隠蔽(いんぺい)には、信頼のおける仲間が必須。 その2
前回のあらすじ
神イベント「枕投げ」をしようという話になった
志村「まあとりあえず、全力で暴れまくろうぜ!!」
高木「そうだな!!修学旅行最後の夜だしな!!」
出木杉「ダメだよ!!また怒られるよ!!」
高木「やかましい!!お前はもう優等生キャラじゃねえんだ!!黙ってろ!!」
出木杉「優等生キャラ、クビになった!?」
志村「大体よお、テメエが俺達を中途半端に油断させたから、昨日の事件が起きたんだろ!?」
出木杉「超とばっちり!!確かに、少し安心はさせたけどさ!!全部僕のせい!?」
志村「まあ今日は大丈夫だ。どれだけ暴れても、絶対に怒られないことをするつもりだ」
出木杉「いや、まず暴れてる時点で怒られるから!!」
北野「な、なんだと!?それは一体何だ!?」
志村「それはな…それは…」
加藤・高木「「それは!?」」
志村「枕投げ大会だ!!」
加藤・高木・出木杉「「「は…???」」」
加藤「散々ハードル上げといてこれかよ…」
高木「枕投げとか定番やん(笑)」
志村「バカ野郎!!これほどバレても問題なくて、物を隠す必要もなくて、なおかつ楽しい遊びが他にあるか!?」
高木「割とまだまだありそう!!」
加藤「ま、楽しいことは認める(笑)」
北野「俺、やりたいやりたい!!」
加藤・高木「「小学生か!!」」
志村「よっしゃー!!そしたらやるぞ!!」
加藤・高木・北野「「「イエーーーーイ!!!」」」
志村「さて、と……」
志村「どりゃあああアアアアアアア!!死ねええ!!」
出木杉「いやどんだけガチ!?」
ズガン!!
加藤「いってえなこのゴミカスがあああああ!!」
志村「あぶね!!」ビュン
バン!!
高木「殺す殺す殺す殺す!!!」
加藤「よくもやったなゴルアアアアアアアア!!」
出木杉「いや。枕投げでここまで熱くなれるって…マジで小学生!?」
ズバン!!
出木杉「…………………」
志村「はい出木杉死亡ー!!」
出木杉「もう怒った!!暴れてやる!!」
加藤・高木・志村・北野・出木杉「「「「「うおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」
バリーン!!
加藤・高木・志村「「「え…??」」」
加藤「おい…あそこに飾ってあった花瓶…」
高木「なんか割れてね…??」
志村「あ……」
北野「ヤバ…」
出木杉「終わった…」
加藤「……………………」
高木「……………………」
志村「……………………」
北野「……………………」
出木杉「……………………」
加藤「ちなみにだけど…誰の投げた枕が、破壊したんだ…??」
出木杉「噓でしょ!?ここまで来て犯人探し!?」
高木「ま、確かにやった人は大事だわな。俺じゃないけど」
志村「そうそう。やっぱり当てた人が責任取らないとね。ま、俺ではないけど」
北野「間違いない。悪いことをしたらキチンと謝罪しないとね。ちなみに俺はやってない」
加藤「オイオイ。正直に名乗り出ろよ。確実に俺は犯人じゃないけど」
出木杉「まあ、こうなるよね…(笑)」
志村「おい!!正直に言いやがれテメエら!!」
北野「はあ!?やったのはお前だろーが!!」
志村「優等生の俺なわけねーだろうが!!」
高木「お前のどこが優等生じゃい!!対極の存在だろうが!!」
出木杉「あーもう埒が明かない!!もうみんなで責任とって謝ろうよ!!」
加藤「ふざけんじゃねえ!!絶っ対に嫌だ!!」
出木杉「ええ!?」
志村「そうだ!!犯人が単独で謝れ!!俺は悪くない!!」
高木「コイツらのために罪をかぶるなんざ、死んでもごめんだ!!」
出木杉「なんだコイツら!?友情もクソもねえ!!」
加藤「だが、このままだと埒が明かない。だから、多数決で決めよう」
出木杉「多数決!?」
加藤「やはり多数決こそ正義。多数の意見こそが正しい」
出木杉「この場合はそうじゃねーよ!!」
高木「賛成だ」
志村「俺も」
出木杉「いやおかしいだろ!!犯人を多数決で決めるって!!」
加藤「ギャーギャーうるさいな。お前を犯人にするぞ??」
出木杉「どんな脅し!?もう票をいじくる気満々じゃん!!」
加藤「じゃ、みんな一斉に指差して。せーの…」
加藤・高木・志村・北野→出木杉 出木杉→志村
加藤「じゃ、出木杉が犯人で決定ー!!」
高木「後の処理は任せた出木杉」
志村「なんてひどい奴だ…ちゃんと弁償するんだぞ??」
出木杉「嫌だよ!!だって僕じゃないもん!!」
加藤「マジありえねえな…花瓶倒しといて自分は犯人じゃないアピールするとか…」
