第三十二話 スライムへの愛
「んじゃ、経験値ダンジョン行くか」
「そうだね」
ライムとケンはいつも通り、合流すると経験値ダンジョンに向かう。
「なんか……すごいな」
ケンはライムを見てそう言う。正確には、ライムの横を歩いている二体のスライムを見て言う。
「え、なにが?」
「いや、何ってお供がどっちもスライムって、他の人が見たら驚きもんだろ」
最弱、そして最可愛だと言われている二体のスライムと歩いているライムは一段と可愛く見えた。
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「疲れた〜!」
二人はグッと背伸びをする。
「そういえばライム。ムースは今、何レベルなんだ?」
「ちょっとまってね……」
ふと、ケンが質問し、ライムはムースのレベルを確認する。
「えっとね、64レベルだよ」
「…………」
平然とした顔でライムはそう言うが、ケンは少し考えて自分の聞き間違いだと言う事に気がつく。
「ごめん、聞き取れなかった」
「64レベル!」
先程よりもライムは大きな声で言う。
「おいおい、冗談だろ?」
「冗談なんかじゃないよ。これ見てみ」
ムースのステータスをケンに見せる。ケンは数秒凝視した後、焦った様子でライムに問う。
「もしかして……ずるし」
「てない!」
ケンがの言葉を遮り、ライムは口を開く。
「ムースが来たのは一昨日だぞ? どうやったらここまで」
スライムのレベルが上がりやすい事は、ケンも重々承知である。それでも、二日でここまでレベルを上げるとなると、中々の時間が必要である。
「まず、ムースの装備製作をシュンにお願いするでしょ。その素材集め。あ、あと昨日はカールさんの手伝い。あとは……暇な時間はダンジョンに行ってたくらいかな」
ライムは二日前からの出来事を楽しそうに話す。
「ケン、何でほっぺ膨らませてるの?」
言い終わった後、ケンの顔を見ると何故か膨れっ面をしていた。しかし、ライムはそれが膨れっ面だと知らずに、ただ膨らませているだけのように見えていた。
「べ、別にいいだろ!」
急いで目を逸らすケンだが、
「次からは俺を連れて行ってくれよ」
と、小さく呟いた。
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「装備出来ました!」
モンペアをプレイしていると、フレンド通話でシュンの元気な声が聞こえてくる。
「ホント? すぐ向かうね」
目の前のモンスターを倒し、すぐにマイホームに向かうと、ベランダにシュンが座っていた。その横にルイも座っている。
二人は、すっかり親子のような関係になっている。
「これなんだけど」
ケンが持ってきた装備はスライムサイズで可愛く、とにかく可愛かった。模様は青、ではなく黄緑色でラスの装備とは違って別の可愛さがある装備である。
「ありがとう!」
「うぅん。こっちもまた作らせてくれてありがとう」
早くもケンの言っていた言葉を忘れていたライムであった。
読んで下さりありがとうございます!!
ライムは決してケンが嫌いではないです!
むしろ、すk いや、それはまだ分かりませんね。
面白い!! ★★★★★
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