第四十四話 スライムと作戦
二度あることは三度ある。
本当にすいません。次回は遅れないように気をつけます。
「えっと……皆は勝ちたいってことでいいんだよね?」
ライム、ケン、そしてワカバは三人で決勝戦への作戦会議(形式上)を開いていた。
「誰だって勝ちたいでしょ」
ライムは何を言っているの?といった顔をみせる。
「そうじゃなくって、だから三人で表彰台に立てたら万歳だなって思ったんだよね」
「そうだけど……どうやって?」
よく聞いたと言わんばかりにワカバが笑みを浮かべる。
「それはね、まぁ言ってしまえば協力みたいなもんかな」
ここまで言っても、ライムは頭の上にハテナマークを浮かべている。
ワカバは「わかった、わかった」と言って詳細を説明する。
ワカバの作戦
ライム、ケン、ワカバの三人で協力して相手を倒す。そして、この三人が残ったら、三人で本気の決闘を始める。 というわけだ。
「でもさ、それってルール的に大丈夫なの?」
ライムは内容を理解すると、新しく湧いてきた疑問を口にする。
それを聞いたケンは「それなら大丈夫だ」と言って話し始める。
「まず、考えてみろ。マークとレオンが決勝戦にいるんだ。あの二人が共闘しないと思うか?」
二人はそれはないと首を振る。
「だよな。それを運営もわかってるはずだ。だったら、俺らがやっていても、何もいえないはずだ」
ワカバは「その通り」と言って、ライムは「ほぉ〜」と感心している。
「それじゃあ、今日の作戦会議はこのくらいで。じゃあな」
「うん。ばいばい」
「またね」
ケンはライムに一人でダンジョンに行くと伝えて、一層のダンジョンにつくと、腰を下ろす。
理由は、考え事、言い換えると心の整理をする為である。
「アイツらを勝たせないとな」
ケンは運良く三人が残ったとしても、自分は勝てないことを自覚していた。
それだったら、ライムとワカバ、二人が勝てる確率を上げる動きをしようと思っていたのだ。
しかし、ライムやワカバはそれに気がつくはずもない。
「でも……」
大会前にライムが言った「二人で絶対に表彰台に乗ろうね」という言葉がケンの心に浮かび上がってくる。
今は三人になったが、ライムは三人で表彰台に乗りたいと思っているはずだ。その思いを諦めるような行為はライムの笑顔を守ることには繋がらず、逆に悲しませてしまうだろう。
「男が諦めてどうする! 気合を入れろ!」
ケンは自らに喝を入れると、ダンジョンの次の層へと歩み出した。
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「皆さん。遂にこの時が来ました。闘技場、決勝戦!!」
司会の言葉だけで多くの歓声があがる。
ブロックの時とは違い、全ての観戦者がこの大闘技場に集まる為、観客数は4倍近くにあがっている。
「緊張してきた……」
「ライムらしくないな」
「は? 私だって緊張くらいするよ」
ケンは作戦会議の序盤のライムのように何を言っているんだといった顔を見せる。その二人の様子をみてワカバはクスクス笑う。
決勝戦の参加者の名前が次々と呼ばれていく。
「この大会で名前を知らないものはいないだろう。ライム!!」
ライムはそれにあわせて観客席に手を振る。
すると、観客席からは他の参加者の時とか違い、「ガンバレー!」「期待してるぞー!」と言った声が聞こえてくる。
しかし、中には数人睨むような視線も混ざっている。
全員の名前を呼び終わり、レフェリーは参加者の全員の準備が終わるのを確認すると
「決勝戦、開始!!」
決勝戦、開始の合図を出した。
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