第三十七話 スライムと一試合目
第二十三話とサブタイトルが似てるって? うるさい!
「アオバはいつ試合なの?」
早速Bブロックの試合は始まっていて、ライムはそれを観戦している。そして、その横に座っているのがアオバ。二人はどうにも息が合い、結局仲良くしているのである。
「私は、この次の次だった気がする」
「私と一緒だ……アオバの試合見れないの悲しい」
闘技場はマップでは一つしかないように見えて、いざ闘技場に入ると、別の空間にある闘技場へと転移する仕組みになっている為、複数の試合を一斉に行う事が出来る。
会って30分程しか経っていない少女の試合を見れない事を知り、分かりやすく悲しむライム。
「よし、それじゃあ行こっか」
「うん」
見ていた試合が終わり、自分達の試合の準備をする為、それぞれ移動をする。
準備室に入ると、一人の男性が椅子に座っていた。その横には男性と背丈が同じ程のリザードマンが立っている。
「初戦はスライムがペアか? ラッキー。シードみたいなもんだぜ」
「……」
ライムとラスの姿を見るや否や煽りをいれてくる男性だが、こんな事にライムは反論などしない。だが、心の中で決心していた。
ボコボコにしてやろうと。
試合終了の鐘が鳴り、次はライムの出番となる。
「次の試合はライムVSリーク」
「うわぁ……」
いざ試合場所に出て、周りを見渡すと、観客席はいっぱい埋まっていて緊張してくる。
深呼吸をすると、始まりの合図を待つ。
「スタート!」
司会の言葉とともに、始まりの鐘が鳴る。
リークという男性は一目散にライムの元へ来ると、強引に剣を振り下ろしてくる。
「ォラァ!」
その攻撃をひらりと躱す。続けざまに剣を振るリークだが、その攻撃は一向にライムに当たらない。
見た限り、リークのレベルは高くないだろう。
ライムはそう考えると、ラスの手を借りずに、リークを自分の力のみで倒してみたくなった。
しかし、リザードマンも一人で相手をするのは厄介なので、そこはラスに対応してもらう。
「バカじゃねぇのか? スライムでリザードマンなんて相手に出来るわけ……」
しかし、リークにはその行動が理解出来ないようで、嘲笑う。が、直後にリークがそれぞれのペア同士の対決を見ると動きが固まる。
「おいおい」
そこには、小さなスライムが大きなリザードマンと同等に、それ以上に立ち回っていた。
リザードマンから振り下ろされる大きな剣をラスはするりと躱す。そして、時折体当たりをして攻撃タイミングをずらし、時間を上手く稼いでいる。
「もういいかな?」
ライムが一言、リークに告げる。その目は誰が見ても後ずさりしてしまう程の恐怖と怒りの目をしていた。
「いや、まだやれる」
「〝ファイアーボール〟」
ライムが右の手の平を前に向けると、そこから手の何倍もの大きさの炎が出てくる。
その大きさに驚いたのか、リークは腰を抜かしてしまう。そして、そのままライムの一撃の炎によって一試合目の決着はついた。
「カンカンカン。勝者ライム!!」
試合終了の鐘が鳴ると観客席は「ウォー!」と大盛り上がりしていた。
「おい、あの技ってなんだ?」
「知らねぇよ。あんな大きな炎出すスキルなんて見たこともねぇ」
ライムの試合を見た後の一部のユーザーはそんな話をしていた。
「あんなの食らったら、相当レベルが高くないと誰だって一撃KOクラスだぞ」
「あの少女。可愛い顔して持ってるスキルはやばいぞ」
「次の試合も目が離せないな」
「あぁ」
ライムは有名人になりつつあった。
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