第七話 スライムと訓練開始
今回はいつもより短い話となっています。
「茜知ってるか?」
「ん?何が?」
金曜日の放課後、茜と健は一緒に下校をしていた。登校はいつも一緒だが、下校は金曜日だけと決めている。その二人の姿を見て、周りの人からは「付き合っているのでは?」という疑いがかけられている。しかし、それを知っているのは健だけである。
「来週の土曜日にモンペアのイベントがあるんだって。」
「え?そうなの!?」
「まだ具体的なイベント内容は発表されてないんだけどな。」
「それじゃあ、今の内に強くなんないと…。」
「だから土日も一緒にモンペアやらない?」
「えっ?」
そんな言葉にドキッとする健。
「いや…やっぱりなんでも」
「いつもやるに決まってるじゃん。」
笑顔でそう言う茜に健は胸を撫で下ろした。
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翌日、15時から茜と健は落ち合い、経験値ダンジョンへと向かった。
ライムはレベル14となっている為、既に一人で二層に行けるほどにはなっていた。
「ふぅ〜そろそろ1時間経つかな?」
「あと10分くらいだね。急がなきゃ!」
ライムが群れていた残りのガルムを倒すと、嬉しい情報が流れてきた。
【ラスのレベルが60に上がりました。】
『ラスがスキル〈体当たり〉を獲得しました。』
「おぉ〜、ラスのスキルだ!」
スキルの書を除くと、初めてのスキルだった為、ライムはとても喜んだ。
「ライム!油断するなよ!!」
「そうだった…後で確認することにしよう。」
ライムは獲得したスキルについて少し考える。体当たりとはそのキャラ自身が敵に向かってぶつかっていく事である。
「今もモンスターに攻撃するの体当たりしてないかな?なんかスライムに対して適当じゃない!?」
ライムは運営に少し怒りを覚えたが、強いことを願ってモンスターを倒し続けた。
「今回も結構レベル上がったねぇ〜。」
「シンバは一向に上がらないけどな。」
「え〜。ラスは今回ので8レベルも上がったよ。やっぱりスライムは凄い!可愛い!」
それを聞いてケンは呆れるように「はいはい」と言う。
「それより、ラスのスキル確認しないと。」
「スライムのスキルがどんな感じなのかは俺も興味があるな。」
二人はラスのスキルを確認する。
〈体当たり〉
消費MP5
対象の敵一体に必ず攻撃を当てる。威力は通常攻撃と等しい。
「えっと…つまり通常攻撃とほぼ変わらないって事だよね?」
「う、うん。」
「運営の電話番号ってなんだっけ?早く教えて?」
「あ、はい!」
ライムの怒気押され、ケンはすぐにモンペアの運営の電話番号を教えた。
「ありがと。今日はもうログアウトするね。」
「お、おう。」
次の日、運営からスライムの上方修正が入ったとの連絡があった。
今回も読んでくださりありがとうございます!!
今回のいらない一点豆知識 茜の胸は小さい!
次回はイベントの大会が始まります!
ブクマ、評価 夜露死苦!!