
腐女子Ａ「…………………」
腐女子Ｂ「…………………」
腐女子Ｃ「…………………」
志村「あれ？？」
腐女子Ａ「いや、命令されてもねえ？？」
腐女子Ｂ「そうよ。こういうのは、自分達のインスピレーションが大事なのよ」
腐女子Ｃ「そうそう。私達の気持ちが昂ったら書き始めるわ」
腐女子Ａ「まずは妄想タイムから入るのよ」
腐女子Ｂ「ああ…浜田君の肉体、素晴らしいわ」
加藤「ただの変態じゃねーか！！」
腐女子Ａ「だから、アンタに何を言われたって書かないわ」
腐女子Ｂ「アタシ達が書きたい時に書きたいだけ書く！！それがＢＬ本の真髄！！」
腐女子Ｃ「アンタみたいな、なんも知らないド素人にとやかく言われたくないのよ！！」
腐女子Ａ・Ｂ「「そーだそーだ！！」」
志村「ああん！？仕事なんだからちゃんとやれ！！」
高木「え？？志村お前、漫研にもちゃんとお金を払ってあげるつもりなのか？(笑)」
志村「いや？払わないけど？？」
高木「なら仕事じゃねえじゃねえか！！」
腐女子Ａ「そもそもアタシ達、引き受けるなんて言ってないんですけど！！」
腐女子Ｂ・Ｃ「「そーだそーだ！！」」
加藤「お前、大反対されてるやん(笑)」
志村「やかましい！！お前達は大好きなＢＬ本が書ける！！そして俺はお金がもらえる！！それでウィンウィンだろうが！！ガタガタ抜かすな！！」
腐女子Ａ「ガタガタ抜かしてるのはそっちでしょうが！！私達は別にＢＬ本が書ければいいのよ！！別に商売にしようなんて思ってないわ！！」
加藤「いや、まず書くことを許可してねえんだけど！？」
志村「あのなあ、今の不況の世の中、そんな甘っちょろい考えで漫画家としてやっていけると思ってるのか！？」
腐女子Ａ「漫画家でやっていく気ねえけど！？」
志村「大体よお、お前らには向上心ってものがねえのか！？」
腐女子Ａ「え？？」
志村「もっともっと有名になって、浜田と加藤のＢＬ本を全世界に広めたいと思わねえのか！？」
加藤「思わねーだろ！！てかマジでやめてくれ！！」
腐女子Ａ「私達の作品が…全世界に…？？」
志村「そうだ！！お前達の作品ならできる！！日本中、いや世界中にＢＬの素晴らしさを届けられる！！」
加藤「届けんでいいわそんなもん！！」
志村「世界に、浜田×加藤の素晴らしさを伝えてやろうぜ！！」
加藤「マジでやめろ！！外を歩けなくなる！！」
腐女子Ａ・Ｂ・Ｃ「「「おおおおおおおおお！！！」」」
加藤「盛り上がるな！！マジでやめろ！！」
腐女子Ｂ「あ、でも私としては加藤×浜田君かな」
加藤・志村「「は？？」」
腐女子Ｃ「いや、何いってんの？？どー考えても浜田×加藤でしょ！！」
腐女子Ｂ「いーや！！加藤×浜田の方が私はあり！！」
志村「どっちでもいいだろ！？どーでもいい論争を展開すんな！！」
加藤「てかお前ら、よく本人の前でそんなことできるな！？セクハラで訴えるぞゴルア！！」
腐女子Ａ「浜田×加藤！！」
腐女子Ｂ「加藤×浜田！！」
志村「あーもう！！どっちも作ればいいだろうが！！」
腐女子Ａ・Ｂ「「確かに！！」」
腐女子Ｃ「私達で、世界を股にかける最高のＢＬ本を作りましょう！！」
腐女子Ａ「ええ！！私達で、世界中にＢＬ本を広めましょう！！」
腐女子Ｂ「私達が、ＢＬの伝道師になりましょう！！」
加藤「ＢＬの伝道師って何！？てかマジでやめろっつーの！！」
志村「グヘヘヘへへへ。これでＢＬ本の儲けは全て俺のもんだ…(笑)」
加藤「テメエはいい加減にしろ！！」
腐女子Ａ「もう、私達を止めることは誰にもできない！！」
加藤「止まれ！！今すぐ止まれ！！」
腐女子Ｂ「書くわ！！今すぐ書くわ！！」
腐女子Ｃ「漫研を全員招集して、一丸となって協力しましょう！！力を合わせて、今日中に加藤君と浜田君のＢＬ本１５０冊、書き切るわよ！？」
腐女子Ａ・Ｂ・Ｃ「「「おーーーー！！！！！」」」
加藤「終わった…もう誰もアイツらを止められねえ…」
浜田「あのさ、マジでやめてくんない？？勝手に人をＢＬの題材にすんの。ガチでキモすぎるから」
腐女子Ａ・Ｂ・Ｃ「「「はい！！♡しゅいませんでした！！やめます！！♡」」」
加藤「一瞬で止まった！！流石はイケメンパワー！！」
～完～
今回で修学旅行編は終わりです。
まだまだ話は続きますので、よろしくお願いします！！
