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菜の花や(字足らず)
菜の花や(字足らず)
菜の花があれば、人はその前で踊る。
親切な本、あるいは不親切な人に囲まれた著者の本は、常に既知の事柄の再定義ないし再確認から始まる。三百年前の人間が数十頁かけておこなったことを、現代の人間も繰り返す。
そうしなければならない程、無責任な本が溢れてしまったからだ。
我々も、書かなくて良いならば書きたくはない。書けば書く程に論は歪む。完成された物をただ提示し、それが十全に伝わることが理想だ。
それが叶わないことへの嘆きを一言で表すならば、「菜の花や」とでも言うべきか。




