自販機の下って、結構小銭落ちてるよね
志村「あー今日も金ねえわー。しょうがねえ…久しぶりにあの裏ワザ使うか」
加藤「なんだ??なんかいい時給のバイトでも見つけたのか??」
志村「いや?ただの小銭あさりだけど」
加藤「は??」
志村「自販機の下に落ちてる小銭をかき集める」
加藤「想像以上に悲しいお金の集め方!!」
志村「ナメんな!!探せば意外と小銭が落ちてるもんなんだよ!!お前らもやってみろ!!」
加藤「やらねーよ」
高木「1人でやれ」
志村「なんでだよ!?」
高木「なんでかはわかれ!!」
~休憩時間~
志村「まったく。これだから金持ちは。貧乏人の生き方って奴をまるでわかってねえ」
志村「プライドよりも金なんだよ。ちょっと自販機の下を見るだけで金稼げるんだから、こんな楽な仕事はねえぜ。しかも学校内で、休憩中にできる!!」
志村「バカな奴らめ。アイツらがおしゃべりしてる間に、俺は大金を手に入れる」
(※大金は交番に届けましょう)
志村「さてさて。この自販機の下はどーかな?」
志村「チッ。1円か…しけてやがる」
志村「その隣は?何もない」
志村「よし。次の自販機だ」
志村「あ、100円玉見っけ!グヘヘヘ」
志村「かなり奥にあるが、頑張って取るぜ!!」
志村「よっしゃあ!!これで3日くらい生きていける!!」(※生きていけません)
毛津「あ、それ僕のだ」
志村「は??」
毛津「それ僕が探してた100円玉だ!!君、ありがとう!!」
志村「はあ??」
毛津「え?なに??」
志村「…まあ、そーなんすか。どうぞ」
毛津「ありがとう!!」
志村「なーんか納得いかんけど、まあアイツが落としたならしゃーないな」
〜次の日〜
志村「今日は3階の自販機まで来たぜ!!」
志村「この自販機は、時代に逆行して現金しか使えないポンコツだからな。期待できる!!」
志村「ほーら早速!!今度は50円玉を見つけたぜ!!ラッキー!!」
毛津「それ僕の!!」
志村「は??」
毛津「その50円玉、それ僕の!!」
志村「…………………」
毛津「なに??」
志村「あのさ、君昨日も俺にそう言ってきて、100円玉もらっていったよな?」
毛津「そうだけど、また落としたから」
志村「わざわざ2階上がって3階の自販機で飲み物を買ったのか!?」
毛津「うん。そこに飲みたいものがあるから」
志村「あーそう!!持ってけドロボー!!」
毛津「誰が泥棒だ!!」
〜次の日、また3階〜
志村「お!!今度は100円玉落ちてる!!ラッキー!!」
毛津「あ、良かったー!!その100円玉、僕の!!」
志村「またテメエか!!どんだけ小銭を落とせば気が済むんだよ!!」
毛津「しょーがないじゃん。落とすんだから」
志村「なら探せ!!」
毛津「探しても見つからなかった」
志村「本当に探したか!?」
毛津「うん。5時間探した」
志村「探しすぎ!!コスパわる!!」
毛津「だから返して。それ僕のだから」
志村「あのさ、証拠ある?」
毛津「え??」
志村「これお前のっていう証拠ある?」
毛津「僕が落とした。間違いない」
志村「名前は?」
毛津「いや書くか!!小銭だぞ!?」
志村「なら俺のだ。俺の名前が書いてあるから」
毛津「マジで!?小銭に自分の名前書いてんの!?」
志村「ああ。お前のような小銭泥棒から小銭を守るためにな」
毛津「誰が小銭泥棒だ!!」
志村「だから、あきらめろ」
毛津「じゃあ、見せて」
志村「え?」
毛津「名前書いてあるんなら、僕に見せてよ(笑)」
志村「い、いや…それはちょっと…」
毛津「あれ??もしかして嘘なの??(笑)」
志村「ち、違う!!文字が消えてしまってるんだ!!でもこれは間違えなく俺の小銭だ!!俺が文字を書いた記憶があるんだ!!」
毛津「怪しいなあ…(笑)」
志村「ほら、ここになんか傷があるだろ!?確実に俺のだ!!間違いない!!」
毛津「いや、小さな傷くらいどの小銭にもあるわ!!」
志村「とにかく、この小銭は俺のだ」
毛津「いーや!!それは僕がここで落とした小銭だ!!間違いない!!」
志村「てゆーか、アンタ本当に探したのか?すぐ見つかったぞ」
毛津「探したし!!めちゃ探したし!!」
志村「怪しいな…お前の金っていう証拠はねえし、そもそもお前落として探すのをやめた時点で、これはお前のものじゃない」
毛津「はあ!?ドロボーだ!!絶対許さない!!風紀委員に訴えてやる!!」
