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第三十八話 スライムと二試合目

「アオバも勝てたんだ。良かった」


 アオバの勝利を知り、胸を撫で下ろすライム。


「でも……このまま勝ち続けるとアオバと勝負をしないといけないんだよね」

「そう、だね」


 二人の間に沈黙が生まれ、風の音が鮮明に聞こえる。


「でも、もし私が負けても敗者復活戦で決勝戦まで行くよ」

「敗者復活戦?」


 ライムは決勝戦に上がるのはブロック内での決勝の二人だと思っていた。


「うん。そこで勝てば一度負けていたとしても決勝戦に上がれるからね」

「それじゃあ、二人とも決勝戦に出れるんだぁ。良かった〜」


 アオバは安心するライムを不思議に思っていた。何故なら、今日会ったばかりで更には敵の相手に親友のように接しているからだ。


「あっ、そろそろ私達の試合がくるね」

「そうだね。それじゃあまた」

「うん! またね」


 元気に手を振るライムがアオバの目には嬉しく映った。


「今回も〝ファイアーボール〟を試してみるか」


 一回戦の相手は〝ファイアーボール〟で一撃で倒す事が出来た為、どれ程の威力なのか確認してみたくなった。

 準備室に入ると、容姿の整っている男性が既に席についていた。


「二回戦の相手は君かい。僕が優しく倒してあげるよ」


 相手はライムを見ると、ウィンクをする。ライムは一回戦と同様にバカにされると思っていたので、少しホッとする。


「増えてるなぁ」


 一回戦と同様に試合会場に出て周りを見渡すと、一回戦と比べて観客が少し増えていた。そして、時々観客からは「キャー!」と言った女性の悲鳴に似た声が聞こえてくる。

 どうやら相手は一部のユーザーから人気があるようだ。

 レフェリーは二人の準備が整ったのを確認すると

 

「二試合目スタート!!」


 と大声で言う。


「〝ファイアーボール〟」


 レフェリーの開始合図が聞こえると、すぐにライムは〝ファイアーボール〟を発動する。


「え?」

「は?」

「へ?」


 その五秒後、観客席からは声が漏れてしまう人が多発する。

 無理もなく、開始合図から三秒程で決着がついたからである。


「う〜ん。いまいちよく分からないなぁ」


 しかし、三秒で相手を倒した当の本人はというと、何故か考え事をしていた。


 アオバは案の定勝ち進んでいて、再び笑顔で二人は再開する事に成功する。


「ライム……何があったの?」


 アオバがその心配をする理由は、ライムを睨む視線が多くあったからだ。


「え? 別に何もないと思うけど」


 それに気がつかないライムは頭の上にハテナマークを浮かべる。


「あっ……学校の宿題やってないとか? やばっ」

「あぁ」


 ライムの人物像を認識したアオバは呆れる。それと同時に楽しくもあった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ライム大丈夫かな」


 ライムと同様に二回戦を突破したケンはライムの試合結果ではなく、他の何かを心配していた。

 何かはケン自身でも分からないが、ライムが試合に勝つことは分かっていた。


「でも、何か忘れられてる気がする」


 勘が鋭いケンの予想は見事に的中していたのであった。


 

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