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消しゴムを巡る(醜い)争い

前々作「これでも高校生ですが、何か?」

https://ncode.syosetu.com/n5676hj/

前作「これでも高校生ですが、何か??」

https://ncode.syosetu.com/n2404ih/

もございます!

まだ読んでいない方は、ぜひそちらもどうぞ!

~授業中~


志村「おい加藤。今日消しゴム貸してくれ」


加藤「はあ??自分の使えよ」


志村「昨日なくした(笑)」


加藤「しょーがねーな(笑) ほらよ」


志村「サンキュー」


~次の日~


志村「加藤。今日も消しゴム貸してくれ」


加藤「はあ??またかよ(笑) 早く買えよ(笑)」


志村「おけおけ。再来週くらいには買う」


加藤「今日中に買いやがれ!!」


~次の日~


志村「加藤。消しゴム貸しt」

加藤「買えって言ってんだろーが!!」


志村「うわ!!ビックリした…」


加藤「早く買えよ!!何してんだ!?」


志村「いーじゃねえか消しゴムくらい(笑)」


加藤「1つしかねえんだから、毎日貸すのめんどくせえんだよ!!」


志村「まあまあいーじゃねえか(笑)」


加藤「いや、もう貸さん。さっさと買え」


志村「ケチくせ~~聞きました?高木さん。この人、消しゴムすら貸してくれないらしいっすよ??」


高木「それは流石に志村並にケチ臭いぞ。加藤(笑)」


志村「ホントそれな~マジで同級生として恥ずかしいわ(笑)」


加藤「お前もバカにされてるけどいいのか!?」


志村「俺にとって「ケチ臭い」は悪口じゃねえ!!」


加藤「すげえメンタルだ!!」


高木「でもまあ、消しゴムくらいさっさと買えよ(笑) 毎日使うし」


志村「いや。毎日加藤に借りるからいいや」


加藤「ついに本性を現しやがったなコイツ!?」


志村「だって、消しゴム1個70円くらいするんだぜ?その金があればラーメン食えるじゃん(笑)」


加藤「食えねーわ!!ラーメンなめんな!!」


高木「カップラーメンも買えねえわ(笑)」


志村「だから俺は、一生加藤に借りて生きていく」


加藤「とんでもねえクズだな!?金取るぞ!?」


志村「ひでえ!!」


加藤「ひでえのはお前だ!!」


志村「ほんとクソドケチだな…消しゴムすら貸してくれないなんて…」


加藤「消しゴムすら買おうとしないてめえがケチとかほざくな!!」


志村「あーマジでないわーホントドケチ加藤だわー」


加藤「あーはいはい。じゃあ他の人から借りな」


志村「じゃ、高木貸しt」

高木「さっさと買えカス」


~放課後~


志村「まったく、思わぬ出費だわ…どれだけ小さくても70円もするじゃん…」


志村「あいつらホント、消しゴムくらい貸してくれよ。逆の立場だったら俺毎日貸してあげるのになー。ホントケチ臭い奴らだぜ…」


志村「うん??なんだこれ??「スーパーハイパードデカ消しゴム」??世界最大。筆箱にも入らない縦1m×横1m×高さ1mの超巨大サイズ…だと??」


志村「しかも「売れ残りすぎてしんどいセール」で1個100円だと!?買いだ!!」


~次の日~


志村「というわけで、衝動買いしてしまった(笑)」


高木「今すぐ返してこい(笑)」


志村「なんで!?」


加藤「なんでじゃねーよ!!邪魔過ぎるだろ!?」


志村「いーじゃん。でかいから使いやすいし」


加藤「使いにくいんだよ!!どー考えても」


高木「しかもお前のカバン、消しゴムでパンパンじゃねえか(笑)」


志村「これ以外入らなかった(笑)」


加藤「(笑)じゃねーわ!!教材どーすんだ!?」


志村「加藤貸してくれ(笑)」


加藤「くたばれ!!」


志村「いーじゃねえか。俺は覚えてるぞ??確か2ヶ月前、お前に消しゴム貸してやっただろ??あの時の恩を今返してもらおう」


加藤「もう昨日までで返したわボケエ!!なんならお釣りが欲しいくらいだわ!!」


高木「てかどんだけ細かいこと覚えてんだよ…(笑)」


志村「俺が与えた恩は、全てこの「恩返させるノート」に記録してある」


加藤「恩返させるノート!?」


高木「え?もらった恩は?(笑)」


志村「一切記録してない!!(ドヤ顔)」


加藤「ドヤ顔で言うな!!ただのクズじゃねえか!!」


高木「お前、人からもらった恩の方が多い癖に…なんてドケチな奴…(笑)」


志村「さてと、噂の巨大消しゴムを出すか。よいしょ…」


ドスン!!


