第五話 女神の加護、その力
こんにちは。
突如現れた光り輝く謎の女性!
果たしてその正体は!
フーリの賄賂に釣られた辺りで丸わかりですが!
正体はこの後すぐ!
それでは第五話「女神の加護、その力」お楽しみください。
「女神、貴様なぜここに」
沈黙をやぶったのは、魔王の重々しい声だった。
「光と闇の最後の戦いを見届けに」
女神が真剣な声で答える。
両者の間に張り詰めた空気が流れ、
「……な~んちゃって☆」
『!?』
突如として叩き壊される。
「闇ちゃんが人間の赤ちゃんとバブバブしてるなんて聞いたら来ない訳ないじゃなーい!」
「……女神、貴様……」
あまりの空気の変わりように、キュアリとフーリは目を白黒させる。
「あの、ミライト様ー! この方、本当に……?」
キュアリの問いに、魔王の傍のミライトは深い溜息と共に答える。
「……そうだよ。光を司る女神だよ。その人の神託、疲れんだ……」
「えぇ……」
「嘘だろう……? 文献で読んだ女神様はもっと神々しくて……」
「意外」
そんな勇者側の空気など気にせず、女神は魔王と勇者に無遠慮に近付く。
「あのひねくれ者の闇ちゃんが子育てだなんて、どういう風の吹き回し?」
「昔の名で呼ぶな。あとペチペチ叩くのをやめろ」
神と呼ぶにはあまりな軽さに、フーリは愕然と呟く。
「何故あんな……、あの方の加護で赤ん坊が懐くのだ?」
「んふふ~、それはね~?」
「……! いつの間に……」
常に冷静なナクルが表情を変えた。
それ程女神の移動は突然だった。
「私の加護はね、人の心の光を灯すの」
「光を、灯す……?」
キュアリが首を傾げる。
「私が加護を与えた人は、灯りがただ光るだけで夜の闇を払うように、ただいるだけで、周りの人に力を与える存在になるの~。凄いでしょ?」
「……成程。それがミライトの魅力の秘密か……!」
フーリの納得に、軽く首を傾げる女神。
「ん~、あの赤ちゃんみたいに『何か良く分からないけどこの人好き』位ならそうだけど、その先は勇者ちゃんの頑張りよ。私の加護は最初のきっかけを、ちょっぴり助けてるだけ」
「加護と努力あってのミライトの希望の力という事?」
ナクルの言葉に、女神は我が意を得たりと頷く。
「そう! だから勇者ちゃんに寄せる想いも、加護じゃなくて心の真実よん☆」
女神が言葉と共に向けたウインクに、
「……っ!」
キュアリは赤面し、
「~~っ!」
フーリは爆発し、
「……」
ナクルは特に表情を変えない。
「あ、あの、女神様、ミライト様は、尊敬してはいますけど、その……!」
「わっ私達はあくまで仲間として共にいるのであって確かにミライトに頼りになるなぁとか格好良いなぁと思う事は多々ありますがそういうのは魔王を倒した後にと決めておりましてその」
「これだけの好意をミライトが自覚していない現状が奇跡」
女性陣の小声の大騒ぎに、ミライトが首を巡らす。
「ん? 何か俺の話っぽい?」
話に入ろうとしたミライトは、
「だーぅだーぅ!」
「おーおー、何だ? ぐるぐるか? そぉれぐるぐるぐるー」
「きゃーぅきゃーぅ!」
「……貴様馴染み過ぎだろう」
「何か慣れると楽しいな、この子の相手」
期せずして赤ん坊によって阻止された。
読了ありがとうございます。
ハイハイ前の赤ん坊は自ら動けないので、高い高いやグルグルは凄く喜びます。勿論首が据わってからの話ですが。
ただ喜ぶからとやり過ぎると危険です。主に大人の腰が。
それと腕や足は関節が抜けやすいので、必ず体幹を持った状態で行いましょう。
それでは次話もよろしくお願いいたします。