修学旅行の夜を通して、男達は友情の脆さを知る
~宿の部屋にて~
ガララララ
高木「やっと帰ってきたか(笑)」
志村「おっそ。いつまで風呂に入ってたんだよ(笑)」
加藤「いやーすまんすまん。露天風呂が気持ちよくてさあ…」
高木「そんなこと言って、どうせ新垣達の話に耳を傾けてたんだろ(笑)」
志村「確かに。どーせまた妄想して鼻血出してたんだろ(笑)」
加藤「やかましい!!俺をそんなモテないザコザコ中学生と一緒にするな!!」
高木・志村「「同じようなもんだろうが!!」」
加藤「そんなことより、浜田の部屋に遊びに行こうぜ!!」
高木・志村「「は??」」
高木「なんで浜田!?アイツ1組だぞ!?」(※加藤達は3組です)
志村「俺達と別の階層だし、あそこを巡回してるの教頭だし、そこまでのリスクを冒して今アイツに会いに行こうとは思わないんだが(笑)」
加藤「なんてこと言うんだ!?俺達は友達だろ!?」
高木「いやまあそうだけど…なんで今??(笑)」
志村「そうだよ。どうせ危険を冒して行くなら、女子部屋だろ!!」
加藤「いや。やっぱり男同士でギャーギャーするのも最高だ!!」
高木「じゃあ、この部屋でできるやん(笑)」
志村「それな(笑)」
加藤「この部屋じゃダメなんだ!!浜田がいない!!」
高木「いや、どんだけ浜田に会いたいんだよ(笑)」
志村「え…??なにお前、浜田好きなの??(笑)」
加藤「全然好きじゃねーわ!!でも今は会わなきゃいけねえんだよ!!」
高木「なんだ??告白でもすんのか??(笑)」
志村「危ない目に合ってまで浜田に会いに行くなんて…ラブラブですな(笑)」
加藤「あーもういいわ!!もう俺1人で行くわ!!」
高木「マジで行くの!?(笑)」
志村「1人で会いに行くとか、ガチじゃねーか!!」
加藤「もうテメエらには頼まん!!えーと浜田に連絡連絡…「今からお前の部屋行くわ」と」
高木「コイツ、積極的すぎるだろ!!」
志村「まさか、あの加藤がホモに目覚めてたなんて…」
高木「確かに、加藤はマジでモテないし女と全く縁はないし、超残念な奴だけど…」
志村「女性への憧れと性欲だけは人1倍あったから、ホモには目覚めないと思ってた…」
高木「それな。ド変態だけがコイツの取り柄だったからな…」
志村「まさか、いくらモテないからって、男に手を出すなんてなあ…」
加藤「やかましいわテメエら!!好き勝手言ってんじゃねえ!!」
バタン!!
志村「とか言いながら、結局マジで浜田の部屋行きやがった…(笑)」
高木「ガチでホモ覚醒したか、加藤の奴…(笑)」
志村「あまりにも女にモテなさ過ぎると、ああなっちまうのか…俺も気をつけよ(笑)」
高木「そうだな。お前は気をつけた方がいいかもな(笑)」
志村「ぶっ飛ばすぞテメエ!!ちょっとモテるからって調子乗んな!!」
高木「しかし、今日は疲れたな…」
志村「そうだな。色々あったし、加藤も浜田とイチャイチャしに行ったし、もう寝るか…」
高木「そうだな。この部屋にいる出木杉と北野には、できる限り関わりたくないしな…」
北野「なんてこと言うんだ!?本人の前で!!」
出木杉「そんなこと言わないで、僕達と徹夜で遊ぼうよ!!」
高木「お前優等生キャラだろ!?さっさと寝ろや!!」
出木杉「あのねえ、優等生も修学旅行くらいはっちゃけたいんだよ!!」
志村「なんだコイツ!?めっちゃノリいいじゃん!!どうした!?」
高木「あれだよ、普段友達いなくて全く遊べないから、今遊びたくてしょうがないのさ(笑)」
出木杉「余計な分析はせんでいい!!」
北野「とりあえず、遊ぼうぜ!!」
高木「あのなあ、遊ぶって言ったって、何して遊ぶんだよ…」
志村「そうそう。もうこっちは眠いんだ。それなりにオモロい遊びじゃないと…」
北野「クックック…聞いて驚くなよ…??」
高木「はあ??」
志村「どーせまた、ゴミみたいな遊びだろ??」
北野「実は、スイッチとスマブラ持ってきた(笑)」
高木・志村「「ダニィ!?!?」」
北野「しかも、コントローラーも2つ持ってきた!!4人でできるぜ!!」
高木「お前、有能かよ!!最高!!」
志村「初めて、北野がいて良かったと思ったぜ!!」
北野「ガッハッハッハ!!だろだろ??同室でよかっただろ??(笑)」
高木「それは、うーーーーん…」
志村「まあ、それは、どうだろ…??」
北野「なんで!?ここまでしたのに!?」
高木「冗談冗談。まあさっさと始めようぜ!!」
志村「それな。今日は徹夜確定だ!!遊びつくすぜ!!」
北野「しかも、マリオカートも持って来たぜ!!」
高木「マジで!?ヤバ!!今日の北野ヤバ!!」
志村「最高すぎる!!今日の北野だけは、大親友レベルだ!!」
北野「へっへっへっへ。もっと褒めるがいい!!」
高木「はあ…それに比べて出木杉は…」
志村「ホントそれな…何も持ってきてねえし…」
出木杉「それはお前らもだろうが!!」
高木「自分だけ危険を冒さずに遊ぼうとするなんて、本当にずるい奴だわ…」
志村「それな。こういう奴が簡単に友達を売ったりするんだよなあ…」
