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10年間留年は伊達じゃない

碇矢先生「今日から転校生がくる」


加藤「え?マジ?」


高木「どんな奴だろう」


志村「カワイイ女子なら最高だ!!」


加藤「女子!!絶対女子!!」


碇矢先生「性別は男だ。」


加藤「なんだ男かよ」


高木「萎えたわ」


志村「もう帰ろうぜ」


古手川「いやどんだけやる気なくしてんの!?」


碇矢先生「ちなみに、お前らの15個年上だ。」


古手川「え?」


加藤「え?」


志村「えええええええええええ!?」


高木「高校で、15回留年したってこと?」


碇矢先生「そうだ。仲良くするんだぞ。」


加藤「いや無茶言うな!!」


高木「30歳学生とどう仲良くなれと!?」


碇矢先生「俺も驚いている。自分と歳の近い奴が生徒になっていることに困惑している…


加藤「え?碇矢先生ってそんな若いの?(笑)」


志村「それな。もう50過ぎのジジイかと思ってた(笑)」


碇矢先生「おい今ジジイとか言った奴表出ろ」


高木「てゆーか、どんな奴が転校してきてんの!?」


碇矢先生「自分の都合で転校してきたらしい」


高木「しかも親の都合ですらない!!」


加藤「ただの自己中ガチクズじゃねえか!!」


古手川「いや、何か複雑な事情があったのかもしれないわよ。」


志村「それな。引きこもりかもな。」


碇矢先生「いや、それが毎年無遅刻無欠席の皆勤賞だったらしい」


古手川「え?」


加藤「は?」


高木「じゃあただのクソバカか(笑)」


志村「どんだけバカなんだよ(笑)」


碇矢先生「いや、前いた高校では学年1位だったらしい」


加藤「マジでなんなのソイツ!?」


高木「なんで留年してんの!?」


碇矢先生「自分で頼み込んで留年したらしい」


加藤「いやどんな狂人!?」


碇矢先生「なんか、いつまでも高校1年生のままでいたいらしい。」


加藤「マジでやべえやつ!!」


高木「なんでそんなクソ生徒を引き受けたんすか!?」


碇矢先生「仕方ないだろう。教頭に押し付けられたからだ。」


高木「社会人の闇!!」


碇矢先生「親御さんが大富豪でな。うちの学校に転校の挨拶に来る時に」


碇矢先生「金はいくらでも払うから、息子を引き取ってくれと言ってきた」


加藤「闇が深すぎる!!」


高木「引き取ってとか言っちゃってるよ!!」


碇矢先生「とにかく、ソイツはうちのクラスで面倒を見る。」


高木「いやペットか!!」


碇矢先生「今から自己紹介をしてもらう。入れ。」


多龍「どーーもーー!!」


加藤「いや明る!!」


高木「留年15年目のテンションじゃねえ!!」


多龍「え?先生、その話しちゃったんすかー?」


加藤「いやするだろ!!」


高木「隠しておけと言う方が無理だ!!」


多龍「マジはっずいわ。バカだと思われるじゃん。」


加藤「そのプライドは留年1年目で捨てろ!!」


高木「お前はバカなんだよ!!」


多龍「はあ?ならお前、学年1位取ったことあんのかよ?」


加藤「え?」


多龍「俺はこれまで毎年学年1位取ってたんだよ。お前にそれができるのか?お?」


加藤「めちゃくちゃ厄介な留年生来た!!」


高木「超絶仲良くなれる気がしねえ!!」


志村「ただでさえ取っ付き辛いのに!!」


多龍「俺は学年1位の天才なんだよ。その天才をナメんじゃねえぞ雑魚ども。」


加藤「なら留年すんじゃねえよ!!」


古手川「マジでド正論!!」


多龍「それはしょーがねえじゃん。だってもう勉強したくねえんだもん。」


加藤「は??」


多龍「俺、めちゃくちゃ勉強させられてたんだよね。幼稚園から小中高1までさ。」


多龍「それで高1のある時、俺の人生これからもずっと勉強漬けなのかと思ったらさ」


多龍「急に全てのやる気がなくなって、勉強を一切やるのをやめた。新しいことは学ばない。」


多龍「高校2年生に上がると新しいことを学ばなきゃいけないだろ?」


多龍「そしたらそれを習得するためにまた勉強する必要があるだろ?」


加藤「いやそうだけども!!」


高木「それで留年しようとは思わねえ!!」


多龍「うちの家族では、学年1位を取らなきゃ人権がないんだ。天才以外は要らない。」


多龍「だから俺は、全学年で学年1位を毎回取るために、毎日死ぬほど勉強させられたんだ!!」


加藤「それはちょっと可哀想!!」


多龍「高校2年に上がったら、またそこで学年1位を取らなければならない!!」


多龍「また1位を取るために死ぬほど勉強しなければいけない日々が始まる!!」


多龍「そこで俺は考えた。いつまでも高校1年生であれば、永久に学年1位を取り続けることができると!!」


加藤「は??」


高木「いや、意味わからん。」


多龍「考えてもみろ。高校1年の内容が完璧な俺が、高1を繰り返せばまた1位取れるだろ?」


加藤「いや、それはそうだけど!!」


高木「実行に移すやつは頭イカれてるんだよ!!」


