第二十九話 スライムと合議
シーズン3に入ると書いといて、この話が書きたくなり、シーズン3は次の話になりました。
次は絶対に書きます!
「話し合いの内容は分かってるよね?」
モンペアの会議が始まった早々に一人が口を開く。
「あぁ。装備、スキル、ペアのこと、それと今あるスキルのことだろ?」
「そうだ。まずは装備とスキル。これは今まで進めてきた通り、進化が出来る物を作る。異論はないな? まぁ異論があろうと上の判断だから変更はないがな」
「あぁ。異論はない」
他の者も続いて頷く。
「それでは、次にペアのこと。ペアの種類を追加する。これに対して異論は?」
話を進めていた女性が見渡すと、一人手を挙げる者がいる。
「新しいペアを追加する事によって、現在人気がないペアは更に人気がなくなってしまうのではないか?」
「確かにそれはそうだな。だが、安心しろ。そのため、人気がないペアの為のイベントを用意している。これなら満足か?」
「あぁ」
手を挙げた男性は満足すると、席に着く。
「他に意見は……ないようだな」
周りを見渡しても、手を挙げる者は現れない。
「では、最後に今現在、Monsters Pair Onlineに存在しているスキルについてだが、意見はあるか?」
質問を投げかけると、先程と違い多数の人が手を挙げる。
まず、その内の一人を指名する。
「私はマークの〝特攻破裂〟を消すべきだと思います。代わりに〝飛行突撃〟などにすればよいかと…」
「この意見に賛同するものは?」
すると、会議に参加した過半数以上の人数が手を挙げる。
「では、それは後で上に伝えておこう。他に気になるスキルは?」
二度目の質問で、手を挙げる者はガクッと減る。
しかし、一人だけ手を挙げる者がいる。
「私は〝自由変化〟の修正をお願いしたいです」
その言葉に、〝自由変化〟とはなんだ? と首を傾げる者もいた。
「なぜ?」
「私は、あのスキルによって、将来的にモンペアのバランスが崩れると考えているからです」
「しかし、あのスキルはスキルの書でしか手に入らない、更にその中でもごく稀に手に入るお遊び感覚で作ったスキル。そんなものを手にする奴がいるとは……」
女性はそこまで言って、ハッと我にかえる。
「彼女はライム。そのスキルを駆使してブルーリザードンを一人で倒しています」
「あのブルーリザードンを!?」
「うそだろ……」
その言葉に会議はざわめき始める。
「ということから、私は修正を求めます」
「良いではないか」
修正を求める若い女性がキッパリと言ったタイミングで一人の男性が現れる。
「社長…」
「そのライムとやら、まだ大きなイベントで目立った事はない。後から考えてみよう」
「ですが社長」
「それに…それを見るのも実に面白い」
社長は若い女性の言葉を遮り、口を開く。その顔は奇妙な顔であった。
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「ヘックション!」
茜はテスト中に大きなくしゃみをして、周りからの視線を集める。
「あちゃー、誰かが私の噂をしているのかな」
茜は頭を掻くと、再びテストに取り組んだ。
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