第十三話 スライムと装備製作①
ライムはこの四人で過ごす生活に慣れ始めていたが、一つ疑問に思っていることがあった。
「シュン君っていつも何やってるんだろ…」
そんな事を思いながら、マイホームへと向かう。
「おっライム。遅かったな」
「ごめんね。考え事しながら来ててさ」
二人は合流するや否やダンジョンへと歩いて向かう。
「ケン、聞きたいことがあるんだけど…」
ライムの問いかけにケンは少しドキッとする。
「どうした?」
「シュン君っていつもモンペアで何やってるのかなって思って」
「そういう事か。シュン君の役職は知ってるよな?」
「ん?役職?」
「前のアップデート内容きちんと見てた?」
「ごめん、お供の装備追加しか見てなかった…」
ライムの言葉に呆れるケン。
「シーズン2になって役職が追加されたんだ。追加された役職は、鍛冶職 調理職 収集職。 そして俺らが戦闘職」
ケンはその後、ライムにそれぞれの職業の詳しい点も説明する。
戦闘職 戦闘に特化していて、モンスターの素材集め等で活躍する。
鍛冶職 装備やその他の物を製作する。装備の強さは素材に依存する。
調理職 食料を作る事が出来る。その食料は戦闘等にも持参する事が可能となり、食べる事でHP回復や、一時的なステータスの強化等が出来る。食料の強さは素材依存。
収集職 鍛冶職や調理職で使う素材を集める事に特化している。
「結構、凄い事になってるね」
ライムは頭の中がゴチャゴチャになっていた。
「お前、本当に分かっているか?まぁとにかく、それでシュンは鍛冶職」
「へぇ〜じゃあ今は装備とか作っているの?」
「いや、それが収集職が不人気でな。素材がなくて作れないらしい。シュン、結構それで落ち込んでてな」
「そうなんだ…」
ライムは自分の事のように落ち込み下を向く。しかし、すぐに何かを思いついたのか顔を上げる。
「それじゃあ、私達で素材を集めて装備製作を頼まない?」
「いいなそれ。明日は丁度土曜日だし、シュンに聞いてみよう」
次の日
「シュン、一つお願いがある。」
「どうしたの?」
「良かったら、シュンに武器を作って欲しいんだ」
「え、いいよ!!」
シュンは一瞬困惑するが、すぐに返事をする。その時のシュンの顔はとても嬉しそうだった。
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二人は新しく追加されたマップ【リザード平原】に来ていた。
「それにしても、場所が一緒で良かったねぇ」
「マップは一緒だけど、場所は違うぞ」
「え、そうなの?」
「そうだ。お前はマップを四つに分けた中の、右上。俺は左上だからな」
リザード平原は場所により現れるモンスターが違う。
右上がブルーリザード 左上がレッドリザード 右下がイエローリザード 左下がグリーンリザード
ライムはシュンにスライムに似たような装備を依頼している為、必要な素材はブルーリザードを。ケンはカッコ良さ目当てに赤色の装備を依頼している為、レッドリザードを目的としている。
「ここでお別れだな。それじゃあ」
「うん、またね」
二人は手を振り、それぞれ歩き出す。
暫く歩き、周りを見回すと、ポツポツとブルーリザードがいるのが分かる。
ライムが一番近くにいたブルーリザードの元へ行くと、ブルーリザードは物凄い速度で走り出す。
「えっ!?え?」
ライムは倒すのが簡単だと思っていた為、少し困惑する。
「速いっ!」
ライムでは到底追いつかない程のスピードで走るブルーリザード。そして、時折ライムに対して体当たりをしてくる。
「これを10体も倒さないといけないのか…」
ライムはブルーリザードがドロップする蒼の鱗×10を目的としていた。蒼の鱗はブルーリザードが必ず一個ドロップする。
「でも、こっちにも手があるよ。ラス、体当たり!」
ライムはブルーリザードが体当たりをしに近づいて来た時に、ラスのスキルを発動する。ブルーリザードはラスの体当たりを受けると、少し怯む。その隙にライムはすぐにブルーリザードの体へ剣を命中させる。
「ギャァーーン」
ブルーリザードは体力が無くなる直前にそんな叫びをする。
「わっ!?どうしたの?」
1秒程の叫びの後、ブルーリザードは倒れ、そして蒼の鱗もドロップした。そして一緒にある情報も流れてきた。
【ラスのレベルが105に上がりました。】
「これってもしかしたら…」
ライムはケンと経験値ダンジョンへ毎日向かっていた為、ライムと同様にラスのレベルも中々に上がっている。
しかし、今回のレベルアップはいつものレベルアップとは違い、ライムはずっと楽しみにしていた。
ライムは周りにブルーリザードがいない場所に着くや否や、ラスのステータスを確認する。
ラス(スライム)
Lv 53
HP 126/132
MP 95/100
ATK 94
DEF 89+10
SPD 91
スキル
自由変化〔特殊スキル〕
体当たり
食いしばり
「やったぁぁぁ!!!」
ライムはステータスを確認すると、跳ね上がり、ガッツポーズをする。
ライムが楽しみにしていたのは、スキルの自由変化を使う事である。
「楽しみだな〜」
ライムが喜びを噛み締めていた頃、ライムの少し離れた場所では、大きな地響きがしていた。しかし、ライムはその音に気が付いていなかった。
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今回のいらない一点豆知識 シュンの身長135センチ




