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第一話 魔王の腕に抱かれたもの

またも新たな連載を始めてしまいました。

でも今度はちゃんと最後まで出来ていますので大丈夫、なはず。


四月の小心騎士続編投稿までには完結させるつもりなので、一日に二話か三話投稿になるかと思います。

七、八年前に書いたSSの書き直しなので、あまり期待せずにお読みください。

 魔王の玉座の間。

 勇者ミライト、武闘家ナクル、僧侶キュアリ、賢者フーリの四人は、黒いもやに包まれた魔王と対峙していた。


「光の加護を受けし勇者よ! 闇に溺れ絶望し、我が糧となり滅びるがいい!」

「黙れ! 滅びるのはお前だ!」


 ミライトの手にした宝玉から眩い光が放たれる!


「どうだ魔王!」


 ミライトの叫びに、黒いもやを失った魔王は、顔を覆った手を下ろし不敵に笑う。


「ほほう……。光の宝玉か。我が闇のバリアを貫く程とはな……」


 場を包む音楽が勇壮な物に切り替わる!


「しかし無駄な事……。さあ、我が腕で絶望に包み込んでくれよう!」

「よし止めろ一旦止めろ」


 ミライトの言葉に魔王が、そして勇壮な音楽が止まる。


「何故止める? 我がバリアを破っておきながら……」


 魔王の不満に、ミライトは頭をぼりぼりと掻く。


「うん悪い。ただ戦う前に一個だけ聞かせてくれ」

われが世界を絶望に沈めようとする理由か?」

「それよりも、その腕の中で、どー見ても絶望に包み込まれていないそいつは何だ?」


 魔王を包んでいた黒いもやが晴れた後、その腕の中には、


「だーっ」

「かわいー!」


 無邪気に笑う赤ん坊の姿。

 戦いの場であるにも関わらず、キュアリは歓声を上げた。


「貴様等人間の幼体だ。赤ん坊というのだが知らないのか?」

「疑問はそこじゃねぇ! 何で魔王のお前が人間の赤ん坊抱っこしてんだよ!」

「……話せば長くなるが」

「話せ。聞かないと戦うに戦えない」


 ミライトに促され、魔王は赤ん坊を揺すりながら話を始めた。


「我が食糧は人の絶望。ある日絶望を食らうべく近くの村へ示威行為に出たところ、怯えた人間共がこの赤ん坊を貢ぎ物として差し出してきたのだ」

「赤ん坊を生贄いけにえに!? 何て酷い……!」


 怒りを隠そうとしないフーリの呟きに、三人は沈痛な面持ちで頷いた。


「だが我々は人を食わん。絶望によって人から出たエネルギーを食らうのだ」

「ならば受け取らなければ良かったのに。生贄を拒否されたとあれば、絶望も深まったのでは」

「我も退屈していたからな。人間のする『家畜』というものを試してみようかと思い、こいつの食事や衣服など必要なものを差し出させ、城へと連れ帰った」


 沈着なナクルの言葉に、魔王は事もなげに答える。


「しかし城に連れ帰ったはいいが、こいつ全く絶望を吐き出さん」

「え、泣いたりしないんですか?」


 キュアリの問いに、魔王は首を横に振る。


「空腹になったり排泄したり眠くなったりすれば泣きはするが、絶望とは程遠い生への渇望だ」

「成程、赤ん坊に希望も絶望もないものなぁ……」


 腕を組み、納得するフーリ。

 

「絶望は寄越さんくせに、要求が通らねば城中に響く声で泣き喚く。部下共がへたばる始末だ」

「ならばすぐに返すべき」


 ナクルの平坦な声に、魔王は再び首を振る。


「そう思って村に行ったらもぬけの殻であった」

「そりゃ逃げるか……」


 呆れたようにミライトは言うが、一般人が魔王の脅威にさらされて、立ち向かえと言う方が無理だろう。


「やむなく連れ帰ったが、部下は皆使い物にならない上、抱っこしていないと機嫌が悪くてな……」

「敵に出会わないから罠を疑っていたが、そんな理由で……」


 フーリが感嘆とも嘆息とも言えない息を吐く。


「説明は以上だ! ゆくぞ勇者よ!」


 魔王の宣言と共に、再び勇壮な音楽が鳴り響く!


「いやだから待て止めろアホか」


 ミライトの言葉で再び魔王と音楽が止まる。


「あー?」


 無音の空間に、赤ん坊の間延びした声が響いた。

読了ありがとうございます。


さて私の作品史上最も一度に出てくる人数が多いので、キャラの名前と性別を。


勇者ミライト(男):未来とライト(光)から

武闘家ナクル(女):ナックル(拳)とクール(冷静)から

僧侶キュアリ(女):キュア(治癒)とフェアリー(妖精)から

賢者フーリ (女):元遊び人なのでフール(愚者)とフリー(自由)から


ハーレムパーティーですね。

おのれ勇者め!


第一話にして、シリアスが死にましたが、その内生き返りますのでご安心を。


次話もよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] さしもの魔王様も泣く子には勝てませんでしたか(笑) もふもふな部下さんとかいたら、ご機嫌になりそうな気もしますが、清潔にしてないと病気になるから駄目だとか魔王様言いそうですね。 [気になる…
[良い点] これはいきなり面白いですね! 続きが楽しみです!
[一言] ヤバイ(笑) 次のアイデア浮かんだのが魔王と勇者(笑) マジで被ったかと思った~~(笑) 世界の半分もあったら笑いますね。 勇者以外全部女とは許せん、覚悟はいいか?勇者!(怒)
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