多龍「頭イカれてるだと!?俺様は15年間連続で学年1位の男だぞ!?」


加藤「ただし留年生だけどな!!」


多龍「それは大した問題じゃねえ!!」


加藤「そっちの方が大した問題だ!!」


多龍「俺はなあ、常日頃から学年1位を取れ!!多龍家の人間たるもの、常に1位でなければ意味がない!!と言われ続けていたんだ!!」


多龍「だから俺は、高1を繰り返して同じテストを解き続けて学年1位を取り続ける」


多龍「ずーーっと高1のまま、学年1位をキープする!!」


加藤「いやそれで親は納得すんのか!?」


多龍「ずっと学年1位だから、褒められた」


加藤「バカ親がすぎる!!」


古手川「留年してたら、全て意味なし!!」


多龍「それだけ学年1位の価値は高いということだ。」


加藤「留年してなければな!!」


碇矢先生「今回、30歳になった誕生日プレゼントとして、転校を言い渡されたということだ」


古手川「誕生日プレゼントで転校してきたの!?」


加藤「いやどんな親!?」


高木「てかその歳まで誕プレもらうな!!恥ずかしい!!」


多龍「他校でもお前の実力を見せつけてこい、と言ってここに送られた。」


加藤「もはや諦めてるのかバカなのか…」


多龍「ここでも学年1位を取って、俺が本当の天才だとみんなに見せつけてやるぜ!!」


加藤「15留もしてたら、誰だって学年1位取れるわ!!」


多龍「言ったな?」


加藤「え?」


多龍「なら15留して証明してみろ」


加藤「いやそれは体張りすぎ!!」


多龍「ほら見ろ無理じゃん(笑)」


加藤「うるせえ!!こちとら1留だってしたくないんじゃボケが!!」


多龍「またまだ甘いな…それじゃ俺には勝てん。」


加藤「なんで上から!?テメの方エが圧倒的に下だからな!?」


多龍「とにかく、これからはこの俺様が絶対的な学年1位だ!!」


多龍「俺を超えられる者は誰もいない!!みんな俺にひれ伏すがいい!!」


加藤「もういいわコイツ…(笑)」


志村「わーおめでとー」


高木「テキトーにあしらっとこ(笑)」


古手川「そうね。無視しましょう」


〜実力テストの結果発表〜


加藤「アイツ、マジで学年1位?(笑)」


高木「15留してるしな。流石に取れるだろ(笑)」


志村「いや、どこにも名前ないな」


加藤「え?」


高木「ホントだ…」


志村「100位以内になくね?」


加藤「あ、下から5番目にいるわ」


高木「は??」


志村「クソバカじゃん(笑)」


多龍「…………………」


加藤「あ、本人登場じゃん(笑)」


高木「え?今どんな気持ち?(笑)」


志村「15留して下から5番目ってどんな気持ち?」


加藤「まあ、留年生のあるべき姿と言われればそうだが(笑)」


高木「確かに(笑)」


多龍「違う!!」


志村「は??」


多龍「俺はテストの時間、ずーっとお腹が痛かったんだ!!」


加藤「ふーーーん」


志村「ならトイレ行けよ」


多龍「行っても治らなかった!!」


志村「コイツ、ずっと席いたよ?俺ずっと見てたから(笑)」


加藤「だ、そうです。(笑)」


多龍「違ったわ、足が痛かったんだ。」


加藤「嘘つきやがれ!!」


高木「てか足痛くてもあんま関係なくね?(笑)」


多龍「間違えた。腕が痛かった」。


加藤「もう黙れお前!!」


志村「お前、めちゃくちゃカリカリ書いてたじゃねーか!!俺は見てたからな!?」


高木「お前はどんだけコイツのこと見てたの!?」


志村「暇だったから(笑)」


加藤「テストに集中しろ!!」


志村「全部わかんねーんだもん(笑)」


高木「そういや、最下位は安定のお前か(笑)」


多龍「どんだけバカなんだよギャハハハハハ!!」


志村「いや、お前だけは笑う権利ねえわ!!」


加藤「学年1位の影も形もないけど」


高木「お前、何しにここ来たん?(笑)」


多龍「おかしい…本当におかしい…」


古手川「ちなみに前の学校ってどこなの?」


加藤「急に出てきた!?」


古手川「ちょっときになってね…(笑)」


多龍「低能芥溜(ていのうごみだめ)高校ってとこ。」


加藤「ひっでえ名前!!」


高木「すっごい頭悪そうな高校!!」


古手川「調べたけど、そこ偏差値15らしいわよ…」


加藤「そんな偏差値の高校あんの!?」


多龍「そうだ。そこで俺は常に学年1位だった。」


加藤「もうそれは自慢にならねえから!!」


高木「底辺のトップは底辺だから!!」


古手川「しかもそんな底辺高校で15留って…もうマジで救いようがないかも…(笑)」


多龍「底辺とかバカにすんじゃねえ!!」


加藤「もうバカにするなと言う方が無理だ!!」


多龍「俺は天才なんだよ!!8✕6だって、瞬時にわかるんだぞ!?」


古手川「じゃあ答えは?」


多龍「えーと…47」


古手川「いや、素数!!」


加藤「やっぱりただのクソバカじゃねえか!!」


〜完〜

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