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香典に入れた指輪は焼かれたとも、売られたとも、棄てられたとも
香典に入れた指輪は焼かれたとも、売られたとも、棄てられたとも
この連作短歌は、事故に遭った子どもの母親の視点から書かれています。
事故に遭った子どもの葬式にやってきたクラスメイトを見た親は思います。
どうして他所の子ではなく、どうして自分の子どもが――と。
我が子の友達に対してそんな恐ろしい思いを抱いてしまったことに、自分自身でショックを受ける母親。
それでも感情は抑えきれず、子どもの友達が香典袋に入れた玩具の指輪を見て、その思いは頂点に達します。
天国へ旅立つ我が子のために譲ってくれただろう宝物を、自分はどこへやったのか。
その記憶すらを失う程に。




