第二十八話 スライムと試合後
「ウォーー!!」
村では大いに盛り上がっていた。
それもそのはず、マーク、レオンがいる中で名前の挙がっていなかった少女が優勝したからである。
「はぁ…よかった」
村のモニターから少し離れた場所でケンは胸を撫で下ろしていた。
「はぁ…よかったわ」
ケンの言葉と同じタイミングで横から聞き覚えのある声が聞こえる。
「えっ」
「あっ」
ケンとルイは声が聞こえると同時に目を合わせる。
村のモニターから少し離れた場所でも人は割と多くいた事や、モニターを見る事に集中していた事もあり、お互い隣にいた事に気が付かなかった。
「ルイさんも来てたんですね」
「勿論よ。ライムの優勝を見届けたかったからね」
「あっ! お兄ちゃんだ!」
ルイの背中から覗くように現れたのはシュンである。その様子を見たケンはまるで親子のようで少し笑ってしまう。
「シュンもいたのか」
「うん! ライムお姉ちゃんカッコよかった!」
「ハハッ。そうだな」
三人は村でライムが帰ってくるのを待ち、暫くすると、ライムは村に転移してきた。
「ライム! よかったな!」
「うん! ありがとう」
四人は他愛もない話をしながらマイホームへ歩き出す。
「そういえばライム。スキルは何を選んだの?」
ケンはライムにしか聞こえない程の声で聞く。
「それはね……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おめでとうございまーす!」
決勝戦が終わった後、再びルーレットの場所へ転移する。
周りを見渡しても、そこにいるのは女性とライムのみ。
「それでは、この中から欲しいスキルを選んで下さい」
女性は何やら操作をすると、スキルとその詳細が書かれた画面がライムに映し出される。
「〝ファイアーストーム〟はどこかな」
ライムは〝ファイアーストーム〟を必死に探す。
「あった!」
お目当ての〝ファイアーストーム〟を見つけるが、すぐにそれを選択する事が出来ない。
「ファイアーボール」
考えていると、ついそれを口に出してしまう。
ライムが悩んでいるのは〝ファイアーボール〟というスキル。
〈ファイアーボール〉
消費MP10
対象の敵一体に攻撃をする。威力はユーザーとお供のレベルに依存する。
「うぅん…どうしよう」
ライムは悩みに悩んだ末、〝ファイアーボール〟を選択した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「それはね…〝ファイアーボール〟だよ」
ケンの耳元で囁くようにライムが言う為、ケンは顔を真っ赤にする。
「ファイ、良かったのか? 憧れだったんだろ」
「うん! 今も憧れではあるけど、憧れの存在はスキルじゃなくて、ルイさんだしね」
「そうか、ライムがいいなら大丈夫だな」
「二人で何をコソコソ話しているの?」
ルイが二人で話をしている事に気付く。
「いやぁ…なんでも」
「スキルの話ですよ!」
ライムがケンの言葉を遮るように喋る。
「なんだぁ….隠す事ないじゃん」
ケンは顔を少し赤らめる。
「僕達にもスキル、おしえて!」
シュンが元気にそう言う。
「うん!」
暫く四人で仲良く話をした後、ケンが再び小さな声でライムに。
「さっき言いづらかったけど〝ファイアーボール〟って炎の魔法の中で一番弱いぞ」
と申し訳なさそうに言った。
「ええっー!!」
皆さん読んで下さりありがとうございます!!
面白いと思ったらブックマークをお願いします!
そして、広告下の評価の★を押してない人は 星一を 既に押している人は一つでも増やして下さると嬉しいです!
勿論、★★★★★はもっと嬉しいです!
次回はシーズン3になります。お楽しみに!!




