第二十三話 スライムと第一回戦
「ウォォーー!! 」
男達は兎を追いかけるが、兎の足が速い為、なかなか追いつけない。
ライムは周りの人が兎を追いかける様子を見て、状況を理解する。
兎を沢山捕まえた者の勝ち、というルールであるとライムは推測するが、一回戦と言っていたこともあるので、この試合が終わっても戦いは続くと思われる。
ライムが追いかけ始めたすぐに画面の右端に【ランキング1位マーク 1匹】と写される。ランキングは10位まであるが、今はまだ一人だけしか写されていない。
「まずい、急いで捕まえなきゃ」
どうやら、兎を捕まえた人が現れたらしい。その後も次々と兎を捕まえる人物が現れる。周りを見ると、他の人はお供と協力をしたり、スキルを駆使していたりしている。
「私もスキルを使わなきゃ」
ライムもただ追いかけるだけではダメだと判断し、急いで自分のスキルを確認するが、これといってピンとくるスキルがない。
しかし、ラスのスキルは違った。それは、〝自由変化〟のブルーリザードである。
ブルーリザードは速足兎と比べ、少し上回る足の速さを持っている。
「でも、使うと二回戦が心配だな… 」
自由変化の消費MPは100 使えばラスのMPはほとんどを使い、二回戦に使えるMPがなくなってしまう。
【ランキング1位マーク 9匹】
【ランキング2位レオン 7匹】
【ランキング2位ヘクター 7匹】
【ランキング4位ゼイン 6匹】
【ランキング4位アイゼ 6匹】
【ランキング4位エドガー 6匹】
【ランキング7位アイシャ 5匹】
【ランキング8位ケイ 4匹】
【ランキング8位ノーラン 4匹】
【ランキング8位シモン 4匹】
悩んでいる間にも次々と兎は捕まえられていく。
「うぅん、悩んではいられない」
首を振り、ラスの〝自由変化〟を使う。
砂埃が収まると、ラスの姿はブルーリザードへと変わっていた。
「よぉし! ラス、いくぞー! 」
ライムは活気を取り戻し、兎を追いかける。ライムは追いかけても意味はないが、ラスは追いかけると、速足兎をあっさりと捕まえる。
「速いよー」
ライムはラスが何処に行ったか見失わないように走って追いかけるが、速さに追いつけず、見失ってしまう。
ライムは1匹も捕まえていないが、ライムの順位はグングンと上がっていく。
「やったぁ! 来た」
ラスの元に歩いて向かっていたライムに他の人から逃げてきた兎がくる。ライムは急いで兎を抱き上げる。
「あれ!? 」
しかし、兎は触っただけで、すぐに姿を消してしまった。
ライムは少し残念がるが、イベントだということを思い出し、再び兎を追いかける。
「皆さん、お疲れ様でーす! 」
一回戦の時間が終わると、ルーレットを回した場所に再び転移する。
「ふぅ〜やっと終わった… 」
ライムは一時的に1位に上がったものの、ラスの〝自由変化〟の時間が終わってしまったのか、兎が捕まえられなくなった。
しかし、ブルーリザードは兎を沢山捕まえた為、3位という結果で終わった。
「一回戦で、人数を20人に絞るので、上位20名の方は二回戦に進みまーす! 」
ライムは辺りを見回すが、一回戦前と比べて人数が大幅に減っていた。
「既に上位20名でない方は村へ転移させていますよー! 」
ライムの心情を読むように女性はそう言う。
「それと、HPや MPは全回復していますよー! 」
ライムはその言葉を聞いて一番の不安がなくなる。念の為確認すると、しっかりMPは満タンになっていた。
「何か質問がある人はいますかー! 」
周りを見ても、手を挙げる人は現れない。
「それじゃあ二回戦のルーレットを始めまーす! 」
女性は手を挙げる人が現れないと分かると、ルーレットを回し始めた。
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