志村「どーぞどーぞ」
〜委員会室〜
古手川「あの、私忙しいんだけど…」
毛津「この100円玉は僕のだ!!」
志村「いーや、お前は怪しすぎる。横取り野郎だ」
毛津「なんだと!?」
古手川「えーと、てかごめん。どういう状況??」
志村「まず俺が毎日のように自販機の下に落ちてる小銭を漁ってるんだけど」
古手川「まずやるなそんなこと!!みっともねえ!!」
志村「そこで100円玉とか50円玉とかちゃんと見つけ出すんだけど」
志村「このクズが急に現れて、「これは僕のだ!!」とか言って盗もうとしてくる」
毛津「誰がクズだ!!それに人の金を盗もうとしてるのは君だろうが!!」
古手川「えーーと、ごめん。話を聞いてもマジで意味不明なんだけど…(笑)」
志村「まあ古手川には難しすぎたか」
古手川「ああん!?」
毛津「風紀委員って知能低いんだな」
古手川「殺すぞ!?」
志村「とにかく、コイツが俺が貴重な時間をかけて拾い集めた小銭を、横取りしやがったんだ!!」
古手川「いやそもそも、それもアンタの金じゃないだろうが!!」
志村「いや、拾った時点で俺のものだろ」
古手川「違うわ!!」
毛津「そうそう。僕の小銭だからそれは」
古手川「でもそれもなんか怪しいわね…」
毛津「ええ!?」
志村「だろ!?」
毛津「なんでよ!?」
古手川「だって、志村が見つけた後に「それ僕の!!」って言うなんて怪しい…しかも何度も」
志村「だろだろ!?」
毛津「だって事実だし!!」
古手川「本当に探したの?いつどこで落としたの?なんで自販機の下は見なかったの?」
毛津「…………………」
志村「イエーイ!!ナイス古手川ーー!!フォーーー!!ヒーハー!!」
古手川「アンタはうっさい!!」
志村「なんで!?」
古手川「大体さ、そういうのって小銭をなくした瞬間に気づくと思うんだよね。その場で落としたとか」
毛津「だから気づいたんだって!!」
古手川「じゃあなんで探さなかったの?」
毛津「探したよ!!5時間!!」
古手川「5時間!?」
志村「マジでバカだよなコイツ(笑)」
毛津「誰がバカだ!!」
古手川「ちなみに、どこを探したの?」
毛津「え?」
古手川「え??」
毛津「えーーと、うん。そのへん」
古手川「そのへんって、どの辺??」
毛津「廊下とか?」
古手川「え?廊下で落としたの?」
毛津「いや、自販機」
古手川「なら自販機前を探せや!!」
毛津「ウソウソ!!自販機前で5時間探してた!!」
志村「そんなかかるわけねえだろ!?」
毛津「いないや。自販機の上とか下とか横とか、探すところはいっぱいあるよ」
志村「今ので全部じゃねえか!!」
古手川「それに5時間はどう考えてもおかしい。やっぱり嘘つきね…」
毛津「そんな!?」
志村「だろだろ!?つまりこの金は俺のなんだよ!!」
古手川「いやそれもないけど」
志村「なんで!?」
古手川「とにかく、アンタの話はおかしいところだらけ。そんなの疑われても仕方ないわ」
毛津「…………………」
志村「さっさと自分の罪を認めろ!!このペテン師野郎が!!」
古手川「小銭拾いの志村は黙ってろ!!」
志村「なんかそのあだ名、カッコイイな!!」
古手川「いやどこが!?」
毛津「わかったよ…白状するよ…」
志村「おおおおおおおお!!」
毛津「実は、僕は潔癖症なんだ」
志村「は??」
毛津「だから、自販機の下とか、汚いところを触ることができないんだ!!」
毛津「僕は、何度か100円玉を自販機の下に落として、どうしても下が汚くて拾えず、悔しさで涙を流したことがあるんだ!!」
古手川「いやそこまで!?」
毛津「だから、汚れを気にせず平然と自販機の下を漁る彼が、とてもうらやましかった!!」
古手川「マジで!?」
毛津「僕もいっぱい小銭を拾いたかった…でもできないんだ!!潔癖症だから!!」
古手川「知らねーよ!!」
毛津「僕は落とした小銭を拾えず失ったのに、次々と小銭を稼ぐ彼が許せなくて、「それ僕の」といって彼から巻き上げてやったのさ!!」
古手川「しょーもな…(笑)」
志村「やっぱ嘘だったのか!!このクズ野郎!!」
毛津「僕だって、彼のようになりたかった!!汚いものも平気で触れて、ホコリまみれのところにも堂々と手を入れられるような!!」
古手川「まったく憧れる要素ないんだけど!?」