志村「しかしマジでこれ重くて使いにくいな…誰が買うんだ?」


加藤「だから売れ残ってたんだよ(笑)」


高木「小さくすれば??ハサミとかで切って」


志村「お前は天才だ!!」


加藤「…………………」


高木「…………………」


志村「…………………」


加藤「いや、何してんの??早く切れよ」


志村「ハサミ貸してくれ(笑)」


加藤・高木「「嫌だ」」




志村「まったくよー、ハサミくらいすぐ貸してくれよ。減るもんじゃねえんだから(笑)」


加藤「お前に貸してもいいことねえんだもん」


高木「それな。恩を仇で返すクズだからな」


志村「さっきのはジョーダンだって、ジョーダン!!お前らから受けた恩は、ちゃんと覚えてるって!!(笑)」


加藤「例えば??」


志村「えーーーーーっと、あーーーーーー…」


志村「まあとりあえず、消しゴム切ろう」


加藤「話そらすな!!」


加藤「お前は先月もシャーペンの芯をねだってきて、3週間前はノート1枚くれとか言って俺のルーズリーフを持って行って、2週間前はセロハンテープ貸してくれとか言って、先週はまたシャーペンの芯をたかりに来て、そして今週は消しゴムを3日連続で借りやがった。全く、こんだけ恩を受けといて、忘れるとかマジでねえわーー」


高木「…………………」


志村「…………………」


加藤「…なんだよ??」


高木「いや、よく覚えてるなーって(笑) そんな細かいこと(笑)」


志村「お前こそ、与えた恩をガチでメモってるんじゃないのか?(笑)」


加藤「ち、ちちちちちげーし!!た、たまたま覚えてただけだし!!」


志村「それにしたって覚えすぎだろ(笑) しかもでかい恩とかならまだしも、シャーペンとかノートとか小さすぎるだろ(笑)」


加藤「うるせえ!!恩を受けた側は黙っとけ!!」


高木「いやそれにしたってミミッちいわ(笑)」


加藤「うるせえぞ高木!!志村が「ごつ盛り」を1口もくれないだけでブチ切れてたくせによお!!」(※第1部 3話参照)


高木「やめろ!!あの時は今までの蓄積が爆発しただけだ!!」


加藤「同じだよ。お前もドケチだ(笑)」


高木「うっせえ!!」


志村「まったく。お前らはホント、惨めなくらいケチ臭いなー(笑)」


加藤・高木「「テメエだけには言われたくねえ!!」」


志村「よし、とりあえず消しゴム切ろう」


加藤「てめえ!!俺のハサミを勝手に使うんじゃねえ!!」


志村「ムギギギギギギ…超かってえ、なんだこれ…」


ボキ!!(ハサミが)