高木「ホントそれな。そこまで性根が腐っていたとは…」
出木杉「いや本当に違うっつーの!!枕投げをしてる時、僕は花瓶と反対の方向を向いてた!!だからどうやっても花瓶に枕を投げることはできないんだよ!!」
志村「いや、ノーコン過ぎて後ろに飛んで行ったんじゃねえの??」
出木杉「どんだけノーコン!?」
加藤「じゃあ、犯人はとりあえず北野か…」
北野「なんで!?てかとりあえずって何!?」
高木「そうだな。じゃ多数決で。せーの」
北野「え、ちょ」
加藤・高木・志村・出木杉→北野 北野→志村
加藤「じゃ、北野が犯人で決定」
北野「決定すんな!!大体俺も出木杉と同じ方向を向いてたじゃねえか!!だからどう考えても不可能なんだよ!!」
志村「いーじゃん。もうめんどくさいから北野が犯人で」
北野「めちゃくちゃ言ってる奴がいるんだけど!?」
高木「確かに。北野が碇矢に謝ればもう解決だもんな」
北野「それが簡単に済まねえから、もめてるんだろうが!!」
出木杉「でも、ということは、花瓶の方を向いて投げてた、加藤君、高木君、志村君のうちの誰かってことになるけど…」
加藤「まあ、まず俺ではないな」
高木「いやそれは俺のセリフ。俺はありえない」
志村「俺ほど品行方正な学生は見たことがない。だからまず俺ではない」
出木杉「全員ありえそうなんだよなあ…(笑)」
加藤「志村が怪しくね??位置的に」
志村「いーや。こういう時は最初に口を開く奴が怪しい」
高木「確かに。自分を犯人だと思わせないためにな」
加藤「オイオイ高木。言っとくけど、お前も怪しいからな??」
高木「はあ??どこがだよ??」
加藤「あのなあ、野球部でコントロールのいいお前なら、花瓶に当てることだってたやすいだろ??普通は花瓶になんて当てられん」
高木「なんで俺が、花瓶を狙わなきゃいけねえんだよ!!」
加藤「それは…お前が花瓶を嫌いだからだ!!」
高木「なんだその理由!?おい!!コイツ、なんかクソ怪しいぞ!?」
志村「確かに。わけのわからないことを言ってかき乱してるな(笑)」
加藤「はあ!?俺なわけがねえだろうが!!常識的に考えろ!!」
高木「口ではなんとでも言える。観念しろバカ」
志村「そうだ。2対1でお前が犯人だ」
加藤「多数決でしか犯人を決めれねえのかお前らは!!」
出木杉「お前が言うな!!」
加藤「…おい北野」
北野「え??何??」
加藤「100円やる。犯人は俺じゃないよな??」
出木杉「買収した!?」
北野「間違いないね!!加藤じゃない!!ありえない!!」
出木杉「そしてちょろいなコイツ!!」
加藤「で、犯人は誰かな?やっぱ高木だよなあ??」
北野「間違いない。高木で決定だ」
高木「北野。それなら俺は200円やる。犯人は俺じゃないよな??」
北野「高木は絶対に違う!!この俺が保証する!!」
加藤「さっきお前が「高木で決定」って言ったんだけど!?」
高木「で、犯人は志村だよな??」
北野「間違いない。志村で決定だ」
志村「北野。それなら俺は10万円やる。犯人は俺じゃないよな??そして、今後はこの俺に一生服従すると誓いやがれ」
北野「はい!!誓いますご主人様!!」
志村「他のクズ共の話は絶対聞くんじゃねえぞ??」
北野「はい!!誓いますご主人様!!」
出木杉「ガチの奴隷として買収された!!」
志村「まあつまり、犯人はそこのクズ2人のどちらかってことだな。ま、俺にとってはどっちでもいいがな(笑) 惨めに争うがいいぜ(笑)」
加藤「…………………」
高木「…………………」
加藤「おい北野。よく考えろ」
北野「え??」
高木「志村は史上最高のド貧乏ドケチのドクズだぞ??そんな奴が、お前に本当に10万円もの大金を払うと思うか??」
北野「確かに!!」
志村「おい北野犬!!クズ共の話に耳を傾けるな!!」
北野「…………………」
加藤「俺達に服従するなら、今すぐに100円払うぞ??」
高木「志村なんて、口だけで絶対に払わないからな??(笑)」
加藤「間違いない。超絶ドケチなクズ野郎だからな。10万円なんて払う訳が無い。それに比べて、俺達はガチで払う」
高木「そうそう。なんなら200円にしてもいいぞ??(笑)」
志村「は、はああ!?俺が噓つきだと!?そんなわけねえだろうが!!払う払う!!絶対10万円払う!!いつか必ず払う!!」
北野「いつかって、いつ??」
志村「…………………」
志村「まあ、200年後とか??」
北野「もう死んでるわ!!はい!志村が犯人です!!」
志村「ふざけんなこの裏切り者が!!」
北野「お前が言うな!!」
出木杉「でもまあ、位置的には志村君が一番怪しいよね…(笑)」
