第十四話 スライムと装備製作②
今回からスキル名に〝〟を付けます。
「ふぅ〜疲れたな。あと半分!」
ライムはラスの体当たりを駆使して、ブルーリザードを5体倒していた。
「よし、ここからはラスの新しいスキルを使ってみよう」
ライムはMP回復のポーションを取り出し、ラスのMPを満タンにする。
「そういえば、さっきから地震が起きてるような気がするな」
ライムは少しずつ大きくなる地響きを感じ始めていた。
「まぁいっか。このままスキルを使って倒すぞー!」
そう気合を入れ、顔を上げると100メートル程先にブルーリザードとは違う、大きな青い竜が立っていた。その竜は歩みを止めず、ライムに近づいて来る。
「あれって…ブルーリザードン!?」
ライムに近づいて来る竜は、このマップに稀にスポーンすると言われるブルーリザードン。
ブルーリザードンはブルーリザードの何十倍もの強さを誇っているが、ドロップする蒼の鱗も10個と上級者パーティーには人気の竜である。
「タイミングピッタリ!悪いけど、実験台になって貰うよ」
ライムは上級者が束になって倒す程の強さだとは知るはずもなく、ブルーリザードンを見て、恐怖を覚えたり、驚いたりする事なく、逆に喜びを感じていた。
「ラス、自由変化!」
ブルーリザードンが今にもライムに襲ってきそうな距離になった時、ライムはラスのスキルを発動する。
『どのモンスターに変化しますか?』
ライムがラスのスキル名を発すると、機械のような声のそんな問いかけが返ってきた。
「え?あ、そっか。モンスターを選ばないといけないのか」
ライムは急いでブルーリザードンと距離を取る。幸い、ブルーリザードンはスピードが速くない。
「えっと…何と変化できるのかな」
ライムは自由変化の詳細を見る。
〈自由変化〉〔特殊スキル〕
消費MP100
お供のスライムが一度攻撃したモンスターに変化することが出来る。ステータス スキル その他全てがそのモンスターと等しくなる。一度使うと10分間そのモンスターに変化でき、自由に元に戻すことは出来るが、一度使うと1時間使えなくなる。
変化可能モンスター
ゴブリン スケルトン ガルム 毒蜘蛛 バタフライ
レッドドラゴン
獲得条件
スキルの書
「へぇ〜結構変化出来るモンスターいるじゃ…ってレッドドラゴン!?イベントのやつかな?」
ライムはスキルの詳細を確認し、ブルーリザードンの元へ行く。
「気を取り直してラス、〝自由変化〟《レッドドラゴン》」
ライムは深呼吸をしてから、そう言う。
すると、ライムの隣にいるラスが光り始める。さらに、ラスの周りに砂埃が発生する。
「え!?カッコいい…」
砂埃が止むと、小さなスライムだったラスの姿が、大きなレッドドラゴンに変化していた。
レッドドラゴンはブルーリザードンとは比にならない大きさであり、何度見ても物凄い迫力である。
ラスを見下ろしていたブルーリザードンだったが、今度はラスを見上げる側へと変わった。
「キャァーーン」
甲高い声でそう叫ぶブルーリザードン。叫びの後、ブルーリザードンはラスに青い炎を食らわす。
その攻撃を食らっても、ラスは一切物怖じない。その反撃のようにラスは右手を振り下ろす。
反撃を食らったブルーリザードンは体勢を崩して横へ倒れてしまう。
「一撃であんなにダメージを…」
ラスの攻撃を食らったブルーリザードンは半分近くHPが減っていた。
「スキルも使ってみたいな」
ライムはラスのお陰でブルーリザードンの攻撃を食らわないと確認し、ステータスを見る。
ラス(スライム《レッドドラゴン状態》)
Lv 100
HP 4830/5000
MP 1000/1000
ATK 3000
DEF 3000
SPD 500
スキル
威嚇 火炎尾 火炎の吐息 飛行突撃 チャージボール
「何これ…流石に強すぎるって」
ライムはスキルを見る為に、ステータス欄を開いたが、ステータスの高さに驚いていた。
「そうだ、スキル。どれにしようかな〜」
ライムは本来の目的を思い出し、スキルを選ぶ。そして心の中でそれを決めると、ラスに向かって大声で叫ぶ。
「〝火炎の吐息〟」
ライムがそう言うと、ラスの喉元が少し赤く輝く。そしてすぐにブルーリザードン目掛けて炎が浴びせられる。
それを見ていたライムはあまりの迫力に、声も出せずにいた。
スキルが終わり、炎がなくなると、そこにブルーリザードンの姿は無く、その代わりに経験値と蒼の鱗がドロップしていた。
「倒したんだ…」
あまりの迫力にライムは腰が抜けてしまい、その場所に座り込んでしまう。そしてそのままスヤスヤと眠ってしまい始めた。
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今回のいらない一点豆知識 正直もう豆知識のネタない