出木杉「だ、か、ら!!お前らもだろうが!!」
出木杉「と、いつもなら突っ込むところだが…クックック。君達はまったく気づいてないね。僕がここにいることの大きなメリットを(笑)」
高木・志村「「はあ??」」
高木「出木杉がいるメリット??そんなもんねーよ」
志村「どーした??どっかで頭打ったか??」
出木杉「僕がクラスでどういうポジションにいるかは知ってるだろ??そう、優等生だよ」
高木「それがどーした??」
志村「なんだ??自慢か??」
出木杉「その優等生の僕がいるこの部屋は、そう!!先生からの干渉を受けにくいのさ!!」
高木・志村「「はあ??」」
出木杉「先生は普段の僕を見て、信頼しきっている!!変なことをしないと信用している!!そうつまり、先生はこの部屋を監視しに来ることは無いんだ!!」
高木・志村「「な、なんだってええええええ!?」」
出木杉「その証拠に、これまで碇矢先生は、まだ1度もこの部屋を視察に来ていない!!」
高木・志村「「確かに!!」」
出木杉「ふっふっふ。これも、優等生である僕がいるおかげさ!!」
高木「生まれて初めて、出木杉がいて良かったって思った!!」
出木杉「いや、これまでもテスト前とか何度も助けただろーが!!」
志村「マジそれな!!出木杉お前、今日だけは最高だよ!!」
出木杉「今日だけ!?」
北野「まあなんにせよ、ゲーム始めようぜ!!」
高木「それな!!早くやりてえ!!」
志村「スイッチ、オン!!」
北野「今夜はパーリナイだぜ!!」
高木・志村・出木杉「「「イエーーーーーイ!!」」」
ガラララ
碇矢先生「おい。そろそろ消灯時間だ。さっさと寝る準備を…」
高木「…………………」
志村「…………………」
北野「…………………」
出木杉「…………………」
碇矢先生「おい。なんだ??その四角い物体は…??」
北野「いや、えと、あの、その……」
高木「あ、先生お疲れ様です。僕達、今から普通に寝るところだったんですよ」
志村「そうですそうです。そしたら、北野君がいきなりゲーム機を見せつけてきて…」
北野「おいテメエら!!さっきまでノリノリだったじゃねえか!!」
志村「これすごいだろー??とか見せてきたんですよ。俺達は注意したんですけどね??」
高木「そうですそうです。「北野、そういうの良くないよー?」って何度も言ったんですけど…」
北野「噓ばっかついてんじゃねえ!!」
出木杉「速攻で売りやがった!?最低だよコイツら!!」
志村「俺達、めちゃくちゃ止めたんですよ。流石にやめた方がいいって。でも言うこと聞かなくて…」
高木「そうですそうです。僕達の必死の制止も聞く耳持たず、「俺は絶対ゲームをするんだ!!」って言い張って…」
出木杉「よくそんな次々と噓が口から出てくるな!?」
北野「コイツら噓つきです!!めちゃくちゃゲームやりたがってました!!」
志村「言ってないです!!俺達、全然やりたくなかったのに、無理矢理ゲームに誘われました!!」
北野「そんなわけあるか!!てか無理矢理誘うって何!?」
高木「そうですそうです。「ゲーム一緒にやらなきゃ殺す」って脅されました!!」
出木杉「もう少しまともな噓をつけや!!」
碇矢先生「ハイハイもういい…まったく、こんな夜中にギャーギャー騒ぐんじゃない」
高木「先生!!わかってくれましたか!?」
志村「俺は何も悪くないんです!!巻き込まれただけなんです!!」
出木杉「一番テンション上がってただろうが!!」
北野「このクズもノリノリでした!!てかこのスイッチ、コイツのです!!」
志村「はあ!?テメエのだろうが!!」
北野「いーや!!俺は知らん!!お前のだ!!」
志村「俺も知らん!!出木杉のだ!!」
出木杉「いーや高木君のだと思う!!」
高木「なんだと!?これは北野が持ってきたんだ!!俺は知らん!!」
碇矢先生「わが生徒ながら、なんて醜い争いなんだ…見てて悲しくなってくる…」
志村「人のせいにすんなクズ!!」
北野「お前が言うな!!」
高木「黙れゴミ野郎!!」
出木杉「うるせーバカ!!」
碇矢先生「やかましい!!静かにしろと言っただろうがバカども!!」
高木「…………………」
志村「…………………」
北野「…………………」
出木杉「…………………」
碇矢先生「誰のかは知らんが、まず没収だ。それから、全員廊下で正座しろ」
高木・志村・北野・出木杉「「「「えええええええええ!?!?!?!?」」」」
志村「なんで俺も!?」
出木杉「それはこっちのセリフだ!!」
高木「北野だけでいいだろ!!」
北野「なんでだよ!!お前がやれ!!」
碇矢先生「やかましい!!連帯責任だ!!全員座れ!!」
高木・志村・北野・出木杉「「「「はーーーーい……」」」」
碇矢先生「おい、ところで加藤はどうした??」
高木「さあ?俺達は知らないです」
志村「まだ風呂じゃないですか?(笑)」
碇矢先生「そんなわけあるか!!」
高木・志村((加藤…浜田への愛の告白、頑張れよ!!))
果たして加藤は、浜田の部屋にたどり着けるのか!?
~続く~