ポトン


志村「え?」


高木「え?」


加藤「え?俺のハサミ…」


志村「…………………」


高木「…………………」


加藤「…………………」


志村「ちょっと、トイレ行ってくるわ!!」


加藤「待てゴルア。ハサミ代払え」


志村「いや??あいにく今持ち合わせがなくて…(笑)」


加藤「じゃあてめえの臓器で払えやあアアアアア!!」


志村「どこのヤ◯ザ!?」




高木「しかしこの消しゴム、硬すぎるだろ…」


志村「ヤベエなマジで…」


加藤「志村これ、マジでどこで買ったの!?」


志村「いや、近所の文房具店」


加藤「硬すぎて人殺せるレベルだぞこれ…」


志村「まあしゃーない。でかいまま使うしかねえか」


加藤「そもそも使えるのか!?」


志村「おう。ちょっとそっち持ってて」


加藤「ああ」


志村「せーので前後に動かすぞ」


加藤「おけ」


志村「せーの」


ゴシゴシゴシゴシ


加藤「よし。消せた」


志村「いや、ダル!!」


加藤「こんなの一々やってられっか!!」


志村「お前ら、授業中に協力頼むわ」


加藤「死んでも断る」


碇矢先生「おい志村。なんだその消しゴムは。邪魔だからしまえ」


志村「でも先生。これをしまってしまうと、僕は消せるものが無いですよ??」


碇矢先生「それなら隣の席から借りればいいだろ。おい加藤。消しゴム貸してやれ」


加藤「ええ!?」


碇矢先生「なんだ??」


加藤「い、いえ…」


志村「ニヤニヤ」


加藤「ウッザ!!」


志村(結局お前から借りることになったな(笑))


加藤(うるさ!!てめえマジで金払えよ)


志村(はあ??なんでだよ。俺はちゃんとお前の言う通り、消しゴム買ったんだよ。でもあの碇矢のバカがあの超巨大消しゴムを認めねえから、仕方なくお前の消しゴムを使うことになったんだ。だからこれはノーカウントなんだよ(ドヤ顔))


加藤(グヌヌ…このクズ、屁理屈ばっか言いやがって…マジで覚えてやがれ…)


