第四話 スライムと幼馴染
ラスのスキルを特殊スキルとさせて頂きました。
ライムとラスは隠しダンジョンのボスであるホブゴブリンを倒し、その報酬である宝箱からラスのスキル〈自由変化〉を獲得した。
「スキルの確認しよっと。」
そうして新しく獲得したスキルを確認しようとした時、ゲームの外から声が聞こえてきた。
「茜、もう寝なさいよ。」
その声の正体は茜の母親である。
スキルを確認する間も無く、急いで最初に見た村へと引き返し、ログアウトをした。
「うそっ、もうこんな時間じゃん!」
頭からVR機器を取り外し、時計を確認すると、時刻はもう22時30分を回っていた。ゲームを始めたのが9時なので、やり始めて既に1時間30分経っているということだ。茜はベットに横たわり、モンペアのことを考えているといつの間にか深い眠りについていた。
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「茜、おはよう〜!」
そう声をかけて来たのは幼馴染の佐藤健である。
「おはよう、健は今日も元気だね〜。」
「おうよっ!それよりさ、モンペアやった?」
「あれね、面白かったよ!今度一緒にやろっ!」
そう言うと、何故か健は顔を赤らめ、小さく頷いた
夜9時頃、昨日と同じようにログインを済ませ、予め聞いておいたユーザーIDを入力する。
「ユーザー名 ケンってそのままじゃん。」
笑いながらもフレンド申請を行うと、既に健もプレイしていたようで、すぐにフレンドが承認された。フレンドの居場所が分かる為、ライムはそこに向かおうとしたが…
「もう二層のダンジョン行ってるんだ、すごいなぁ…。」
ケンのレベルは既に17となっていて、二層に行くには十分なステータスがあるだろう。しかし、レベル10のライム一人で向かうのは少し腰が引ける為、ライムはフレンド通話をした。
「今、来たよ。こっちに合流できる?」
「ちょっと待ってて。後一体モンスター倒してから向かうわ。」
ライムは待っている間、ラスの新しく獲得したスキルについて知りたいと思い、スキルを確認した。
〈自由変化〉〔特殊スキル〕
消費MP100
お供のスライムが一度攻撃したモンスターに変化することが出来る。ステータス スキル その他全てがそのモンスターと等しくなる。一度使うと10分間そのモンスターに変化でき、自由に元に戻すことは出来るが、一度使うと1時間使えなくなる。
変化可能モンスター
ゴブリン
獲得条件
スキルの書
「え……想像より強いやつじゃない?」
一度攻撃するだけでいい為、例えばドラゴンに触れたらドラゴンに変化できるようになるというわけだ。しかし、欠点が無いわけではない。効果が10分間、そして使うと1時間使えなくなるなど、短期決戦のみにしか使うことはできない。更には、消費MPが100と、とても高くなっている。MPはスキルやポーションのみでしか回復出来ないため、使う場面は限られてくるだろう。
「特殊…スキル?なんだろ、これ。」
ライムは調べると、案外あっさりと分かった。
特殊スキル
特定のモンスターのみが獲得できるスキル
「これってスライムしか貰えないんだぁ〜なんか嬉しい。」
スライムに強いスキルがあったことに喜んでいるライムの元へ、ケンが到着する。既に装備をそこそこ揃えてあるのは凄いが、隣のモンスターのインパクトが強すぎた為、あまり目に入らなかった。
「あ、ごめんごめん。召喚したままだった。」
ライムが驚いていることに気づき、ケンはお供であるパンサーの召喚をやめた。パンサーは虎のような見た目をしており、背丈はライムと同じくらいである。
「お供パンサーにしたんだ。」
「一番強そうだったしね、男はロマンよ!」
ケンは偉そうにフフンと言うと、イベントダンジョンがある方角へと歩き出した。
「ちょ、何処行くの?」
「何処って、経験値ダンジョンに決まってるじゃん。まずは茜の、ごめんごめん、ライムのレベルを上げないと二層のダンジョンに一緒に行けないし…。」
ライムはケンに感心しつつ、二人で経験値ダンジョンを目指すことにした。
経験値ダンジョンへ向かっている道中で、周りを歩いていたユーザーの会話が耳に入った。
「聞いたか?一層のダンジョンで隠しダンジョンが発見されたんだってよ。ダンジョンの壁が触ると開く仕組みみたいだぞ。」
「マジか、凄いな。でもなんで壁なんて触るのかね。」
その会話を聞いて、ライムは少し嬉しみを感じていた。
「それだけじゃないぞ、昨日の22時過ぎくらいに、一層のダンジョンから少女の様な声が聞こえたらしい。」
それを聞いたライムは一瞬体が硬直した。そして、心に誓った。もう一層のダンジョンには行かないと。
経験値ダンジョンへと到達したライムとケン。経験値ダンジョンとは、通常のダンジョンと比べ2倍経験値を獲得することが出来るが、1日1時間しか入ることができないダンジョンのことである。
入る前に召喚をするライムとケンだが…
「やっぱりお前はスライムを選ぶよな。」
「レベル上げやすいし、何より可愛いじゃん!」
「レベル上げやすくても、ステータスは低いだろ。はぁ…。」
スライムを選んでいることに、呆れる様にため息をつくケン。幼馴染である健は茜が大のスライム好きと言うことを知っている為、スライムを選んでいることに然程驚きはしなかった。茜はアハハ、と頰を掻いた。そうして、経験値ダンジョンへと二人は入っていった。
経験値ダンジョンのモンスターは通常のダンジョンと変わらなかった。一層を越え二層へ行くと素早い毒蜘蛛、スピードも攻撃力も高いガルムなど、一層と比べ遙かに強いモンスターが襲って来た。ライムやラスだけでは倒されていたかもしれないが、ケンやそのペットであるシンバによるサポートのお陰で次々とモンスターを倒していった。
1時間があっという間に過ぎ、二人とそのお供二体は経験値ダンジョンから出てきた。
「ふぅ〜疲れたー!」
「だな。経験値もだいぶ増えたしな。シンバなんてもうレベル11だよ。ラスは今レベルどのくらい?」
「えっとね〜53かな。」
平然としているライムだったが、ケンは想像を絶するレベルの高さに驚愕し、大声を上げてしまっていた。
「「「はぁ〜??」」」
お忙しい中、今回も読んでくださりありがとうございます!!
土日のどちらかに5話も投稿する予定なので、それも見てくださると、嬉しいです。
3月1日
申し訳ないことに、投稿出来るのが、明日、あるいは明後日です。極力急いで書いています。本当にごめんなさい。