『人は右/車は左』(詠み人知らず)
皆さんは短歌という物をご存知でしょうか?
短歌は五・七・五・七・七の三十一音で作られた伝統的な短詩形です。
俳句の五・七・五よりも十四音多く、俳句と違って「季語」がいらない等の特徴があります。
俳句より長いといっても、たったの三十一音で気持ちを伝えるのは難しい、そう思いませんか?
そんな時に、複数の短歌を一纏まりにして、物語や歌曲のような形にしてしまえるのが連作短歌です。
今回ご紹介する『人は右、車は左』は、タイトルにもなっている「人は右」と「車は左」が何度も出てくる、一見、陽気な童謡を思わせる連作短歌です。
しかし実は、短歌には文字通りの意味を表す他に、比喩や同音異義語で別の意味を隠し持たせることがあるんです。
この『人は右、車は左』は二十三個の短歌で作られていますが、これを最後の二十三番目から逆順に読んでいくと、隠された本当の意味が見えてきます。
その隠された意味とは――「交通事故で死んだ子どもを思う母親の悲しみ」。
そして「徐々に進行していく狂気」。
この連作短歌は、実際に起きたいくつかの事件をモデルにしているという噂もあります。
一体どういうことなのか、一つずつ解説していきましょう。