~放課後~


志村「あああああああああああ!!」


加藤「なんだよ急に…」


高木「うるせえな…」


志村「俺の、超巨大消しゴムが…」


加藤「は?」


高木「どうした?」


志村「1ミリ削れてる!!」


加藤・高木「「は??」」


志村「いやだから、1ミリ削れてるんだよ!!俺の命よりも大切なハイパー消しゴムが!!」


加藤「お前、いつの間にそんな愛着湧いてたの!?」


高木「で、それがどーしたの?」


志村「だから1ミリ削れてるんだって!!誰かが俺の許可なく勝手にこの消しゴムを使ったんだ!!そうに違いねえ!!絶対に許さねえ、10万円払わせる!!」


高木「落ち着け。罪が重すぎる」


志村「無断で人の消しゴムを使うとか…絶対許さねえ…」


加藤「テメエが言うな!!」


高木「てかどんだけキレてんだコイツ!?たかだかちょっと削れてるだけだろ!?」


志村「さっきも言ったろ!?この消しゴムは、俺の命よりも重いんだよ!!だからこれには、俺の臓器レベルの価値があるんだ!!」


加藤「志村の臓器レベル…?」


高木「ならゴミクズ以下じゃん(笑)」


志村「何だとゴルア!!」


加藤「いやだって…お前の臓器、「ごつ盛り」に汚染されてるじゃん」


志村「汚染!?」


加藤「あんだけ毎日ごつ盛り食べてたら、お前の体はもうごつ盛りだらけだ。そんな奴の臓器なんて、死んでもいらんわ(笑)」


志村「ぶっ〇す!!」


加藤「こっちのセリフじゃボケエ!!」


ドカバキボカスカ


高木「で、恒例の犯人探しはしなくていいの??(笑)」


志村「は!?そうだった、消しゴムの犯人を見つけねえと!!」


加藤「大袈裟か。こんなもん犯人もクソもねえだろ(笑)」


高木「それな、どっかに落として削れただけだろ(笑)」


志村「いーや違う!!これはどっからどう見ても犯罪だ!!」


加藤「どこをどう見たらそうなる!?」


志村「俺以外の奴の指紋を発見した」


加藤「警察か!!」


高木「じゃ、俺部活行くわ(笑)」


加藤「あ、じゃあ俺も」


志村「てめえは俺と同じ部活だろうが。今日はないこと知ってんだよ(笑)」


加藤「い、いや、俺だけ特別メニューであるんだよ…」


志村「あーそう。下手くそすぎて??(笑)」


加藤「誰が下手くそだゴルア!!そんなもんあるわけねだろ!?」


加藤「あ……」


志村「はい。暇人確定な(笑)」


加藤「家の用事思い出した。じゃあな」


志村「薄情者か!?加藤、俺達は親友だろ!?」


加藤「親友だ親友だってしつこくほざく奴は、親友じゃない確率90%らしいぞ?(笑)」


志村「じゃあ、「親友じゃない」ってほざく奴は!?」


加藤「知るか!!ただの他人だそれは!!」


加藤「…てかお前、マジで1ミリごときでうるさすぎ(笑) どうでもいいだろ??」


志村「犯人を見過ごせっていうのか!?」


加藤「そんな大袈裟な話じゃねえよ!!」


志村「まあいいから加藤、俺と一緒に見張るぞ!!」


加藤「はあ!?絶対に嫌だ!!」


志村「なんでだよ!?」


加藤「わかるだろ!?こんな不毛な時間がこの世にあるか!!なんで他人のどーーでもいい消しゴムを見張ってなきゃいけねえんだよ!!誰も盗まねえよ!!こんなもん!!」


志村「現に盗まれたじゃねえか!!」


加藤「1ミリ削れただけじゃねえか!!」


志村「「志村の1ミリ」舐めんじゃねえ!!」


加藤「なんだそれ!?ただのドケチじゃねえか!!」


志村「しっ!!」


加藤「!?!?」


志村「誰か来た…」


加藤「マジで!?」


志村「…………………」


加藤「…………………」


志村「…………………」


??「コソコソ」


志村「はい、逮捕~~!!」


??「え…??はああ??」


志村「お前、今俺の消しゴム盗もうとしただろ?」


??「してねーし、いらねーわこんなバカデカ消しゴム!!」


加藤「うん。まさしくド正論。」


志村「じゃあ、指紋を取らせてくれ。」


??「え?」


加藤「は?」


志村「この消しゴムについてた指紋とお前の指紋を照合する」


加藤「だから警察か!!」


志村「さあ、大人しく自白しろ!!」


加藤「アンタ、もうこんな茶番劇に付き合わなくていいから。もうさっさとどっか行きな(笑)」


??「…………………」


加藤「??どーした??」


??「すびばせんでした!!俺がやりました!!1ミリ削りました!!」


加藤「…え??」


志村「うむ。認めればよろしい」


加藤「は??え??」


志村「お前の名前は?」


??「三苫です…」


加藤「三苫の1ミリ!?」


三苫「本当に、俺、その消しゴムが死ぬほど欲しかったんです…世界に100個しかない、その超巨大消しゴム。使う人がいなさ過ぎて一瞬で販売停止になった幻の消しゴム。消しゴムマニアの間では、とても有名なんです。」


加藤「ちょ、マ、マジで!?噓でしょ!?頭が追いつかない…」


志村「まあそんなこったろうと思ったぜ。まったく。俺の命よりも大切な超ハイパー巨大消しゴムに無断で触りやがって。俺に言ってくれれば、いくらでも触らせてやるのによ…」


三苫「し、志村さん!!」


加藤「もうわけわかめ」


志村「じゃあ、素直に話してもらおうか。」


三苫「実は、俺はあの消しゴムを長年追ってたんだ。中高生活を捨てて10年探し回ってた…」


加藤「そんな価値ねーわ!!売れ残ってて1個100円だぞ!?」


三苫「そんな時に、この高校であの伝説の消しゴムを持ってる人がいる、と聞いて、いてもたってもいられず、見に行ったんだ…」


加藤「てか何年前からあるのあれ!?」


三苫「で、いざその消しゴムを目の前にすると…不思議な魔力に憑りつかれてしまって…ついつい1ミリ削ってしまったんだ!!盗む気はなかった!!本当さ!!」


志村「…………………」


加藤「こんなダサい三苫の1ミリ、嫌すぎる…」


三苫「こうやって、毎日消しゴムに触れ合うだけで、俺は良かったんだ。それで幸せだったんだ…」


加藤「何がコイツをこうさせるんだ…??」


三苫「ホントは自分の手元に欲しいけど…」


志村「まあな、コイツはもはや俺と一心同体だからな。簡単にはあげられん。なんたって俺の命より大事な物だからな!!」


加藤「今日何回言ったんだそれ!?」


三苫「そうだよな…10万円ごときじゃ、売ってくれないよな…」


志村「仕方ねえな。そんなに欲しいって言うなら、いいよ。やるよ。」


加藤「心変わりはえーなオイ!!」


~完~

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