毛津「そんな最底辺の人間に、僕はなりたかった…」
古手川「最底辺!?バカにしてんだろ!!」
志村「お前、わかってんじゃねえか(ドヤ顔)」
古手川「なんのドヤ顔!?」
古手川「まあとにかく、これはアンタの金じゃないってことはわかったから。没収ね」
志村「いやだから、俺のだろーが!!」
古手川「しつこいわね。落とし物は警察に届けるのが常識なのよ」
志村「小銭も!?」
古手川「小銭も。額の大きさは関係ないわ」
志村「なんて頭の固いバカだ…」
古手川「なんだと!?」
志村「あああああ思い出したあああああ!!」
古手川「急にでかい声出すな!!」
志村「それ、俺の金だわ!!」
古手川「は??」
志村「よく考えたら、それ俺がこの前落とした100円玉だわ!!だから俺のだわ!!」
古手川「いや、それはない」
志村「なんでだよ!?」
古手川「志村が100円もの大金を持ち歩いてるわけがない」
志村「それは確かに」
毛津「そこは否定しないんだ!?」
古手川「アンタは諦めなさい(笑)」
志村「グヌヌヌヌ…」
志村「おい。このままだとアイツに没収される。だから2等分しよう」
毛津「は??」
志村「一旦お前が金を受け取れ。後で俺に金を分けてくれればそれでいい」
毛津「いや、そもそもなんで君に半分渡さなきゃいけないわけ??」
志村「当たり前だろ!?この金を拾ってやったのは俺だし、このアイデアを出したのも俺だ!!」
志村「本当はお前になんか分け前を渡したくはないが、このままだと一銭も得られない可能性が高い。だからここは一旦協力しよう」
毛津「でも、僕さっき自白しちゃったんだけど…(笑)」
志村「そんなもん覆せ!!やっぱ嘘だぴょーん!!って言え!!」
毛津「無茶言うな!!」
志村「なんとかしろ!!俺がフォローしてやる!!金が欲しいんだろ!?」
毛津「うん欲しい!!」
志村「ならやれ!!」
毛津「え、えーーと…」
古手川「どうしたの??」
毛津「やっぱ嘘だぴよーん!!」
古手川「は??」
毛津「え??」
志村「バカかテメエ!!そのまま言うやつがあるか!!」
毛津「君が言えって言ったんだろうが!!」
志村「まあつまり、今コイツは「やっぱ嘘だった!!」と言ったんだ!!」
古手川「いやそれはわかるわ!!いらん翻訳!!」
古手川「私が知りたいのは、なんで急に嘘って言い出したの?って、話なんだけど!?」
古手川「てか何が嘘なの?潔癖症の話?小銭が実は僕のじゃないって話?」
古手川「志村が羨ましかったって話?自販機の下でも平然と触れる男になりたいって話?」
毛津「小銭!!その小銭、やっぱり僕のだった!!」
古手川「はあ??なんで一回否定したのよ」
毛津「ツンデレだからだ!!」
古手川「は??」
毛津「ツンデレだから、「そんな小銭興味ないし!!」みたいな感じをツイツイ出してしまったんだ!!」
古手川「いや、意味わかんないんだけど!?」
毛津「でしょうね!!」
志村「なんで意味わかんねえんだよ!!」
古手川「なんで怒られてんの!?」
志村「コイツは小銭ツンデレキモ男なんだよ!!小銭にガチ恋して、小銭を愛するがゆえに、ついツンツンした態度をとってしまうんだ!!」
毛津「いや、そんなわk」
バキィ!!
毛津「ひでぶ!!」
志村「小銭が好きすぎて、現金を全て小銭に替えてペロペロしているような変態男なんだ!!」
古手川「普通にキモ!!」
志村「コイツの財布には、ヨダレまみれの現金が大量に入ってる。見るか??(笑)」
古手川「見たくねえわ気持ち悪い!!」
毛津「ちょ、ま!!僕はそんなんじゃ」
バキィ
毛津「あべし!!」
志村「だから、その小銭はコイツのもんだ!!」
古手川「いやどういう理論!?」
志村「いや、その小銭ヨダレでベチョベチョだから」
古手川「きったねええええええ!!最悪!!マジで最悪!!てかアンタキモ!!腹壊して死ね!!」
毛津「いやそこまで言う!?しかもちげーし!!」
志村「わかったら、コイツに小銭返してくれ」
古手川「返す返す!!なんかヌメヌメしてると思ってたんだよ!!気持ち悪!!」
チャリーン
志村「これで金は返ってきた。結果オーライだな」
毛津「どこが!?僕のあだ名が「変態小銭キモ男」になっただろうが!!どーしてくれる!?」
志村「あっそ。ならこの小銭はいらねーのな」
毛津「いります!!」
〜完〜