加藤「まあ、真っ正面に花瓶があるしな…」
志村「…………………」
加藤「…………………」
高木「…………………」
北野「…………………」
出木杉「…………………」
志村「あのさあ、誰がやったとか考えるの良くないと思うんだよね」
出木杉「急にどうした!?さっきと言ってること真逆だぞ!?」
志村「犯人探しとかさ、マジでよくねーよ。いーじゃねえか。たとえ誰が犯人でもさ。俺達は友達だろ!?みんなで一緒にさ、仲良く素直に謝ろうぜ??」
加藤「コイツ、自分が追い込まれた途端、意見を変えやがった…」
高木「コイツこそ、真のクズだわ…」
志村「1人の責任は、みんなの責任!!仲間を売るなんて最低の行為だぜ!!」
加藤「一番速攻で仲間を売ろうとしてた奴が、何言ってんだ!?」
志村「はあ!?俺達は一蓮托生なんだ!!友達を売ることなんて絶対しない!!」
加藤「思いっきりしてたじゃねーか!!」
高木「自分が追い詰められた途端、俺達を巻き込もうとするんじゃねえ!!」
志村「俺達は、今回の修学旅行で、友達の大切さを学んだ…そうだろ??」
出木杉「どこが!?友達の醜さを見ただけだけど!?」
出木杉「…じゃあ、もし僕が犯人だって言ったらどーする?(笑)」
志村「当然、縛り上げてボコボコにして先生に突き出して、全てコイツ1人がやりました全部コイツが悪い、とぶちまける」
出木杉「もうお前は、友情を2度と語るな!!」
加藤「まあとりあえず、お前がやったんだからお前が責任取れ」
高木「それな」
志村「はあ!?俺はガチでやってねーし!!俺は加藤だと思う!!」
加藤「まあ、ぶっちゃけ俺は高木だと思ってる」
高木「いや、俺は変わらず志村だと思ってる」
加藤・高木・志村「「「…………………」」」
出木杉「あーもう埒が明かない!!志村君の言う通り、諦めてみんなで謝ろ??」
加藤・高木・志村「「「絶対嫌だ!!!」」」
出木杉「ガキか!!」
加藤「これでも高校生ですが、何か???」
出木杉「雑なタイトル回収、やめろっつーの!!」
高木「まあとりあえず、隠蔽しよう」
出木杉「何を言ってんの!?」
志村「そうだな。それでバレなければ万事解決だ」
出木杉「ただの犯罪クズ集団じゃねーか!!」
加藤「バカかテメエ。これは事故なんだよ」
出木杉「事故を隠したら犯罪なんだよ!!」
高木「とりあえず、接着剤をもらおう」
志村「そうだな。それでバラバラになった花瓶を復活させよう」
出木杉「無理がある!!何ピースあると思ってんだ!?」
加藤「…もうめんどくせえから、ゴミ箱に捨てようぜ?」(※絶対やめてください)
高木「確かに。最初からなかったことにするか!!」
出木杉「絶対、確実にバレる!!マジで諦めろ!!」
志村「まったく横からギャーギャーうるさいな…そんなこと言うならお前アイデア出せよ!!」
出木杉「だから、さっきからみんなで謝ろうって言ってんだろうが!!」
加藤・高木・志村「「「却下」」」
出木杉「却下された!?」
加藤「まあ「ここには何もなかった作戦」が一番有効なんじゃないか??」
高木「そうだな。俺もそう思う」
出木杉「そんなわけあるか!!すぐにバレるわ!!なんなら罰金!!」
志村「とりあえず、さっさと証拠を隠すぞ!!」
加藤・高木・志村「「「おう!!!」」」
出木杉「おうじゃねーよ!!気合い入りすぎ!!」
加藤「いいか?俺達は生涯の大親友だ。絶対に秘密は守り切るぞ!?」
高木「その通りだ。俺達は今この瞬間、何よりも固い絆で結ばれた」
志村「みんなで協力して、お互いのミスをカバーし合おう!!」
加藤「俺達は1つだ!!ワンチームだ!!」
高木「困ってる仲間がいたら、必ず助ける!!」
志村「絶対に、見捨てない!!裏切らない!!逃げ出さない!!」
加藤「今ここに、全力で誓います!!必ずこの誓いを死ぬまで守り抜く!!」
ガラララ
碇矢先生「おいもう消灯時間だぞ。何をしてる…」
加藤・高木・志村・北野「「「「あ……」」」」
加藤「…………………」
高木「…………………」
志村「…………………」
北野「…………………」
出木杉「…………………」
碇矢先生「…………………」
加藤・高木・志村・北野「「「「先生!!コイツがやりました!!!!」」」」
出木杉「やっぱりな!!このクズ共、本当にどうしようもねえ!!」
碇矢先生「うん、察したわ。全員で廊下に正座な。明日は帰るだけだから、夜通しでな」
加藤・高木・志村・北野「「「「イヤアアアアアアアアアアア!!!!」」」」
出木杉「だから、正直に言おうって言ったのに!!」
~完~




