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earphoneを左の耳にだけはめて聴かされていたmonauralの曲
earphoneを左の耳にだけはめて聴かされていたmonauralの曲
この連作短歌が創られた時代は正確にはわかっていませんが、過去の記録を辿ると、平成初期にこの連作に触れた最古の文章が出てくるそうです。
2つ前の短歌でルンバが登場しましたが、それとほぼ同時期に発売されたのがiPodという音楽プレーヤーで、当時は大流行していたようです。時代を感じますね。
iPodにはスピーカーがついておらず、イヤホンをつけて音楽を聴くのが一般的でした。当時の人の記録では、iPodの曲を他人と一緒に聴く時は、イヤホンを片方ずつ付けていたそうです。
生前の我が子にiPodで聴かされていた曲。亡者のように過去の記憶に縋る母は、イヤホンの片方をだらりと垂らしたまま、誰もいない空間に肩を寄せ、暗がりで音楽を聴き続けます。
誰の耳にも入っていないイヤホンから、小さな音を漏らしたまま。




