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手遊びに撥ねとばされるミニカーの裏の名前は掠れて薄く
手遊びに撥ねとばされるミニカーの裏の名前は掠れて薄く
「手遊びに撥ねとばされる」という状況が今一わからないが、子供が振り払うなり、弾くなりして、ミニカーが引っくり返ったのだろうか。一つ前の歌とは逆に、人が車を虐げているのは対比だろう。
ミニカーの裏面に書かれた名前が消えかけているのは、「過去から今へ」の点と点を繋いでいるが、「薄く」という表現が、完全には消えていない名前の「未来」を想像させる。
この子供はミニカーの名前が掠れて消えるほど、長くこのミニカーで遊び続けたのだろうか。ひょっとすると、ミニカーの裏に書かれていたのは、この子の親の名前かもしれない。そうすると、ミニカーはこの子の更に子にも受け継がれていくのかもしれない。