第十五話 作戦会議
こんばんは。
ミライトの意思を知った四人!
別れの意思を変えさせるべく、思いは一つに!
一人だけ違う理由の神がいますけど!
ミライトの意思を変える事はできるのか!
それでは第十五話「作戦会議」お楽しみください。
翌日昼。
「洗濯終わりましたっ!」
畳んだ洗濯物を抱えたキュアリ。
「料理の仕込みもばっちりだ!」
エプロンを着けたままのフーリ。
「掃除と風呂の支度、完了」
頭に巻いたタオルを解くナクル。
「……ぅゅ……」
「……普段の皆の助けの大きさを感じた……」
レイを抱っこしながらげっそりしているナイク。
「人間になった今、一人でレイちゃんの相手はちょっとキツかったみたいねー」
「あ、女神様、お帰りなさい」
いつものように突然現れる女神。
「これで皆揃ったな。ナクル、今日はミライトはどれくらいに帰ると言っていた?」
「時間は聞いていないけれど、午前が移動魔法での輸送、午後が木材の切り出しと運搬だと言っていた」
「ふむ、なら日が暮れるまでは帰って来ぬな」
ナイクが眠るレイの頭を撫でながら頷く。
「相変わらずよく働くわねぇ」
「昨日の話は、それが負担になっているからでしょうか……?」
「そんな様子はない、と思うけどな……」
「それなら私達が働けばいいだけ」
「負担の軽減にはそうせねばなるまい」
負担と聞いて、四人の言葉に力がこもる。
「じゃあ私、レイちゃんがもうちょっと大きくなったら、教会のお仕事手伝いに行きます!」
「私も子どもに勉強を教えに行ったりできるぞ!」
「掃除と力仕事なら任せて」
「……我も何か人の仕事を覚えねばな」
「ノンノン。本質はそこじゃないわ」
『えっ?』
女神の指摘に全員が振り返る。
「ミライトちゃんに『ここに帰りたい』という気持ちがなければ、皆が働けるという事実は『俺が居なくても何とかなるか』ってなるわ」
「そ、それは困ります!」
「つまりミライトの気持ちをこの家に向けさせなければ逆効果、という事ですね?」
「ならばどうしたら」
「女神よ、策はあるのか?」
「題して『女の武器でイチコロ大・作・戦☆』よ!」
女神の胸を張った作戦名に、
「……何故か大失敗しそうな空気を感じる」
ナイクの指摘はあまりにも的確であった。
「……みぃ……」
レイは何も知らず、お昼寝のまどろみの中でミライトの名を呼んでいた。
読了ありがとうございます。
溺れる者は藁をも掴む……。
フラグは立ってしまった……。
もはやシリアスの居場所はどこにもないのかも知れない。
シリアス「コメディーだからって、何でも許されると思っているのかー!」
思ってます。
それでは次話もよろしくお願いいたします。




