里奈
俺は、あの後、少し有名になった。
なぜなら、俺と【悪の魔道士】の戦いをスマホで撮っていた奴がおり、そいつが勝手にネットに載っけたからだ。
中学生が、【悪の魔道士】に勝てたなんて話しは今まで一度も無く、そのせいで注目されることとなった。
後、あの【悪の魔道士】は、【魔道士】に追われており、人質をとるために学校に来たらしい。
「こういち~! もう起きなさ~い!」
今世の母が、俺を起こすために大きな声を出している。
はぁ~。起きるか。今日は土曜日だからもう少し寝てたいが。
俺は、起きて部屋から出て、母のところに行った。
「おはよう、浩一!」
「ああ」
(ああ! おはよう、母さん!!)
「おはよう、浩一」
「ああ」
(ああ! おはよう、父さん!!)
「お兄ちゃん! おはよ~」
「里奈可愛いな」
(ああ! おはよう、里奈!! 相変わらず可愛い服を着てるな。おしゃれさんめ!!)
「もう、お兄ちゃんたら……。朝からいきなり可愛いだなんて……」
何か里奈がブツブツ言っているな? どうしたのだろうか?
「浩一、朝の挨拶はちゃんとしなさい」
と今世の父が俺に言った。
「分かった」
(挨拶はしたが? まぁよく分からないが、分かった。)
俺の家族構成は父と母、妹の里奈と俺の四人家族だ。
父の名前は一ノ瀬良文と言って、職業は【魔道士】をしている。
父の魔法は、紫電魔法で、紫の雷を使うことができるのだ。
【魔道士】順位は、509位だ。
母の名前は一ノ瀬美枝と言い、職業は、母も【魔道士】だ。
母の魔法は、白炎魔法で、白い炎を使うことができる。
【魔道士】順位は、987位だ。
妹の名前は一ノ瀬里奈と言い、中学校一年生だ。
里奈は、魔法が使えない。
魔法は、【魔道士】と【魔道士】との子どもなら使える可能性が、一般の家庭よりも高いのだ。
だから俺の家は四人中三人も魔法が使えるのだ。
まぁ、使える可能性が高いだけで絶対ではないため妹の里奈は、使えないのだ。
「さぁ、もうすぐ朝ごはんだから支度しなさい!」
俺は、支度を始めた。
支度を終え、朝ごはんを食べ始める。
「お父さんとお母さんは今日【魔道士の戦い】はあるの?」
「ないぞ」
「私もないわ」
「分かった。じゃあ今日は、ずっと家にいるの?」
「ああ、父さんも母さんもそのつもりだ」
「分かった。はぁ~、やっぱり羨ましいなぁ~魔法が使えるの。私も使ってみたかった!!」
「強化しようか?」
(魔法を、使わせてあげることはできないけど、強化をすることはできるから、強化しようか?)
「ど、どういうこと?」
「〈身体能力強化〉」
(あれ、分からなかった? だから、俺の魔法なら、魔法使い気分になれるんじゃないかな? 〈身体能力強化〉とか!)
「なるほど、浩一の魔法で里奈の身体能力を強化しようということか?」
「そう」
(そうだよ!!)
「本当にいいのお兄ちゃん?」
「ああ」
ああ、いいよ里奈!!
「ありがとう、お兄ちゃん大好き!!」
「すごい嬉しい」
(おお!! 里奈がすごい喜んでくれている!! こんなに喜んでくれるとやっぱり嬉しいな!!)
「そ、そんなに嬉しいの……。じゃ、じゃあもう一回……。お兄ちゃん大好き……」
「よかった」
(うん? 何で二回言った? まぁそれだけ喜んでくれてるってことだよね!! そんなに喜んでくれるならよかったよ!!)
「うう……。は、恥ずかしい……」
「はぁ~朝から何をやってるんだ。まぁいい、やっぱり浩一の魔法はすごいな」
「そうよねぇ~、強化魔法って万能よねぇ~」
「ああ、さすがは、【悪の魔道士】を倒した魔法だ」
まぁ、たしかに強化魔法は万能だな!! 大体なんでも強化できるし。
「いいわよねぇ~強化魔法。私の魔法は、白い炎を操るだけだから」
「そうだな、俺も紫の雷を操るだけだからな。浩一のようになんでも出来る魔法は羨ましいよ」
「ありがとう」
(おお! 俺の魔法がすごい褒められてる!! なんか嬉しいなありがとう!!)
「浩一は、本当に口数が少ないな」
「そうねぇ~」
うん? 口数が少ない?
俺たちは、朝ごはんを食べ終わった。
「ねぇお兄ちゃん!! 私のこと強化して!!」
と、里奈が言うので庭に出て強化をすることにした。
「〈強化〉」
(うん分かった。〈身体能力強化〉!!)
「わあ!! すごい!! すごい!!」
と、言いながら里奈がジャンプをしている。
うん、そんなに喜んでくれるならもっと早く強化してあげればよかった。
その後、数十分ほど里奈は、強化魔法で遊んでいた。
「あぁ~楽しかったぁ~。ありがとうお兄ちゃん!!」
と、里奈が満面の笑みで俺にそう言った。
「可愛いな里奈」
(やっぱり、妹は可愛いものだな。里奈がそんなに喜んでくれるなら俺の方こそ嬉しいよ。)
「もう……。い、行くよお兄ちゃん……」
と、里奈は俺の腕を掴みながら家の中に入っていった。
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