79/111
隔り世の対岸の道向こうの知らない人に見覚えがある
隔り世の対岸の道向こうの知らない人に見覚えがある
隔り世(かくりよ)は一般的には「隠り世」「幽世」とも書きますが、神道などにおける死後の世界のことです。
臨死体験をした人が、三途の川の対岸に死んだ家族がいるのを見ることがありますが、自殺を図った母親が見たのは我が子ではなく、見知らぬ誰かでした。
一命を取り止め、目が覚めてから、彼女は考えます。
あれは本当に 我 が 子 で は な か っ た のでしょうか?
母親が気付いた時には、もう自分の子どもの顔すらも思い出せなくなっていたのです。




